機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

64 / 136
落日2

「づあ!」

 

稟は気合いの声を上げながら、一機のウィンダムを撃破した

すると、稟機の周囲に三機のガンダムが着陸してきた

すると、通信が繋がり

 

『稟様、御無事ですか?』

 

とシオンの声が聞こえた

 

「シオン……少佐ですか。自分は無事です」

 

稟がそう言うと、シオンは

 

『稟様、普通に話してくださって構いませんよ』

 

と苦笑した声で言った

すると稟は

 

「仮にも軍人なので、階級はそちらが上です」

 

と返した

それを聞いて、シオンは

 

『筋は通す、ということですか。流石は稟様です』

 

と言った

そして、一拍すると

 

『では、土見少尉。機体に損傷が見えるが、大丈夫か?』

 

とシオンは問い掛けた

それに対して、稟は

 

「敵の攻撃で、頭部に損傷あり。センサー類と通信に一部不良が起きてます」

 

と返した

確かに、稟の機体の頭部

アンテナに損傷があった

 

『了解した。それならば、一度帰還して、整備を受けた方がいいだろう』

 

シオンがそう言った直後、白が基調色に砲撃戦主体らしいガンダムが頭部を上げて

 

『ラウンズ1、2時の方向から接近する機影確認。数1』

 

と言った

 

『02、識別は?』

 

『識別は、統合防衛軍……護衛対象(パッケージ)の僚機のようです』

 

と女性仕官

なのはが言った直後、狙撃ライフル装備機体が着地した

 

「柏木か!」

 

『良かった! 土見、無事だったんだ! 少し前からIFF信号が着いたり消えたりだったから、心配してたんだよ!』

 

晴子のその言葉を聞いて、稟は再度確認した

どうやら、IFFにも、異常が起きているようだ

 

「すまない。頭部が損傷してな……それが原因みたいだ」

 

『わかった。一旦、皆に通信するね』

 

晴子はそう言うと、稟との通信を一旦切った

そして、数分後

 

『茜と通信できた。一旦、ハンガーに集まろうだって』

 

「了解した」

 

『では、俺達がカバーしよう』

 

「ありがとうございます」

 

その会話を最後に、稟達は移動を開始した

場所は変わり、最前線のビル街

今そこを、一機の損傷したダガーLが味方陣地目掛けて後退していた

しかし、その進路上

あるビルの屋上に、強化外骨格を装備した部隊が展開していた

 

『隊長、ターゲット通過まで、あと五秒です』

 

「全ユニット、用意」

 

強化外骨格部隊隊長

五反田弾はそう言うと、ある装備を保持した

そして、五秒後

 

「飛べぇ!!」

 

と指示すると、反対側のビル目掛けて強化外骨格のスラスターを拭かした

それに驚いたのか、一瞬ダガーLのスピードが落ちた

その直後、反対側のビルや弾が居たビルの別の階の窓ガラスを突き破りながら同じように強化外骨格が飛び出してきた

よく見ると、飛んだ全強化外骨格は太いワイヤーを持っていた

強化外骨格が飛んだことにより、ダガーLの進路上に、数本のワイヤーが張られた

そのダガーLはワイヤーに気付かなかったのか、止まれなかった

それにより、そのワイヤーは見事にダガーLに次々と絡まった

そして、強化外骨格部隊が隠れた直後

轟音を起こして、ダガーLは残骸に成り果てた

 

「はっはー! やり方次第だが、歩兵でもMSを撃破できるんだよ!」

 

ダガーLが残骸になったのを確認すると、弾はそう言った

弾が使ったのは、対MS用の爆導策である

これは、対象機体に絡み付くと、ワイヤーに取り付けてある高性能爆薬が炸裂

相手の機体の強度にもよるが、敵機体を撃破出来る装備だ

制作されたはいいが、余りにも運用が難しかったのだ

故に、爆導策は技術研究厰の倉庫に眠っていたのを、弾は思い出したのだ

それを義之に頼んで、部隊に配備したのである

この爆導策により、弾の部隊はMSを数機撃破していた

大戦果と言っても、過言ではないだろう

 

(オール)ユニット、報告(リポート)!」

 

弾がそう言うと、部下から次々と報告が舞い込んでくる

なお、口答による報告をしなくとも、強化外骨格にはデータリンクが標準装備されている

強化外骨格の損耗具合から、兵士のバイタルに到るまで全て確認できる

しかし弾は、部下達の声が聞こえるからと、口答報告を好んでいた

妹が居るからか、面倒見が良く、更に頭も回る

だから弾は、ワルキューレ隊の歩兵部隊の一部隊長を任せられていた

 

「…… ふむ」

 

部下からの報告を聞くと、弾は数秒ほど黙考した

そして

 

「一度、整備と補給を受けに後退する! 遅れるなよ!?」

 

と指示を出した

 

『了解!』

 

部下の斉唱を聞いてから、弾は移動を開始した

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わり、統合防衛軍本部

そこには、様々な報告が舞い込んできていた

内容の良い報告から、悪い報告まで

 

「ユーラシア連合軍の戦力、当初の約四割まで減少。ユーラシア連合軍は、第二防衛ラインまで後退を開始しました!」

 

「我が軍の損耗率、約半数! 予備戦力で帰還したのは、約三割!」

 

「第28特設機動中隊から、応援要請来ました!」

 

「第11特化大隊から戦力を抽出し、向かわせろ!」

 

「了解!」

 

という有り様だった

その報告を聞きながら、純一は

 

(後一手……後一手足りない)

 

と思っていた

それは、勘だった

 

(後一手、決定的なことが起きれば……この戦争は、終わる)

 

勘だったが、純一はそう確信していた

その時だった

 

「元帥、さくら様! 宇宙から全周波数で映像が送信されています!」

 

と一人のオペレーターが言った

 

「何処からか分かるか!?」

 

「場所は……L4コロニーからです!」

 

「メインモニターに回せ」

 

純一が指示した数秒後、メインモニターに映ったのは、一人の男だった

黒い軍服とマントに、特徴的な模様が刺繍された布を肩に巻き付けていた

 

「ダルクス人か……」

 

『重ねて申し上げる。我ら、ダルクス解放軍……カラミティ・レーヴェンは、ユーラシア連合に対して宣戦布告する!』

 

純一が相手の人種を特定した直後、モニターに映っていた男はそう言った

 

『私の名は、ダハウ……カラミティ・レーヴェンの総帥である。我々は、この50年……ユーラシア連合の弾劾とも言える圧政に耐えてきた……しかし、それも最早限界だ。言われなき罪で、我が同胞達は殺されてきた……聞け、地球に居る同胞達よ! 今こそ立ち上がる時である! 武器を取り反逆せよ! 私は今ここに、ダルクス人の為の国……ダルクス独立国の建国を宣言する!』

 

とダハウが言った直後、モニターの向こう側から凄まじい雄叫びが聞こえた

 

『我々は既に、L4コロニー群を制圧した。そしてこれより、降下作戦……ラグナロク作戦を実施する!』

 

それが、戦乱の時代の始まりだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。