バカとセンターと召喚獣 作:ビーター/beater channel
僕らが文月学園に入学してから三度目の春が訪れた。
校舎へと続く坂道の両脇には新入生を迎える為の桜が咲き誇っている。別に花を愛でる程雅な人間ではないけれど、その眺めには一瞬目を奪われる。
でも、それも一瞬のこと。
今僕の頭の中にあるのは春の風物詩ではあるけども、桜のことじゃない。
僕の頭は今まで同じクラスだった仲間とまた同じクラスになれるか、そのことで一杯になっていた。
因みに僕自身は少々不本意なれど、さっき鉄人に貰った通知でFクラスであることは分かっている。
☆☆☆
「明久君、遅刻ですよっ」
その声の張本人を前に僕は一瞬固まってしまった。
「え?どうして姫路さんがここに?」
「ふふっ、驚いてください明久君、私また皆と同じクラスになりたくて白紙で提出しちゃいました」
凄い驚きましたとも。
「ええっ?!成績の為にもそんな事はしないほうが...」
「明久よ、振り分け試験は成績に反映されんのじゃ」
と、クラスの奥から聞きなれた声がする。
相変わらず今日も可愛い。
「でもっ!」
「無駄だ明久。思い立った姫路は誰にも止められん」
「............(コクコク)」
言われて少し考え込む。
「まぁ、また同じクラスになれて嬉しいよ」
「こちらこそですっ、明久君」
と、そこでとある疑問が生まれたので聞いてみた。
「あのさ、姫路さん。もし僕がFクラス以外だったらどうしていたの?」
「そ、それは...」
「明久は馬鹿だからその点は大丈夫だろうな」
そんな意見は認めない。
☆☆☆
とまぁこんな形で二年の時とほとんど大差ない面子がFクラスに揃った。
がしかし、一点違うところがある。
「全く、そろいもそろってこの面子が揃うとは...、自己紹介をしなくてすむのは有難い。では、クラス代表のみ自己紹介をしてくれ」
鉄人が指名して一人の生徒が立った。
「Fクラス代表の須川 亮です」
「なにぃぃぃいいいっ?!」
雄二の野太い声が古い校舎に響き渡る。
「ちょっと待て、何かの間違いじゃないのか?」
「坂本か、因みにお前は二位だ」
「ちくしょぉぉぉおおお?!」
「す、須川君、どうやって雄二に勝ったの?」
「偶々さ」
偶々で高得点がでるんなら世話がない。
☆☆☆
「いつまで落ち込んでるのさ、雄二」
「俺がクラス代表だったら一週間後には試召戦争を仕掛ける予定だったんだ」
雄二はブツブツ文句を言っていた。
「坂本、なら俺が申し込んでくるからお前が指示をすればいい」
「いいのか?須川」
「ああ、俺には向かないからな」
「で、どこを攻めるのさ」
「そうだな、工藤辺りを攻めようと考えてたところだ」
「え?工藤さん?てことはAクラスってこと?」
「なんだ明久、お前はまだ二年の気分が抜けてないようだな」
失敬な。
「明久よ、工藤はBクラスの代表なのじゃ」
雄二に代わって秀吉が説明してくれた。
「えっと、じゃあ根本君はどこにいったのさ」
「............Aクラス」
そうか、根本君はAクラスに上がったのか。
ん?ちょっと待てよ。
「じゃあ脅迫して根本君を利用するネタが使えないじゃないか!」
「そうなんだ、お陰様でなかなか作戦が立て辛い」
「おぬしら...」
新しい組み合わせに、流石の雄二も苦戦しているようだ。
「でも、じゃあ何でBクラスを攻めるのさ」
「工藤とは仲が良いからな。Aクラスを攻めるときに協力を仰ぐ」
「「なるほど」」
ということで三年次初の試召戦争が幕を開けようとしていた。
☆☆☆(次の日)
「明久君、これは何ですか?」
「アキ、これは何?」
姫路さんと美波が僕のバックから出てきた本を前に尋ねてくる。
そうだなぁ...
「...少しいやらしい参考書です」
_そのきっかけは些細なものだった_
姫路さんが昨日見たとかいうTVに、恋人の浮気についての特集をやっていたらしい。
「全く、昨日のTVを見ていて良かったです」
「ナイスよ、瑞希」
僕にとっては迷惑な話だ。
まさかTVが、彼氏がエロ本を持っていた時は要注意だって言うなんて...
「アキ、何か言いたいことはある?」
「...助けてください」
「それは無理な相談ね」
美波が手を僕の顔に伸ばしてきて鷲掴みにする。
「あだだだだだだだだだっ?!」
頭蓋骨から悲鳴が聞こえてきたのは気のせいであって欲しい。
「あははっ、明久は相変わらずだなぁ」
隣で雄二が自分は無関係であるかのように笑っていた。
ヤロウ、今に見ておれ...
「......雄二、これはなに?」
「しょ、翔子っ!俺は今日はエロ本持って来てないぞっ!」
「......今日、は?」
良く見ると霧島さんが持っていたのは教科書だった。
「しまったぁぁぁあああ!」
最近の雄二は良く叫ぶ。
「......浮気は許さない」
「ま、まて、早まるnぁぁぁあああっ?!」
☆☆☆
「全く、大切な頭が潰れる所だったよ」
「中身が無い分お前は大丈夫だろうが、俺は少し堪えたな...」
「失敬な!ちゃんと中身くらいあるさっ!」
「じゃあスカスカか?」
「それどっちも変わってないからねっ?」
雄二とそんなやり取りを交わしていると...
「坂本、Bクラスへの試召戦争申し込んできたぞ」
交渉に行った須川君が帰ってきた。
「特に何も無かったか?」
「ああ、お前の気にしてたことはな」
ん?何の話だろう。
「よし、じゃあ明久、今から作戦を話すから準備してくれ」
「ん、了解」
原作に書き方を寄せてみました。
暇さえあればバカテスを読んでいるなんて言えない...笑