戦姫絶唱シンフォギア -俺を誰だと思っていやがる!!!-   作:GanJin

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始まったぞぉぉぉっ!! シンフォギアぁぁぁぁっ!!!

と心の中で五期が始まったのを叫びながら喜んでおります。

















……と、そんな時期が私にもありました。

第二話で心にぐさりと刺さりましたよ、本当に。

結構精神的ダメージが高かったです。

でもその反面、物凄くこの先の展開が気になるので毎週楽しみにして待っています!!

と言うわけで、一か月ぶりの更新です。


殴る!叩く!そして叫ぶ!

 唐突に現れた三人目の装者、立花響が現れた翌日。

彼女に思うところがある者達がいる一方で、カミナは昨日のことに関してあまり深く考えていなかった。

 響から二年前のことを聞いて、会場に残って怪我を負い、偶々そこにいたメガネが助けた少女が彼女であることを知り、ぼんやりと思い出した。

 響が言うにはノイズの事故が起こる前にも会っているらしいが残念ながらあまり覚えていない。当時は、自身が開眼した力に関して色々と調査していた所為で忙しく、そっちでの出来事の方が印象に残っていた為だった。

 当時のことを思い出してもカミナはいつも通りだった。

 今朝も普段通りに起きて身支度を整えて二課に来ると、直ぐにトレーニングルームに足を運んだ。朝からここに来た理由は弦十郎に呼び出されたからである。

 そして、呼び出された直後、弦十郎は話は軽い運動をしながらだと言って、軽めと言いつつガチの格闘訓練が始まった。

 

「カミナ君、昨日は翼と奏君と何か話していたようだが、彼女達から何か聞いている、かっ!!」

 

「あぶっ!! いや、特になーんも聞いてねぇ、ぜっ! 何か、おっと! 考えてるようだった、がっ! 詳しいことはきいてねぇっ!!」

 

「……そうか。ふん!」

 

 殴り合いながら昨日のことを二人は話し合っていた。

 普通に話せよと思うだろうが、二年前から二人は何かを話すときは拳を交えつつやるのである。

 思いを拳に乗せて相手に叩き込むことでの自身の思いを伝える。互いの拳をぶつけ合い、魂と魂をぶつけたことでこの二人は師弟とも呼べる仲になったのである。

 話を戻すが、弦十郎は昨日、翼と奏の様子が少しおかしかったのを気にしていた。しかし、色々とやるべきことが増えたために聞くことが出来なかったのである。

 結局、カミナから有力な情報を得ることは出来なかったが、恐らく二年前のことが関係しているのではないかと弦十郎は推測した。

 その後は、通常通りトレーニングに入り、互いの拳をぶつけ合った。

 二人のトレーニングはとにかく殴り合うことがメインとなっている。喧嘩三昧で手にしたカミナの喧嘩殺法を弦十郎が矯正しているのだ。

 始めは何度も昏倒させられていたが、戦闘センスはかなり高く、二か月ほどやり合った結果、螺旋力を纏った状態であれば奏達とまともな戦いが出来るようになっていた。

 

「良いパンチだ、カミナ君! だが踏み込みが甘いぞ!! 言ったはずだ、一撃を放つときは、稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべしとっ!!」

 

 地面にヒビが入るほどの左足で強い踏み込みをする弦十郎にカミナは戦慄する。

 経験上これを喰らったら本気でマズいのだが、それでもカミナは恐れずに前に進もうとする。逆境ごときで躓くほどカミナは軟な男ではないのである。

 

「負けるかぁぁぁっ!!!」

 

「おぉぉぉっ!!!」

 

 僅かな遅れだが、カミナの右拳を弦十郎の右拳に叩きつけた。

 

「それは悪手だと前にも言ったぁぁっ!!」

 

「分かってんだよぉぉっ!!!」

 

 ぶつかり合っても踏み込みの弱さがものを言い、カミナの拳は後退する。しかし、カミナは自身の拳の軌道を横にずらして、弦十郎の手首を掴んだ。そしてもう一歩前に踏み込み、脇を広げて左肘を弦十郎に勢いよく叩きつける。

 見事なカウンターだと、それをモニターで眺めていた職員達が驚いた。

 しかしそれでも彼等は知っている。

 風鳴弦十郎はその程度でやられるような男ではないと。

 

「猛虎硬爬山……。見事だ、カミナ君」

 

「……くそ! これでもダメか!」

 

 しかし、カミナのカウンターは弦十郎の左手によって阻止されていた。

 

「はぁっ!!」

 

 弦十郎はそのまま左手で発勁を叩き込み、カミナはものの見事に吹っ飛んで壁に激突した。

 

「あー! 今回は上手く行ったと思ったのになぁ!!」

 

 ゆっくりと立ち上がりながら、悪態をつくカミナに弦十郎は笑みをこぼす。

 

「今の良い一撃だ。だが、俺もまだ負けるわけにはいかんのでな。さ、もう一度だ。今度は螺旋力を纏って掛かってこい!」

 

「はっ! 悪いが、このままやらせてもらうぜ。こいつの力は他でいくらでも試せるんだ。それにこの力ばっかに頼ってちゃあ、いざって時に困るんでな。まずは生身でおっさんに一発決めてからだっ!!」

 

 カミナの言葉に弦十郎は感嘆の息を漏らす。頑固とも言えるだろうが、彼の言葉は一理あると思った故に弦十郎はカミナの決意を尊重した。

 

「ならば、君の()を俺に届かせてみせろっ!」

 

「上等だぁぁぁっ!!!」

 

 それから午前中はただひたすらに漢同士の熱い戦いが繰り広げられ、時折、耐震強度がしっかりとしているはずの二課だけでなくその上にあるリディアンまで揺れたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 学校が終わった後、響は一人教室に残っていた。

 本当は未来やクラスの友人達と一緒にお好み焼き屋に行きたかったが、二課で昨日のことについて話を聞かなければならない為、断念した。

 本当は行きたいという気持ちがあったが、了子との約束通り、このことを皆に話すわけにはいかない。

 それに自分は知らなければならないと思った。あの時見せた力が何なのか。どうして自分にそれが出たのかを彼女は知りたかった。

 未来達と別れ、夕日が差し込み始めた頃、教室に翼がやってきて、響は再び二課へと足を運ぶ。

 部屋に案内されると、そこには弦十郎と緒川、了子を含めた二課の重役メンバー、そしてチームグレンが揃っていた。

 

「それではー、先日のメディカルチェックの結果発表ー!」

 

 調査の結果、響の体に異常はほぼ見られなかった。いたって健康体であることに響は内心安堵した。

 しかし、響が知りたかったのはそのことではない。

 

「教えてください、あの力のことを」

 

 自身が使ったあの力について響は尋ねた。

 

「あ、了子さーん、俺も詳しいこと忘れたから解説お願いしまーす!」

 

「何で忘れてんだ、アホっ!!」

 

 カミナが手を上げて発言すると、奏は何処から取り出したのか、ハリセンでカミナの頭をぶっ叩いた。見事な高い音が部屋に鳴り響く。

 それには翼は呆れた顔をして、弦十郎達は苦笑を浮かべていた。

 

「いや、だってよ、俺は別のことをやってたからあんまり触れることが無かったからさぁ。それに難しいことを忘れることにおいて俺の右に出る奴はいねぇぜ!」

 

「偉そうに言わないでください!!」

 

「少しは治す努力しろ、バカミナ!!」

 

 今度は翼も加えて二撃、ハリセンがカミナの頭を襲う。

 三人の漫才に響は驚いて口をポカーンと開けていた。

 

「あ、あのー、奏さん達っていつもああなんですか?」

 

 響の戸惑うのは当然のことだった。

 現在、ツヴァイウィングの認識はクールでカッコいい翼と明るく奔放な奏と言う印象が根強くファンに浸透している。当然、それはアーティストとしての二人なのだろうが、そんな二人が目の前で漫才をしているのだ。もしこの状況下ではない所で、それを言われても到底信じられるものではなかっただろう。

 そんな響の問いかけに、大人達は様々な反応をした。

 

「ほとんどこんな感じよ」

 

「いつもこんな感じなんだよ、冗談抜きで」

 

 友里と藤尭が響の戸惑いは尤もだという顔で頷く。

 

「数年前からあんな感じよ。カミナ君がボケ担当で二人がツッコミ担当なの、戦闘時も結構やるのよ」

 

 面白そうに笑みを浮かべながら了子はそう言った。

 

「ま、アレが普段の三人だ。だが、中々どうして良いチームだろう?」

 

 確かに、色々と言い合っているようだが、別段仲が悪いという印象は感じられなかった。寧ろ、アレはお互いを信頼し合っているからこそのやり取りなのだと響は感じた。

 

「さて、話が脱線しているので、そろそろ本題に入ろうじゃないか」

 

 弦十郎がそう言うと了子は先日響が使った力、シンフォギアシステムについての説明を始めた。

 一通り説明を終え、響に何か質問があるかと尋ねてみると……。

 

「あの……全然分かりません」

 

 いきなり聖遺物だの歌の力だのと言われてすべてを理解する方が土台無理な話なのである。

 奏と翼を含めここにいる者達は揃って分からないのも無理はないという顔をする。

 

「ま、俺も詳しいことは全然分かってねぇけどな、アハハハ、いでっ!!」

 

 一方、カミナはガハハと笑い、呆れた奏と翼から三度目のハリセンを喰らうのであった。

 それを見ていた響は苦笑を浮かべつつ、新たに浮上した疑問を口にした。

 

「でも、私はその聖遺物と言うものを持っていません。なのに何故……」

 

 響は翼や奏のように聖遺物の欠片を埋め込んだペンダントを持っていないのに、その力を振るうことが出来たのか分からなかったが、その答えは直ぐに部屋のモニターに映された。

 それは一枚の胸部のレントゲン写真である。響はそれに見覚えがあった。

 心臓部に本来あるはずのない無数の小さな影が映っており、それを見た奏は目を大きく開いて動揺する。

 奏の反応に隣にいた翼とカミナが気付いて、何かを言いかけようとするが、弦十郎の言葉がそれを遮った。

 

「これが何なのか、君には分かるはずだ」

 

「は、はい、二年前の怪我です」

 

 弦十郎の問いに響はすぐ答えた。

 

「心臓付近に複雑に食い込んでいる為、手術でも摘出不可能な無数の破片。調査の結果、この影は奏ちゃんのガングニールの破片だというのが分かりました」

 

「なっ……」

 

 その結果を耳にして、奏は絶句した。

 昨日から嫌な予感はしていた。

 響と出会った時、奏は思い出したのである。二年前に自分が弱かった所為で怪我を負わせてしまった少女がいたことを。

 何であの時まで忘れてしまっていたのだろうか。一命を取り留めたことに安堵して、カミナのことばかりに目を向けてしまって、彼女がその後どうなったかなど気にもしていなかった。

 

「……悪い、ちょっと外出てくる」

 

 そう言い残して、顔色を悪くした奏は部屋を出ていった。

 

「奏……」

 

 翼が後を追おうとすると、カミナが翼の肩を掴んだ。

 

「悪いが翼、そいつは俺の役目だ」

 

「……カミナさん」

 

 それでも、と翼は言おうとしたが、今の自分に奏を励ます資格がない気がした。自分にも彼女の事を聞いて思うところがあり、誰かを気にしている余裕が無くなってしまったのだから。

 

「分かりました……。後の事はお願いします」

 

「おう、任せとけ!」

 

 サムズアップしてカミナは奏の後を追った。

 残された翼や弦十郎達は、その後、響にシンフォギアについて機密にしなければならない理由を説明し、彼女に二課への協力を依頼した。

 弦十郎達の頼みに対して響は少しだけ考えた。しかし、それはものの数秒だった。

 この力が誰かの為になる、誰かの助けになるならと二課への協力を響は了承するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 部屋を出た奏は一人、廊下の一角にある休憩スペースの椅子に座って項垂れていた。

 先程の話を聞いて、奏は自分がしてしまった事に気付き後悔していた。

 

「あたしは、なんてことを……大馬鹿野郎だ、あたしは」

 

 震える声で奏は呟いた。

 

「どうした今更。俺もお前も揃って大馬鹿野郎じゃねぇか」

 

 ぽつりと呟いた言葉に反応があったことに奏はそれほど驚きはしなかった。

 

「……カミナか」

 

 顔を上げずとも誰がやってきたのか奏にはすぐ分かった。

 

「おう、俺だ! で、突然どうした? 腹でも壊したか?」

 

「……そんなんじゃねぇよ、見りゃ分かるだろ」

 

「悪いが口にしなきゃ分かんねぇよ」

 

 その言葉に奏ははっとする。

 口にしなければ分からない。言葉で言わなきゃ伝わらない。そんな当たり前のことを忘れていた。

 カミナは何の断りも入れずに奏の隣にドスンと座った。

 

「なぁ、愚痴、聞いてもらっていいか?」

 

「今更何言ってやがる。俺達の間で愚痴を言うのに許可なんかいらねぇよ」

 

 それもそうかと奏は少しだけ口元を緩めた。

 

「あたしさ、自分が……自分が疫病神なんじゃないかって気がしてきたんだ」

 

「へぇー」

 

「あたしが皆と出会わなかったら……二年前のあの時、ノイズに襲われずに済んだかもしれない。あんな事に巻き込まれなかったかもしれないって心の何処かで後悔してたんだ」

 

 二年前の事故の後、カミナとメガネ以外のグレン団のメンバーが何事もなく平穏な生活に戻れたかと言うとそうではなかった。

 あのライブの悲劇の後に引き起こされた別の悲劇に彼等は巻き込まれたのだ。しかし、彼等のこれまでの行動によって比較的被害は少なかったのだが、それでも普段通りになるのにかなりの時間が掛かったのである。

 

「あー、あったなぁ、そんなこと」

 

 カミナはそれを懐かしむように呟いた。まるであのことを何でもないかのような態度であった。

 しかし、奏はそんなことを気にしている余裕はなかった。

 

「あの子も……同じじゃないかって、今朝から考えてたんだ。あたしが弱かったから怪我を負って、あたしが守れなかったから装者になっちまって。あたしと関わらなかったら、カミナみたいに戦いに巻き込まずに済んだんじゃないかって」

 

「だったら聞けばいいんじゃねぇか?」

 

「……そんな簡単に言うなよ、バカミナ」

 

 俯いたまま奏は隣にいるカミナをポコポコと叩いた。

 

「イテテ、やめろって」

 

 何度か叩くと、奏は膝を抱え込んでさらに深く俯いた。

 

「あたしは自分のしたことに後悔してばかりだ。カミナは起こっちまったことは仕方ねぇって言って済ませるだろうけどさ、あたしはそう簡単に立ち直ることは出来ねぇみたいだ」

 

 カミナから自分は強い奴だと言われたが、どうやら思っているよりも心が弱かったようだ。

 何度も何度も仮定のことを思い詰めてしまう。自分がいなければ良かったのではないかと考えてしまう。

 

「カミナ、あたしはどうしたら良いんだろうな。あたしの所為で誰かが巻き込まれるなら、あたしはもう……」

 

「……」

 

 カミナから返事がないことに奏は奇妙に感じ、顔を上げて隣に目を向ける。

 

「カミナ?」

 

「かぁー、がぁー、かがぁー……」

 

 カミナがいびきをかいて爆睡していた。さっきまでちゃんと話をしていたはずなのに、僅か数秒で寝落ちしているのである。

 それには先程まで泣きごとを呟いていた奏も頭に来て、握り拳を作り、カミナの頬に叩き込んだ。

 

「このバカミナ、人が喋ってんのに寝てんじゃねぇっ!!」

 

「へぶうぅぅっ!!」

 

 殴られた勢いで何度か床にバウンドしながら回転するカミナ。

 受け身を一切取っていないので、かなり痛そうである。空耳だろうが、カミナの体から嫌な音が聞こえた気がした。

 

「かぁー、イッテーっ! テメェいきなり何しやがんだっ!!」

 

「こっちの台詞だ、アホっ!! 人が色々抱え込んで悩んでるっていうのに聞いてるうちに爆睡する奴があるかっ!!」

 

「そんなもん、俺に聞いたお前が悪いわ!! お前が本当はどうしたいかなんて、俺にはさっぱり分からねぇっ!! そもそも自分の事を誰かに決めてもらおうとすんなっ!! 大事な事は自分で決めやがれっ!!」

 

「それは……」

 

 カミナから正論を言われて、奏は口をつぐんだ。

 確かに自分の事を誰かに決めてもらうのは違う気がした。

 

(……おい待てよ。お前、ちゃんと聞いてるじゃないかっ!!)

 

 そんなことを口にしようと思ったが、それを言ったらカミナの演技に騙された自分がバカじゃないかと思い、その言葉を飲み込むことにした。

 

「心の弱さが悪い訳じゃねぇ! 絶対に強い奴なんざ何処にだっていやしねぇんだ! 誰だって不安になるし、辛い事に目を背けたくなることだってあらぁ! それが人間ってもんだろうがっ!! その弱さを支える為に俺達がいる! だから辛くなれば話は聞いてやるし、相談に乗ってやる! だがな、最後に決めるのはお前自身だ! そこだけは忘れんじゃねぇ!!」

 

「お、おう……」

 

 相変らず無茶苦茶なことを言うが、理に適っている。

 それにカミナが口にするからか、どうにも彼の言葉は心に響きやすい。

 いや、カミナという男が言うからこそ、彼の言葉は人の心に響くのではないかと思った。

 業腹だが、カミナのお陰で少しだけ気持ちが軽くなった気がした。

 

「……ったくお前ってそういう恥ずかしい言葉を簡単に言ってくれるよな」

 

「はっ! 俺を誰だと思っていやがる! 本気で言いてぇことは絶対言い切るカミナ様だぞ!」

 

 恥ずかしがるどころか、むしろ自慢げに言い切るカミナに奏は思わず笑った。

 

(まったく、カミナは本当にバカミナだな……。だったら……)

 

 そんなことを思い、奏はあることを決意して大きく息を吸った。

 そして腹に力を入れ……。

 

「だぁー!! ねちねち考えてたあたしがアホじゃねぇーかぁーっ!!!!」

 

 奏は自身に喝を入れるように声を大にして叫んだ。

 カミナを見て、何でもかんでうじうじ悩んでいたことがバカバカしくなったのである。

 

「そうだぁー!!! お前はアホウ奏だーっ!!!」

 

 それに呼応するようにカミナも叫ぶ。

 意味があるのかと言えば、ほぼ無いに等しいのだが、それでも叫ぶ。

 

「誰が上手いこと言えって言ったぁーっ!!! このバカミナぁぁぁぁっ!!!」

 

「うっせぇぇぇーっ!!!」

 

 二人の叫び声が廊下に鳴り響く。外聞など知ったことかと腹に力を込めて二人は叫んだ。

 喧しいだろうが、この二人のやり取りに慣れた二課の職員達は、外に出ることもせず、「あー、まーたあの二人が何かやってるよー」という感想を抱きながら自身の作業を続けていた。

 因みに、何も知らない響はと言うと……。

 

「アレ、一体何なんですか?」

 

「気にしなくていいわ。いつもカミナさんが絡むと殆ど訳が分からないことをするから」

 

「ええっ! いつものことなんですか!?」

 

「ああ、いつものことだな!」

 

 二人の様子を見て、呆れる翼の一方で弦十郎は軽快に笑った。

 

「そうそう、いつもああなのよ」

 

「ええ、いつものことですね」

 

「ったく、カミナの奴は近所迷惑ってのを考えろよ」

 

 了子や友里もほぼ同じことを口にし、藤尭はバカをやっているカミナを見てぼやいた。

 

「えー、うそーん」

 

 慣れている皆の反応を見て、響はそんな感想しか口に出来なかった。




如何でしたか?

もう最後の方は感情的になって書きました。

「後悔? 何それ美味しいの?」と言うノリでやっちまいましたよ。

タイトルなんて今回の話であったことを端的に書いただけですからね!

やっぱりカミナが出るからにはこれぐらいはっちゃけたことがあっても良いと思うんです!

と言うわけで今回はこれにて!
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