遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─ 作:レモンの人
「翔太君〜久しぶり〜!」
「わっ!?真由美……!」
昼の忙しい時間が終わってマスターと野球のテレビ中継を観ていると翔太君がやって来たので反射的に抱きついてしまった。一緒について来た遊斗君が若干引いている。
「今なに見てたの?」
「野球中継、ライダーズとワイバーンズの試合やってたのよ」
「あー、今投げてるの例の新人ピッチャー?」
「そうそう、155km/hの本格派で『与謝野』って人」
翔太君に抱きついたまま野球中継を眺める事10分。客も入って来ないし高校の授業が早く終わったという事もあってか気を利かせて仕事を切り上げてくれたマスターの気概に感謝しつつ、私は店を出た。
「引っ越しの準備は出来てるの?」
「70%ってところかな?翔太君の家は?」
「母さんがスペースを作ってくれてる……はず」
「はず?」
「だって僕が見てる時いっつもサボってるから」
「へくちゅ!?……んあ、なんか噂話されたような…」
「気のせいだよお母さん。それより肩揉んだんだから早く片付けてよ。真由美さんが来れないじゃん」
「ごめんごめん、よーし!お母さん頑張るぞ〜……あっ、やっぱり腰が…」
「まー、気長に待つわよ」
「ありがと」
「(オレが空気になってるぞ!)」
3人で道を歩きながら、カードショップへと入っていった。
「いらっしゃい!」
「今日も来たわよ〜」
遊斗君は不貞腐れたのか、セバスティアンさんを呼びつけてデュエルを始めていた。それをスルーして私は翔太君とデュエルスペースに陣取った。
「今日はどんなデッキを用意したの?」
「ふっふっふ、今日は【ロックビート】を用意したのよ」
「ロックビート?珍しいね」
「まぁ見てなさいな!レモンの新しい使い方を教えてあげる!」
早速デッキをシャッフルし、私と翔太君は対峙した。久しぶりの翔太君とのデュエルだから俄然やる気も出るってわけよ!
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
よっしゃ先攻いただき!
「私のターン!ドロー!……手札から『サイバー・ダーク・カノン』を墓地へ送り効果発動!デッキからサイバー・ダークモンスター1体を手札に加える!」
「って、裏サイバー流!?」
「フィールド魔法『サイバーダーク・インフェルノ』を発動!装備カードを装備したサイバー・ダークモンスターは効果対象にされず効果破壊されない!さらに『サイバー・ダーク・ホーン』を召喚!」
サイバー・ダーク・ホーン 星4 ATK800
「サイバー・ダークモンスターは共通効果として墓地のレベル3以下のドラゴン族モンスター1体を装備カード扱いで装備しその攻撃力を得る!墓地のサイバー・ダーク・カノンを装備!」
サイバー・ダーク・ホーン ATK800→2400
「さらに魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスター1体を墓地へ送りデッキからカードを2枚ドローする!手札の『闇黒の魔王ディアボロス』を墓地へ送り2枚ドロー!」
引けた!このデッキの肝にして心臓部!
「永続魔法『巨神竜の遺跡』を発動!1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を墓地へ送り、自分フィールドに『巨竜トークン』1体を特殊召喚出来る!カノンを墓地へ送り、トークンを1体生成!」
巨竜トークン 星1 ATK0
「装備状態のカノンが墓地へ送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする!このカードの召喚条件はレベル1モンスター1体!巨竜トークンをリンク素材としてリンク召喚!来い!『リンクリボー』!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「さらにフィールド魔法『サイバーダーク・インフェルノ』の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドのサイバー・ダークモンスター1体を手札に戻し、別のサイバー・ダークモンスター1体を通常召喚出来る!ホーンを戻し、『サイバー・ダーク・キール』を召喚!」
サイバー・ダーク・キール 星4 ATK800
「キールは共通効果により墓地のレベル3以下のドラゴン族を1体装備出来る!墓地のカノンを装備!」
サイバー・ダーク・キール ATK800→2400
「カードを1枚伏せてターンエンド」
さぁ、かかって来なさい!アド地獄を見せてあげる!
「僕のターン、ドロー!……自分フィールドにモンスターが存在しないので『SRベイゴマックス』を特殊召喚召喚!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイドモンスター1体を手札に加える!僕が加えるのはチューナーモンスター『SR赤目のダイス』!そして召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールドのこのカード以外のスピードロイドモンスター1体のレベルを1〜6に変更する!ベイゴマックスのレベルを6に変更!」
SRベイゴマックス 星3→6
「レベル6となったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2400
「さらに魔法カード『死者蘇生』で『SR赤目のダイス』を蘇生!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「使っちゃっていいの?」
「こういう時は出し惜しみしちゃダメなのさ!レベル7のクリアウィングにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「これでリンクリボーは効果が使えまい!バトル!クリスタルウィングでリンクリボーを攻撃!」
「……そう思うじゃない?」
「!?」
「永続罠『強制終了』!自分フィールドのこのカード以外のカードを1枚墓地へ送り、バトルフェイズを終了させる!装備状態のカノンを墓地へ送りバトルフェイズを終了!」
「なっ……!?」
「しかもカノンが墓地へ送られたのでカードを1枚ドローするわ」
ふっふっふ、この爆アドはどうかしら?しかも返しのターンでインフェルノの効果を使い装備し直せば幾らでもドローできる。しかも、カノンのドロー効果に制限は無い。コンボパーツ次第では爆アドを稼げるという絡繰だ。
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「私のターン、ドロー!」
いいカード…引けた!!!
「まずクリスタルウィングには黙ってもらおうかしら!速攻魔法カード『エネミーコントローラー』を発動!私は2つ目の効果を使うわ!自分フィールドのモンスター1体をリリースし、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その表側表示モンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る!リンクリボーをリリースしてクリスタルウィングを掌握する!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 翔太→真由美
「さらに闇属性モンスターがリリースされた為、墓地の『闇黒の魔王ディアボロス』の効果発動!このカードは手札または墓地にあり、自分フィールドの闇属性モンスターがリリースされた場合、特殊召喚出来る!」
闇黒の魔王ディアボロス 星8 ATK3000
「チューナーモンスター『ライトロード・アサシン ライデン』を召喚!」
ライトロード・アサシン ライデン 星4 ATK1700 チューナー
「レベル4のサイバー・ダーク・キールにレベル4のライデンをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列をなす!天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「お、攻撃力3000が3体も並んでる…って1枚諸星のカードじゃん」
「横から茶々入れるな遊斗!」
「最低ですね」
「おい!セバスは黙ってろ……って!うわぁああああああああ!!!またスタバかよぉおおおおおおおお!!!」
さて、気を取り直して……
「バトルフェイズに入るけど、防げるかしら?」
「それはお楽しみに」
「じゃあ行くわよ!バトル!闇黒の魔王ディアボロスでダイレクトアタック!」
「それは通す!」
翔太 LP8000→5000
「続けて!クリスタルウィングでダイレクトアタック!」
「これも……!」
翔太 LP5000→2000
「そして!レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「このタイミングで罠発動!『迷い風』!特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果は無効化され、元々の攻撃力は半分になる!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→1500
翔太 LP2000→500
「あちゃー、防がれたかー……」
それでも防衛に軌道を変えられるのが裏サイバー流。
「メインフェイズ2、巨神竜の遺跡の効果発動!クリスタルウィングを墓地へ送り、巨竜トークンを特殊召喚する!」
巨竜トークン 星1 ATK0
「さらに、墓地のリンクリボーは自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースして墓地から特殊召喚出来る!巨竜トークンをリリース!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「カードを1枚伏せてターン終了よ」
ここまで追い込みは順調。でも、僅かに残った500ポイントが気になって仕方ない。これを起点に逆転される可能性も否定できないからだ。
「僕のターン、ドロー!」
今の盤面なら特殊召喚したターンに効果は使えず、バトルフェイズに入れば強制終了に持ち込める。
「魔法カード『星屑のきらめき』を発動!自分の墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体を選択!そのモンスターのレベルと同じレベルになるように、選択したモンスター以外の自分の墓地に存在するモンスターをゲームから除外し、選択したモンスターを墓地から特殊召喚する!クリアウィングと赤目のダイスを除外!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』を墓地から特殊召喚する!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
まずいわね…巨神竜の遺跡は墓地蘇生には対応してない。伏せカードをここで使うか否か……
「さらに、魔法カード『ヒドゥン・ショット』!墓地のスピードロイドモンスターを2体まで除外してその枚数分相手フィールドのカードを破壊する!ベイゴマックスを除外して強制終了を破壊!」
「っ」
これで防ぐカードの殆どは失われた。頼みのリンクリボーもクリスタルウィングの前には無力……
「バトル!クリスタルウィングでディアボロスを攻撃!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
「っ!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6000(ダメージ計算のみ)
真由美 LP8000→5000
「僕はこれでターンエンド!」
巨神竜の遺跡のおかげで後続の展開は防げたが、攻撃力1500のレッド・デーモンズではクリスタルウィングの猛攻は防げない。このカードが最後の砦となる!
「私のターン、ドロー!」
問題は伏せカード……仮にクリスタルウィングを突破出来ても伏せカードが突破出来なければ意味がない。今、引いたカードではその手立てが無い。
「レッド・デーモンズを守備表示にする。ターンエンド」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK1500→DEF2000
「随分と後ろ向きじゃないですか。これは勝てるかも!ドロー!」
翔太君の剣がじわりじわりと向けられる。絶体絶命のピンチ……
「魔法カード『H-ヒートハート』を発動!モンスター1体を対象としてエンドフェイズまで攻撃力500アップ+守備貫通効果を付与する!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→3500
「さらに、『SRシェイブー・メラン』を召喚!」
SRシェイブー・メラン 星4 ATK2000
「このカードは召喚したターンには攻撃できないが、1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを守備表示にする事で対象のモンスターの攻撃力をターン終了時まで800ダウンさせる!だが、その効果に対してクリスタルウィングの効果発動!モンスター効果を無効にして破壊!その攻撃力をクリスタルウィングに加える!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3500→5500
あかん、攻撃されたら死ぬやつだわ。
「これで僕の勝ちだ!バトル!クリスタルウィングでレッド・デーモンズを攻撃!この瞬間、クリスタルウィングの効果発動!」
「──やるなら今よね」
「?」
「罠カード発動!『鎖付きブーメラン』!」
「!?」
「鎖付きブーメランは以下の効果から1つ、または両方を選択してこのカードを発動できる。1つ目は相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象としてその攻撃モンスターを守備表示にする。2つ目は自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを攻撃力500アップの装備カード扱いとして、その自分のモンスターに装備する!」
元々はサイバーダークの召喚時にチェーン発動で装備させてクリスタルウィングの効果から身を守る算段だったんだけど、これで形勢逆転ね。
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK1500→2000
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5500→DEF2500
「…そんなカードあったんだ」
「えぇ……」
城之内君のカードよ!翔太君!
「僕はこれでターンエンド」
さぁ、逆転の時間よ!守備表示になってしまえば何も怖くないわ!
「私のターン、ドロー!」
ここぞという時にガン回しの恩恵が来てるわね!いいカードが引けた!
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップから10枚を裏側で除外してデッキからカードを2枚ドローする!そして、魔法カード『死者蘇生』を発動!私は墓地から『闇黒の魔王ディアボロス』を特殊召喚!」
闇黒の魔王ディアボロス 星8 ATK3000
「さらにレッド・デーモンズを攻撃表示に変更!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン DEF2000→ATK2000
「バトル!ディアボロスでクリスタルウィングを攻撃!クリスタルウィングの効果で守備力は上がらないでしょ?」
「っ……!」
「そして、レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
翔太 LP500→0
最後は力技だったけど無事削り切れた。充分すぎる成果だった。
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「スタバは勘弁してください」
「……文句があるならメタカードを採用してはいかがでしょうか?」
スターダスト・ドラゴン/バスターを展開した容赦の無いドSビートの前にボコボコにされた遊斗君を一瞥して、私は背中を伸ばした。
「今回は上手くいったわね。でもやっぱりカードが足りない気もするわ」
「クリスタルウィングを出されると戦力が60%も減衰するのは問題だからね」
そう、サイバー・ダークは装備しなければインフェルノの加護を受けられない。なので、召喚に成功した時の装備効果を無効にされると途端に弱くなってしまう。今後の課題ね。
「明日は空いてる?」
「空いてるよ」
「じゃあ明日デッキ調整手伝ってよ。三食と寝床無料でつけてあげるから♪」
「オレも一枚噛まさせろ!」
「却下」
真由美「制欲を持て余す」
翔太「レモンを出したかったんだね。途中からレモンデッキになってたよ」
真由美「後悔はしていない(キリッ)」
デッキ総枚数(45)
モンスター(18)
●闇黒の魔王ディアボロス×2
●Sin スターダスト・ドラゴン×1
●限界竜シュバルツシルト×2
●サイバー・ダーク・ホーン×1
●サイバー・ダーク・エッジ×1
●サイバー・ダーク・キール×1
●召喚僧サモンプリースト×1
●ライトロード・アサシン ライデン×2
●BF-精鋭のゼピュロス×1
●サイバー・ダーク・カノン×3
●サイバー・ダーク・クロー×3
魔法カード(19)
●サイバーダーク・インフェルノ×3
●サイバーダーク・インパクト!×1
●巨神竜の遺跡×3
●強欲で貪欲な壺×2
●トレード・イン×1
●死者蘇生×1
●エネミー・コントローラー×1
●盆回し×2
●竜の渓谷×1
●闇黒世界─シャドウ・ディストピア×1
●超融合×1
●おろかな副葬×2
罠カード(8)
●鎖付きブーメラン×2
●強制終了×2
●苦渋の黙札×3
●神の通告×1
エクストラデッキ(15)
●鎧黒竜─サイバー・ダーク・ドラゴン×1
●スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×2
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●スターダスト・ドラゴン×1
●No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン×1
●ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン×1
●銀河眼の光波竜×1
●鳥銃士カステル×1
●ヴァレルソード・ドラゴン×1
●トポロジック・トゥリスバエナ×1
●見習い魔嬢×2
●リンクリボー×2
真由美「基本的にサイバー・ダークにカノンを装備→巨神竜の遺跡でカノンをトークンに変換して1ドロー→インフェルノがあればそこから別のサイバー・ダークを呼び込みつつ再度カノンを装備して次のアド稼ぎをするの。強制終了は相手ターンにカノンを墓地に送る手段として採用したわ」
翔太「Sinスターダストはフィールド魔法が多いから採用したんだね」
真由美「そうね。手っ取り早く墓地にカノンとディアボロスを落とす為にダークマターコンボも混ぜてみたの。裏サイバー流も進化するってね!」
翔太「……(真由美さんの場合はレモン汚染されるけど)」
セバス「スタバ、2体目です」ドヤァ
遊斗「鬼!悪魔!」