義之達がユーラシア連合の凶行を知ったのは、ロドニアから離れた翌日だった
「核だと!?」
「はい、アメノミハシラで確認されました。間違いありません」
義之の言葉にそう返したのは、通信手のななかだ
その通信は、複数の人工衛星を中継して、アメノミハシラから送られてきたようだ
「しかも、一発ではなく、複数発使われた模様です」
ななかが続けて説明すると、義之は額に手を当てた
そして、少しすると
「どこで使用されたか、分かるか?」
と問い掛けた
するとななかは
「まだ解析中ですが、予測ではダルクス軍の宇宙要塞……ボアズかと」
と答えたのだった
そして、ロドニアでの作戦から数日後、一行は初音島に帰還
修理を開始した
艦艇や機体の修理には、最低でも数日を要する
その間作戦参加要員は、準備や休みをすることになった
その中で唯依は、ある病院
水越総合病院の廊下を歩いていた
目的地は、直哉が居る病室である
その直哉だが、つい先日に意識が回復
今現在、リハビリ中だという
本当ならばまだ療養すべきだが、看護師立ち会いの下でリハビリに励んでいるようだ
「落ち着きが無いというべきか……」
両手に見舞品を持ちながら、唯依は思わずそう呟いた
その見舞品だが、ストラトス隊のメンバーから頼まれた物が大半だが、自分のもある
そして、受付から聞いた部屋に到着
唯依は、ノックした
すると、中から
『どうぞ』
と入室を促す声が聞こえた
それを聞いた唯依は
「失礼する」
とドアを開けた
そして見えたのは、上半身裸の直哉だった
タオルを持っていることから、どうやら汗を拭いているらしい
唯依は、なんとか平静を保ちながら
「直哉……着替えてる時は入れるな」
と忠告した
すると直哉は、少し間を置いてから
「ああ……それもそうだな」
と同意した
そして、病衣を着込んで
「見舞いか?」
と唯依に問い掛けた
すると唯依は
「ああ……これが、ストラトス隊の隊員達からだ」
と言って、3つの紙袋を台の上に置いた
それを見た直哉は
「分かった、後で確認する」
と答えた
そして唯依は、最後の紙袋を置きながら
「それで、こちらが私からだ」
と言った
それを聞いた直哉は
「ありがとう」
と言葉少なげに、感謝の言葉を告げた
そして直哉は、ベッドに腰掛けた
すると唯依は、近くの椅子に座った
そして、直哉に
「作戦の結果は、聞かないのか?」
と問い掛けた
その問い掛けに、直哉は
「唯依達が帰ってきた……なれば、答えは自ずと分かる」
と言った
そして、小さく
「これで……俺の同類は産まれなくなったな……」
と呟いた
その言葉を敢えて聞き流し、唯依は
「直哉……もうリハビリしていると聞いたが」
と直哉に問い掛けた
すると、直哉は
「ああ……強化人間とはいえ、動かないでいると鈍るからな……だから、リハビリしている」
と答えた
それを聞いた唯依は、苦笑しながら
「真面目なお前らしいが……無理はするなよ?」
と言った
それを聞いた直哉は
「近々、更に大規模作戦が起きそうだからな……それには、参加しないとな……テスタメントも、改修された」
と言って、端末を手に取った
そしてその端末を、唯依に差し出した
それを見た唯依は
「いいのか? 機密だろう?」
と直哉に問い掛けた
すると直哉は
「どうせ、遅かれ早かれ見ることになる……」
と言った
それを聞いた唯依は、端末を受け取った
そして
「これは……最新技術の塊だな……装甲はVPS装甲?」
「PS装甲の上位らしい……エネルギーの消費や装備による電圧の変化……それにより、PSに回すエネルギー量が変わり、装甲に回す最適化されたエネルギーでPS化する……それが、VPS装甲らしい」
唯依の疑問に、直哉はそう答えた
すると唯依は
「素晴らしい……流石は初音島だ……これなら、長時間戦闘も可能だ……それに、対G緩和機構としてリニアシート……掛かるGを三割も減らすのか」
と言った
端末に表記されている対比データから、割り出したようである
「さくら様と束博士には、頭が上がらないな……丁度二週間で改修を終わらせてるからな……」
そう、さくらと束の二人は、テスタメントの改修をジャスト二週間で終わらせたのだ
最新の技術を全て投入し、性能は二割増し
機体は直ったのだから、後は直哉次第
だから直哉は、ジッとしてられなかったのだ
早く復帰したいと
だから直哉は、医師に頼みナノマシンを投入
治療と並行しながら、リハビリを開始したのである
「私も先程聞いたばかりだが……ユーラシア連合が、ダルクス軍のボアズに、核を使ったそうだ」
「核だと!?」
唯依の言葉を聞いて、直哉は驚愕した
まさか、核を使うとは思ってなかったのだ
「恐らく、次はコロニーだ……」
「尚更、ゆっくりは出来ないな……」
直哉はそう言うと、外を見た
そして直哉は
「医師に相談だな……退院、早めないとな」
と呟いた
そして、全員は動き始めたのだった