研究所襲撃から、約一週間後
「……という訳で、本日で復帰だ」
「ご迷惑をおかけしました。神崎直哉少尉、復帰します」
直哉が、正式に源隊復帰を果たした
そんな直哉に、各々言葉を投げ掛けていると
「まだ話しは終わりじゃないぞー」
と義之が言ったので、黙った
全員が黙ったのを確認すると、義之は
「我々は二日後、
と語り始めた
そして義之は続けて
「既に聞いている通り、我々がロドニアの研究所を破壊した時、ユーラシア連合がダルクス軍の宇宙要塞ボアズを攻撃……多数の核により、ボアズを攻略した」
と言った
それを聞いて、何人かが表情を曇らせた
義之はそれに気付いているが、敢えて流し
「我々の目的は、ユーラシア連合の次の目的だろう……ダルクス国の攻撃の阻止だ」
『はっ!!』
義之の言葉を聞いて、全員は姿勢を正しながら斉唱した
自分達の行動次第で、ダルクス人達数百万の命が終わるか救われる
ならば、やるしかない
彼等はそう思った
全員の斉唱に満足したのか、義之は満足そうに頷いた
そして、全員を見回して
「さてその前に、全員に丸一日の休暇を与えることになった」
と言った
「次の戦場は、かなり離れたL4だ……一度上がれば、簡単には戻ってこれない……更には、三つ巴の戦闘が予想される……だから、明日は丸一日休暇だ。家族と過ごすもよし。恋人と過ごすもよし……思い残すことの無いようにしろ」
義之はそう言って、全員に休暇許可書を渡した
それを受け取った何人かは、不安そうな表情で空を見上げた
正確には、遥か彼方のL4を思っていた
未だに交戦したことのないダルクス軍
出来れば、ダルクス軍とは交戦したくはない
ダルクス軍
正確には、ダルクス人は半世紀に亘って、ユーラシア連合から弾圧され続けた
その彼等は、ユーラシア連合に反旗を翻した
だがユーラシア連合は、そのダルクス軍の独立を許さなかった
態々、莫大な費用を掛けて核を月面のユーラシア連合軍基地
グリマルディ基地に運んだ
ボアズの攻略に多大な数を使っただろうから、補給には時間が掛かるのは目に見えている
だから、時間との勝負になる
もう一週間経っている
更に、L4に到達する時間を考えれば、かなりギリギリになるだろう
恐らく、到着した時は戦闘の真っ最中になる確率が高い
「この戦争……終わらせてやる……」
と言ったのは、誰だったのかは分からない
約一年間続いた、ユーラシア連合との戦争
たった一年だが、余りにも多くの人間が死んだ
計算では、約二億近い人達が死んだ
その大部分が、ユーラシア連合軍ファントム・ペインによって出たことになっている
たった一年の戦争にしては、余りにも多くが亡くなった
「終わらせるんだ……亡くなった人達のために……」
誰かのその言葉を最後に、彼等は解散
隊舎から出た
そして後悔しないために、歩き出す