とりあえずお楽しみください。どうぞ
初めまして、冒険者の燈火です。ええ~、現在、先程のレフィーヤの気絶からさらに幾度か回り、皆が一様に変化を遂げました。なのでこの惨憺たる(笑)現状の整理をしようと思います。
ロキ・・・ピエロの衣装、顔は墨で落書きされ、我が故郷の正月みたいになっております。命令者は、衣装は俺、化粧(墨)はまさかのフィン。執行者はリヴェリア。笑いを必死に噛み殺し、プルプル震えながらやってました。フィンも「似合ってるよ・・・」と顔を背け、笑っておられましたよ。
ティオナ・・・『豊穣の女主人』の制服、猫耳。胡座禁止。女の子らしさ演出のため。女の子なのに演出とか言っちゃった。失敬。命令者は我。猫耳はアイズ。「じゃあこれ付けて」と隣の部屋(衣装部屋になっている)から持って来たもの。装着後のティオネを見て、かなり満足そうでしたね。
アイズ・・・赤のTシャツに、青のつなぎ、赤の帽子。謎の使命感により「M」の刺繍入れました。つなぎは、肩は紐になっており、背中で交差。背中は腰の少し上のあたりまでしか生地がないため、暑苦しさは感じない。顔には付け髭。どこかの配管工のMオみたいだな・・・。命令者は私。装備一式ワンセットにしました。
うむ、まあこの三人に関しては可もなく不可もなくといったところか。『王様ゲーム』の被害者としては普通だな、多分。では次、葬られしもの達を紹介します。
レフィーヤ・・・アイズの愛の囁きにより失神。依然意識不明。ときより「えへへ・・・ダメですよ〜」などと寝言が聞こえるが、脳内ではどんな事になっているか気になって仕方がない。まぁ幸せそうで何よりです。
ティオネ・・・レフィーヤ同様、口撃により撃沈。執行者はフィン。内容は、あごクイなるものから耳元ヘの「月がきれいですね」の一言のみ。かなり危ない賭けだったが、ティオネが知っていたため効果は絶大なのもになった。ティオネの最期は「ひ、ひんでもいいでしゅッ・・・!」と盛大に噛みながら絶叫の後、果てる。命令者はアイズ同様ロキ
まぁこの二人に関しては予定通りだな、うん。むしろ予想以上に効果があった。二人は一応ソファーまで運んでおきましたよ。このまま寝ててくれれば完璧なんだけどな~。
そして現在、いろんな意味でほぼ無傷なのが・・・おかしい。こんな筈ではなかったんだが。まあ私がロキを何となく標的に入れちゃったからなんですけどねっ!
リヴェリア・・・服装は普段の緑のローブで首から下は変化なし。上は、頭に口がギザギザ、目が三角のカボチャの被り物。頑張ってくり抜きました!・・・え?無傷じゃないって?言ったじゃん、ほぼって。ちなみに、正座でその格好は姿勢よすぎて面白い。命令者は儂。
フィン・・・右目にモノクル。服装は燕尾服。頑張って準備しました!ただ、似合い過ぎて困るよね、うん。他の仮装者はややパチモン臭いところがあるが、フィンに関しては様になり過ぎているよ。どこぞの没落王子みたいだな。中の人も同・・・ゲフンゲフン。失敬、思はず口をついてしまった。命令者は僕。
フィンに関しては、もう少しできたような気はしたけど、この辺にしておきましょう。メインはこれからだからね。リヴェリアは・・・やめとこ。なんか睨まれてる気がする。それにお気づきかとは思いますけど、変身系の命令、全部僕なんですよね。ホントいいもん見せてもらいましたわ。
さて、どんどん次行こうかな。そろそろ宿願を果たす時だ。ん?俺の事について何も説明がないって?だめかな~言わなきゃ。ぶっちゃけ一番ひどいんだよね~。皆、俺のこと若干冷めた目で見てるし。はぁ~じゃあ言いますよ?っていうかもう分ってるんじゃんないっすか?まぁ言いますけど。
燈火・・・・・・・・・・・・・変化なし!
いや、うん、まぁね。でもちょっと待ってほしい。言い分けさせてね?私としても一応こんなはずではなかったんだよ?程よくいじられるかな~、どんな格好するのかな~って、ちょっと楽しみでもあったんだよ?でも、こんな時に限ってというか、こんな時だからというか、誰にも命令されなかったんだよね。番号が悉く外れてくんだよね。これって私、悪くなくね?しょうがなくね?だからそんな冷たい目で見ないでよっ!もうっ!・・・キモいな、うん。それでは気を取り直して皆さんに現在の感想を聞いてみましょうかね。
***+++
燈火は、頭の中での状況整理と独り語りを終え、皆を見回し、現状についての感想を求めた。
「どうだい?皆さん。楽しめてるかい?」
燈火の質問に犠牲者、もとい被害者たちの答えが返ってくる。
「おい・・・自分何してくれてるん?なんでうちがこんなことになってるんや?」
「うーんと・・・宿命?」
「こんな宿命あってたまるかぁ!自分わかっててやってるやろ!リヴェリアもノリノリやったし!」
「うむ、それについては申し訳ないと思ている・・・かもしれない・・・・・・フッ」
「わろてるやんっ!絶対申し訳なく思ってへん!そんな被りもんしててもわかるで!」
リヴェリアの反応にロキが噛みついた。
「まあ固いこと言うなよ。しょうがないじゃん、番号がそうだったんだから。リヴェリアに文句言っても始まらんよ?」
「自分なにも変なとこないからって人ごとのように言いよって!」
「それもまた運命なのだよ。ちなみに運命と書いて『さだめ』と読む」
「そんなどーでもええねん!なに悟り開いたみたくゆうてんの!言っとくけどな、この状況じゃ自分の方が浮いてんで!」
「グハッ・・・く、くそぅ」
ロキの指摘はもっともで、この状況(仮装パティ―?)においてノーマルというのは、非常に気まずい。皆が盛り上がっている中、自分だけが盛り上がり切れず、場の雰囲気を悪くしてしまうようなものだ。
「それは俺のせいじゃねえだろがぁ!何とかしてくれよ!」
燈火の悲痛な嘆きにフィンが苦笑いを浮かべながら反応する。
「僕は『王様ゲーム』を詳しくは知らないから何とも言えないんだけど、本来はそんな風に望んで命令を下されようとする物ではないんじゃないのかい?」
「だってトーカの番号に当たらないんだもん」
ぐてーと猫のように体を伸ばしながらティオナも文句を垂らす。そして、文句ついでにとんでもない爆弾も投下する。でもさーと続け、
「一番あれなのはトーカだけどさ、一番ちゃんと変なのってリヴェリアだよねー」
瞬間、場の空気が凍り、時間さえも止まったかのように思えた。実際には凍った気がしただけなのだが、あのカボチャの内から溢れる冷気は、本当に何でも凍らせることができるのではと錯覚する程に冷たかった。ティオナが皆が思っていた最大の禁忌に何の躊躇いも無く触れてしまったからだ。
確かに、現状普通の服装の燈火を除き一応は変化がある皆だが、それなりの格好になっているのだ。ロキの顔は置いておくとしても、ロキのピエロ、ティオナの制服&猫耳、アイズの配管工、フィンの燕尾服&モノクル。どれをとってもそこそこ似合ってしまっているのだ。アイズは髭の関係上違うが、他は元々そうだったと言われればさほど疑う事無く信じてしまう程に。
そうなるとやはり、下手に変化を加えてしまったリヴェリアのカボチャは、控えめに言って酷い。服装は普段の緑のローブ、その上に肩幅の倍はありそうな大きさのカボチャが乗っている。座り方が正座から少し崩れているが、背も高く、姿勢がピンとしているため、余計に奇抜なアンティーク感を醸し出している。
他の皆が良い似合い方をしているなら、リヴェリアのは悪い似合い方というところだろうか。皆もそれには気づいてはいたのだが、後が怖くて何も言えなかったのだ。言えなかったのだが、そこに、切り込み隊長よろしく突っ込んでいったティオナ。おそらく今日一番のヒーローと言っても過言ではないだろう。
その穢れなき無邪気さ、悪意無き奔放さは、時として武器にも成りえるものだが、成りえるからこそ気を付けなければならない。武器は武器でも、相手の心を確実に抉り取る、どんな刃物よりも凶悪な凶器へと変貌してしまうからだ。取扱注意である。そんな鋭利なもので抉られたリヴェリアは、
「・・・似合っているか?」
と怒っているとも、凹んでいるともとれない、暗く低い声で質問をカボチャから飛ばして来た。
「安心しろ、リヴェリア。似合ってないことはない。誓おう。ただ、鏡は見ない方が、今後生きていくうえで負担が減ると思うぞ?主に精神面の、所謂黒歴史なるものが」
燈火が真面目な顔、真剣な声音で答える。しかし、その両手は、今にも血が滴りそうなほど強烈な力で握られており、体全体も心なしかプルプルと震えている。どういうことかというとつまり、説明するまでも無く、必死に笑いをこらえているのだ。今ここで笑い声なんてものを出せば、おそらく明日、皆に「おはよう」と挨拶することは叶わなくなるだろうと、人としての生存本能が訴えかけていた。下手をすれば「おやすみも」も無くなる。
「はあ・・・もういい。なってしまったものは仕方がない。文句を言っても始まらんだろう」
リヴェリアの中でも諦めがついたのか、首が少し折れている。
「私も・・・似合ってる?」
リヴェリアの様子を見て自分も不安になったのか、アイズも聞いてきた。
「アイズ、髭ついてるのに怖いほど似合ってるよ!違和感全然ないよね~」
ティオナがほのぼのとした雰囲気で答えた。ティオナ自身、自分の格好に不満はないのか嬉しそうに座っている。アイズもティオナから褒められ満更でもないらしく、嬉しそうにしている。ティオナから向き直り燈火にも聞いた。
「似合ってる?」
「ん?ああ、似合ってるよ。頑張って準備した甲斐があったよ」
「そうなの?・・・ありがとう?」
感謝すべきか迷いながらも礼を口にする。
「燈火も・・・似合ってるよ?」
「うん、ありがとね。大丈夫知ってるよ。アイズさんは皮肉なんて言わないものね。純粋に言ってくれてるんだよね。分ってる分ってるって。でもおかしいな、自分の服装褒められてるはずなのに全然嬉しくないぞぉ?むしろ悲しくなってきたなぁ。今なら貶してくれた方が嬉しい気がするなぁ。ホント泣いてもいいかな。ていうかねぇもう涙出てきた出てきてましたよ。アイズさん、褒め言葉も時には計り知れない威力を持った凶器になるんだよ、覚えておいてね!!」
燈火が手を着き、崩れ落ちた。思わぬ伏兵の口撃には耐えられなかったらしい。
そんな茶番?を繰り広げていた時、ソファーの上で何かが動く音がした。最初にダウンしたレフィーヤが復活したらしい。しかし、まだ意識ははっきりしていないらしく、燈火を眺めながら
「う・・・ん・・・そうなりましたか」
「やめて、もっと期待してたのに残念だなはァ〜みたいな雰囲気漂わせないで!しっかり疑問形にして!どうなりましたか?だ!」
「失礼。嚙みました」
「違うわざとだ」
「嚙みまみた」
「わざとじゃないっ!?」
「嚙み含め・・・」
「確かにアイズに嚙み含めて伝えたけれど!って語呂が悪いからって途中で投げ出すな!最後まで頑張って己の無力を実感しろ!」
「・・・・・・?すみません、寝ぼけてました。今どうなっていますか?」
俺の指摘は無視か・・・とレフィーヤとのやり取りによって元気を取り戻しそうで戻せなかった燈火が質問に答えた。
「どうもこうも、このザマよ。自分の目で確かめた方が早い」
燈火に言われたレフィーヤは周りを見回した。そして最初に視界に飛び込んできたものは・・・・・・大きなカボチャだった。
「あのー、すみません。あんなカボチャなんてありましたっけ・・・・・・ってえぇ!?リヴェリア様!?」
言ってから気づいたらしい。リヴェリアも「あんなって・・・・・・こんな高貴なカボチャ他にないんだぞ、ありがたいんだぞ」と何気にムキになっていた。
「ティオナさんも団長も服装が変わってるんですね。じゃあもしかしてそこのつなぎの髭のおじさんは・・・」
言われアイズが髭と帽子を取りほほ笑みかけた。すると、レフィーヤは顔を真っ赤にしあたふたし始め、
「ア、アイズさん・・・ッ!あ、あの、そのぉ、・・・・・・お、お外走って来ますッ!!」
服装の感想を伝えるよりも前に、先ほどの一連の流れが脳内で再生されてしまったのか、部屋を飛び出してしっまた。
「いってらっさい」
フリフリと手を振って燈火が見送った。アイズは不思議そうに首をかしげていたが、その疑問を解消してくれる人はいなかった。
「レフイーヤは帰ってきたらまた加えよう、うん。ティオネも寝てるし、今は続きをやろう。時間的にも、もうそろそろだ」
「・・・?」
そろそろという発言フィンは疑問を覚えたがそのままクジに手を伸ばした。
皆がクジを引いた。王様は・・・
「・・・俺だ」
左手で顔を隠し、指の間から目を覗かせながら厳かに宣言した。周囲に緊張が走る。今度は誰が犠牲になるのかと。燈火も視線を走らせ
「命ずる・・・3番が隣の部屋の6番の札が置いてある衣装に着替える!」
命令の直後、皆が指名された人物を探した。すると、番号が当たったのだろう。フィンが何も言わずに立ち上がった。
「なんだ、フィンだったのか。ちゃんと宣言しなきゃ」
「ああ、いやすまない。着替えの事を考えるとどうも気が重くなってしまってね」
「大丈夫だ。絶対に似合うやつだから」
燈火はフィンを励ます。しかしこの時すでに一人必死に笑いをこらえている人物がいた。人物って言うか神物なのだが・・・。
***+++
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
茫然自失、意気消沈。完全に機能停止したフィンが隣室から戻ってきた。その様子を皆も唖然とした表情で眺めていた。燈火とロキを除いて。燈火は無言で親指を立てとても満足そうに、ロキはいまにも飛び掛かろうとしていた。
「あーその、何か言った方がいいか?」
付き合いが長いリヴェリアがはじめに声をかけた。リヴェリアですらこの状況では声をかけることが最善かどうかかなり悩んでからの行動だった。
「そうだね・・・一応感想は聞いておこうか」
もうほとんど消え入りそうな声が聞こえた。普通ならばもう少し燈火たちを咎めてもいい様なものだが、フィンはあまり抵抗することなく現状を受け入れていた。なぜなら・・・
「なんか、あたしより女の子らしいかも・・・」
そう、フィンは着替えた時に思ってしまった。考えてしまったのだ。そして受け入れてしまった。この現状を。あまりにも似合ってしまっていた自分の姿を。反発したいが、多少なりとも自分の姿を受け入れてしまった手前強く出れない。その葛藤の結果が現状をあきらめることだったのだろう。だからティオナの感想もすんなりとはいかないまでも、あまり抵抗は感じれなかった。
今のフィンが身に着けているのは、淡いグレーのプリッツスカートに、白の長袖、紺のカーディガンを羽織り、世が世なら清潔感のある文学少女の様な格好をしていた。
「うん・・・感謝すべきなのかな、これは」
「かわいい、と思うよ?」
「燈火、キミの気持ちが少しわかった気がしたよ」
「だろ?貶してもらった方がいくぶん救いがあると思うだろ?だが俺も貶さないぞ、フィン!何だったらアイズの妹でも通るレベルだ」
「・・・すまない、否定できそうにない。フィン、今は耐えるんだ」
「ありがとう、リヴェリア」
皆が感想を告げる中、我慢の限界だったのだろう。燈火の視界を紅い閃光が走った。
「めっっっちゃかわいいやんか!!」
後ろからガシッとフィンに抱き着いたロキが喜声を上げた。
「ホンマにアイズたんの妹でも全っっ然違和感ないわぁ!」
「そう、なの?」
アイズにはあまりそのような認識はないのか首をかしげていた。
「うん、なんか生き別れた姉妹って感じ―」
ティオナに言われるとアイズは立ち上がり、フィンの頭を撫でた。
「・・・・・・いい、かも」
頭を撫でながら微笑む。なんとも和む雰囲気の姉妹図になった。
「このままでもいいから・・・頼むよ、進めてくれ」
現状をあきらめたフィンは早くこのゲームを終わらせることに思考を移したらしい。
「じゃあフィンのためにも進めようか」
流石の燈火もかわいそうに思ったのかあまり抵抗せずに次を促した。
***+++
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お~いっ、なんかさっきも見たぞ、この感じ!既視感だぞ!」
笑いを殺しながら声を上げる燈火。ロキに至っては笑いと感動で失神していた。ティオナとアイズは目を輝かせ、フィンは同志を見る目を向けていた。ここまでくれば誰が次のターゲットだったかお分かりいただけただろう。
「なぜこんなものまであるんだ・・・」
隣の部屋から戻りドアの前に立ち尽くしていたのは、カボチャの呪いから解放され、今度は仕立ての良いメイド服に身を包んだリヴェリアだった。
普段から姿勢が良いため異常なまでに似合っていた。意識的か無意識的か手は前でちゃんと交差されており、メイドとしての誇りすら感じさせるいでたちだった。
「一つお願いがある」
「・・・・・・なんだ、王様」
今回の命令者も燈火だった。結局着替える命令はすべて燈火の指示により行われた。ちなみに衣装準備もすべて燈火の担当だった。そんな力作を前に、燈火は望みを打ち明ける。
「一度でいいから『おかえりなさいませ、ご主人様』と言ってはもらえないだろうか」
「・・・それは命令か?」
「いや、命令は一回に付き一個だから、これは個人的なお願いだ」
「いいだろう」
「マジで!?」
「冥土の土産としてその目に焼き付けとくがいい」
「はっはー、何だリヴェリア、その格好で冥土に送るとか、意外と洒落好きか?やるな~」
「・・・・・・・・・・・・」
「ごめんなさいすみませんでした100%全面的に俺が悪かったからそのプルプル震えている杖をどうかお治めください!お願いします!!」
燈火の余計な煽りに無言で怒りを示す。今にも杖が折れそうだ。
「でもホントに似合ってるよ!こんなメイドさん居たらホームに帰ってくるだけで疲れなんて吹っ飛んじゃうよ!」
「うん、とても似合ってる」
ティオネとアイズが賞賛を送る。
「そうか?」
2人からの賞賛は気に障らないらしい。今回ばかりは純粋組の勝利である。
「あたしもさっき燈火が言ってたやつ聞いていたい!ダメ?」
「だよな聞いてみたいよな!頼むよ、リヴェリア!そんなに睨まないでくれ!」
燈火が復活し賛同しかけたところを睨み一つで黙らせた。
「私も、気になる」
さらにアイズまでもが乗ってきた。二人の期待のまなざしを受け、リヴェリアは渋々承諾した。
「はぁ、いくぞ」
そこで一度切り、深呼吸をした。やるからには全力でやるらしい。最早意地の域である。一応お願いしたのは燈火だからか、若干怯えている燈火に向き直り、
『おかえりなさいませ、ご主人様』
渾身の一撃を放った。
「グハッ・・・・・・」
「いいよ!すごい様になってるよ!」
「うん、とてもいいと思うよ」
燈火はロキ同様倒れ、他の二人は絶賛。リヴェリアもあまりいやそうではない。
「いやもうなんか、後悔ないわ。もう死ねるわ」
瞬時に復活した燈火。とても満足そうな表情を浮かべていた。
「そうか。なら本当に送ってやろう」
「い、いや、冗談だよ?本当に死にたいわけじゃないからね?だからやっぱりその杖おろしてくれないかな!」
今にも殴り掛かられそうなとき、今までずっと黙っていたフィンが待ったをかける。
「リヴェリア」
「・・・なんだ?」
「ここからは僕たちの番になるかもしれないから、一旦落ち着いてくれないか」
「ここから我々に何あるんだ?」
「ルール『その五』だよ」
*****+++++
フィンはリヴェリアの罰ゲームの間ずっとこのことについて考えていた。どうしてここぞという時に必ず燈火が引くのか。そしてその答えは単純と言えばそうだが、あまりにもバカバカしく、実行には移さないであろう手であった。しかしフィンは、その先入観を捨て、リヴェリアの罰ゲーム中ずっと考えていた。そして至った。答えに。やはり何度考えても無茶なことだとしか思はないが、実行したのが燈火なら話は変わってくる。こんなものと切り捨てるような作戦でも嬉々として実行する燈火ならやりかねないと。
事実を見抜かれたのかと若干動揺しそうになったが、何とか押し殺しフィンへとかをを向ける。
「おいおい、俺たちが何をやったていうんだ、フィン・・・ちゃん?」
「ちゃんと説明はするよ、君たちが納得のいくようにね。・・・だからその呼び方はやめてくれ」
「あ、ああ。わかった」
徐々に萎んでゆくフィンを眺め流石にいたたまれなくなったのかフィンの申し出を了承する。
「じゃあ俺たちが何をやったか説明してくれたまえ!」
右手で前髪を払うようなポーズをとりながらフィンに投げかける。
燈火の挑発を受け、フィンは今回の『王様ゲーム』に仕組まれた陰謀を解き明かしていった。
はい・・・いかがだったでしょうか。
無駄に量だけがあり、内容が薄い様な気がしないでもないんですが・・・
こんなの量のうちに入らないという方が多いことを祈っております。
結局本編よりも番外編の方が長くなってしまいました。本当に申し訳ないです。
次回で必ず終わるので、終わらせるので、何とかお付き合いください。
よろしくお願いします。
毎度のことですが報告、評価等々お待ちしております。