機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

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不期遭遇戦闘

『レーヴァティン1よりCP! 誰でもいいですから、至急応援を頼みます! 敵は、ファントム・ペインと思われる!』

 

と茜は報告するが、返ってくるのはノイズのみ

こうしてる間にも、禀と晴子は戦っている

その数の差は絶望的だった

相手は、分かってるだけでも中隊規模

恐らく、まだ居る可能性が高い

それを考えたら、茜は胸が締め付けられた

 

『お願い……誰でもいい……救援を!』

 

と茜が何度目か分からない催促をした

その時だった

 

『こちらホワイトファング1……カバーする』

 

と女性の声が聞こえた

その直後、茜機の直上を一機の山吹色の機体

帝国近衛軍、龍閃宇宙戦仕様が走った

更にその後に、約10機の白や黒の龍閃

そして、一機のガンダムが走った

GATーX12A

名前は、テスタメント

そのパイロットは、テスタメントのGに唯一耐えられるパイロット

神崎直哉だった

テスタメントはストライクの拡張版機体とも呼べる機体であり、核動力でありながらもストライカーパックに準拠している

更に、今装着しているストライカーパックはテスタメント専用ストライカーパック

ディバインストライカーだった

このディバインストライカーは変形機構を有するストライカーパックで、飛行、アームと複数の形態になれる優れものである

しかしそれ故に、コストが高い

だから量産されず、テスタメント専用とされたのだ

第二次初音島攻防戦の時には、そのディバインストライカーと主武装の開発が間に合わなかったのだ

主武装、複合ピストルである

マガジンを交換することにより、実弾とビームの撃ち分け

更に、銃身下に銃剣が付いている

それを二丁、脚部装甲に収納している

さらに手首装甲にビームサーベルを予備含めて、三本装備

全体的に近接戦闘に重視に設計された機体となっている

そこで、遠距離戦闘の不利を覆すために最高速度はフリーダムを越えた設計がされた

常に10を超えるGに、機体に搭載されたAIにより相手の分布と装備から算出・表示されるコース

それを乗りこなせると判断されたのが、直哉だけだったのだ

実際、義之ですらGに耐えられずに意識を失ってしまった

それに直哉は

 

『強化人間の面目躍如だな』

 

と言って、数人に叩かれた

それが居たということは、恐らく試験巡航中だったのだろう

そこに、フリーダムと赤い機体

GATーX09A

機体名、ジャスティスが来た

ジャスティスのパイロットは、みちるとなった

まゆきは自ら、ブルデュエルを選んだ

これは、まゆき曰く

 

『あたしは、指示出しとか得意じゃないから』

 

と言っていた

確かに、指示出しならばみちるの方が的確なのだ

これに、親友の音姫は

 

『副隊長の一人として、いいのかな……』

 

と溜め息混じりに溢していた

閑話休題

その直後に、多恵機と二機のアストレイ三型が合流

茜は引き返した

そこには、凄まじい数のダークダガーLと黒い105ダガー

スローターダガーが展開していた

なお、スローターとは殺戮を意味している

全部で、36機

大隊規模だった

それに対して、こちらは約二個中隊規模

だと言うのに、茜は不思議と勝てると確信していた

その証拠に、今一機のスローターダガーの頭ををテスタメントがディバインストライカーのクローで潰し、その機体の留めを山吹色の龍閃がした

更にストライクEとヴェルデバスターが息のあった連携で、三機のダークダガーLを撃破した

そこに、茜達四機も乱入

十数分の乱戦の後に、ファントム・ペインは全滅したのだった

すると、義之が

 

『これほどの数に、広範囲ジャミング……母艦が居る可能性が高いな』

 

と言った

すると、晴子が

 

『しかし大佐。レーダーに反応はありません。熱源にも』

 

と言った

更に言えば、肉眼にも映っていない

だが、みちるが冷静に

 

『レーヴァティン5、忘れたか? 我々は、その前例が居るだろ』

 

と言った

それを聞いて、禀が

 

『ブリッツとAGF天美夏……』

 

と言った

それを聞いて、茜が

 

『ミ、ミラージュコロイド!』

 

と声を上げた

それを聞いたホワイトファング1

篁唯依が

 

『つまり、ミラージュコロイドを使ってる艦艇を、連合が有してる……と?』

 

と問い掛けた

その問い掛けに、義之は無言で頷いた

レーダーにも肉眼にも映らない艦

これほど、秘匿行動に適した艦はないだろう

移動も熱源センサーに反応しない温度のガスを使えば、一切反応しないことになる

恐らく、速度はそれほど出ないだろう

だが、隕石やデブリの陰に隠れながらだったら、発見するのは困難だろう

しかし、見付けられないわけではない

初音島は、対ミラージュコロイド用のセンサーを開発していた

ミラージュコロイドデテクターである

しかし、これの運用は非常に難しかった

まず、これの運用はストライカーパック準拠機体ならば可能である

しかし、エネルギーを莫大に使うのだ

バッテリー形式の機体だと、約二十分が限界だった

勿論だが、戦闘すれば更に短くなる

 

『とりあえず、一度帰投するぞ』

 

『了解』

 

義之の指示に従い、MS隊はアメノミハシラに帰投した

この時義之達は、まだ近くにそのミラージュコロイドを使用母艦

連合呼称、ガーティールー級が居るとは予想していなかった

この時撃っていれば、どうなっていたのか

それを、この時は分からなかった

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