時は遡り、義之達がロドニアの強化人間研究所を陥落させる少し前
ダルクス軍宇宙要塞 ボアズ指令室
「Y318ポイントの敵、引き返します!」
「深追いはするな。損害を報告させて、再編成を急がせろ」
「Nフィールドから、救援要請!」
「第338防衛中隊、出撃。向かわせろ」
指令室内では、矢継ぎ早に指示が下されていた
その理由が、今から数十分前からユーラシア連合軍が攻めてきたからである
その迎撃により、指令室は騒がしくなっていた
だが、状況は僅かだがダルクス軍の方が優勢気味と言えた
そもそも、ユーラシア連合軍の進軍速度が、それほど高くないのも挙げられる
それを映像で見ていたボアズ司令官
バームは、後ろに居た副官
ダルムに
「ダルム、どう思う?」
と問い掛けた
すると、ダルムは
「恐らくは、威力偵察かと思われます」
と答えた
それを聞いたバームは、うむと頷き
「その可能性が高いな……幾らなんでも、進軍の勢いが弱い」
と呟いた
二人が見ている戦況マップには、未だに第一防衛線すら突破していないことが表示されている
そう思っても、不思議ではないだろう
だが、その時
「敵の一部戦力が、第一防衛線を突破!」
と報告がされた
それを聞いたバームは、冷静に
「落ち着け! 詳細を報告しろ!」
と言った
すると、一人の女性通信士が
「第一防衛線右翼を、敵MS部隊が突破。CG補正付きですが、正面に映像出します!」
と言った
その数秒後、メインスクリーンにそのMS部隊が映しだされた
その先頭に居るのは、四機のガンダムタイプ
それを見たバームは
「ユーラシア連合のガンダムタイプか! 第138特化大隊を回せ! 足止めさせろ!」
と指示を下した
そして続けて
「余力のある部隊は!?」
と通信士に問い掛けた
すると、先ほどとは別の通信士が
「第446機動中隊です!」
と答えた
それを聞いたバームは
「第446中隊を援護に向かわせろ! 奴等のデータ収集、急げ!」
と指示を下した
その指示に従い、数人の通信士達が忙しなく計器の操作を始めた
その時だった
副官のダルムは
「待ってください……ガンダムタイプの後方のMS部隊は……ウィンダム?」
と目を細めた
それを聞いたバームは、一人の通信士に
「ガンダムタイプ後方のMS部隊を拡大しろ」
と指示した
それに従い、そのMS部隊が拡大表示された
それは、二基のコンテナを背負ったかのような印象のウィンダム隊だった
「なんだ、あの部隊は……」
「武装は……ビームライフル位のようです」
バームとダルムは、メインスクリーンに表示されているウィンダムを見て首を傾げた
その武装を見て、最初は補給物資を運んでいるのかと思った
だが、それが覆されたのは数秒後だった
背負っているコンテナ
その側面に、核を示すマークがあったからだ
「まさか!?」
「核運用部隊か!? 予備部隊全てを投入しろ! あの部隊を最優先撃破!!」
敵の目論みに気付き、バームは怒鳴るように指示を下した
それを受けて、出撃ハッチから次々とMS部隊が出撃
更に、要塞砲の過半数がその方向に砲撃を開始した
しかし、それを嘲笑うかのようにガンダムタイプが次々とMS部隊を撃破
第二防衛線まで食い込んできた
それを見たバームは
「本国に至急電! 当要塞の陥落は最早確実……なれど、我等は奮闘す!」
と言った
それを聞いて、指令室の要員は全員敬礼した
どうやら、覚悟を決めたらしい
この十数分後、ボアズは核攻撃を受けて陥落した
しかし、ボアズの奮闘は決して無駄ではなかった
ボアズは陥落する寸前に、収集したガンダムのデータを全て本国に送信
最早、大量破壊兵器の応酬は止まらない段階になった