いい加減にしてオーナー!   作:きんにく同盟

5 / 9

秋ですね。

高評価とお気に入りありがとうございます!


日常のはず

 それは俺が駅周辺を歩いてた時に起こった。

 

「皆さん!!この人、盗撮しました!!」

 

「・・・え?」

 

 中年のおばさんが俺の腕をつかんで大声を上げる。

 

 

 

「なに・・・あんた撮ったの?」

 

 警官が何人も来て、人だかりも出来ている。

 

「撮るわけねえだろこんなブス」

 

「ブスって何よ!!私はそのスマホで撮ったの見てたのよ!!」

 

 指さすのは、俺の愛用のスマホ。初期の奴で使い道が無くなったのをミュージックプレイヤーにしている。

 

「これで俺が撮ったのか?お前見たんだな・・・?」

 

 念を押す。

 

「間違いないわ!!お巡りさん、それを取り上げて!!」

 

 

 警官は取り上げ、中身を確認すると・・・・

 

 

 

 

「あの、これカメラ機能ないんですが・・・」

 

 女はえ!?と驚く・・・・

 

 

「あ~らら・・・・どうすんのこれ?」

 

 俺はニヤニヤ笑って女の前に行く。

 

「え?これ冤罪ってやつ?怖いな~もう少しで犯罪者になる所だよこれ・・・」

 

「・・・これで良いでしょ」

 

「良い訳ねえだろ。お前をネットの人気者にしてやる」

 

 俺は宣告すると、スマホで撮影している人に向かって女を指さして言った。

 

 

「この人は冤罪で示談金をだまし取ろうとした詐欺師です!!」

 

 撮影者は面白がって女を映す。

 

 流されるままに他の奴らも携帯を取り出して撮影する。

 

 

「い、いやああああああああああ!!!」

 

「良かったなこんなに盗撮されてるぞ。これからネットに半永久的に晒上げられるんだぜ」

 

 

 

 低い笑い声とすすり泣く女の声が混ざり合って、地獄と化した一帯。

 

 

 

 

 

 数日後、その動画はネットで話題になり知れ渡る事となる。それは必然的に

 

 

「おいクソ野郎!!これはどういうことだぁ?」

 

 有咲に怒鳴られる。

 

「ああ、やっぱりさらされてたか」

 

「なんでこんな事してんだよ!!」

 

「教訓って奴だ。低能は痛い目に遭って初めて学ぶ・・・俺は良い事をした」

 

 

「お前って奴は・・・!!」

 

  

 

 私は動画を見ながら思った。

 

 少しやりすぎだよ・・・

 

 

 対照的に湊さんはただ嗤っていた・・・怖い。

 

 

 

 

 第二話 お友達

 

 

 

 人は誰しも友人と呼べる存在が一人は居ると言われている。例えどんな人間にだって・・・・

 

 それが自分のことしか考えないゲーム廃人でも。

 

「おい花園!今日は早くに解散だ」

 

 オーナーは突然に言う。

 

 普段、滅多にならないメールの受信音が鳴ってからこうなった。

 

「何でですか?」

 

「理由なんかない。世の中上の者がやれと言ったらやるもんなんだ」

 

「はあ・・・」

 

「取り敢えず、今日はもう解散だ」

 

 鏡で髪を整えだすオーナー

 

 

「おいどういうことか説明しろ!」

 

 有咲が食い下がるが

 

「市ヶ谷・・・正当防衛って知ってるか?」

 

「面白れぇ!!上等じゃねえか」

 

 

 勃発するバトルを氷川さんが仲裁する。

 

「ちょっとやめなさいよ・・・それで理由くらいは聞いても良いでしょうか?」

 

 

 

「氷川。勉強、運動、あらゆる種目でお前が妹にかなわないのは何故だ?」

 

 

「それは・・・」

 

 

「言えないだろ?誰しもが答えを与えてくれると思ったら大間違いだ」

 

 

 オーナーはクローゼットから普段着ない服を出して来ては試着している。

 

 

 その姿に宇田川さんは見とれる。

 

「うわー!オーナーカッコいい!!」

 

「そうか?この服にこれを羽織ると・・・・どう?」

 

「良いよ良いよ!」

 

 

 

 湊さんが書いていた楽譜をテーブルに置く。

 

「それで、引きこもりの貴方は何処へ行くのかしら?」

 

「おい湊。お前は俺のなんだ?」

 

 

「・・・知り合いよ」

 

「なら指図すんじゃねえ。いいか、お前に出来る事は帰って楽譜を抱いて寝ることだけだぜ」

 

 湊さんの顔が僅かに引き攣る。

 

「そうなの、でも貴方の勝手に付き合わされるんだから理由くらい聞く権利はあると思うけど?」

 

 

「権利は義務を果たしてからだ。俺がお前らに与える義務は即刻帰ることのみだ。魚臭え頭に刻み込んでおけ」

 

 

 

 そして、戸締りを私に命令して出て行った。

 

 

「アイツ・・・許せない・・・」

 

 湊さんから邪悪なオーラが立ち込める。

 

 普段、冷静な人ほど怒ると怖いのだという。

 

 

 

 

 誰の提案か忘れたけど、弱みを見せるかもしれないから尾けてみようといった話に落ち着いた。

 

 駅前で待っていると、オーナーに近づく長髪のイケメンお兄さんが来た。

 

「うわ・・・美形・・・」

 

 有咲も感嘆の声が出ていた。

 

 

『お!待ったか一浪』

 

『今着た所だぜトモ』

 

 

「あれ・・・?あれれ?」

 

 宇田川さんが急に変な声を出す。

 

「どうしたの宇田川さん」

 

 氷川さんが聞くけど、何でもないと言い張る。

 

 

 

 それからオーナーとイケメンお兄さんは、暫くじゃれたりした後

 

『ゲーセン行くか一浪』

 

『また、何か獲って欲しいのか?女じゃあるまいし・・・』

 

『べ、別にいいじゃないか!』

 

 

 

 ゲーセンに入ろうとした二人はカツアゲ現場に遭遇する。

 

 見るからに中学生の子供が高校生くらいの不良にカツアゲされていた。

 

 

 オーナーは素通りするけど、長髪のお兄さんは立ち止まり声を上げる。

 

 

「おい!!お前たちいい加減にしたらどうだ?」

 

 不良たちもいきなりの大声に引け腰になる。

 

「な、なんだよ!!」

 

「子供相手にみっともないぞ!!」

 

 

 

 その中性的な高い声に私たちはうっとりする。

 

 あんなゴキブリよりカッコいい・・・

 

 

 すると、知らんぷりしてたゴキブリが店から出て来る。

 

 

「何やってんだよトモ・・・餓鬼なんかほっとけよ・・」

 

「ダメだ!!私はこういうのが許せないんだよ」

 

 

 と激昂するお兄さん。

 

「じゃあ・・・俺がなしつけとくから店の中に入ってろよ」

 

「しかしだな・・・・」

 

「トモお願い」

 

 渋々とオーナーを置いて中に入ってく長髪お兄さん。

 

 

「さて・・・・お前ら運が良かったな」

 

 オーナーの言葉に騒ぎ出す不良。

 

「なんだやろうってのか!?」

 

「バカ!!大きな声出すなって・・・あの人はマジでヤバいんだぜ」

 

 と言う。

 

「脅そうたって・・・」

 

「今なら俺が話を付けられる・・・如何する?」

 

 

 不良たちの戦意が折れる。

 

「悪かったよ・・・返せばいいんだろ?」

 

 不良でも高校生が粋がったタイプ。簡単に言う事を聞く。

 

 そして不良は財布から一万円札を抜き取り、オーナーに渡す。

 

「・・・・これじゃカツアゲじゃないか?貴方にあげると言ってくれたらいいんだけど」

 

 

「貴方に・・・あげます」

 

「本当か!?悪いな・・・」

 

 そのままポケットに一万円札をしまうオーナー。

 

 

 

 うわぁ・・・という顔をしている私たち。

 

「これって・・・どうなの?」

 

 湊さんが今井さんに聞く。

 

「カツアゲだよ、どう考えても・・・」

 

 

 

 

 オーナーは中学生に囲まれる。英雄の様だった・・・

 

「ありがとうございます!!」

 

 中学生は手を出す。

 

「何だその手は?」

 

「お金取り返してくれたんでしょ?」

 

 

「違うに決まってんだろ。これは俺が獲得した金だ、お前らにくれてやる義理はない」

 

 

 

 オーナー!!!!

 

 私が心の中で叫ぶと、今井さんと有咲が走って飛び出していく。我慢が出来なくなった組だろう。

 

 

 二人はオーナーの背に思い切り・・・

 

「弱者は搾取されるという事を学ばせてやったんだ。感謝して・・・・ぐはあああ!!」

 

 

 飛び蹴りをかました。

 

 

「このクズやろぉぉ!!」

 

「この子たちにお金返して!!早く!!」

 

 

「お、お前ら・・・暴力なんかして・・・」

 

「うるせええ!!」

 

 有咲は馬乗りになってボコボコに殴る。

 

 

「確かここのポケットね・・・」

 

 今井さんは一万円を抜き取り、中学生たちに渡した。

 

「ありがとうお姉ちゃん達」

 

「いいのよ・・・早く行きなさい」

 

「うん・・行こう・・・っぺ!!」

 

 

 オーナーに唾を吐き、去っていく中学生。

 

 

「俺がこんな目に遭って良い筈がない・・・」

 

「お前がそんなことしかできないからだろぉぉ!!」

 

 オーナーが何を言おうと、怒り狂う有咲。

 

 

 そんな騒ぎをしていた為、ゲーセンからお兄さんが出て来る。

 

「おい一浪、大丈夫か?」

 

「あっ!!トモ助けてくれ!!女に暴力をふるえない俺にこんなひどい事・・・」

 

「お前ら・・・」

 

 お兄さんが睨むけど、宇田川さんが出て行く。

 

「やっぱりお姉ちゃんだ!!」

 

 更に、宇田川さんが大声で言う。

 

 

「なっ・・・あこ、なんでこんな所に・・」

 

 

 お姉ちゃん!!!???

 

 

 

 

 

 

「貴女が宇田川さんが言ってたお姉さんだったんですね」

 

「そうだが、高1なので巴と呼んでくれたら嬉しい」

 

 氷川さんと巴さんが話す。

 

 ロゼリアのメンバーとして話がしたいのだろう。

 

 湊さんと続き、自己紹介を一通り終えた時・・・

 

「でも何故、オーナーと知り合いなんですか?」

 

 私が気になる質問を投げかける。

 

「ああ、一浪とは一ヶ月前に・・・・」

 

 

 

 路上でウイスキーのボトル傾ける一浪。

 

「あいつら~俺の事馬鹿にしやがって・・・」

 

 その現場に偶然居合わせた巴さんが介抱する。

 

「こんな所で酔ってたら危ないぞ」

 

「うるさーい!!俺の先祖は殿様なんだ!!」

 

「わかったわかった・・・それで何処まで送れば・・・」

 

 と保険証を見ると

 

「お前、アタシと同い年じゃないか!!何をやってんだ・・・」

 

 

 それから色々あって仲良くなったのだという。

 

 

 

 

 

「なんかアイツと居ると楽しくてな・・・バンド終わりに遊ぶようになったんだ」

 

 

 そう言った巴さんは、さっきのイケメンではなく何処か女らしかった・・・

 

 

 

 

 

 

 俺は今、追い詰められている!!

 

 ヤバい!!まさかトモが女で・・・宇田川の姉だとぉぉ・・・!!

 

 今は逃げるんだ!!ろくなことはないだろうから・・・

 

 俺は匍匐前進で逃げようとするが・・・・

 

 

「そこでじっとしてなさい」

 

 湊が後ろも振り返らないで言ったので止まる・・・訳がない!!今、市ヶ谷は気を取られているし、今井も同様。

 

 逃げられる!!問題はタイミングだ。

 

 

「トモ!!お前、言ったじゃないか男同志って・・・」

 

「それはゴメン・・・」

 

 そう、タイミングは俺が作り出す!!

 

「嘘までついて、俺と友達になっていたのか・・・?」

 

「違う私は・・・お前の・・・」

 

 

 皆が息を呑む音が聞こえた。

 

 

 ・・・・今しかない!!

 

 

 逃げる準備を整える。

 

「アタシは・・・・お前の母親になりたかったんだ!!」

 

 ズコーン!!

 

 派手にコケてしまった。

 

 

「お、お、お、お姉ちゃん!!何を言ってるの!?」

 

 

「こいつは確かに救いようがない。だけど、その分愛を与えればいい。それが一浪に必要なんだ」

 

 

 

 

 

 こういうのほど、母性がつよいんだなあ

 

 

              いちろを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





どうでしたか?


何かありましたらよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。