直哉と唯衣の二人は、泣き止むと手早く食事を終わらせて、さっさとフードコートから去った
そして、人気の無い場所まで移動すると
「すまない……みっともない姿を見せた」
と唯衣は頭を下げた
「いや、唯衣だって人間なんだ。泣くのは普通なんだ」
直哉がそう言うと、唯衣は微笑みながら
「そう言ってくれると、助かる……」
と言うと、深呼吸してから
「では、次はどこに行こうか?」
と直哉に問い掛けた
すると直哉は、端末を取り出して
「どこにするか……」
端末に表示されてるマップを見ながら、考え始めた
すると、隣から端末を覗いていた唯衣が
「ここはどうだ?」
と一カ所を指差した
「ふむ……行こうか。距離も近いようだ」
唯衣の指し示したアトラクションを見て、直哉はそう言った
唯衣が指し示したアトラクションは、所謂乗り物系だった
数分後、直哉と唯衣の二人は目的の場所に到着
列に並んだ
「しかし、本当に結構な数のアトラクションがあるな」
唯衣がそう言うと、直哉が端末を取り出して
「遊園地エリアだけでも31個有って、全部合わせると、優に百を超えるな」
と答えた
すると、唯衣は感嘆の溜め息を漏らして
「本当に多いな……1日では遊び尽くせないな」
と言った
すると直哉は、端末に表示されてるマップの一カ所を指差して
「だからここに、大きなホテルまで建てたらしい。まあ、日を跨いで遊びに来る人は少ないらしいがな」
と言った
直哉は気づいていないが、このさくらパークに一夏とシャルロットが来ており、まさしく日を跨いで遊んでいた
「よくここまで大きくしたものだ」
「本当にな」
唯衣の感心したような言葉に、直哉は同意して頷いた
そのタイミングで
「次の方、どうぞ」
と促されて、二人は入った
そして、中に入ると卵型の乗り物に二人で入った
「本日はお越しいただき、誠にありがとうございます。これより、フェイトスカイのご説明を致します」
係員は一礼すると、横のモニター画面を操作した
すると、《フェイトスカイ》というアトラクション名から、説明へと変わった
「このフェイトスカイは、これから空への旅を始めます。お客様方はしっかりとベルトをお締めになり、決して身を乗り出さないようにお願いいたします。尚、最後には隣に座っている方同士で相性を計り、運勢を占います。お楽しみにしてください。それでは、ごゆっくりとお楽しみくださいませ」
係員が一礼すると、ジリリリという音がしてから、二人が乗った座席がゆっくりと動き出した
そして少しすると、ゲートを超えて青い空が見える空間に出た
「これは凄いな……室内だというのに、本物の空みたいだ」
と唯衣が感嘆した様子で言うと、直哉が頷いて
「本当にな……恐らく、さくら様辺りの技術かな?」
と言った
「さくら様とはもしや、大統領の芳野さくら様か?」
唯衣が問い掛けると、直哉は頷いた
「ああ……さくら様は大統領だが同時に、風見総合学園の学園長でもあるし、生粋の科学者でもあるんだ」
直哉の説明を聞いて、唯衣は感心したように頷いて
「色々やっている方なんだな」
と呟いた
「ああ……それに大のイベント好きでな、一年に四回は必ず何かしらの催しを行うな」
直哉はそう言うと、端末を取り出して操作してから唯衣に見せた
「これは?」
「去年7月に行われた天の川観察だな。わざわざ、島中の電気を消して、天の川観察をしたんだ」
「研究者らしいイベントだな」
直哉の説明を聞いて、唯衣はそう言った
すると、直哉は再び操作して
「他には、大コスプレ大会や島全体を使ったマラソン大会なんかだな」
と見せた
そこには、色々な服装の人達が街中に居たり、ゼッケンを付けた人達が走っているのが写っていた
「本当にイベント好きなんだな」
「ああ……だからかな、三期連続で当選してるな」
直哉の言葉を聞いて、唯衣は頷いて
「人気になるのも頷ける」
と言った
そして、少しの間アトラクションを楽しんでいると、終わったようで、二人が座っていた座席は速度を緩めた
すると、機械音声で
『お二人の相性は良好です。ですが、前途多難な道と残酷な真実が待っているでしょう』
と占い結果が告げられて、二人の間のスリットから紙が排出された
それを取ると、同じ内容が書かれてあった
そして、座席が止まると
「お疲れ様でした。隙間に注意して、ゆっくりとお降りください」
と係員は言いながら、二人のベルトを外した
そして、直哉が先に出てから、唯衣に手を貸して立たせた
「さて、次はどこに行くか」
直哉はそう言うが、唯衣は
(残酷な真実とは、一体……)
と紙に書かれてある占い結果が気になっていた
「唯衣?」
直哉が呼ぶと、唯衣は我に帰り
「いや、大丈夫だ」
と返答すると、次のアトラクションへと向かった