『どのみち、我々の勝ちだ! もう間もなく、最終砲撃がジェネシスから放たれる!』
『なに!?』
ダハウの言葉に、義之は驚いた。
まさか、もうすぐとは思っていなかったのだ。
『私の名は、世紀の大罪人として歴史に残るだろう……だが、必要なことなのだ! あの地球という星がある限り、我々のような立場の者が必ず現れる! そうなる前に、私が終わらせる!!』
『させるかっ!!』
ダハウ機のライフルを避けると、義之機は背後に来たドラグーンをビームサーベルで両断し、更にビームを撃った。そのビームは避けられたが、ダハウ機のドラグーンは残り僅かになった。
しかし
『我が命尽きようとも!!』
ダハウは止まらず、ドラグーンとライフルを一斉に撃った。
その弾幕を、義之は機体を隙間に滑り込ませて掻い潜る。しかもライフルを連射し、強引にでも隙間を空ける。
『そんなこと、させるかあぁぁぁぁ!!』
今も、地球では数十億人もの人々が必死に生きている。
その手で、未来を切り開こうとしている。だというのに、それを遮らせる訳にはいかない。
『ダルクス人の気持ちも分かる! だが、未だに地球に残っているダルクス人のことはどうするつもりだ!?』
『同胞殺しの罪は、私が背負おう!!』
義之の問い掛けに、ダハウはそう答えながら義之機に蹴りを放った。
それを義之は回避したが、その先ではドラグーンが砲口を向けていた。
『くっ!? がっ!?』
ドラグーンの砲撃は辛うじて避けたものの、ダハウ機の蹴りは避けられなかった。
しかし義之は、一撃を受けながらもビームサーベルを逆手持ちで抜刀。ダハウ機の右足を切り飛ばした。
『ぬっ!?』
『その気概があるのなら、なんで他の方法を考えなかった!? 他にもあったはずだ!!』
義之は叫びながら、持ち替えたビームサーベルを一閃し、頭を切り飛ばした。
『なんとしても……阻止してやらぁ!!』
義之はそう叫び、ビームサーベルのリミッターを解除。
倍以上に伸びた光刃を、ダハウ機に突き出した。
『ぐうっ!?』
ダハウは自機を後退させて避けようとしたが、間に合わず
『
ビームサーベルは、ダハウ機の胸部を深々と貫通していた。
そして、義之機がビームサーベルを放して離れた数瞬後、プロヴィデンスは爆散した。
同時刻、ジェネシス内部
『ここか……』
直哉機は、ジェネシスの中心部に到達した。
爆発させる核をカートリッジ形式にして、複数個同時に爆発させてガンマ線のみを外に出すための機構。
まさに、ダルクス人の叡知の粋が集まった区画だ。
その機構を徹底的に破壊すれば、発射出来なくなるだろう。
しかし、何時発射されるのか分からないのに、一つずつ破壊するには時間が足らない。
だから直哉は、出来るだけ中心部に近付くと、操縦悍下のコンパネを叩き、キーボードを出した。
それを視認した直哉は、キーボードを素早く叩き始めた。
テスタメントの常温核融合炉の安全装置を解除して、暴走・自爆させるためである。
『安全装置……解除……核融合炉、暴走開s……』
と直哉が呟いていた、その時だった。
『直兄!!』
と聞こえない筈の声が聞こえた。
そこに一機のMS、山吹色の龍閃が来て
『生きようよ、直兄!!』
と再び、
『唯依……連れてきていたのか……』
『ああ……篠ノ之博士の薦めでな……』
その時になって分かったが、よく見れば唯依機のコクピットブロックが僅かに大きくなっている。
どうやら、二人乗り仕様のようだ。
『よく、退かせたな……』
『忘れてないか? お前の隊には、現場での工作と電子工作が得意な奴が居るだろう……』
直哉の問い掛けに、唯依はそう答えた。
通路にて直哉は、ディバインストライカーをクロー形態にして展開し、突起部分を掴ませて妨害にしてきた。
しかしそれを、ラウラと簪が協力して、機体のケーブルを繋いだ後にハッキング、クロー形態を解除させたのだ。
『直兄……確かに、私達は強化人間で、普通の人みたいに生きられないよ……寿命だって、短い……けど、最後まで生きようよ……人間らしく……』
円夏のその言葉に、直哉は俯き
『俺は……俺は……』
と呟いた。