フリーダムで出撃した義之は、違和感を覚えた
「これは……どういうことだ?」
その理由は、ユーラシア連合軍同士が争っていたからだ
その光景に驚いていると、サブモニターにノイズが走ってから一人の女性が映し出された
フィカーツィア・ラトロワ大佐の姿が
『同志達よ! 今こそ立ち上がる時である! 無能な政権や上官達に反旗を翻せ! 今我等、自由ユーラシア軍の手で、我等の国を作る時がきた!』
と、宣言した
「つまり、反乱か……どっちがどっちだ?」
と義之が呟くと、HQから通信が繋がり
『HQより友軍全機に通達する。IFFのデータ更新を行う!』
と言ってきた
そして、更新自体は一瞬で終わった
すると、先程まで敵と表示されていたユーラシア連合の一部の敵が味方と表示されていた
「こいつは……事前にデータが提供されたのか?」
義之のその考えは、ある意味当たっていた
それは、反乱軍
自由ユーラシア軍の賭けだった
上陸させた歩兵
そのうちの数人に、IFFデータを記録させていたチップを持たせていたのだ
更に、本国で起きる解放作戦の計画書も
それを持たせて、統合防衛軍に投降させたのだ
もちろん、中には戦死してしまった者や投降は許さないと政治将校に射殺された者も居た
しかし、一人が投降に成功
データチップを渡せたのだ
それを、純一含めた将校や幕僚達も確認した
当然ながら、罠やデタラメだという声が上がった
しかし、純一は信じたのである
それは、杉並から教えられた情報だった
ユーラシア連合内にて、不穏な動きあり
特に、旧中国圏内や一部前線基地が顕著と
そして今、純一の指示で友軍設定させたのだ
「ならば、俺がやることは一つだ」
義之がそう言った直後、義之の頭の中でSEEDが弾けた
次の瞬間、義之の前にあった計器
レーダーがせり上がった
その中から、義之は視認にて次々と敵をロックオンした
これが、GATーX10A
フリーダムガンダムの機能
マルチロックオンである
これは、義之がSEED使いであることを前提に開発された機能である
マルチロックオンだけではなく、フリーダムの全てが義之の全力に合わせて開発されていた
ストライクでは追い付けなかった、SEEDの反応速度
その反応速度に、フリーダムは完全に対応していた
ロックオンした数は、全部で50機
「いけ」
義之はそう言いながら、トリガーを引いた
次の瞬間、フリーダムの全武装から次々と砲撃が放たれた
そして、正確無比に敵を撃ち抜いた
正確に、コクピットを撃ち抜いた
「凄いな、フリーダム……俺の思った通りに動いてくれる!」
義之はそう言うと、フリーダムを急速前進させた
場所は変わり、ドミニオン艦橋
そこは完全に、阿鼻叫喚の様相を呈していた
「シチルストイを始めとして、空母5、巡洋艦10、更に複数の艦艇が離反した模様!」
「第10機甲中隊、交信途絶! 第8機械化歩兵大隊、味方陣地を爆破!」
「サーベル大隊、ジャール大隊に敗北! 壊滅しました!」
と次々と入ってくる報告に、マクシミリアンはアームレイカーを叩いた
すると、一人のオペレーターが
「敵大和型、浮上!!」
と言った
それを聞いて、マクシミリアンはメインモニターを見た
そこには、三隻の大和型が海面から浮上し艦底に更に複数の砲門を開いていた
そうそれこそが、大和型の真の姿だった
海上艦ではなく、アークエンジェルと同じ特装艦だったのだ
三連装55センチビーム砲《カグツチ》が合計5門
ミサイル発射菅55門
60ミリ機銃が50門
まさに、浮遊要塞だった
しかも、それが全部で三隻も
その対処を考えていると、別のオペレーターが
「前線より報告! 敵に未確認機体が一機!」
と報告してきた
「メインモニターに映せ!」
「少々お待ちください……CGでの補正ありですが、映します!」
グレゴールの指示から少しして、メインモニターに一機のMSが映された
蒼い翼を持つ、ガンダムが
「初音島の新型機だと!?」
「このタイミングでか!?」
と二人が驚いた直後、そのガンダム
フリーダムから。次々と閃光が放たれた
その直後
「だ、第17大隊、交信途絶! 更に、第9中隊もです!?」
と信じられない報告が上がった
「バカな……今の攻撃で、同時にやったというのか!?」
グレゴールは信じられなかったのか、怒声を張り上げた
すると、オペレーターが
「本国から緊急通信です! 本国の旧中国領、並びに一部前線基地にて反乱!」
と報告してきた
「なに!?」
「その反乱軍は自由ユーラシア軍を名乗り、収容所を次々と解放! 本国は混乱状態のもようです!」
その報告に、マクシミリアンは唇を噛んだ
なぜ、こうなったのか。と
すると、今度は別のオペレーターが
「衛星が占領した日本帝国、並びにEU領にて黒煙を確認! どうやら、戦闘が起きているもようです!」
と報告してきた
次々と入ってくる絶望的な報告に、マクシミリアンは頭が追い付かなくなっていた
それに止めを刺したのは、メインモニターに映った映像だった
最初は、ノイズ混じりだった
しかしノイズが収まってみれば、映ったのは黒髪の男だった
「なんだ、こいつは!?」
「これは……宇宙からです! 宇宙から全周波数で流されています!」
グレゴールが問い掛けると、オペレーターはそう答えた
マクシミリアンはその時、あることに気付いた
その男の右肩の付け根辺りに、特徴的な模様の布が巻かれていることに
その柄を見て、マクシミリアンはその男の正体を察した
「ダルクス人か……っ!」
とマクシミリアンが憎々しげに呟いたタイミングで
『我々、ダルクス解放同盟。カラミティ・レーヴェンは、ユーラシア連合に対して宣戦布告する!』
と告げた