実力至上主義の学校に数人追加したらどうなるのか。※1年生編完結   作:2100

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遅くなってしまい申し訳ありません。
では、どうぞ。


ep.42

 体育祭へ向け、始まった話し合い。やはりというか、意見は対立していた。

 堀北や須藤が推す、実力を基準にして推薦競技の出場を決める案。篠原の推す、全員にチャンスを与える案。

 だが、篠原側の旗色は悪い。須藤の運動神経が飛び抜けていることをクラス全員が理解しているからこそ、須藤の言葉には普段の何倍も重みと強みがある。

 話し合いは能力優先という方向でまとまりそう、と思った矢先のことだった。

 

「ちょっといい?あたし反対なんだけど。篠原の言うように他の生徒が泣きを見て、クラスで一丸になれるわけ?」

 

 席を立って反論したのは軽井沢だった。

 

「一丸になるとはそういうことよ。分かるでしょう」

「全然。ねえ、櫛田さんはどう思う?」

 

 今日、まだ一度も発言していなかった櫛田に話が振られる。

 

「難しい、よね。一番いいのは2人の意見を汲んだ解決策だけど……」

「双方が納得する方法は考えてあるわ。上位に入った人のプライベートポイントと、最下位になった人が失ったプライベートポイントを相殺すればいい。それなら文句はないでしょう」

「でもそれってポイントだけで、入賞の可能性は減るじゃん。みんなはどうなわけ」

 

 有利な状況に持っていくためか、普段軽井沢が一緒にいる女子に意見を求める。

 

「私は……軽井沢さんが反対なら、反対かな」

「ちょっと待って。彼女が反対だから反対?全く論理的じゃないわ。他のクラスにあなたたちのような愚か者は絶対に存在しないわ」

「そんなの分かんないじゃん。現に私反対だし。もっと他の人のことも考えてよ」

「ちょっと待って。意見がまとまらないときは多数決を取るしかない」

 

 いち早く平田がレフェリーに入り、膠着状態の話し合いを止める。

 

「洋介くんが言うならさんせ」

「……そうね、私としてもクラス内で揉めている場合ではないと思うし。あなたたちが正しい判断を下すと期待するわ」

 

 堀北はそう言うが、どちらが正しいかなんてのは誰にも分からない。それを決めるために今から多数決をとるわけだし。例外はあるが、数が多ければそれが正しい。

 

「じゃあ、堀北さんの、勝つことを最優先にした案に賛成の人、手をあげて」

 

 俺含め、半数近くの生徒が手をあげる。俺は活躍できない側の人間だろうが、私情を抜きにしてクラス全体の方針という話ならば俺が堀北の案に手をあげるのが自然だろう。

 

「16人、だね。ありがとう。じゃあ次に、軽井沢さんの案がいいと思う人」

 

 平田の第一声に対してあがった手の数は疎ら。だが軽井沢が手をあげると、続いて女子数人も手をあげた。

 

「軽井沢さんが12票。残りは無投票でいいんだよね?じゃあ、クラスの方針は勝つことを最優先に、ということでいいかな?」

 

 多数決で決まった結果に異論は出ない。ようやくスタートラインに立てた、という感じだ。

 その前に、気になることを綾小路に聞いておく。

 

「なあ、変じゃないか、軽井沢のやつ」

「え?どこがだ?」

「彼女が変なのは常でしょう」

「……否定はしないけどな」

 

 俺が聞きたかったのはそういうことじゃない。

 

「無人島試験のとき、篠原に意見を求められても簡易トイレで我慢する派だった軽井沢が、今回は逆の立場を取ってるのが気になってな」

「……そういえばそうね。でも、彼女の行動を一々分析していてもキリがないわ」

 

 さっき同様否定はしないが、軽井沢に対して当たりが強いな。いつものことと言えばいつものことだが、議論に滞りが生じた恨みか。

 

「まあ、気分なんじゃないか。気にすることでもないと思うぞ。……ん?」

「どうした?」

 

 俺の疑問に答えた綾小路が、奥の天井の方向を見て不思議そうな表情をする。

 

「いや……なんでもない」

 

 気にかけるほどのことでもなかったのか、すぐに天井から視線をそらす。俺も綾小路が見ていた方向を見るが、これといって想定外のものは確認できない。幽霊でも見えたの?

 

 その後の話し合いでは、推薦参加競技の出場者が決まっていく。須藤を筆頭に、堀北、平田、水泳部の小野寺など。須藤は全ての推薦競技に出ることが決定していた。無論、方針が決まった以上そのことに反論は出ない。

 黒板に貼られている参加表。現時点で、推薦参加枠の3分の1ほどが埋まっていた。

 

「おい高円寺、お前は出ねえのかよ」

 

 須藤が高円寺を軽く睨みつけながらいう。須藤に対抗できるとすれば、須藤と同等かそれ以上のポテンシャルを持つと思われるこの高円寺だけだ。須藤もそのことを理解しているからこその声かけだろう。

 

「興味ないねえ」

「てめえふざけんなよ」

「ふざけてなどいないさ。君らに参加を強制する権利があるというのかい?まあ、あったところで私には関係ないがね。君たちで好きにやってくれたまえ」

「ここで無理に誘うのは良くないよ須藤くん。高円寺くんにも得意不得意があるかもしれないしね」

 

 そんな高円寺の態度を批判するでもなく、須藤を宥める平田。クラスのまとめ役は今日も健在だ。

 

「競技については、今決めるのはここまでが限界だと思う。でも、今決めておかないといけないことがもう一つあるんだ。この参加表の管理については、いま決めておいた方がいいと思う」

「決めるっつっても……平田が持っておく、じゃダメなのか?」

「他に提案がなかったら、僕も受けるつもりだった。でも昨日の放課後に速野くんから提案があったんだ」

 

 俺の方に目を向けながら平田が言う。俺は昨日、参加表の管理について平田と話した。

 

「速野くんの提案は、教室で管理すること。メリットは話し合いの後に動かす必要がなく、なくす危険性を抑えられることだね。逆にデメリットは、教室に入られたら他クラスの人に見られる危険性も高まってしまうこと。ただ、このデメリットはダミーの参加表をいくつか用意しておくことで避けられる。そして、誰か1人に責任を押し付けるなんて事態も防げる。みんなどうかな」

 

 平田が肯定的な意見を発したことで、クラスは全体的に賛成の方向に傾く。

 ちなみに、俺が平田に提案したのはダミーの参加表のことまで。責任がどうのこうのの話は平田が付け加えたものだ。

 数十秒経って反論が出ないことを確信した平田は、頷きながら言う。

 

「じゃあ、決まりだね。茶柱先生、参加表ですが……」

「ああ、複数枚用意することに何も問題はない。渡すのは明日以降になるが、異存はないな?」

 

 先生の言葉に全員が頷く。

 ダミーの参加表の用意。これは、俺が昨日茶柱先生に接触した際に「ついでに」した頼み事だ。茶柱先生の受け答えがスムーズだったのはそれのおかげもあるだろう。過去に同じ作戦をとった人がいたなら話は別かもしれないが。

 

「クラスの参加表は絶対に外に知られたくないものだから、決定したら自分の番とパートナーだけをメモして残して欲しい。携帯電話で撮影したりして記録を残さないようにね。参加表そのものを見るのも極力避けてほしい。ダミーの方を間違って確認しちゃったら大変なことになるからね」

 

 念には念を入れてそう言う平田。有効な手立てだろう。

 正しい参加表については、例えば「平田が開幕スタート」というような確定した情報を共有し、ダミーの参加表にはそれが被らないように作れば判断できる。まあ、平田の言う通り確認しないことがベストだが。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 いよいよ、本格的な練習が始まった。グラウンドで各々練習に励んでいる。

 先日握力を測ったのだが、須藤の記録は82.4kgというとんでもないものだった。もちろんクラストップ。そして次に強かったのが、綾小路で60.6kg。3位は平田で57.3kgだ。

 そして俺はというと、37.7kgという不甲斐ない結果だった。男子の中では下から3、4番目。なんならクラスの女子4人くらいには負けてそうだ。握力だけはどうしようもなく弱い。

 まあ、ほかの殆どの競技でも俺の成績は平々凡々だろう。平均より上にはなんとか食い込めるだろうが。100m走は13秒前半くらい。まさにまあまあというタイムだ。

 一方、須藤は無双していた。どんな競技をやらせても誰にも負けない。スポーツに関しては若大将名乗ってもいいくらいだ。何をやっても誰にも負けぬ。ちょっと古いか。いや、だいぶ古いな。古すぎ。

 須藤が開幕スタートということは、確定した情報として万が一の時に正しい参加表が判断できるようにクラス全員で共有している。参加表本体は、ダミーの参加表9枚とともに平田のロッカーに入っているはずだ。

 すでに参加表は全ての項目が埋まった。当然といえば当然だが、俺は推薦競技には一つも参加しない。実をいうと、出場者をじゃんけんで決めた借り物競争で、綾小路と俺とでどちらが出るか、その椅子(出場しない側の)を賭けて最終決戦の一騎打ちになったのだが、俺がグーで綾小路がパー。滑り込みで綾小路の参加が決まった。悪いな綾小路、その競技は6人用なんだ。頑張ってくれ。

 今回、Dクラスは須藤を中心に動いている。多数の推薦があり、須藤をリーダーに据えることになったからだ。はじめは渋っていたが、堀北からも認められて決定した。

 

「パワーも重要だけどな。こういうのは腰を使って引くんだよ」

 

 向こうで数人に綱引きのコツを教えている須藤。やはり得意分野にいるとあって生き生きとしている様子だ。

 

「は、はあ、はふう……」

 

 その横で、100mを走りきった佐倉がゴールした。佐倉が走り終わったトラックにはもう誰もいない。

 

「……お疲れさん」

 

 肩で息をする佐倉に労いの言葉をかける。

 

「は、速野くん……はう……」

 

 呼吸を整えるのには数分かかるだろう。

 ここ最近の佐倉は、以前とは違いクラスのこういったことに積極的だ。その努力が結果で報われれば何よりだな、と思いながら、俺は二人三脚でパートナーとなった三宅の元に向かった。

 足の速さは三宅が俺を大きく上回るが、二人三脚のパートナーを模索して取っ替え引っ替えやっていた中、三宅がベストだという結論に至った。向こうも同様に感じていたらしく、すぐにパートナー結成が決定した。

 勝手な予想だが、走る時の歩幅の大きさが俺と三宅でかなり近いんだろう。大して違和感を感じることなく走れる。

 

「じゃあ、いつも通り行くぞ」

「ああ」

 

 スタートの合図に合わせて、結んだ足の側から先に前に出し、徐々にスピードを上げて行く。いい加速だ。

 二人三脚で1番の理想は、相手がいないかのように走れること。それに近い感覚を感じることができる。トップスピードに乗ったときの速さは、ちょうど10キロ走のラストスパートくらいか。

 他の組と10メートルほどの差をつけて1位でゴールした。

 

「ふう……本番もこんな感じなら、多分大丈夫だろうな」

「ああ。入賞は狙えると思う」

 

 二人三脚に関しては心配いらないな。一言二言交わし、三宅と別れた。

 

「意外ね。あなたも三宅くんも、人に合わせるのは苦手だと思っていたけれど」

 

 俺の正面にいた堀北が声をかけてくる。

 

「合わせてるわけじゃない。偶然合ったんだよ。まあ、ドンピシャで相性が良かったってことだろうな」

「そう……」

 

 これに関しては本当に運が良かったとしか言いようがない。

 

「意外といえば、俺はお前と小野寺の方が意外だったけどな」

 

 走力の高いペアの2人だが、どうにもタイムが伸びず、結局パートナー解消となってしまったのだ。

 

「もうちょい合わせてやれよ。スピード以前に怪我するぞ」

「さっき綾小路くんに同じようなことを言われたわ……その必要性も感じてる。体感したもの」

「体感?」

 

 聞き返すが、答えはもらえなかった。

 

「今回の体育祭、正攻法が有効だというのは間違いないわよね?」

「聞くまでもないことだろ」

「そう……よね」

 

 自信がなさそうに呟く堀北は、普段の様子とはかけ離れている。無人島試験や船上試験で何もできなかったことが尾を引いているのかもしれない。

 そんな堀北に付け加える。

 

「何かしようとしても、動くにはもうすでに遅いくらいだ。何か小細工を働きたいなら、体育館の顔合わせの時点で何か動き出しておく必要があった。龍園は初めの段階で動いてただろ」

 

 あの時、龍園がBクラスと一切の話し合いをせずに体育館を去ったのは何か策があってこそできることだ。他クラスとの話し合いや協力を無効化する、核心的な作戦が。

 そして、それがあることを隠そうともしていない。快楽主義か何なのかは知らないが、これまでの経験から龍園の考え方などは大体見えてきた。

 

「まあ、要はもう体育祭まではひたすらしっかりと練習するしかないってことだな。今から何か他に手はないか考えるより、須藤に力の入れ方のコツでも習った方が有意義だ」

 

 ここで須藤の名前が出てきたことにはあまり納得していない様子だったが、俺は堀北をその場に残して立ち去った。

 その後、ちょっくらハードルの練習でもするか、と思い立ってそこへ向かう。授業も終盤を迎えているし、走れても1回が限界か。あまり並んでいないので、順番はすぐ回ってきそうだ。

 だが、短い列に並ぼうとした時。

 

「速野。ちょっといいか」

 

 綾小路に呼び止められ、足を止めて振り向く。

 

「なんだよ」

「次の土日、予定空いてるか」

 

 4日後の予定を聞いてくる綾小路。

 

「随分先の予定聞くんだな。まあ問題なく空いてるが」

 

 これまでも、俺の週末に予定が入ったというのは数えるほどしかない。なんなら多分片手で足りる。

 

「他クラスの偵察がしたくてな」

「偵察?俺とお前でか?」

「いや。堀北、それから櫛田にも誘いを入れようと思ってる」

「……なるほど」

 

 普段は謎だらけの綾小路だが、今この瞬間に考えていることは手に取るようにわかった。

 

「了解。一応終日予定は入れないようにしておく」

 

 一見俺が予定を空けるよう努力するかのような文面だが、つまりはいつも通りに過ごすということだ。

 

「助かる」

 

 綾小路のその言葉と同時に、授業終了のチャイムが学校全体に響いた。

 

 

 

 え、ちょ、ハードルの練習……

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 そして迎えた放課後。今日は藤野との買い出しの日となっていた。

 

「お待たせ」

 

 俺の姿を見つけて、藤野が小走りでやって来る。そのまま靴箱に向かった。

 

「速野くんたちはどんな感じ?」

「まあ、普通に練習してる。それ以外に方法がないからな」

「やっぱりそうだよね。私たちも同じ感じかな」

 

 DクラスとAクラスは定期的に簡素なミーティングを行っており、騎馬戦や綱引きなどの協力しなければならない競技に備えている。藤野もその席に参加していると聞いた。

 

「分裂とかは大丈夫なのか?」

「大丈夫、っていう領域は通り越してる。分裂してるのが当たり前で、逆に問題は起こってないよ」

「ああ、そういう……」

 

 葛城も坂柳も、変に干渉し合わないという形を取っているんだろう。坂柳派は坂柳派で、葛城派は葛城派で完全に分かれて練習に励んでいる様子が目に浮かぶ。

 

「坂柳さんが何も仕掛けてこないとは思えないけど、少なくとも練習でそれはしないんじゃないかな」

「やるなら本番か」

「うん。その方が動揺も大きくなるだろうし、坂柳さんの性格を見てもそうじゃないかな。葛城くんにはあんまり影響ないと思うけど……」

 

 藤野の言う通り、どんなに困難な状況に陥っても、葛城は冷静に考えて、分析し、堅実な案を出すだろう。

 だが、それ以外の奴に関しては別。完全なイメージだが、戸塚弥彦という葛城の側近的な立場にいるあの男子生徒はかなり動揺するんじゃないだろうか。影で発足している藤野の派閥にもそのような生徒はいるだろう。

 「内部に癌を抱えている」AクラスとDクラス。1年の最下位クラスと最上位クラスは、実は似ているのかもしれない。

 

「藤野、先に言っておくことがある」

 

 俺は、茶柱先生に言ったことと同じことを藤野にも告げた。Dクラスが最下位になり、足を引っ張ることになるだろう、と。

 

「もちろん全力は尽くす。だが、それだけでは補いきれない問題があるんだ」

「……もう確信しちゃってるの?」

「残念ながら、ほぼ確信してる」

 

 俺が頷くと、藤野は少し考える素振りを見せてから口を開いた。

 

「そっか……速野くんが言うならそうなのかも」

 

 藤野がそう呟いたと同時に、俺たちはスーパーに到着した。自動ドアが開き、店内に足を踏み入れる。いつもの通り無料コーナーへと向かっていった。

 5ヶ月も続けていると、もう手馴れたものである。どのワゴンに何があるのか、そのほとんどを体が覚えていた。それは藤野も同じようで、はじめの頃のように目当ての商品がどこにあるか分からずに探す、ということはほとんどなくなっていた。

 ここまでくると、もはや軽く専業主婦の気分ですらある。ちなみに、休日の俺の過ごし方は、起床、就寝、飯、掃除、洗濯。時間が余ったら勉強し、たまにテレビ視聴や読書をしたりする。勉強ってとこ以外完全に主婦だろこれ。俺の適正職業が専業主夫だったとは……問題は俺を養ってくれる異性が誰もいないという現実だが。

 

「あ、この前売り切れてた醤油入荷されてる。私これが一番好きなんだよね」

「そうか?俺はこっちの方が口に合うな」

 

 調味料に関しては、俺も藤野も少量サイズを短いスパンで使うという手法を取っているので味の違いがわかる。そろそろ醤油も切れそうだったのを思い出し、カゴに入れた。

 ついでにカレーのルーも入れて、これで完了だ。

 今日の夜は野菜炒め、明日はカレー、明後日が肉じゃがの予定である。カゴに入っている形の良くない野菜の量を見るが、これで次の買い出しまでは持つだろう。

 

「そろそろ会計行くか」

「うん、オッケー。会計っていってもゼロだけどね」

「そりゃそうだ」

 

 短くそう返すと、藤野も笑う。

 俺はこのスーパーで有料のものを購入したことがない。お陰でレジ打ち係の店員の間ではドケチ客として俺と藤野が有名らしい。レジで何回か対応を受けているうちに藤野と仲良くなったおばさん店員が言ってた。

 

 会計を終え、外に出た俺と藤野。他愛もない会話で寮までの時間を潰していたのだが、その他愛もない会話が成立しているところにも俺の成長を感じられる。

 

「速野くんは推薦競技出る?」

「いや、一つも」

「あれ、意外」

「俺はスポーツに関しては得意ってわけじゃないからな。お前は出るのか?」

 

 プールで見せたあの動きは、身体能力の高さを感じさせるものだった。

 

「リレーと借り物競走に出る予定だよ。借り物競走、助けてね?」

「お題のものを持ってたらな」

 

 一応腕時計とハンカチくらいは持って行こう。ほら、見事借り物競走の最後のひと枠に選出された綾小路の手助けになるかもしれないし。




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