バカとセンターと召喚獣 作:ビーター/beater channel
「雄二、作戦をいい加減教えてよ!」
「なんだ?明久。言ってなかったか?」
「1話で説明するって言ってから終わってるじゃないか!そんなんじゃナントカ詐欺に等しいぞ!」
決して単語が浮かばなかった訳ではない。
「冗談だ、分かっている。まだ言うタイミングが来てないだけだ」
「言うタイミングって...」
周りを見渡してから一言。
「もう少しで攻め落とされそうなんだけど?!」
「......」
Fクラスのメンバーはほとんど補習送りにあい、自軍は教室に籠城状態。
主人公である僕には、こうなった原因を説明する義務があるだろう。
☆☆☆
あれは少々雨が激しく降り始めたころだった。
「...チャンスだな」
「一応聞いてあげるけど、何処が?」
「この雨を利用して外から攻め入る」
Fクラスは旧校舎、それに対してBクラスは新校舎だ。
渡り廊下を通る他に外から攻める方法もあるにはある。
が、しかし...
「何言ってるのさ、雄二。外から攻めるなんて相手も考えてそうだけど?」
「戦いを起こすためには先生が必要だからな。この雨脚だったら流石に選ばないだろう。そして、重要な渡り廊下は姫路に張って貰うつもりだ」
「が、頑張りますっ」
ん?ところで、雨脚ってどういう意味だろう。
雨から脚が生えるって意味かな?
「雄二、雨は歩かないよ?」
「は?急にどうした明久、何を言って...あ、そういうことか」
「............流石明久、ボケが上手い」
「会話が明後日の方向に向かっておるのじゃ...」
え?どうしてそんな目で僕を見るの?
「明久君、雨脚と言うのは雨の激しさを言う言葉ですよ」
「え?そうなの?」
「なんて明久の馬鹿が今更ながら証明されたところで、作戦開始だ!」
「え、ちょっとまっ「「おう!」」てっておおいっ!?」
☆☆☆
「ど、どうして...」
「これは流石に仕方ないよ美波。工藤さんの作戦が雄二を上回ったとしか考えられない」
「そ、そうかもしれないけど...」
僕らは新校舎の玄関で総攻撃を食らっていた。
前はBクラスの壁、後は勢いが更に増した雨。
一度濡れた僕らには関係ないかもしれないけど、気持ち的に濡れたくはなかった。
「アキ、ここは撤退しましょ」
「でも皆を放ってなんて行けないよ!」
「いいえ、ここは引くべきよ!引いて坂本に報告しなきゃ」
そう言われて、もう一度戦況を確認する。
『3-B 徳島龍之介 VS 3-F 福村幸平
国語 131点 45点』
確かに最悪だ。
「分かったよ。ここは撤退しよう」
☆☆☆
「(ガラッ)ごめん雄二!攻め切れなかった!」
「なんだとぉ!もうちったぁ頑張ってきてから帰ってきやがれ」
「それがさぁ_」
「坂本!渡り廊下が突破されそうだ!」
「全く、冗談も休み休みにいe...って、マジ?」
_ということで雄二の作戦が尽く返り討ちにあったということだ。
その本人曰く、
「勿論今日が雨だと分かる前から作戦は立ててあったさ。だが、その作戦全てが外中心なんだ」
ということらしい。
「じゃあ今から考え直して...」
「そうしたい所だが雨で通路が一本に限られた今、完璧な実力勝負となってしまっている。こうなっては望みは少ない」
「じゃ、じゃあ前に高城先輩と戦ったときみたいに屋上から攻めたら?」
「それも考えたが、屋上からは大人数で攻めれない上にどの先生が待ち構えているかも分からん。仮にムッツリーニや島田を連れて行ったとしても、奴らの得意教科で張ってなかったらじり貧だ」
「工藤さんだから保健体育の可能性は高いんじゃない?」
「ムッツリーニはそれ以上だからな。俺だったら保健体育で待ち構えようなどとは考えん」
「それなら先生も連れて屋上から...」
「それは無理だ。飛び乗りなんてどこの教師が許可するんだ?」
「じゃあ教室の窓から飛び降りて攻める」
「ここは3階だ」
「じゃあ須川君を教室から投げ捨てて...」
「なんでそこで俺が投げ捨てられねばならんのだ」
須川君が僕らのやり取りに絶えられないと言わんばかりに加わってきた。
「どうせなら異端審問会としてお前らを叩き落としてもいいんだぞ」
「素で怖いんだけど」
「馬鹿だなぁ明久、そんなんだから誤解を招くんだぞ?」
ぐうの音もでない...。
「...待てよ。須川を叩き落す、か。案外良い案かもしれないな」
「はぁ?!」
須川君が信じられないといった驚声をあげた。
まぁ普通そう反応するだろう。
「須川」
「な、なんだ」
「俺が投げ落とすから学校を死ぬ気で掛け逃げろ」
何を言い出すかと思えば。
「雄二、殴ってあげようか?」
「な!ちがっ!俺が狂ったとかじゃなくてだな」
「じゃあ、何だというのさ!」
「今年は俺がクラス代表じゃないからな。俺が直々に仕掛けられると言うことだ!」
「ところで雄二」
「なんだ?」
「雄二がクラス代表じゃないのって、あまりにも今更だよね」
「...」
「雄二こそ二年が抜けてないんじゃない?」
「それを言われると言い返しにくいが、...長年のクセって怖いものがあるぞ」
「そこ開き直るところじゃないからね?!」