「ぐっ……オォォォアァァァァ!!」
直哉は幾度目かの突撃をしながら、冷静に
(もう、長くは持たないな)
と思考していた
それは、自分だけでなく円夏もだった
双方共に、体が限界間近だった
直哉はGで
円夏は、未来予測による脳の過負荷で
その証拠に、互いに動きが鈍くなってきていた
しかしそれでも、自由ユーラシア軍パイロットからしたら、人外の域だった
そして直哉は、暗くなってきている視界をなんとか維持しながら
(俺は、持って後五分……円夏も同様だろう……)
と考え始めた
そして、サブモニターに見えている唯依達の戦いを見て
(唯依達は、まだ持つか……)
と判断した
実際は紙一重の攻防だが、直哉は唯依達を信じた
そして
「さあ、決着を着けようか……円夏!!」
と言って、ペダルを思い切り踏み込んだ
そして、メインモニター隅に表示されるのは赤く《危険》の文字
その理由は、予想表示されたGが
18Gだったからだ
その証拠に、直哉は今までで最大のGでシートに押し付けられ、視界が狭まっていく
しかしそれを、砕けんばかりに歯を食い縛り耐えた
そして見えたのは、間近に迫ったフォビドゥンだった
それを見た直哉は、高速でディバインストライカーをクローにして、まずフォビドゥンの肩を掴ませた
そして、両手に持ったビームサーベルを振るった
それにより、右腕と左足は切断され、フォビドゥンはバランスを崩した
しかしその時、フォビドゥンのフレスベルグの砲口が臨界に達していた
その直後、放たれたフレスベルグによりテスタメントの頭部が吹き飛んだ
しかし直哉は、直ぐ様モニターにサブカメラの映像を回した
映ったのは、なんとか逃げようとしているフォビドゥンだった
だが直哉は
「に……逃がすかぁぁぁぁぁ!!」
と血を吐き出しながら叫び、ビームサーベルを頭に突き刺し、体当たり
そのまま、フルスロットルを維持し
「アアァァァァァァ!!」
フォビドゥンの背後にあった廃墟に、突撃した
それにより、直哉が被っていたヘルメットのバイザーは碎け散った
そして直哉は、自機と共に廃墟に突っ込んだフォビドゥンを見て
「勝った……」
と呟いて、意識を手放した
正確には、脈拍が停止した
それに気付いたのは、サブモニターに直哉のバイタルを表示させていた唯依だった
「つっ!? 間に合え!!」
唯依はそう言いながら、レバー横に追加で設置された赤いボタンのカバーを開いて
「戻ってこいっ!!」
と言って、スイッチを押した
その数秒後、微かにだが直哉の脈拍が再始動した
それを見た唯依は内心で、深々と安堵の息を吐いた
そして、動かない直哉機を見て
(パイロット、機体共に、直哉はもう戦闘不能だ。早く帰投させて、治療を受ける必要がある)
と判断した
そして、メインモニターに視線を戻した
するとどういうことか、ブラウカラミティとゲルプレイダーの動きが鈍っていた
もしかしたら、ロートフォビドゥンが撃墜されたのが響いているのかもしれない
そう判断した唯依は、思わず
「貴様らにも、仲間意識があったようだな」
と呟いた
そして、ライフルを放った
それにより、カラミティが両手に持っていたバズーカの内の右手のが破壊された
それにより、動きが鈍った隙を見逃さず、唯依は踏み込んだ
「はあぁぁぁ!」
そして、気合い一閃
ビームサーベルを振り下ろした
その一撃により、ゲルプレイダーが保持していたミョルニル改を切り裂いた
その直後、ゲルプレイダーは素早く変形
ブラウカラミティの両肩をクローで掴んで離脱していった
それを見た部下達が
『逃がすか!』
と言って、追撃しようとした
しかし
「いい、追うな」
と唯依は制止した
『大尉……』
「下手に追撃して、未確認のもう二機と戦う訳にはいかない。今は、直哉機を回収しつつ、ストラトス隊と合流するぞ」
『了解!』
唯依の判断は正しいだろう
唯依達も、二機との戦闘でエネルギーと推進材を大分消費していた
精鋭揃いのホワイトファング隊とは言え、油断は出来なかった
その後唯依達は、直哉機の回収に向かいつつストラトス隊を援護し、合流
この時、義之の攻撃によりデストロイは撤退していった
こうして、地上戦も幕を下ろしたのだった