バカとセンターと召喚獣   作:ビーター/beater channel

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僕と雄二と新しい仕組み

「こんにちは!工藤さん」

僕らはBクラスの窓から侵入し、クラス代表にリーチを掛けた。

「まさかキミ達二人で攻めてくるだなんて、予想だにしてなかったよ!」

屋上から窓を蔦って入ってきた僕にはさほど驚いてはいなかったが、その後から入ってきた雄二を見て少々驚いた顔をする。

「てことは屋上から攻めてくるのは予想してたってことか?」

遅れて雄二が着地し、捨て台詞を吐く。

「まぁね、でもムッツリーニ君が来ないってことは分かってたかな_試獣召喚!」

「じゃあ作戦通り明久は見ててくれ_試獣召喚!」

雄二と工藤さんが召喚獣を呼び出す。

...雄二は三年になってもメリケンのままだった。

そして、遅れて_

 

『3-B 工藤愛子 VS 3-F 坂本雄二

 保健体育 413点       215点』

 

_点数も表示される。

 

作戦はこうだ。

先ほど屋上から覗いたときに保健体育の先生が一番近かったので、恐らく保健体育を張るだろうと仮定を組んだ。

雄二はある程度保健体育の点数が取れているので、まず雄二が特殊能力の使える400点代から点数を下回らせ、僕が止めを刺す。

ムッツリーニが出ると、後方で待機してるもう一人の先生に干渉させるよう指示が出てるかもしれないと雄二が読んだので、ひとまず待機となっている。

要するに、雄二がどこまで削れるかに掛かっているのだ。

 

「坂本君っ!そんな点数じゃ、ボクを倒せないよっ」

「それはどうだか、な!」

 

幾多も迫りくる工藤さんの攻撃を、雄二は難なく避けていた。

 

「雄二、この勝負勝てるよ!」

「待て明久、工藤はまだ特殊能力を見せていない」

「え、そうなの?」

「さすが坂本君だねっ。見破っていたなんて...」

工藤さんの通常攻撃は十二分に早かったので、僕にはそれが特殊能力に見えていた。

「でも、見破られているんならもう隠す必要もないねっ!(シュダッ)」

「...は?」

 

『3-B 工藤愛子 VS 3-F 坂本雄二

 保健体育 413点       DEAD』

 

雄二の召喚獣が一瞬で消し炭にされた。

 

「(ガラッ)坂本!補習室に来いっ!」

「嫌だ!嫌だぁぁぁあああ!!!」

鉄人が雄二を引き摺って退場する。

「あのヤロウ、結局一つも削れなかったじゃないか」

でも過ぎたものはしょうがない。

さぁ、殺るよ!ムッツリーニ!

「じゃあ僕の番だ!_サーモン!」

「............試獣召喚」

「え?ちょ、それってムッツリーニ君の_」

 

『3-B 工藤愛子 VS 3-F 土屋康太

 保健体育 DEAD       525点』

 

「............加速終了」

僕の召喚獣の変わりに出てきたムッツリーニのそれは、工藤さんの台詞を遮るかの様に一瞬で勝負を決めた。

「やったね!ムッツリーニ!」

「............明久」

「ん?なに?」

「............もう少し、減らせなかったの?」

「...良いじゃん、勝ったんだから」

 

☆☆☆

 

「うい~す」

「あ、雄二おかえり~」

「おかえりなのじゃ」

補習を終えた雄二が帰ってきた。

「まったく、戦争は終わったんだから補習も終わらしてくれればいいのに」

それは同感だ。

「悪かったな、工藤。待たせたか?」

「ううん、負けた身だし気にしてないよっ」

取引をするから待っててくれとの、雄二の依頼だった。

「僕は凄い待ったけどね!」

「あ~、そうだな。わりぃわりぃ」

「で、坂本君!取引って何?」

「ん?ああ、そうだったな」

あ、そうそう、僕もそれ言おうと思ってたんだよ。

「工藤、Fクラスに来い」

「「「はぁ?!」」」

と一同。

 

「はは~ん、確か3年次はクラス移動が認められてたっけ」

え、そうなの?

「ああ、その通りだ。本来は頭の良いクラスに移る為の決まりだが本人の許可があれば問題はない」

「............無駄なことをしてくれるッ」

「ムッツリーニ君、そんなにボクが来るのが嬉しい?」

「............(ブンブンッ)」

あ、僕にも分かるくらい嬉しそうだ。

「まァそれは良いとして、なんでボクなの?」

「そうだなぁ、保健体育で敵がいなくなるっていうのが大きいかな」

確かにムッツリーニと工藤さんがいれば、保健体育において百人力だ。

「坂本君、その言い方だとまだ何かあるでしょ」

「まぁな、機会があったら言うつもりだ」

 

...最近、雄二のこのセリフは当てにならない気がする。

 

☆☆☆

 

「ねぇ雄二」

「なんだ?明久」

下校のさなか、僕は気になったことがあったので尋ねてみた。

 

「どうして今年からクラス移動が可能になったの?」

「さぁな、学校の意図なんてしらねぇ。が、利用するのに限る」

「じゃあ雄二はどうして可能になったのか目星はついてる?」

「明久、それだとさほどさっきの質問と大差ないぞ」

「いや、あくまで雄二の予想を聞いてるんだよ」

「フンッ物は言いようだな。まぁいいか。ええと...だな、一番考えられるのは大学入試があるからだろ」

「え?雄二、それって美味しいの?」

「もう頭から抹消済みか!呆れるほど早いな!」

「ち...ちがっ!そういうんじゃなくて...」

「まぁそれがあるから、生徒は更に良いクラスを求めて試召戦争をしかける様になるってこった」

「そっか、良いクラスの方が推薦とか貰えそうだしね」

「お!良いとこに気が付いたな。そう、推薦を貰いたくば○クラス以上にいろとか、そういう仕組みがあるものと俺は睨んでる」

「でもそれだと移動の席を狙って騒動が起きない?」

「ああ、充分あり得る。が、そこんとこはなってみないと分からねぇ。まだ詳しく知らされてないからな」

「そ、そっか...」

「それともう一つ。クラス代表のみ移動可能という点がどうも怪しい。もしかしたらクラス代表に移動というペナルティを課して、試召戦争を簡単に起こせなくさせるっていう狙いもあるかもな」

「ど、どういうこと?」

「ああ、これもまた入試が関わってくるんだ。試召戦争なんかしてないで3年次は勉強しろっていう表れなんじゃないのか?」

「なるほど...」

 

「...時に明久。ついてこれてるか?」

「も、勿論っ!」

勿論全然分かりません。

「仕方ねぇな。...また今度話してやる」

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