機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

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命の価値

「開けるぞ! 担架は待機していろ!」

 

と言ったのは、唯依である

戦闘終結後、唯依は義之に上申して自由ユーラシア軍に医療班を要請した

そしてこれから、テスタメントのコクピットハッチを開けるところだった

直哉の心肺が一度止まったために、一刻を争うと判断したのである

唯依の思いと直哉が心配だったからか、義之は直ぐ様自由ユーラシア軍に医療班を頼んだ

そして現場指揮官だったラトロワも、それを快諾

医療班を向かわせた

そして医療班が担架を所持したのを確認した唯依は、義之から教えられたパスワードを入力した

その数秒後、ハッチが強制解放された

その直後唯依は、体をコクピット内に滑り込ませた

そして、息を飲んだ

直哉のヘルメットのバイザーが、血で真っ赤になっていた

唯依は逸る心を抑えきれず、ヘルメットを脱がした

直哉の顔色は、もはや蒼白だった

唯依は直哉の体を押さえていたシートベルトを外し、肩で直哉を担いで

 

「今から降りる!」

 

とワイヤーガンで、ゆっくりと降りた

医療班の保持していた担架にゆっくりと寝かせ、医療班を見ると

 

「後を頼む」

 

と言った

すると、班長らしい男性が

 

「最善を尽くします」

 

と言って、医療班を進ませた

しかし、直哉の胸元に脈拍を計る機械を着けた班員が

 

「なんだ……二重に映る!? 不整脈になってるのか!?」

 

と声を上げた

すると、義之が

 

「彼は……ユーラシア連合によって強化人間にされています……一つは、人工心臓です」

 

と説明した

それを聞いた班長が

 

「増血剤を用意! それと、生理食塩水!」

 

と指示を出した

その間に、みちるが直哉機が押し付けたロートフォビドゥンに取りついて

 

「ハッキングします」

 

と端末の操作を開始した

そして、約十秒後

 

「開きます」

 

とみちるが言った

その直後、ロートフォビドゥンのコクピットハッチがゆっくりと開いた

開ききった直後、数人の兵士が小銃を突き付けた

そして、困惑した

中では、小柄な少女が意識を失っていたからだ

すると、義之が中に入り

 

「こいつだな」

 

とシートの後ろに有った機械に、銃弾を数発撃った

すると、自由ユーラシアの兵士の一人が

 

「大佐殿、それは?」

 

と義之に問い掛けた

すると義之は、拳銃を仕舞いながら

 

「こいつは、繭……ユーラシア連合が研究している、狂った物さ」

 

と言って、まず円夏をゆっくりと下ろした

そして

 

「医療班、この娘も頼む。恐らく、脳への禍負荷が原因だ」

 

と言った

すると、医療班の一人が

 

「敵ですよ!?」

 

と驚愕していた

すると、義之が

 

「復讐心に囚われるな……強化兵にされているのは、同じ人間だ……それにこの娘は、我が国の国民だ……保護する」

 

と告げた

織斑円夏の名前は、実は初音島の国籍に一回登録されていたのだ

織斑一夏の双子として

しかし、直哉とほぼ同時期に行方不明になっていた

二人揃って、ユーラシア連合によって強化人間にされていたのだ

直哉は自我崩壊の影響で、その研究所の場所は覚えていなかった

しかし、円夏は自我の崩壊はしていない

もしかしたら、場所を知っているかもしれなかった

なんとしても、助ける必要があった

その時

 

『スクルド3よりオーディーン1。接近する大型の艦艇を複数確認! 所属は……NAU海軍、第七機動艦隊!』

 

と機体に搭乗していた由夢から、通信がきた

どうやら、NAU海軍の艦隊が近付いてきているらしい

すると、オープンチャンネルで

 

『こちらはNAU海軍第七機動艦隊旗艦、ジョン・F・ケネディ艦長のジョージ・オルストンだ。どうやら戦闘は終わってしまったようだが、物資は入り用かな?』

 

と男性の声が聞こえた

その時

 

「班長、大変です! 増血剤が足りません!」

 

と声が聞こえた

それを聞いた義之は

 

「救援感謝します。医療品が不足しています」

 

と告げた

それを聞いたジョージ・オルストンは

 

『了解した。出せる医療品だけでなく、艦内の手術室も使ってくれ』

 

と言った

それを聞いた義之は、感謝の言葉を告げて

 

「重傷者はJFKで手術が出来るぞ! 搬送用意!!」

 

と声を張り上げた

その時、JFK甲板からMSが大型のコンテナを持って飛んできた

そしてゆっくりと下ろして

 

『医療品です。使ってください!』

 

『こちらは、食料品です!』

 

と言った

それを聞いて、兵士達はコンテナを開放

中から医療品や食料品を出して運び始めた

すると、一人の兵士が

 

「班長! 増血剤です!」

 

「よし、持ってこい!」

 

と医療班のテントに持っていった

すると、一機のリーオーが背部に大きなバックパックを背負って着地し

 

『このバックパックには、手術室があります! 使ってください!』

 

と女性

リリア・シェルベリが言った

そのバックパックは、NAUが新しく開発した移動手術室だった

それにより、戦地や被災地でも高度な手術が出来るようになっていた

ジョージ・オルストンはそれを、独断で投入したのだ

失われそうな命を救うために

 

「移動が困難な重傷者を、あの手術室に! 移動が可能なのは、JFKの方に!」

 

『了解!』

 

ラトロワの指示を受けて、医療班だけでなく全自由ユーラシア軍

そして、駆け付けたNAU海軍も動いた

命を救うために

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