一夏とシャルロットはウォータースライダーから出ると、次のプールへと向かった
到着したのは、巨大な8の字状の流れるプールだった
「結構、流れが早いね……」
「だな。それに、人も多い」
二人が見ている先では、結構な人数が早いペースで左から右へと流れていっている
もし、普通に入ったらはぐれてしまうのは簡単に予想出来た
そして、一夏が周囲を見回していると、一カ所で浮き輪の貸し出しをやっていた
「シャル、アレだ」
「え? ……あ、なるほど」
一夏の言葉を聞いて一瞬首を傾げるが、すぐに意図を察してシャルロットは頷いた
そして、二人で近づいて一夏は手首に付けていたバンドの板の裏に刻印されているバーコードを読み取らせて、浮き輪を一つ借りた
そして、プールに近づいて浮き輪を水面に浮かせると
「シャル」
「うん!」
シャルロットは浮き輪に座るように乗り、一夏はそれを確認すると、自身もプールに入って浮き輪を押して流れるプールに入った
形としては、シャルロットの乗った浮き輪が先頭になり、一夏が引かれているように見える
だが、実際は一夏が押している
「ねえ、大丈夫? 僕重くないかな?」
心配になったシャルロットが問い掛けると、一夏は笑みを浮かべて
「大丈夫だって。シャルロットは元々軽いし、水に浮いてるから、重さなんて感じないさ」
と一夏は笑みを浮かべた
実際問題、シャルロットは同年代の平均より軽く、しかも水面に浮き輪で浮いているので、大して重さは感じない
そして押していると、シャルロットが
「一夏、この先で二つに別れてるよ」
とシャルロットが告げた
それを聞いて、一夏は少し体をズラして先を見た
すると、確かに先で左右に別れていた
右側の方は、どうやら少し下り坂になっているらしい
しかも、流れが少し急らしく、人も少なかった
一夏は少し考えると、シャルロットに視線を向けて
「シャル、中に」
と端的に言うと、シャルロットは一夏の意図を察して、浮き輪の穴に入った
そして、二人して右側へと向かった
その直後、二人は倍近い速度で流れ始めた
「結構早いな!?」
「だね! これは、結構怖いかも!」
二人が驚くのも、無理はない
二人が居るのは、どうやら地下になっているらしく、薄暗い
しかも、左右の壁に取り付けられているライトが残像すら残す勢いで前から後ろに流れていく
正直言って、このルートを考えた奴の正気を疑うレベルである
だが、スリル満点で二人は楽しんでいた
しばらく流されていると、少しずつスピードが落ちてきていた
しかも、前方に光が見えてきた
どうやら、出口が近いらしい
「一夏!」
「ああ、見えてる!」
シャルロットが指差すと、一夏は頷いた
その数秒後、一夏とシャルロットは光へと飛び出した
最初は眩しくて目元を手で翳していたが、すぐに視界は治った
そして、前を見ていると
「お疲れ様です。大丈夫ですか?」
と係員が声を掛けてきた
前方を見ると、遮断機が降りている水路が見えた
どうやら、そこから合流するらしい
そして数秒後、遮断機が上がり
「どうぞ、進んでください」
と係員が告げて、二人は前に進んで合流した
そして後方を見ると、二人は顔を見合わせてから
「もう一回行く?」
「ああ!」
と笑いあった
まだ、プールデートは終わらない