流れるプールから出た後、一夏とシャルロットの二人は昼食を終えた
そして、次のプールを決めかねていた
「次はどうすっか……」
「そうだねぇ……」
二人はマップを見ながら、唸っていた
すると、シャルロットがマップの一角を指差して
「ここはどうかな?」
と提案した
それを見て、一夏は少し考えてから
「OK、行くか!」
と言うと、目的地目掛けて歩き出した
歩いて数分後、一夏とシャルロットは目的地
波の起きるプールに来た
どうやら、丁度波が発生する時間らしく、かなりの人数が集まっていた
「凄い人数だね……」
「そうだな……はぐれないように、手繋ぐか」
シャルロットの言葉に同意すると、一夏はシャルロットの手を掴んだ
それだけで、一夏に恋する少女、シャルロットは鼓動が早まり、顔が赤くなった
そして、一夏が先導する形で二人は中腹辺りまで進んだ
中腹辺りの人口密度はかなり高く、二人はほぼ抱き合っているような形になっている
なお、この時点でシャルロットの鼓動はマックスに鳴り響き、顔も真っ赤になっていた
軍人としては、本来だったら落ち着くべきだろう
だが、シャルロットにとってはそんな事は二の次である
意中の人物である一夏と、抱き合っている
それにより、シャルロットは半ば妄想の中に浸っていた
その時だった
「シャル!」
と一夏が呼ぶ声がして、シャルロットの意識は現実に回帰した
その直後、シャルロットの顔に波が当たった
「わぷっ!?」
「大丈夫か? 波が起きるって、放送があったろ?」
どうやら妄想に浸る余り、放送を聞き逃し、波の直撃を受けたらしい
(うわぁ……! やっちゃったぁ! 一夏にアホな子って思われてないかな!?)
と半ばパニックになっていると、再び
「来るぞ! 跳べ!」
と一夏が言って、シャルロットは反射的にジャンプした
すると、波を飛び越える形になり、不思議な感覚がした
フワリと低重力に浮く感覚だった
感覚としては、エレベーターに近いものがあった
それがなんだか楽しくって、シャルロットは年相応の笑みを浮かべて
「アハハハ! 楽しいね、一夏!」
「ああ!」
シャルロットの笑みを見て、一夏は満足そうに頷いた
シャルロットの笑みは、一夏が望んでいた笑みだった
何にも縛られずに、一人の少女としてのシャルロットとしての笑み
その笑みを見られて、一夏は満足した
数分後波が止まり、二人はなんとか波の起きるプールから出た
だが、シャルロットは自分の水着が軽く引っ張られていることに気づいた
不思議に思い、シャルロットは背後に視線を向けた
「あれ、君は……」
そこに居たのは、一人の小さい女の子だった
大体、六歳位だろう
不安げに瞳を揺らしている
「どうした?」
同じく女の子に気づいたらしく、一夏がしゃがんで目線を合わせながら女の子に問い掛けた
すると、女の子は目尻に涙を浮かべながら
「なのはママ……居ないの……」
と呟くように言った
「そっか……一夏」
「ああ、探してやるか」
シャルロットの意を汲んで、一夏はそう答えた
もちろんのことだが、このプールエリアにも迷子センターはある
だが、その迷子センターは少し離れた場所に有り、今から行ったら、この近くに居るだろう母親とすれ違ってしまう可能性が高い
それだったら、この近くで探した方が見つかる可能性は高い
そして、一夏は女の子に視線を合わせると
「君の名前は?」
「……ヴィヴィオ」
一夏の問い掛けに対して、女の子
ヴィヴィオは呟くように名乗った
「OK、ヴィヴィオちゃん。お母さんは俺達が探してやるからな」
「だから、安心していいよ」
二人がそう言うと、ヴィヴィオはおずおずと頷いた
その後、背の高い一夏がヴィヴィオを肩車して、ヴィヴィオの母親を探すことにした
「ヴィヴィオちゃんのお母さん! どこですか!?」
「ヴィヴィオちゃんのお母さーん!」
「なのはママー!」
と三人で呼び掛ける事数分後、長い茶髪をサイドポニーテールにした若い女性が駆け寄ってきて
「ヴィヴィオ!」
と安心した様子でヴィヴィオの名前を呼んだ
「なのはママ!」
一夏が下ろすと、ヴィヴィオは母親
高町なのはに駆け寄って、飛び付くように抱き付いた
すると、なのはもヴィヴィオを抱き締めながら
「ごめんね、人波で手を離しちゃって……」
と謝っていた
すると、ヴィヴィオは首を振りながら
「ううん……あのお兄さん達のおかげで、大丈夫だったよ」
と答えた
ヴィヴィオの言葉を聞いて、なのははヴィヴィオを抱き上げながら立ち上がって
「今回はありがとうございました。私が手を離しちゃって、はぐれちゃったんです」
と頭を下げた
すると、一夏とシャルロットの二人は手を振りながら
「いえ、当然の事をしたまでです」
「僕達としても、見過ごせなかったんで」
と言うと、二人はヴィヴィオに顔を向けて
「良かったな。お母さんが見つかって」
「もうはぐれちゃダメだよ?」
と言った
すると、ヴィヴィオは頷いてから
「ありがとうございました!」
と謝辞を述べた
その後、一夏とシャルロットの二人は、去っていく高町親子を見送りながら
「随分と若いお母さんだったな……」
「うん……」
と話し合っていた
しかし、それも仕方ないだろう
ヴィヴィオの母親、高町なのはの見た目は、大体10代後半から20代前半といった所で、ヴィヴィオは大体、六歳位
もし、産んだとしたらかなり早くに産んだ計算になる
しかし、実際は違う
ヴィヴィオはとある任務の際に、保護した子供なのである
その後、ヴィヴィオがなのはに懐いて、なのはもヴィヴィオがまるで本当に自分の子供のように思ったのである
そして、家族の了承も得ずに、なのははヴィヴィオを養子として引き取ったのだ
なお、その際に兄と喧嘩したが、
そして、今日は休暇を取ってヴィヴィオと一緒に遊びに来ていたのだ
しかし、波の起きるプールにて握っていた手を離してしまい、ヴィヴィオとはぐれてしまったのだ
皆さんも、迷子には気をつけましょう
そして迷子を見つけたら、迷子センターまで連れて行ってあげてください
それだけでも、十分に親が見つけやすくなります
閑話休題
そして、高町親子が見えなくなると、二人は遊びに戻っていった
まだ、終わるまでは長い