夏姫が鎮守府に来て幾日。
夏姫の部屋にて三人の深海悽艦がだらだらとしていた。
「お兄ってさ結婚しないの?」
ヲ級になった下の妹の発言に思わず読んでいた本から顔をあげる夏姫。
「結婚?相手も居ないのに?そう言うお前はどうなん」
人間であった頃からの身内しか居ないためか夏姫の口調は素の状態である。
「胸ばっか視姦してくる豚とか無理」
「だわな、相手を見つけるにもお前らはともかく俺とかTSしとるからムズいし」
「あー確かに、お兄なら男に抱かれる位なら相手の男を殺し兼ねないか、男の娘ならギリセーフかもって位?」
「多分男の娘ならギリ…いやどうだろ…やっぱ相手は女がいいかな?でも今の俺だとキマシタワーだしな~」
すると集積地悽姫になった上の妹が。
「……っは、薔薇も百合もいけて異種姦あざーすの上に男の娘スキーのお兄がどの口を」
などとへたをしたら今後の人生…いや悽艦生?が危うくなりかねないことを口にする
「そりゃ二次元の話だろ、三次は一応ノーマルなんすけど」
「でも、アストルフォ好きでしょ?」
「………好きだけど」
だってあれで男とか一体どれだけの男の性癖をねじ曲げた事か…
「ならさ、この鎮守府でお兄が付き合いたいと思ったり結婚しても良いかなって艦娘は何よ?」
「艦娘限定?」
「そ」
「う~ん、そうだな。付き合うなら翔鶴とか金剛かな。翔鶴となら落ち着いた付き合いができそうだし金剛なら毎日楽しいんじゃないかと、犬っぽいし」
「あれ?榛名じゃないんだ以外」
「確かに榛名も好きだよ、好きなんだけどなんかしっくり来ないというか世話の妬き概がないというか」
「あぁなるほど、相変わらず私生活が駄目そうな女が好きかこの変態。なら翔鶴と金剛は何がお兄のポンコツセンサーに引っかかった訳だ」
「かな?でも付き合うならまだしも結婚するなら長門か武蔵かなって思ってる」
「理由は?」
「二人ともどちらかと言えば旦那ポジだし世話の焼き概がありそうでこっちが嫁という立場なら全力が出せそう」
「…さすが、十代半ばで『お前の最大の失敗は男に生まれた事だ』なんて呼ばれる訳だ。しかもダメ男製造機の片鱗まで」
・・・
・・
・
~別室にて~
『…さすが、十代半ばで『お前の最大の失敗は男に生まれた事だ』なんて呼ばれる訳だ。しかもダメ男製造機の片鱗まで』
夏姫の部屋に仕掛けた集音装置で会話を盗聴している艦娘が数人。
「だそうだが、感想は?」
「わ、私はその、妾でも。その長門さんと武蔵さんなら」
「ワタシはポンコツですか」
感想が斜め上にいっている翔鶴とポンコツに少しダメージが入った金剛。
「二人はまだいいのではないか?私と長門はどうやらダメな夫のイメージがあると思われているようだが?」
「……………」
「どうした長門」
「……ああ、いやなんでもない、少し考え事をしていた。すまない、用事を思い出した。私は先に失礼する」
そう言って退室していく長門。その行動に首を傾げるも黙って見送る三人だった。