駄文ですみませんが、どうぞ!
緋沙子side
「「…え?えええええええ───────────!!!!!????」」
私は思わず、大きな声を出していた…。
『こ、この子が男子…?確かに…男子の制服を着てはいるが…。信じられない…。こんなに可愛いのに…。』
私同様に驚いた声を出していた、えりな様の様子をチラリと窺う…。
『えりな様もお顔が少し赤いような…。はっ!えりな様も?………?えりな様もとはなんだ?』
私は頭を振り、頭の中を空にしてもう一度、彼の様子を窺う…。
『確かに男子の制服を着ているとはいえ…見た目は完全にショートボブの女の子…。私とえりな様の驚きの声になんだか、苦笑いをしているが…。』
『こんな可愛い男の子がいるなんて…何かが間違っている!!!』
私は思わず心の中で叫んでいた…。
えりなside
「「…え?えええええええ───────────!!!!!????」」
私は思わず、大きな声を出していた…。
『黒い瞳に黒い髪…。小柄な体…。中世的というよりは、完全に女の子の顔…。いくら男子の制服を着ていても、女の子と間違えてしまうわ…。』
横目に緋沙子の様子を窺うと、少し緋沙子の頬が赤い…。
『ううう…。し、仕方ないわよね…。こんなに可愛いんだもの…。』
可愛いは正義…。与太話の類だったはずの言葉を今日、私は実感した…。
主人公side
「「…え?えええええええ───────────!!!!!????」」
ボクの言葉に思わず、大きな声を出して驚いている2人…。
『いつもの事とあはいえ…。どうしたら男らしくなれるのだろうか…。』
世の中の理不尽を痛感しつつも、本題を切り出す。
「…ということなので、薙切さんの派閥に入るのはちょっと…。」
「え?ええ…。」
ボクの言葉に、ようやく再起動したという感じのする返事をする薙切さん…。
『こういう場合は話題を変えて、話をうやむやにしてしまうに限る…。』
ボクはその為にも、話題を振りなおす。
「ところで、このヤキメシの薙切さんの評価を聞きたいのですが…。」
ボクの言葉に少し慌てた感じで薙切さんが話しはじめる…。
「そ、そうね…。味の方はかなりの完成度ね…。具材としてはネギと卵に野沢菜の漬物と、大量の削り節と極めてシンプルね…。味の軸になっているのは辛味と野沢菜の醤油漬けの味…。卵が味をまとめあげ、漬物の味が辛味以外の味付けをし、ネギと大量の削り節があっさりとしていながらも、うま味や風味を数段ひきあげているのは確かなのだけど…。この香り高さは…。」
「この料理の主軸になている調味料が何か…ですね?」
「ええ…。」
『さて、派閥の話やボクの云々が無事にうやむやになったみたいなので、種明かしといきますか…。』
「これを使ったんですよ。」
「これは…。ラー油?」
「その通りです。これは、ボク特性の和風ラー油。その名も飲めるラー油です。」
「「食べるラー油じゃなくて、飲めるラー油?それに、和風ラー油?」」
2人は驚いた感じの表情をしている…。
『うん…。この2人にこんな表情をさせただけで、大成功といえるね…。』
「そうです。実際に飲んでみますか?」
「「え?ええ…。」」
戸惑いながらも返事をした2人に、ボクはお猪口のような器に和風ラー油を入れ渡す。
「どうぞ!」
「「………。っ!!」」
2人はボクに渡されたラー油をやけっぱちと言ってもいいくらいの感じで飲み干す。
「「______!?」」
えりなside
「「______!?」」
意を決してラー油を飲み干した私達の口から思わず驚きの声が出る。
「「こ、これは…。」」
「いかがですか?」
驚いている私達に彼が声をかけてきた。
「確かに、これは飲めるラー油ね…。辛さより先に油のうま味と強烈な香りがくる…。そして飲み干すと喉に辛味の刺激が残る…。そして、あなたが和風ラー油と言った通り、中華ではなく、和風のものに由来する香り…。」
『このラー油を使えば、和え物や漬けダレ等も数段味わいが増すわね…。でも…。』
私が考えこんでいると彼が私の疑問の答えを教えてくれた。
「このラー油は製法そのものは通常のラー油と同じく辣粉に熱した油を注いだものです。ただし、使った辣粉は島唐辛子と、韓国産の一味唐辛子に紀奥山椒を混ぜ梅酒で練ったもの。油にはあらかじめ青ノリ、陳皮、黒ゴマ、シソの実、生姜をつけて香りをうつしておきました。特定の香りが立つのではなく、一体感が出るように調整するのがミソですね…。」
『なるほど…。工夫の部分の材料に中華に由来するものではなく、日本の七味に由来するものを使っている訳ね…。確かに緋沙子が得意としている薬膳に通じるものがあるし…。これだけのレベルのものなら思わず緋沙子がつられてしまったのもうなずけるわね…。本当に何故、これほどの逸材を今まで知らなかったのか…。』
私が考えていると、彼は…。
「と、言う訳で試作も片づけも終わりましたし、薙切さんの評価もきけました…。なので、ボクは帰りますね?では!」
『『えっ?』』
主人公side
ボクの言葉に薙切さんと、新戸さんが完全にフリーズした。
『おや?』
ボクの驚きをよそに再起動した薙切さんが慌てて…。
「あ、あなたは先程、頭をぶつけてしまったのよね?保健室に行かないの?」
と聞いてきた。
「はうっ!!」
『ぎっくぅ!!!』
「いや!あの!緋沙子を責めているわけではないのよ?」
薙切さんが新戸さんに弁解をしているが、ボクはそれどころではない…。
「いえ!これくらい大丈夫ですよ?それに保健室は…。」
「??むしろ、医者に行くべきではないの?」
ボクの最後の保健室のくだりは聞こえていなかったみたいだけど、話がさらに大きく…。
『なるまえに阻止しないと…。』
「大丈夫ですよ…。うちに連絡がいって心配させるのもあれですし…。」
「「???」」
ボクの言葉に首をかしげる2人…。
『あの人に連絡がいくのだけは…。それだけは絶対にダメ!!』
「ボクが大丈夫!って、言ったら大丈夫なんです!!」
すると、ボクの意地でも…。と、いうようなかたくなな様子に何か思う所があったのだろう…。薙切さんは…。
「………。はぁ…。解ったわ…。保護者の方には連絡はしない…。医者にも行かなくていい…。」
と、言ってくれた。
『よかった…。』
「ただし!!」
「!!」
「うちの屋敷にいる医師の診察は受けなさい!!」
「え?」
「緋沙子!!うちに連絡を!」
「はい!えりな様!」
「あ、あの…。」
「あなたが倒れたりでもしたら、問題になるでしょ?うちの学園で問題を起こす訳にはいかないわ…。」
「はい…。」
結局、ボクは押し切られて薙切さんの屋敷で医師の診断をうけた…。
とりあえずの診断結果は異状なしだったのだが…。あれよあれよという間に、病院につれていかれ、精密検査まで受けさせられてしまった。
後日、送られてきた結果にも問題はなし…。
『だから、言ったのに…。でも後は薙切さんを信用するしかないか…。あの人に連絡がいってない事を切に願う!切に願う!!』
大事な事なので2回………。
えりなside
緋沙子が屋敷に連絡をいれている間に私はおじい様に連絡をいれる。
「えりなか?どうした?」
「おじい様…。実は───。」
私は今の事をおじい様に話した。
「なるほどな…。それならば、屋敷で診断をうけた後に病院で精密検査を受けさせるように手配しておこう。えりなは彼が病院に行ったらワシの部屋に来なさい。その生徒の資料を用意しておこう。」
「わかりました。」
そして現在、私は彼の資料をみて絶句していた。
「………。」
『な、なに?なんなの?この経歴は?この学園の卒業生の…。一流店の非常勤スタッフ?それに成績は私のすぐ下…。とんでもない逸材が…。もしかしたら、私より上かもしれない生徒がいたなんて…。そんな実力者を今まで知らなかったなんて…。確かに食戟の回数は少なく、目立つような事はないかもしれない…。けど…。それでも…。これは私の驕り…。私の失敗…。気を引き締めていかないと…。』
そして、追加資料、おじい様が調べた彼の経歴の方にも目を通す。
「なっ!?」
そこには…
次回は主人公の過去にふれる予定です。