機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

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それぞれの終わり

ヴィヴィオをなのはに会わせてから、一夏とシャルロットの二人は遊びまわった

 

中には、よく考えたなぁ。というプールもあった

 

空は茜色に染まり始めていて、二人の体には疲労が蓄積してきていた

 

一夏はグッと背伸びしてから、シャルロットに顔を向けて

 

「そろそろ上がるか」

 

と提案した

 

シャルロットも、ストレッチをしながら

 

「そうだね……少し疲れたし、いいかもね」

 

と同意した

 

こうして、二人は更衣室へと向かった

 

そして数分後、先に一夏が出てきて、遅れて数分後、シャルロットが出てきた

 

そして、ホテルへと戻る途中でクレープを買った

 

二人はベンチに座り、クレープを食べ始めた

 

「やっぱり、疲れた体には甘い物だな」

 

「うん。おいしいね」

 

一夏の言葉にシャルロットは同意しながら、クレープをパクついた

 

そして二人は食べ終わると、紙をゴミ箱に捨ててから立ち上がった

 

「今日だけで、随分と泳いだな」

 

「だね。一年分泳いだ感覚だよ」

 

二人はそう会話しながら、ホテルへと戻った

 

すると、フロアに居たボーイがスッと近寄ってきて

 

「織斑様、デュノア様。水着をお預かりします」

 

と言いながら、恭しく頭を下げた

 

「え、でも……」

 

ボーイの言葉にシャルロットが戸惑っていると、ボーイが

 

「こちらでクリーニングして、明日にはお渡しいたします」

 

と告げた

 

すると、一夏とシャルロットは数瞬ばかり顔を見合わせると

 

「わかりました」

 

「お願いします」

 

と濡れた水着が入っているバッグを、ボーイに渡した

 

「承りました」

 

ボーイは二人からバッグを受け取ると、現れた時と同じようにスッと下がっていった

 

ボーイが下がっていくのを見て、二人は思わず

 

「「あのボーイ、何者なんだろ……」」

 

と呟いた

 

何せ、近寄ってくるまで一切気配を感じさせないのだ

 

軍人たる二人からしたら、自分の能力を疑うのと同時に、ボーイの正体を疑った

 

だがそれを問い掛けても、ボーイはこう返すだろう

 

「私は、当ホテルのボーイです」

 

 

そして、二人は気づいていなかったが、そのボーイの名札には《杉並》という名前が彫られてあったり……

 

閑話休題

 

そして、部屋に戻った二人は食事の時間までノンビリすることにした

 

水泳というのは、普段使わない筋肉を使うために、意外と疲れるものなのだ

 

こうして、二人の二日目は終わった

 

場所は変わって、遊園地区画

 

そこでは、唯衣と直哉の二人が最後にと観覧車に乗っていた

 

観覧車はゆっくりと上に上がっていき、もうすぐで頂上である

 

二人が見ていたのは、茜色に染まった初音島だった

 

季節はもう少しで冬になるのに、桜が咲き乱れている

 

それが唯衣にとっては不思議で、直哉にとっては普通だった

 

観覧車に乗ってからは、二人共一切言葉を発していない

 

直哉としては話題が無く、唯衣としては聞きたいことが有るのだが、なかなか踏み切れずにいた

 

そして頂上に達して、降り始めようとした時、観覧車がガコガコという音を立てて止まった

 

「あっ!?」

 

止まった際に各籠が大きく揺れて、唯衣は座っていた椅子から倒れそうになった

 

だがそれは、素早く近寄った直哉が支えた

 

「大丈夫か?」

 

「ああ……助かった」

 

直哉の言葉に、唯衣が返答しながら椅子に座り直すと

 

『只今、降りるお客様が倒れたために、緊急停止致しました。安全確保の為に、少々お待ちくださいませ』

 

という放送がかかった

 

どうやら、トラブルらしい

 

「これは時間が掛かるな」

 

直哉はそう言うと、唯衣の隣に座った

 

唯衣は直哉が隣に座ったのを意識して、顔を赤らめた

 

だが、すぐに

 

(今がチャンスだ)

 

と思った

 

唯衣は一旦目を閉じてから、呟くように

 

「直哉……お前に何があった?」

 

と問い掛けた

 

すると、直哉は静かに唯衣に視線を向けた

 

「10年前に会った時は、お前はそんな髪と目じゃなかった。何があった……?」

 

唯衣がそう問い掛けると、直哉は天井に視線を向けて

 

「今から約八年前、俺は家族を殺されて、そして……誘拐された」

 

と語り出した

 

唯衣は口を開きかけたが、すぐに自制させた

 

途中で口出しすべきではないと思ったからだ

 

すると、予想した通りに直哉は語り出した

 

「そして誘拐された俺は、研究所に連れていかれた……そこでは、俺と同じように世界中から誘拐してきた人間が大勢居た……」

 

直哉は其処まで語ると、一時辛そうにしてから

 

「そこでは、人体実験がされていた……」

 

と語った

 

「人体実験……」

 

唯衣が漏らすように呟くと、直哉は頷いて

 

「奴らは人体実験を繰り返して、人を超えた人を作ろうとしていたんだ……だが、あのタイタン戦争が起きた」

 

直哉はそう語ると、目を閉じて

 

「そこで研究は変わった……普通の人間じゃあ扱えないMSを動かすための、生態CPUの研究に……」

 

「生態CPU……?」

 

唯衣が呟くと、直哉は頷いて

 

「普通の人間じゃあ扱えないMSでの部隊……通称、00部隊……生還率、生存率が共に無い事から付けられた部隊だよ」

 

直哉の説明を聞いて、唯衣は言葉を失った

 

「そして俺達は普通の人間には扱えないMSに乗って、激戦地へと送られた……そして、戦う中で一人、また一人と倒れていって、俺も機体を撃破された時は、いよいよ死ねると思ったよ……精神は崩壊仕掛けてたが、家族に会える……そう思ったら、涙が出たよ……」

 

直哉がそこまで語ると、唯衣は口元を両手で覆った

 

直哉はそんな唯衣の頭を撫でると、微笑みを浮かべて

 

「そんな時だったよ、助けられたのは……千冬さん率いる部隊にね」

 

と言った

 

「千冬さん……?」

 

「ああ……ここ、初音島の中佐だよ……タイタン戦争時はユーラシアに派遣された部隊の隊長役を担っていた」

 

直哉の説明を聞いて、唯衣は少ししてから

 

「ユーラシアに派遣されていた、ということは……直哉に人体実験したのは……」

 

と直哉に顔を向けた

 

すると、直哉は頷いて

 

「ああ……俺を強化人間にしたのは……ユーラシア連合だ……」

 

と告げた

 

その数秒後、放送で運転が再開される旨が通達されて、観覧車は再び回り始めた

 

会話が終わった後は、二人はずっと黙っていた

 

だが、二人の中でユーラシア連合に対する復讐が始まった瞬間だった……

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