いい加減にしてオーナー! 作:きんにく同盟
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一話 ありがちなトラブル
一浪はゲームする際の必需品であるブラックコーヒーとエナジードリンクが尽きていることに気付き。近所のスーパーに昼にも関わらずに繰り出していた。
商品購入時に分かったのだが、先ほどまで昼だと思っていたが夕方の4時だった。
「なんか一日、短くね・・・」
起きて、一作ゲームしただけだぞ・・・
「テイルズ終わって、今度はFFだと思ったらこんな時間なのか・・・」
帰ったらどうせ、市ヶ谷辺りがゲームを陣取っているだろうから再開は夜だな。
帰り道に大きくも小さくもない橋を渡る。
するとどうだろう。人だかりができている。近所に女子高があるので、人だかりも女子高生だが。
「誰か助けてあげなよ・・・」
「かわいそう・・・」
多くの視線の先を見ると、小さな男の子が川で溺れていた。
「誰・・かっ!!たずげで!!」
恐怖のあまり叫んで暴れては水を飲む悪循環。
まあ、いいか俺は関係ない。それより帰ってゲームだ!!
と人だかりを離れようと歩きだしたら、物凄い力で腕を掴まれる。凄い馬鹿力だと思い
誰だ?と見たら、今井リサだった。
「お前か・・・痛てえから離せよ」
「なんで助けてあげないの!!!」
「あんな餓鬼知るかよ。それよりも帰ってFFのプロローグだけでも観てえんだ」
その言い合い合戦は無論、周囲にも丸聞こえでJKが俺を非難する。
「そうよ!!助けてあげなさいよ!!」
「かわいそうじゃないの!?」
「お前ら、とことん他力本願だな。俺は助ける気もないから野次馬根性で観たりしない。だから早めに立ち去る。悪いか!?」
「貴方・・・流石にドン引きしてるわよ・・・」
今井に隠れてて分からなかったが、湊も居た。
あ~嫌なもん見ちゃったな・・・怖いな・・と思っていると、今井が物凄い力で俺を橋の手摺まで押し出す。
「お願いオーナー、助けてあげて・・・・」
使命感を感じた人間は質が悪い。
「うわあああ!!!止めろ今井!!助けてくれ!!殺されるうう!!!」
「別に貴方、泳げない訳じゃないでしょ・・・」
湊が目を細めて嗤う。
こいつ・・・やはり・・・
だが!!今はそれどころじゃない!!
「頼む!!高い靴履いてんだよ!!フェラガモだぞ!買ったばかりなんだ!!」
「そんなものあの子の命に比べたら・・・」
「靴が大切に決まってんだろ馬鹿野郎!!」
俺も執念で今井の力に拮抗する。
この馬鹿力でもやはり、女・・・力でかなうと思うなよ!!
「貴方たち・・・あの子を助ける為に協力して・・・」
湊が人だかりのJKに言う。
すると、今井と手を組んだ無数のJK・・・・
「・・あ・・・」
瞬間、橋から落ちる。
そして、脳裏に突如として現る映像。これが走馬燈という奴か・・・
お父さん・・・口座から黙って金を下ろしていた犯人は俺です。
お母さん・・・貴女のブログ荒らしていたID・平成の怪物は俺です。
ごめんなさい・・・俺が悪いとは思っていますが、俺をこんなにした世間も悪いと思っています。だからせめて来世は・・・もっとイケメンな御曹司に生まれさせて下さい・・・
バシャ―ン!!!
「っぷは!!あっぱあああ!!」
俺は死んでない?
そして、今井に改めて恐怖する。これもしあの子を助けずに帰ったら、それこそ殺されるんじゃないか?
必ず・・・やるだろう!!
俺は先の溺れてる餓鬼の所まで泳いでいくと、朦朧としている餓鬼を掴んで、岸まで泳ぐ。
「ばあ!!あ~お兄ちゃん怖かったよお!!」
俺に泣きつく餓鬼
「俺の方が怖かったぜ・・・」
今井リサ・・・ロゼリアの安牌だと思っていたが・・・地雷だったか?
二話 悪に憧れる
いつもの通り、休憩時間に事務所に入り浸るポピパ、ロゼリアメンバー。
「なんかいいなあ~学校の不良がラグビーに打ち込むなんて・・」
香澄が目を輝かせて言う。
「ちょっと説教くせえけどなんかいいな・・・」
有咲も同意見の様だった。
「オーナーもこうやって熱血教師に説教されれば変わってたね」
私、花園たえがアプリゲームに勤しんでるオーナーに言う。
湊さんと氷川さんがクスッと嗤う。
「あ?やだね」
「何でですか?自分の為に怒ってくれるって嬉しいじゃないですか?」
「俺は老人と説教が一番嫌いなんだ」
私とオーナーの問答に湊さんが薄ら笑いを浮かべて言う。
「こんなヘドロみたいな人間に順当な感情ないわよ」
まあそうですよね・・・
「大体こいつら、構ってもらいてえだけだろ?そんなの半端者だね・・・・」
「あら、貴方も構ってもらいたいんじゃないの?」
オーナーの言葉に湊さんが飄々とついていく。
「お前・・・それ典型的なサディストの考え方だぞ」
「まあいいわ。それであなたは半端者ではないのかしら?」
「当たり前だろ!!喧嘩は人に代理してやってもらう。自分では手を汚さないをモットーにした俺は正に、悪の帝王と呼んでも差し支えないだろう!!」
「卑怯者をこじらせただけでしょ?」
なおも言い合いは続いていき・・・
「俺はあんな中途半端には終わらないからな!!」
「どうかしらね」
オーナーは不機嫌になり、仮眠室に行く。
「あ~あ、あれは長引くね」
「友希那さんいいすぎだよ~」
今井さんと宇田川さんが湊さんを咎める。
いや、貴女たちも喜んでいたでしょう。
次の日
私が事務所に行くと、オーナーがウイスキーを煽っていた。
「やっぱりブラックニッカが一番だぜ・・・くし~」
焼けるような喉への刺激で変な声を上げるオーナー。
「も、もうやめましょうよオーナー」
グラスを取り上げようとすると
「やめろ花園!!俺は酒に強い男なんだ!!」
途中から来た有咲も加わって
「馬鹿だろ!!未成年の癖に何に手を出してんだ!!いいから手を離せ!!」
二人がかりで手を離させる。
「俺は酒にのまれていないぜ」
「そういう問題じゃねえだろ!!」
変な理論を展開するオーナーに私たちが困っていると、湊さんたちがやって来る。
「何の騒ぎ?」
「実は・・・・」
今井さんが聞いたので答える。
「・・・はあ、本当に馬鹿ね。それが悪って思ってる時点で向いてないのよ」
湊さんはオーナーに向かって、絨毯爆撃の様にメンタルを攻撃していく。
それには普段、キツイ性格をした氷川さんもたじろいでいる。
「そもそも・・・」
続けようと口を開く湊さんを遮ってオーナーが叫ぶ。
「うるせー!!俺は・・・・誰にも負けない男になる!!!」
そして、事務所を走って飛び出していった。
翌朝
俺は夜の街を渡り歩いた悪。昨日の刺激的な夜に酔いしれるが今日も仕事がある早く起きねばな・・・
「ン~アッ!!社長サン・・・オハヨウゴザイマス」
そこに居たのはブラジル系の褐色美人だった。
「・・・・え?」
「オーナー・・・どういう訳か説明して」
「おい花園、いつもは敬語だろ」
言葉遣いを注意しようとすると、隣からテーブルを叩いた有咲が声を荒げる。
「そんなことどうでもいいだろ!!その人は誰なんだって言ってんだろ!!!」
「そ、そんなに怒るなよ・・・この人はサラさんらしい。昨日俺と知り合ったらしく、今日・・・」
「ベットインね」
湊が冷静に言う。
「それっておま・・・嘘だろ!!」
「俺もあれだ・・・記憶がないっていうか?この人誰?てきな・・・」
「ふざけんじゃねえぞ!!」
市ヶ谷胸倉を掴まれる。
「だがら、怒るなよ~」
涙声になってしまった俺。
「まあ・・・有咲。これ以上詰問したら、話せるものも話せなくなっちゃうでしょ?」
「だけどな・・・」
すると、オーナーは急に立ち上がり、金庫から札束を3つ程持ってくる。
「うう・・・サラざん・・・これで昨日のことは・・・」
「テメ!!まだ!!」
飛び掛かりそうになる有咲を何とか私が抑える。
「うわああああああああ!!!」
怯えて逃げるオーナー。
その阿鼻叫喚の嵐の中でその女の人は言った。
「モウ、ワタシ帰ッテイイ?」
「良いんですか?この強姦魔に何かされたんじゃないですか?」
「違ウヨ・・・旦那ノ愚痴聞イテ貰ッテタダケダヨ」
「え・・・それじゃ?」
「ジャア、モウ帰ルヨ・・・マタネ!イチロー」
「いかがなさいましたか?市ヶ谷よぉ・・・」
あれだけ怯え泣いて、有咲から逃げ惑っていたオーナーが有咲の目の前に立っていた。
「・・・あのその・・」
「もしもーし!!聞こえてますか!?」
オーナーは有咲の肩に腕を掛けて言った。
「何か言うことあるんじゃねえか・・・市ヶ谷さんよ~」
急に上にでたオーナーに困惑する一同。
「す、すいません・・・」
有咲はニヤニヤするオーナーに謝るしかなかった。
三話 本編みたいな話
あいつらは俺の事を馬鹿にしていると感じる今日この頃。そして、俺が最大限に危惧しているのが奴らの練習量だ。
あんなにハードな練習を強要していた湊や氷川は一通りを終えてしまうと、事務所で何かしている。
これは悪い傾向だ。
例えるなら、真面目だったあの娘がチャラ男と出会って勉強もせずに遊び歩いているというやつだ。
なら俺が目を覚まさせてやってもいいが、生憎俺にそこまでの威光があるわけでもないので却下。湊も怖くなってきているからな。
ならポピパに言ってもらうか?
花園、あいつは風見鶏な傾向がある。
戸山、怖い
市ヶ谷、馬鹿
山吹、花園と被る
牛込、空気
なんということだ・・・ろくな面子がいない。
これではロゼリアの堕落が極まってしまう。早く何とかしなくては・・・と考えていた俺に朗報が飛び込んでくる。それは都主催の音楽フェス。
著名な音楽家や歌手が審査員を務めて、上手くいけばプロデビューと噂されている催しがある。これには全国から実力がある奴らが集まるだろう。
この際、誰もデビューしてない胡散臭さはどうでもいい。要はここでロゼリアおまけにポピパの意識を改革してやるのだ!!!
「だっはっはっはっはっはっはっは!!!!」
「という訳で、お前らにはこれに参加してもらう」
「別にいいわよ。それに関しては私も望む所だし」
湊は一見、冷静だが本心ではマズイと思っているのだろう。
「最近どうなんだ?練習量も減っている様だし・・・実力の程は?」
「ちょっと!!私たちの実力を疑ってるの!?」
氷川が突っかかる。
「おお怖い怖い・・・でもここでは実力があったのに、大会では・・・という結果が俺には見て取れる」
隣で花園が俺を突っついてくるが関係ない。
「じゃあいいわ・・・いい結果をとって来るわ」
「そんなに甘い物じゃあない。もし、予選落ちとか本選の咬ませ犬みたいな結果に終わったら・・・ロゼリア改めダメリアに改名だ!!」
ロゼリアチームの全員が俺を睨むが構わない!!
「じゃあ、私たちが誰もが認めるいい結果になったら・・・・ゲームは一日、一時間にしてもらうわよ」
「いいだろう!!」
そう約束をして練習にいくロゼリアメンバー。今からやったって遅い、普段から努力している人には敵わないの悲しいけどこれ現実なのよね。
「オーナー、安請け合いしましたね・・・ロゼリアの実力知らないんですか?」
「知るかよ。このバンドハウスの中では!凄い方なんだろうよ」
「そんなレベルじゃありませんよ・・・よく色んなフェスに出場しては優勝を攫っていくんですから」
その言葉に震えが走る。
もしそれが本当なら・・・いや、おかしいじゃないか!!
「じゃあ、何で事務所でたむろって・・・」
「やっぱり、その事ですか・・・湊さんはあそこで作曲をすると捗るそうなんです」
「じゃあ、他のメンバーは?」
「ただ、英気を養っているだけですよ」
いや・・・俺の選択は間違ってはいない。
「大丈夫ですか?オーナー」
「平気に決まってんだろ。ただ、体かな?震えが止まらないだけだ」
ため息を吐く花園。
「お前らも他人事だと思うなよ!!良い結果が出なきゃ何か罰受けてもらうからな!!」
オーナー、もういい加減にして…
何かありましたらよろしくお願いします。