機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

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選定試験

「おーおー、やってるねー」

 

俺、桜内義之は、電子双眼鏡で今やっている試験を廃ビルの屋上に座りながら見ていた

 

俺が見ている試験

 

総合戦闘技術演習は、多脚戦車、戦闘機、MS、歩兵、各課の卒業試験なんだ

 

んで、俺が見てるのはMSパイロット訓練生たちの卒業試験なんだ

 

MSだと、一大バトルロワイヤルなんだ

 

廃都市を再現した訓練場に、対象部隊をランダムに配置して開始する

 

んで、接敵したら戦うって寸法なんだ

 

だから、三つ巴の戦いも起きる

 

「あ? 202訓練部隊は、もう全滅か?」

 

俺はそこで、腕時計を確認した

 

「たった5分で全滅なんて、訓練のやり直しだな。撃破したのは、206か。麻耶、206訓練部隊のデータを」

 

『了解、送るわね』

 

俺の副官であり恋人である麻耶が、俺の携帯端末に対象訓練部隊のデータを送ってきた

 

「ふーん、連携速度に役割分担がしっかりしてる。こりゃ、見つけてくれたまゆき先輩には感謝だな」

 

俺はそうごちると、視線を別方向に向けた

 

さて、選んだ奴らは全員生き残るだろうな?

 

そうじゃないと、イベントを考えた意味がないんだがな

 

義之sideEND

 

第3者side

 

試験が始まって、約40分後

 

「お? 今度は212が負けたか。撃破したのは………210か。流石は、元EUドイツ軍特殊部隊だな」

 

試験開始40分で、参加していた訓練部隊は、半数に減っていた

 

「ふむ、俺たちが選んだ部隊は………よしよし、全機健在だな。そうこなくっちゃ」

 

義之はそう呟くと電子双眼鏡から眼を離し、立ち上がって振り向いた

 

振り向いた先には、義之の愛機のストライクが片膝立ちで待機していた

 

もちろん、PS装甲はダウンしている

 

そして義之は、ストライクのコクピットに乗り込んだ

 

すると

 

『こちらスクルド3、朝倉由夢(あさくらゆめ)。兄さん、本当にやるんですか?』

 

FMD(フェイスマウントディスプレイ)に、妹分の由夢の顔が映った

 

彼女は試験機のアストレイ3型に搭乗していて、今回機体はスナイパー仕様に調整されている

 

「あったりまえでしょ? なんの為に、お前らを呼んだんだよ」

 

そう言いながら義之は機体のOSを立ち上げた

 

すると、画面に

 

General

Unilateral

Neuro-Link

Dispersive

Autonomic

Maneuver

 

と、表示された

 

この最初の5文字を取ると

 

GUNDAM

 

ガンダムなのだ

 

そして義之は、OSが立ち上がったのを確認すると

 

「オーディーン1より、ワルキューレ隊各機。準備はいいか!?」

 

と指揮官らしい声で、呼び掛けた

 

すると

 

『こちらオーディーン2、伊隅みちる。準備は完了してます』

 

最初に応じたのは、MS隊副隊長の伊隅みちる中佐である

 

何時もならば、義之と二機連携(エレメント)を組むが、今回は別の人物と組んでいる

 

『アテナ1、速瀬水月(はやせみつき)! 何時でもイケるわよ~!』

 

と楽しそうに返答してきたのは、義之とは同期の速瀬水月少佐である

 

本来ならば、上官である義之に対してこんな口調で話すのは感心しないが、この隊は特殊なので気にしない

 

『スクルド1、天枷美夏! 準備は完了している!』

 

次に映ったのは、ショートカットの青髪に小柄な体が特徴の女子

 

天枷美夏だった

 

美夏が乗っているのは、アストレイゴールドフレーム天(以後、AG天と記載)である

 

前大戦末に中破したアストレイゴールドフレームとブリッツガンダムを組み合わせて作った機体だ

 

右手に武装が集中しているのが欠点である

 

『スクルド3、朝倉由夢。準備は完了してます』

 

そして、妹分の由夢

 

彼女は前述通り、アストレイ3型のスナイパー仕様に搭乗している

 

今回義之は、この二人と組んでいる

 

『オーディーン4、橘菊理(たちばなくくり)。準備は完了してるから、何時でも大丈夫ですよ』

 

次に映ったのは、長い黒髪にクリッとした瞳。広い額が特徴の女性だ

 

名前は橘菊理である

 

彼女はバスターガンダムに搭乗して、中、遠距離支援を得意としている

 

バスターガンダムの欠点は格闘用兵装がないので、近距離戦を苦手としている

 

『オーディーン5、更識楯無(さらしきたてなし)、何時でも大丈夫よ~』

 

菊理に続いて、お気楽そうな声が聞こえてきた

 

画面には、外にはねている水色のショートカットの髪が特徴の女性が映っている

 

名前は更識楯無で、アストレイブルーフレームセカンドLに搭乗している

 

飄々としていて掴みどころがないが、かなりのカリスマ性を有している

 

義之も時々、行動が読めなかったりする

 

『フェニックス1、草壁美鈴(くさかべみすず)。準備は完了している!』

 

次に映ったのは、キリっとした眼に長い赤髪。凛とした雰囲気の美少女だった

 

名前は草壁美鈴と言い、剣術においては類まれなる腕を誇っている

 

そんな彼女の搭乗機はアストレイ・レッドフレームである

 

レッドフレームの腰には、日本刀型近接戦闘長刀の<ガーベラ・ストレート>が装備されている

 

『フェニックス2、皐月駆(さつきかける)。準備完了! 行ける!』

 

次に映ったのは、少し長い前髪で右目が隠れた少年だった

 

名前は皐月駆である

 

彼は、近接戦闘重視にカスタムされたアストレイ3型に搭乗している

 

なお、駆と菊理は付き合っている

 

今回、菊理から駆までの四人がチームを組んでいる

 

『アイギス1、如月修史(きさらぎしゅうじ)! 準備は完了! いつでも行ける!』

 

続いて映ったのは、童顔に少し身長の低い男だ

 

名前は如月修史と言う

 

見た目が若く、声も高い。そのため、高校生と言われたら信じそうだが、立派な成人男性だ

 

自分の見た目がコンプレックスである

 

彼は、近接格闘用にカスタムされたアストレイ3型に搭乗している

 

『アイギス2、真田設子(さなだせつこ)、準備は完了している。いつでも』

 

次に冷徹な声と共に映ったのは、薄紫色の髪が特徴の女性だった

 

名前は真田説子と言う

 

元々は敵対関係だったが、所謂、尻尾切りにあい、処分されそうになったのを修史が助けたのだ

 

暗殺者として育てられたために、あらゆる技能に優れているのだ

 

補足だが、彼女と修史は付き合っている

 

そんな彼女は、高機動近接戦闘重視にカスタムされたアストレイ3型に搭乗している

 

『アイギス3、穂村有里(ほむらゆうり)! いつでも行けまーす!』

 

続いて朗らかに言ったのが、穂村有里である

 

腰近くまで伸ばした緑色の髪に、八重歯が特徴の女性である

 

彼女は機動近接戦闘重視にカスタムしたアストレイ3型に搭乗しており、特に機動砲撃が得意なのだ

 

そして、修史、説子、有里の三人でアイギスの三枚楯と呼ばれている

 

そして、全員が返事したのを確認すると義之は頷いて

 

「OK! 全員確認した! さあ、始めようか! エインフェリアの選定を!」

 

と、凛とした声で告げた

 

すると

 

『ジャミング、スタート!』

 

と、麻耶が告げた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

稟side

 

『あーもう! いきなりなんなのよ! ジャミングなんて、聞いてないわよ!』

 

「涼宮、気持ちはわかるから怒鳴るな。耳がキンキンする」

 

俺の所属してる訓練部隊隊長の涼宮茜が、突然のジャミングに怒鳴っている

 

おかげで耳が痛い

 

だけど、気持ちはわかる

 

40分が経過したら、いきなり強力なジャミングが発生してレーダーが近距離しか効かなくなった

 

しかも、CP(コマンドポスト)とも連絡が着かない

 

『茜、落ち着きなって』

 

「そうだ、落ち着け。多分、これも予定にあったんだろうな」

 

『……そうね。ウダウダと言っても、仕方ないわね』

 

俺と柏木の言葉で落ち着いたのか、涼宮は一回深呼吸をすると

 

『全周警戒を厳にしながら、移動しましょう!』

 

『『『『「了解!」』』』』

 

俺達は涼宮の命令に従って、移動しようとした

 

その時だった

 

首筋をチリチリと、嫌な感覚が走った

 

俺は直感に従い、機体を真後ろに向けた

 

『土見、どうしたの?』

 

俺が進行方向とは逆の方向に機体を向けたのを不思議に思ったのか、柏木が首をかしげた

 

「………」

 

俺はそれに返答せず、ずっと視線を向こうに向けていた

 

その瞬間

 

一瞬だったけど、光った

 

「っ! 柏木!」

 

俺は直感に従って、隣の柏木機を突き飛ばした

 

『土見、なにを!? なっ!?』

 

涼宮が驚いて俺を叱った

 

その瞬間

 

青い閃光が、先ほどまで柏木機の立っていた場所を駆け抜けて、ビルを貫通した

 

ビームじゃねぇか!

 

「全機! ビルの影に隠れろ! 次が来るぞ!」

 

俺の掛け声に全員すばやく反応して、ビルの影に隠れるが

 

「柏木! 早くしてくれ! 長くは保たない!」

 

『わかってる! でも、こうなった原因は土見にあるんだけど?』

 

「文句は後で聞いてやるから、早く!」

 

俺はビルにめり込んでる柏木機の前に立って、楯を構えていた

 

ビームと実弾が交互に楯に当たって、機体が激しく揺れた

 

『よし! 土見、いいよ!』

 

「了解!」

 

柏木が隠れたのを確認した俺は、機体をビル陰に隠した

 

禀SideEND

 

第三者Side

 

「お? 隠れたうえに、ビルを切って簡易版の煙幕を作ったか……あの六番機、イイ勘してるな」

 

義之はメインモニターを見ながら、笑みを浮かべた

 

『あれをイイ勘で済ませられますか? 私がトリガーに指を掛けた瞬間に反応してましたよ?』

 

そんな義之を、妹分の由夢が呆れた顔で見ている

 

「俺はイイ勘だと思ったんだがな」

 

由夢の言葉に義之は、唸っていた

 

すると

 

『桜内、貴様は一度、自分の操縦ログと我々の操縦ログを比べてみろ。違いが一目瞭然だぞ』

 

「ん~、俺は至って普通のMSパイロットなんだがな……」

 

美夏の言葉に義之は、腕組みをしながら唸った

 

 

『『いい(え)や、異常だ(です)』』

 

美夏と由夢は同時に言い放った

 

「俺に味方は居ないのか!?」

 

と義之がうなだれていると

 

『しかし、どうしますか兄さん? このままでは狙えませんよ?』

 

『美夏が行こうか?』

 

と二人が問いかけてきた

 

すると、義之は姿勢を正して

 

「いや、俺が行こう。由夢はそのまま狙撃を続行。天枷は由夢の護衛を」

 

『『了解!』』

 

二人が斉唱すると同時に、義之はストライクを前進させた

 

「さて、楽しませてくれよ!」

 

第3者sideEND

 

武side

 

「くっそ! なんなんだよこいつ!」

 

俺達は未確認の新型機に突如襲われた

 

しかも、状況を確認しようにも、CPとの通信も途絶してる

 

『02! こっちに来れないの!?』

 

『無茶言うな! こっちの相手はイージスだぞ!』

 

おいおい! GATかよ!

 

『ど、どうするんですか~!?』

 

『05落ち着いて! 前方の相手を狙撃して!』

 

なるほど!

 

『え!? でも、当たりませんよ?』

 

『当たらなくっていいの! 相手に隙が出来れば、06が突撃する!』

 

「おう! 俺に任せろ!」

 

俺は委員長の考えに気付いて、模擬弾の装填されたライフルを投棄、代わりにビームサーベルを装備した

 

『……わかりました! 足止めは出来ても、数秒です!』

 

「十分だ!」

 

俺はスラスターを吹かした

 

武sideEND

 

水月side

 

「あっはっは! なかなか楽しませてくれるじゃないの!」

 

あたしは今の戦いが楽しくって、高笑いしてた

 

今あたしが相手をしてるのは、207訓練部隊の1、5,6番

 

なかなかの連携じゃないの!

 

すると、サブ画面に中佐の顔が映った

 

『速瀬、そっちはどうだ?』

 

「あ、中佐! なかなか楽しめてますよ! 中佐はどうですか?」

 

あたしは1番機の撃ってきた弾を避けながら、ビームで牽制した

 

『こちらも中々だな』

 

「ですよね! しかもこいつら、動きに独創性が見られます。なにより、あの6番機」

 

『ほう。よく気付いたな』

 

「と、言いますと?」

 

『あの6番機のパイロットが、新型OSの発案者だ』

 

「マジですか!?」

 

おっと、言葉遣いが

 

『ああ、本当だ。ただし、口外は無用だぞ? 機密だからな』

 

「了解!」

 

おっと! あの5番機、際どい位置を狙うじゃないの!!

 

あたしは5番機が撃ってきた弾を避けて、一気に接近してきた6番機を蹴り飛ばした

 

悪いけど、訓練生如きの弾なんざ喰らってられないのよ!

 

あたしの目標は義之に勝つこと!

 

だから、あんたたちには踏み台になってもらうわよ!!

 

水月sideEND

 

一夏side

 

「くっそ! こいつら!」

 

俺は、目の前の機体が振り下ろしてきた刀を紙一重で避けた

 

「いきなり襲ってきて、誰なんだよ! それに、アストレイに似てる機体を使いやがって!!」

 

俺の目の前に居る機体は、正直言って、M1アストレイに似てた

 

だけど、所々違う

 

『まさか……ガンダム!?』

 

おお、あの簪が大声を………って、マジか!?

 

「ガンダムだと!?」

 

『うん! 聞いたことがある。アストレイを量産するに当たって、ガンダムをベースにした機体を開発したって!』

 

「なるほど! それなら納得だ!」

 

俺は刀を再び避けるが、楯を持っていかれた!

 

「ちい! 2、3、8! こっちに来れないのか!」

 

『無茶言うな! こっちにも蒼いアストレイが来てるんだ!』

 

『なんなのよこいつ! あんな大きい得物なのに、動きが速い!』

 

俺はサブ画面に映ってる戦いを見た

 

そこには、確かに蒼いアストレイが居た

 

が、かなり形状が違ってるし、なにより巨大な剣を持ってる

 

『こっちも難しい! ミサイルの雨が激しい!』

 

『敵機捕捉! 機種特定………GAT-X103、バスター!』

 

直哉の報告の後、セシリアの切羽詰った声

 

って、マジモンのGATかよ!

 

『一夏! こうなったら、集中攻撃で突破するしかないぞ!』

 

『うん、僕もそう思う!』

 

ラウラの提案にシャルが賛同した

 

確かに、これ以上はジリ貧になるな

 

「わかった。20901より209各機! 一か八かで集中突破する! バスターを落とすぞ!」

 

『『『『『『『了解!』』』』』』』

 

こうなったら、意地だ!

 

一夏sideEND

 

美鈴side

 

「ほう、この攻撃を躱すとはな!」

 

私、草壁美鈴(くさかべみすず)は目の前の1番機が斬撃を躱せたことに驚いた

 

私は幼少の頃より剣を嗜んでいるので、剣には自信があったが

 

いやはや、訓練生のなかにも強者が居るものだ!

 

『うーん、確かに強いわねぇ。私の攻撃も避けられてるし』

 

「楯無か。そっちはどうだ?」

 

私は一緒に接近戦を挑んでいる寮機のパイロット

 

更識楯無に問いかけた

 

『今年は粒ぞろいねー。それに、簪ちゃんも強くなってたし♪』

 

「む? あの7番機はお前の妹か?」

 

私は、サブ画面に映っているMLRS(マルス)装備の7番機を見た

 

『そうよ~。あ、だからって手加減しないでね?』

 

「ふっ、その心配こそ無用だろ」

 

戦いで手加減をするのは、相手に対して失礼だからな!

 

『こちら菊理。ミサイル攻撃から射砲撃支援に変更します』

 

『それに伴って、皐月駆が援護に入ります!』

 

「了解した。気をつけろよ? どうやら、集中突破する気らしいからな!」

 

『『了解!』』

 

さて、楽しませてもらおうか!

 

美鈴sideEND

 

クラリッサside

 

「くっそ! 何者だこいつらは!」

 

私の部隊は突如、所属不明の機体に襲撃されていた

 

見た目はアストレイタイプらしいが、機体ごとに細部が違う

 

新型か?

 

前衛を勤めてる機体は両手に小型の盾を装備して、打撃兵装として利用してる

 

中間に居る機体は両手にビームマシンガンを装備しているし

 

後方に居る機体はビームナイフとビームライフルを装備しているようだ

 

しかも、一機ずつ特性が違うのか、速度や挙動が違う!

 

『お姉さま! クリスが! クリスがぁ!』

 

「なに!?」

 

気付けば、クリスの機体が廃ビルに減り込んで機能を停止していた

 

恐らく、気絶したのだろう

 

「ちぃ! 全機、連携を密にしろ! 相手は格が違う!」

 

『『『『『了解!』』』』』

 

ええい、誰なんだ!!

 

クラリッサsideEND

 

修史side

 

「へー。味方が撃破されたのに、立て直すのが早いな。流石は、元ドイツ軍特殊部隊か」

 

俺、如月修史は機体のコクピットでそう呟いた

 

『油断するなよ。情報だと、隊長は実戦経験者だ』

 

「わかってるよ、説子」

 

俺が設子に返事をしたら、サブ画面に有里の顔が

 

『連携もだけど、指揮能力に操縦技術も高いわね。修史でも一機が限界なんて』

 

確かにな

 

俺も義之ほどじゃないが、操縦技術には自信があったんだがな

 

「そんじゃあ、本気を出していくぞ!」

 

『ああ』

 

『りょうか~い』

 

二人からそれぞれ、返事がきた

 

さて、一気に行くぜ!!

 

修史sideEND

 

稟side

 

『茜ちゃん! どうすっべか!?』

 

「築地、落ち着け。方言になってるからな」

 

俺は、パニックになって方言で叫んでいる築地をたしなめていた

 

だけど、気持ちはわかる

 

ビルを斬って簡易の煙幕を作ったが、相手に狙撃兵が居るのは変わらない

 

どうするか悩んでいた時だった

 

『っ! レーダーに感アリ! 距離600!』

 

そうだった! 柏木の機体はスナイパー仕様だから、俺達の機体よりはレーダーが強力なんだ!

 

『機種の特定は!?』

 

『待って…………ライブラリ照合結果は……GAT-X105! ス、ストライク!!』

 

柏木が悲鳴みたいに報告すると同時に、その姿が視界に入った

 

特徴的な赤青白のトリコロール

 

四本角の頭部

 

赤い翼

 

その姿は

 

2年前と変わってなかった

 

『な!? なんで、初音島の守護神が!? って、土見!?』

 

気付けば、俺はスラスターを全開にして突撃していた

 

「ストライクは俺が抑える! 涼宮たちはスナイパーを!!」

 

俺はそう言いながら、ライフルを投棄してビームサーベルを装備した

 

『土見は私が援護するから、茜たちは行って!』

 

柏木の声が聞こえたが、俺の意識はそちらに向かなかった

 

すると、ストライクもビームライフルを腰にマウントしてビームサーベルを抜刀した

 

そして

 

切り結んだ

 

俺は鍔迫り合いになりながらも、機体を前に進めた

 

その結果、機体同士の額がぶつかった

 

「ストライク! 俺は…ようやく……ようやくここまで来た!!」

 

俺の口からは、自然とその言葉がこぼれた

 

すると

 

『ほう? この声は………なるほど、あの時の君か!!』

 

この声は!

 

「あなたは、あの時の!!」

 

そう、間違いない

 

あの時のパイロットだ!!

 

『面白い! さぁ、全力で来い!』

 

「行きます!!」

 

俺の力を見せてやる!!

 

稟sideEND

 

晴子side

 

なんで、初音島の英雄がここに!?

 

私はモニターに映った機体を見て、驚きで固まっていた

 

『な!? なんで、初音島の英雄が!? って、土見!?』

 

っ! 土見はなんで!?

 

『ストライクは俺が抑える! 涼宮たちはスナイパーを!!』

 

!? あの土見が感情をあらわに叫んでる!?

 

私はそんな土見がほっとけなくって

 

「土見は私が援護するから、茜たちは行って!」

 

気付けば、71式狙撃砲をストライクに向けていた

 

その先では土見が模擬弾の装填されたライフルを投棄して、サーベルを抜いていて

 

ストライクもあわせるように、サーベルを抜いていた

 

そして、激突

 

二機のビームサーベルがぶつかりあって、激しくスパークを散らした

 

『ストライク! 俺は…ようやく……ようやくここまで来た!!』

 

へ? この言い方……土見はストライクに会ってる?

 

『ほう? この声は………なるほど、あの時の君か!!』

 

って、ストライクも土見を知ってる!?

 

『あなたは、あの時の!!』

 

って、土見も知ってるの!?

 

『面白い! さぁ、全力で来い!』

 

『行きます!!』

 

くっ……二人の交差が早くって、援護しづらい!

 

土見、がんばって!!

 

私は祈る気持ちで、スコープを覗き続けた

 

晴子sideEND

 

第3者side

 

訓練生部隊と義之たちが戦闘を開始してから、10分後

 

結局、訓練生部隊は全機撃墜された

 

しかし、義之たちにとっては予想以上で

 

義之たちにとっては、嬉しい誤算だった

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