機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

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そこで出会ってしまうのが、戦場の定めなのか………


対ユーラシア連合戦 悲しき邂逅

開戦してから、数四時間後

外側第六メガフロート

第三防衛線、第七区画

 

『ロータス、ギャンブル! 敵右翼部隊の頭を処理しろ! ハーミット隊が孤立するぞ!』

 

この区画の防衛線の指揮を任されたトマホーク1

永田信二大尉は自身も迫ってきた敵MS二機を撃墜しながら、指示を出した

 

『ロータス1、了解! 小隊、続けぇ!!』

 

『ギャンブル1、了解!』

 

ロータス隊隊長、荒井裕太中慰は部隊を率いて突撃

ギャンブル隊隊長、新田佳代子中慰は部下達と共に支援砲撃を始めた

 

『HQより、第三防衛線第七区画各部隊へ。応援部隊出撃まで、約360秒!』

 

『トマホーク1より全機! 応援部隊が来るまで、約八分だ! なんとしても持ちこたえろ!』

 

永田大尉がそう言った直後、永田大尉の機体の近くに一機後退してきて

 

『簡単に言いやがる! だったら、何でもいいから支援をよこせってんだ!』

 

と悪態を吐いたのは、トマホーク2

千葉彰人少尉だった

 

『トマホーク2! 11時の方向の敵機を落とせ!』

 

『了! 失せろ、野獣共がぁぁぁ!!』

 

永田大尉の指示に従い、千葉少尉は指示された方向にビームを連射した

しかし、撃破しても即座に新しい敵機が現れる

 

『畜生! キリがねぇ!!』

 

『ハーミット1、急げ! そう長くは持たないぞ!?』

 

部下の悪態と共に、新田中慰は一機の敵をビームサーベルで切り裂いた

すると、ビームライフルで一機を撃破したハーミット1

アンナ・カーチス中慰が

 

『私に構うな! 防衛線を維持し………』

 

喋っている途中でバズーカの直撃を受けて、爆散した

 

『ハーミット1!? 畜生っ!!』

 

『くっ………うぉぉぉぉぉ!!』

 

千葉少尉が悲しみの叫び声を挙げた直後、頭の無い一機のアストレイ2型が突出した

 

『無理をするな、ハーミット4! 後退して、整備を受けてこい!!』

 

それを見た永田大尉がそう言うが、そのパイロット

ハーミット4、ディック・オールター少尉は止まらずに一つのコンテナを保持して

 

『離れて下さい! このコンテナを誘爆させます!』

 

『バカな!? そのコンテナは………貴様も吹き飛ぶぞ!?』

 

ディック少尉が保持したコンテナを見て、新田中慰は驚愕の声を挙げた

ディック少尉が保持したのは、MLRSの予備ミサイルが満載のコンテナだったからだ

すると、ビシャッという音がしてから

 

『頭を吹き飛ばされた時、コクピット内で小爆発が起きましてね………そう、長くは保ちそうにないんだ……だったら、連中を目一杯巻き込んでやりますよ!』

 

と言って、更に加速した

 

『よせ! 下がって、治療を……!』

 

『離れて……後は頼みます!』

 

千葉少尉が後退するように促すが、ディック少尉はビームライフルをコンテナに向けた

 

『つっ! 全機、退避!』

 

永田大尉の指示に従い、付近の友軍は離れて構えた

その直後、激しい爆発が起きた

数秒後、爆煙が晴れた先には………

多少減ったが、それでも倍以上のユーラシア連合軍機が居た……

 

『ちっくしょぉぉぉぉぉぉ!!』

 

まるで、ディック少尉の捨て身が無駄だったと言われた気がして、千葉少尉は叫んだ

 

『クソッたれが! 数が多すぎるっ!』

 

『つっ! しまった! 敵の歩兵部隊がっ!?』

 

『報告しろ!』

 

ギャンブル3

飯田薫少尉の言葉を聞いて、永田大尉は報告するように促した

 

『敵の歩兵部隊の侵攻を確認! あの方向には、民間人が避難したシェルターへの入り口が!?』

 

『つっ、なんだと!? HQ! 敵の歩兵部隊の侵攻を確認! 繰り返す、敵歩兵部隊の侵攻を確認!』

 

飯田少尉の報告を聞いて、永田大尉は一瞬息を飲んでから直ぐ様に総合司令部へと報告した

 

『HQよりトマホーク1、詳細を報告せよ!』

 

『ユーラシア連合軍の歩兵部隊の上陸、侵攻を確認。その侵攻方向には、民間人の避難したシェルターへの入り口がある! 民間人の安全を確保しろ!』

 

『了解! 付近の友軍歩兵、機械化歩兵部隊を向かわせる! そちらでも、対処を!』

 

HQとの通信が切れると、永田大尉は少し考えてから

 

『ギャンブル1、部隊を率いて防衛線の維持に勤めろ! こっちはもう二機ヤられて、戦力は半減してる! 俺の小隊は間に合わない!』

 

『そうは言うが、こっちだって二機ヤられてる! ロータス隊はなにを………つっ!? ロータス隊のマーカーが一つも無いだと!?』

 

『全滅した! 応援部隊が今、こっちに向かってきてる! それまでなんとか……しまっ!? ガアァァァ!?』

 

『た、大尉!?』

 

永田大尉のアストレイ二型が爆発し、残ったのは三機だけになった

すると、飯田少尉の機体と千葉少尉の機体が近くに着地して

 

『中慰! もう、俺達しか残っていません! 後退しましょう!』

 

飯田少尉の悲鳴染みた上申を聞いて、新田中慰は数瞬黙考してから

 

『ギャンブル1よりHQ! 第三防衛線第七区画は、もはや壊滅した! 応援部隊がまだなら、後退の許可を!!』

 

と言った

 

『HQよりギャンブル1! 後三分持ちこたえて下さ……いえ、待ってください! そちらに急速接近する友軍部隊確認! これは…………ワルキューレ・ストラトス隊!』

 

と総合司令部の通信将校が言った直後、上空から飛来してきた一機のアストレイ三型がビームサーベルでウィンダムを一機切り裂いた

するとそれに続くようにビームの雨が降り注ぎ、次々と敵機を撃破していった

そのあっという間の光景に、新田中慰達は固まった

そうしてる間に、隊長機らしいアストレイ三型が近寄ってきて

 

『貴官らは後退して、部隊の再編を! ここは、自分達が引き受けます!』

 

通信が繋がり、若い少年

一夏がそう言った

 

『分かった! すまない!』

 

新田中慰はそれに従ったほうがいいと判断し、二機を率いて離れた

一夏は三機が離れて、そして、付近に敵機の反応が無くなると

 

ストラトス隊全機(オールストラトス)報告(リポート)!』

 

と報告するように促した

 

『ストラトス2、問題ない!』

 

『ストラトス3、大丈夫に決まってるでしょ?』

 

『ストラトス4、問題ありませんわ!』

 

『ストラトス5、問題ないよ!』

 

『ストラトス6、大丈夫だ!』

 

『ストラトス7、大丈夫!』

 

『ストラトス8、無事だ』

 

全員の無事を確認して、次の指示を出そうとした

その時

 

『つっ! 11時の方向から、中隊規模接近!』

 

とセシリアが言った

そちらに視線を向けると、確かに十数機のユーラシア連合軍MS部隊が近付いてきていた

 

『あたしが前に出るわ!』

 

鈴はそう言うやいなや、スラスターを吹かして突撃した

 

『03!? ちいっ!!』

 

一夏は舌打ちするが、直ぐ様に支援を開始

他の機体も支援を開始した

しかし、一機のウィンダムが弾幕を突破

ビームサーベルを抜いた

 

『はっ! 上等よっ!』

 

鈴は舌なめずりすると、その敵機を迎え撃った

相手はビームガトリングを盾で防ぐと、ビームサーベルで斬りかかった

鈴はそれを、ビームサーベルで防いだ

そして、つばぜり合いをしながら、お互いの足の脛がぶつかった

すると

 

『……た達に怨みは無いけど、これ以上同胞はヤらせない!』

 

と鈴に聞き覚えのある声が聞こえた

その声を聞いて、鈴は息を飲んで

 

『その声……イー姉!?』

 

と叫んだ

すると、相手

崔亦菲(ツイ・イーフェイ)も、息を飲んで

 

『その声……鈴!? あんた、初音島の軍に!?』

 

と驚いていた

すると、鈴は一夏達に聞かれたくないと思ったのか

 

『通信回線、358!』

 

と言うと、自分から周波数を変えた

そして、少し間を置いてから

 

『イー姉、どうして!?』

 

と悲しそうな声で問い掛けた

 

『こうするしか……こうするしか無かったのよ! 私のお母さんは、足が不自由で、逃げ出すことも出来なくて! 連合内じゃあ、私達元中国人、韓国人は奴隷同然で! 軍しかまともな仕事が無くて! 作戦も参加拒否したら、家族がどうなるなわからない!』

 

崔亦菲(ツイ・イーフェイ)はそう言いながら、鈴にビームサーベルを繰り出した

 

『イー姉……!』

 

『あんたこそ、どうして初音島の軍に! 中華料理屋を手伝うって!』

 

鈴はつばぜり合いを維持しながら

 

『一緒に生きたい奴が出来たから! そいつの近くに居たいから! あたしは、軍に入った! それに、店はお姉ちゃんに任せた!』

 

と答えた

それを聞いて、崔亦菲(ツイ・イーフェイ)は笑みを浮かべて

 

『ふふ……鈴も、そんな年頃かぁ………だけど、それとこれは別よ……! あたしは、引けない!』

 

『イー姉……!』

 

崔亦菲(ツイ・イーフェイ)の言葉を聞いて、鈴は悲しそうな表情を浮かべた

そして、戦いは続く

どちらかが力尽きるまで………

悲しき戦いは続く………

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