降下ポッドで大気圏降下した部隊は、仁川全域に広がってファントム・ペインと交戦していた
『大佐、今のところはデストロイは確認されていません』
『わかった。しかし、気を抜くな。奴等を止めなければ、無辜の民が傷つくことになる』
『了解!』
義之の言葉を聞いて、ワルキューレ隊と近くに展開したアルゴス隊はファントム・ペインMS隊に突撃した
その中でホワイトファング隊は、道中に居るファントム・ペインMS隊を撃破しながらストラトス隊との合流を目指していた
特に唯依は、ガンダムと戦っている直哉が気になっていた
直哉が戦っているのは、性能が約三割増しになっている精鋭機
その予想性能は、直哉が駈るテスタメントとほぼ互角
ならば直哉は、テスタメントの全力を解放するだろうと唯依は予想していた
確信的な予想を
その時
『01、前方距離二千にて高速戦闘している反応を捕捉!』
と二番機から通信がきた
それを聞いた唯依は、反射的に機体のレーダーを前方に指向
その反応を捉えた
そして、息を飲んだ
『なんだ、この速さは……予測Gが、16を越えている!?』
『急ぐぞ! どうやら、敵の部隊も近づいているようだ!』
『了解!』
唯依の言葉を聞いて、ホワイトファング隊は速度を上げた
場所は変わり、宇宙
アメノミハシラ
そこで明久達MSSの面子は、テレビを見ながら待機していた
とはいえ、テレビの内容は全く頭に入っていない
戦況がどうなってるのか、気になっているのだ
その時だった
突如として、甲高い警報音が鳴り響いた
その直後
『パイロット各員は、第三会議室に集合せよ! 繰り返す!』
と放送が聞こえた
それを聞いた一同は、居たレクリエーションルームから次々と出ていった
そして、第三会議室に集まると
「集まったな、状況を説明する」
と西村が言った
その直後、モニターが点灯
付近の状況が表示された
「今このアメノミハシラに、ファントム・ペインと思われる所属不明部隊が近づいてきている。その数は、約三十」
西村が説明すると、赤い光点が幾つか表示された
そして、西村は
「なお未確認だが、その内の二機がガンダムタイプと予想される。他の機体とは、速度が違うようだ」
と言った
すると、会議室に集まっていたMSSの面子は不安そうにざわめき始めた
「ガンダムタイプだと?」
「そんな……主力が誰も居ないのに……」
「ここまでなのか……」
と
それを、西村は落ち着かせようとした
すると、坂本雄二が立ち上がり
「てめぇら! なに情けない声を出してやがる! ここ、アメノミハシラは世界で初めての軌道エレベーターの宇宙ステーションだ!」
と喋り始めた
「俺達は、その世界初の場所の防衛を、あの英雄から任されたんだ! だったら、その信頼に応えろ! それに、俺達を鍛えたのは誰だ!? あの英雄だろうが! その英雄に鍛えられた俺達が、高々幽霊野郎共に負ける訳がないだろうが!」
と言った
そして、最後に
「それに、新しい機体も回してもらえた! 後は、俺達次第だろうが! 気合い入れろ!!」
と言った
すると、会議室に居た一軍にから閧の声が上がった
なお、新しい機体というのは初音島から払い下げられたアストレイ二型を御剣財閥独自に改修した機体だ
便宜上、アストレイ二型改としている
それを、このアメノミハシラに配備しているのである
そして雄二は、全員の士気が回復したのを確認すると
「課長」
と西村を見た
そして西村は頷くと
「総員、出撃用意!」
と指示を下した
それを聞いて、パイロット達は次々と会議室から出ていく
そして最後に、明久が出ようとした
すると、西村が
「吉井」
と明久を呼び止めた
「なんでしょうか」
と明久が問い掛けると、西村は少し躊躇ってから
「着いてこい」
と言って、会議室から出た
その後を着いていき数分後、あるハンガーに到着した
「ここは……」
「入れ」
西村はそう言って、カードキーでドアを開けて明久を招き入れた
そして中に入ると、格納されていた機体がライトアップされた
それは、ストライクに酷似している機体だった
「この機体は……」
「GATーMMS108……ライゴウガンダムだ」
明久が絶句していると、西村がそう言った
「ライゴウ……ガンダム」
「ああ。初音島の技術提供を基に御剣財閥が独自に開発した機体だ」
確かに、型式は初音島と同じGAT
その後のMMSというのが、御剣財閥が開発したことを示しているのだろう
「初音島のストライカーパックも使えるが、独自開発したパックも使える……この機体を、吉井……お前に託す」
「これを、僕が!?」
西村の言葉を聞いて、明久は驚愕した
なぜ、自分なのかと
「吉井、お前の腕は今の中ではダントツだ。それは、成績で示されている」
そう言った西村の目には、自信の光に満ちている
「この機体のパイロットの選出は、俺に一任されている……だからこそ俺は、お前に託す……」
「僕が……この機体を……」
そう言って明久は、ガンダムを見た
そして、少し考えると
「分かりました、乗ります」
と返答した
それを聞いて西村は
「わかった……木下姉、OSデータの移行を手伝ってやれ」
と言った
すると、一角から優子が現れて
「了解」
と敬礼した
こうして、宇宙でも戦いが始まった