機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

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悲劇

「こんな作戦……やだよ」

 

と呟いたのは、改修された機体

ロートフォビドゥンのコクピットに居た円夏である

彼女がそう言った理由は、これから行われる作戦にあった

その作戦を知らされた後、彼女はどうしても乗り気にはなれなかった

それどころか、否定的ですらあった

だが彼女には、拒否権はない

彼女を含む強化人間には、人権など無いのだから

 

「こんなの……虐殺だよ……」

 

彼女がそう言った直後

 

『252R、発進せよ』

 

と言われ、彼女の機体は射出された

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わり、アメノミハシラ

 

「なんだと!?」

 

麻耶からの報告を聞いて、義之は思わず椅子から立ち上がっていた

今義之が居るのは、有重力ブロックの執務室である

 

「それは本当か!?」

 

「はい……自由ユーラシア領上海と香港は……壊滅しました」

 

義之の問い掛けに、麻耶はそう言って端末を机の上に置いた

 

「両都市は、完全に見せしめでしょう……そこには、部隊は駐留していなかった。とのことでしたから」

 

「これは……」

 

麻耶の報告を聞きながら見た端末の画像を見て、義之は言葉を失った

高層ビルが建ち並んでいた都市だった上海と香港が、灰塵に帰していた

 

「死者は不明……しかし、最低でも20万人は下らないとのことです」

 

麻耶の報告を聞いて、義之は机に拳を叩き付けた

 

「街の警官が送ったという写真が、これです」

 

麻耶はそう言って、端末を操作

画像を表示させた

それを見て、義之は

 

「こいつらは……機体形状と色は大分変わってるが……あの時の機体か」

 

「はい。本国の天枷研究所からは、改修機体だろうと」

 

義之の言葉を聞いて、麻耶はそう言った

義之は少しすると

 

「今残っているのは」

 

と麻耶に視線を向けた

すると麻耶は

 

「試験巡行中のロスヴァイセ隊以外は、全員居ます」

 

「大至急集めろ」

 

麻耶にそう言うと、義之は部屋から出た

そして数分後

 

「集まったな」

 

会議室に、急遽集められた全員が居た

 

「大佐殿。一体、何が?」

 

シオンがそう問い掛けると、義之は

 

「今から約三時間前……自由ユーラシア領の上海と香港が……壊滅した」

 

と言った

その言葉に、誰もが言葉を失った

すると、麻耶が

 

「こちらを見てください」

 

と先ほど、義之に見せた画像をスクリーンに表示させた

それを見て、何人かが絶句した様子だった

 

「こんな……」

 

「街が……」

 

すると、直哉が

 

「これをした相手の画像は、ありますか?」

 

と問い掛けた

すると、麻耶が

 

「こちらです」

 

とその機体の画像を表示させた

その画像を見て、唯依が

 

「この機体は……あの時のガンダムの改修機体か」

 

と言った

彼女の家、篁家は機体開発をしていた家である

だから彼女も、機体構造に長けている

だから彼女は、一目で画像に写ったのが改修機体だと気付いた

 

「確認された新型は、全部で五機。ただし、二機は同型機体だ」

 

義之がそう言うと、その四機の画像が写された

どれもこれも、禍々しい見た目の機体だった

 

「実質、この五機で二都市は灰塵に帰した……死者総数は、今のところ不明だが……最低でも二十万人が死んだらしい」

 

義之のその言葉に、誰もが憤りを見せた

なんの為に、二十万人もの人々を虐殺したのか

 

「恐らくだが、見せしめの形が主だろう」

 

義之はそう言うと、何人かが壁に拳を叩き付けた

彼等からしたら、正気を疑うことだからだ

すると、義之が

 

「もしかしたら、大気圏突入作戦をするかもしれん」

 

と言った

 

「その時は、君たちにも協力を要請するかと思う……頼むぞ」

 

「了解!」

 

義之の言葉を聞いて、集まっていた軍人は敬礼した

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