九州男児は剣を振る   作:数多 命

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恥ずかしながら、リメイクしました。
どうぞ、暇つぶし程度にお使いくださいませ。


プロローグ

『ノイズ』

太古の昔より、人類を脅かし続ける存在。

銃や大砲などの既存の武器では対抗できず、対話による相互理解も不可能。

前触れもなく現れては、人間のみを蹂躙していく。

触れれば体を炭素分解され、奴等が通った後に残るのは、黒々とした炭の山のみ。

近年国連により、『特異災害』として認定されている。

 

 

『インフィニット・ストラトス』

日本が生んだ大天災、『篠ノ之束』により開発されたパワードスーツ。

宇宙空間での活動を目的として開発されたが。

開発者が当時未成年だったこと、展開される理論が机上の空論過ぎたことから。

発表当初は大バッシングを受けたらしい。

しかし、直後に発生した『白騎士事件』により、2000発以上のミサイルをたった一機で捌ききり。

その上で捕獲に来た各国の軍隊から逃げおおせるなど、高スペックを発揮。

以降、『最強の兵器』の名を欲しいがままにし、銃火器に代わる世界の主要戦力となる。

――――『女性しか操縦できない』という欠点を除けば、もっとよかったのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――――次のニュースです。神社に侵入、および窃盗です』

『被害にあったのは、滋賀県の北野天満宮で――――』

 

都内某所。

スマホのラジオで、物騒なニュースを聞き流しながら待つこと数分。

何となく周囲に目をやると、待ち人がちょうど現れたところだった。

視線をめぐらす彼女が分かりやすいよう手を上げれば、思惑通りこちらに気付いてくれる。

・・・・まあ、他に人がいないので、間違えようもないのだが。

 

「ぉ、お待たせ」

「――――対して待っとらん」

 

首を振りつつ迎え入れれば、はにかんだ笑顔が帰ってくる。

 

「そぃで、用事って?」

 

思い出すのはつい先ほどのこと。

『用事があるから来て欲しい』と言伝を持ってきた異性の親友。

燃えるような赤毛を揺らし、いたずらっぽく笑っていたのが印象的だった。

 

「あ、あの・・・・」

 

とまあ、そんな事情で待っていた場所にやってきた、一つ下の友人。

要件を聞くと、どこか気恥ずかしそうに言葉を詰まらせる。

別に苛立ちはしない。

赤毛の親友経由で竹馬の友となった今は、そういう性格なのだと分かっている。

それに根本的な部分では真面目な彼女だ。

 

「こ、これ!今度のライブの・・・・!」

 

証拠に、あまりもたつかずに要件を告げてきた。

差し出されたのは、ライブのチケット。

『巷で有名なボーカルユニットの片割れ』という、もう一つの顔を持つ彼女。

その晴れ舞台への招待状だった。

 

「よかとや?」

「いいの!メイにはしょっちゅうお世話になっているから、初ライブは絶対見てもらおうって奏と話しててっ、だから・・・・!」

 

顔を真っ赤にしながら、あれこれまくし立てる友人。

なんでもないことでも、彼女にとっては一世一代の大勝負なのだろう。

それが微笑ましくて、笑みを零す。

 

「ん、そういうことなぃ」

「ッうん!」

 

しっかり頷きながら受け取れば、満面の笑みが咲いて。

ああ、これは確かにファンになるなと、一人納得するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――歩く。

瓦礫が散乱する廊下を、日の光が届かない屋内を。

体は万全と言いがたいが、傷を負っていることを忘れてしまうほど、不思議と軽くて仕方が無い。

感覚が麻痺しているとも言うが、今はそれで十分だった。

見下ろす。

腕の中、力なくぐったりする『歌姫』(ともだち)

ついさっき『半身』を失ったショックで、まるで抜け殻のようになっている。

彼女を、見捨てるわけにはいかなかった。

良心が動いたこともある、死んでほしくないと願ったのもある。

だがそれ以上に、託されたものがあった。

『任せろ』と約束したことがあった。

だから歩みを止めない、腕の中の彼女を置き去りにしない。

全てはただ、もういない親友との誓いのために。

 

「――――ッ」

 

出口。

躊躇わずくぐれば、眩しさと喧騒に目を閉じる。

光に慣れた頃、ゆっくり目蓋を開けると。

たくさんの人だかりと、慌しく行き来する救助隊員らしき面々。

 

「君!大丈夫か!?」

 

うちの一人がこちらに気付いたので、また少し歩いて。

腕の中の『歌姫』を差し出す。

 

「ああ、任せてくれ!」

 

救助隊員は頼もしく頷いて『歌姫』を受け取ると、仲間数人に声をかけ、必要な処置を施し始めた。

これで大丈夫だと一安心したところで、他に倒れている人がいないか気になった。

彼女だけ助けて終わりと言うのは、あまりにも無責任に思える。

だから踵を返して、戻ろうとして。

 

「待ちなさい!どこに行くんだ!」

 

さきほど『歌姫』を受け取ってくれた隊員に、腕を引っつかまれた。

 

「そんな顔したってダメだぞ!君だって大怪我をしているんだから!」

 

首を傾げていると、厳しい声でそう指摘される。

ゆっくり自分の胸元を見下ろしてみると、確かに出血で真っ赤になっていて。

そういえば、自分も怪我をしていたなと思い出した。

自覚した途端に、体の力が抜ける。

ぐらりと視界が傾いて、真っ暗になる。

 

「あ、ちょっと!?大丈夫か!?おいッ!!」

 

隊員の声を遠くに聞きながら、意識を手放して。

静かに眠りについた。




シンフォギア二期で完結させる予定です。
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