いい加減にしてオーナー!   作:きんにく同盟

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遅くなりました。

すいません。


新章 カドモスの誓い
カドモスの誓い 前編


 瞳・・・

 

 俺は長きにわたってあの日の決定に後悔することとなる。

 

 何年も前の事だ。

 

「ちょっと、オーナー!雑誌ばかり読んでないでライブの準備でも手伝ってくださいよ!」

 

 

 オーナーと呼ばれた男は、歳にして20丁度。大学を休学して自堕落な生活を送っていたところを親に見つかり、このライブハウスSPACEに預けられた。

 

 このオーナーこそ、終里要蔵であった。

 

 

 要蔵の奥には数人の少女たちがあくせくと準備に勤しんでいる。

 

「うるせえな、ライブはお前らがやるんだろ。俺が手を貸す必要はねえな」

 

「そんなんだから、親からも匙を投げられるんだよ」

 

 

「何だと詩船!もう一回言ってみろ」

 

 

「名前で呼ぶんじゃないよ!」

 

 

 その二人の喧嘩の仲裁をする少女が居た。セミロング程の黒髪を靡かせ困ったように笑っている。

 

「そのくらいでね、詩船。オーナー・・・」

 

 彼女は瞳、そう呼んでた。

 

 今みたいにパワハラとかうるさくなかったから、名前で呼んでたと思う・・・・・

 

 

 彼女は兎に角、歌が上手かった。才能は詩船よりかはあったが、如何せん体が弱かった。

 

 ライブを終えるまで歌いとおす体力が無かったのだ。

 

 

 いつの間にか歌い手は詩船が主になっていたが、ここぞの曲の時には彼女が出て来て歌うことが、最早恒例行事になっていた。

 

 

 

 

 

 そしてある夏、梅雨明けのその日、嫌に肌寒かった。

 

「オーナー!大変です。瞳が・・・・」

 

 

 

 

 

 第一話 瓦解

 

 ライブハウスにやってきたのは、エリートを漂わせるイケメンなお兄さん。

 

 湊さんを除いたロゼリアの面々は少し赤くなってオーナーと話し合っている男の人に見入っていた。

 

「友希那!あの人、岸谷さんって言うらしいよ。24歳だって!」

 

「そうなの」

 

「有名大学を卒業して・・・ええ!大手の音楽事務所のプロダクションマネージャー!」

 

 湊さんもそれを聞いて立ち上がる。

 

 音楽にしか興味ないんですね。

 

 

 

 一方、応対室にて

 

 

「そうです!これはビックイベント!皆さんで協力して盛り上げる。音楽を通して絆を感じるのです」

 

 息まいて話す岸谷。

 

 高校では嬉々としてボランティア活動を行っていた感じの奴だ。

 

 今も教師が喜びそうな御託を並べるので、内申なんてありませんよと耳打ちしたくなる。

 

 

「はぁ・・・イベントに参加ですか」

 

「そうです!ウチのイベントで評価されれば、数多くの大会の参加権が実質に手に入ります」

 

 

 主催者の名前は終里要蔵。

 

 知らないが、かなりの著名人なのだろう。

 

 俺が名前を見ているのに気づいた岸谷は声を高くする。

 

「やはり知っていますか終里氏。彼は様々なユニットを・・・」

 

 

「知らないな」

 

 長くなりそうなので話を切る。

 

「ええ!!知らないんですか。彼の事を・・・」

 

「おたくの常識を押し付けるんじゃない。俺が知らないという事は大した奴じゃないのさ」

 

 

「ええ・・・と、じゃあ審査員の彼らは?」

 

 

 ずらずらと書かれた名前の欄を指さす。

 

「知らないって。なんだよキラリン☆カズって外人か?」

 

 

 岸谷さんはオーバーなリアクションを取って崩れ落ちる。

 

 貴族の婦人がショックを受けた時みたいだ。

 

 

「メジャーなアイドルさえ・・・テレビで見る日の方が少ないのに」

 

「テレビなんか観ねえよ、つまんない」

 

 

 岸谷は立ち上がって言う。

 

「貴方の様な人にロゼリアやポッピンパーティーが育てられる訳もない!」

 

 

「ああ?成長は自分でするものだ」

 

「でもそれでは、いざという時に助言出来ないでしょう」

 

 

「他人の言葉で左右される奴なんか高が知れてる。本当に出来る奴は何処に居たって出来んだよ。まぁ、アイツらがその類か分かんねえがな」

 

 

 

 

 ボソボソ・・・

 

 ドアの先から聞こえる。

 

『アンタ、殺すわよ・・・』

 

 湊か。

 

 

 

「このままじゃ埒が明かない。彼女達と話をさせて・・・」

 

 退室しようとした岸谷の肩を掴む。

 そして、耳打ちする。

 

 

「なにも手放さないってわけじゃない」

 

 岸谷は振り返る。

 

「岸谷さん、アンタ最初から。俺に奴らの籍を抜く様に交渉しに来たんだろ?」

 

「・・・え?」

 

「物は相談だ。場所と時間を改めようか」

 

 

 アイツ等に聞かれたんじゃ、俺の計画が破綻する。

 

 

 

 岸谷さんが帰ったのでオーナーに詰め寄る。

 

「あの、岸谷さんは何の用だったんですか?」

 

「お前らが欲しいんだと」

 

 オーナーが続けて言う。

 

「ここ最近で、その手の交渉は幾度となくされた。お前らの好きにしろ」

 

 有咲が慌てたように言う。

 

「ちょっと待てよ、お前はどうなんだよ?」

 

 

「なんで俺?」

 

「だってオーナーだろ?」

 

「気持ち悪い事言うなよ。俺はどうだっていい、お前らの事にとやかく言うつもりはない」

 

 

 湊さんが溜息を吐く。

 

「本当にクズね」

 

 

 

 

 

 翌日 都内 某喫茶店

 

 

 俺がメールで指定された所に行くと、岸谷と隣におじさんが座っていた。若く見えるが、皮膚の張りからして中年を過ぎたくらいだろう。

 

「私が終里要蔵だ」

 

 こいつが主催者か。

 

 終里は俺をまじまじと見つめる。

 

「本当に詩船の孫か?」

 

 詩船・・・ああ、確かババアがそんな名前だっけかな。

 

「結構人を見て来たが、お前にはどす黒い闇しか見えない。人をダメにするオーラだ」

 

 

「ええ、本当にその通りです」

 

 隣の岸谷も同調する。

 

 

「それで・・・聞かせてくれよ」

 

 俺は構わずに話す。

 

「はい、これを見てください」

 

 岸谷は変なリストを俺に差し出す。

 

「ここに書いてあるアイドルや歌手から、お好きな人をお選び下さい」

 

 

 

 

 俺はリストを手に取り

 

 

 

 指を指さずに破り捨てる。

 

 

「な、何をするんですか!」

 

「分からねえ奴らだな、俺の要求はコレだよ」

 

 

 親指と人差し指で円を作る。

 

 

「金か・・・・」

 

 終里ががっかりしたように言う。

 

 

「アイツの孫と聞いて期待してたが・・・・」

 

 声質は落胆が含まれている。

 

 

「幾らだせんだ?お前らが決めろ」

 

 破り捨てた紙にシャーペンを添えて差し出す。

 

 

「・・・く、下衆め」

 

「凄い奴なんだろ?俺じゃ手が届かない額だろう」

 

 

 終里が1、と書いてから0を足していく。

 

 

「はいはいはい、終里さんのちょっと良いトコ見てみたい~」

 

 

 

 

 

 

 ライブハウスSPACE

 

 

「え、明日から終里スタジオに籍を入れるんですか私たち」

 

「なんかそう言ってるぞ」

 

 花園が複雑な顔をしている。

 

 それは皆も同じだ。

 

「それにアフターグロウもだとさ良かったな」

 

「ええ・・・それじゃお前は・・」

 

 巴が俺に問いかける。

 

 

「まあ、お役御免だな」

 

 

 こいつらに金の件は言ってない。

 

 アイツ等も彼女の今後に支障をきたすから黙っていると捨て台詞に吐いていった。

 

 

「・・・なんて言えば」

 

 花園を含めた心境は終里スタジオという大手に引き抜かれる喜びの反面、このライブハウスへの名残惜しさも残ると言った感じだろう。

 

 だから、俺は初めて奴らに見せる顔をする。

 

 

 そう、優しい顔だ。

 

 

「気にするな!お前らが頑張った成果だ」

 

 

「え?オーナー・・・?」

 

 花園がたじろぐ。皆もだ。

 

 

 生憎、顔は整っている方だと自覚している。

 

 鏡で幾度となく二次元に愛を囁いたことだってある俺は、悲しさを含みながらもほほ笑む顔を作る。

 

 

 

「おめでとう。これが本心だ」

 

「おい、待てよ!気持ちわりいじゃねえか・・・」

 

 市ヶ谷が顔を赤くする。

 

 

「これからは振り返らずに進みなさい。俺は応援してるからな」

 

 

 ライブハウスに沈黙が流れる。

 

 

 

 

 

 

「・・・無論そのつもりよ。だけど、ありがとう・・・・」

 

 

 湊が沈黙を破る。

 

 やっと絞り出した声は震えていた。

 

 

 

 

 そして、皆が荷物を整え出て行く。

 

 何度もメールするからなと巴が言うが、先ほどの要領で追い出す。

 

 

 

 

 

 

 そして、静寂そのものになったSPACE

 

 

 

「・・・・・ぐ・・・ううぅぅぅ・・・」

 

 オーナーは肩を震わせる。

 

 

「うううう・・・っく!がはははははははっははははははは!!!」

 

 

 

 

「忍びに忍んだ甲斐があったぜ!!今日からここは俺の城だ!!」

 

 終里とか言うオヤジからぶんどった金で

 

 

 

「幸せを掴んでやるぜぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 SPACE 外

 

「はい終里さん。奴は馬鹿みたいに有頂天です」

 

 車に乗って電話をする黒服。

 

『そうか、だが監視はしておけ』

 

「必要でしょうか?私どもとしては、他のライブハウスの職員や事務所の関係者を徹底的にマークした方が良いと思いますが」

 

 

『それもそうだな・・・・』

 

 

「そうですよ、奴は大馬鹿です。あんなに喜んで」

 

 

『じゃあ、奴はどうでもいい。所で例のアイドルは順調か?』

 

 

「ええ、奴が手放したがらないですが気長にやりますよ」

 

『頼んだぞ、あのアイドルが必要だ。金は積む』

 

 

 

 計画が各々の事務所を茨の様にじわじわと痛みを与えていく。

 

 果て無い終里の野望の終着点は遥か彼方にある。

 

 

 

 

 

 第二話 始動と指導

 

 

 俺は防音設計になっているライブハウス内に様々なゲーム機器を取り付ける。

 

 どれもレンタルだが、良心的な値段で満足している。

 

 

「あの・・・このシューティング機は何処に?」

 

「ああ、あそこの入口から遠い所で」

 

 そう、俺はゲーセンを開くのだ。

 

 入り口には商品の魅力を引き出す確立機(ルーレットゲーム)を配置し、中では引きこまれた餓鬼がシューティングやエアホッケーなどで汗を流し、自販機で喉を潤し、また腹を満たす。

 

 完璧だ・・・・!!

 

 

 これで利回りは良い筈。

 

 色んなゲーセンに通った俺に死角はない。

 

 

 

「名付けてイチローランド!!」

 

 

 

 これで働かなくても金が定期的に入って来るぜ!!

 

 

 

 

 

 

 その頃、ロゼリア

 

 彼女たちは大勢の練習生に囲まれてレッスンを受けていた。

 

 大手だけあって練習もハードだが、やりがいを感じていた。

 

「では湊さん、前回渡した楽譜。歌えるかしら?」

 

 湊がええと頷き歌う。

 

 

 数多くの練習生が驚く。人が作った楽譜に直ぐ乗っけられる人は稀だからだ。

 

(アイツが動画どうのうで変な曲のカバーばかり歌わせるから慣れたわ)

 

 

 それは他の面々も同じで、SPACEにきて日が浅かったアフターグロウもだ。

 

「まえ居た所では、良い指導を受けていたんですね?」

 

 先生のほほ笑みに苦笑いしかできない。

 

 

 

 だけど、褒められる度に彼女たちの罪悪感は募っていった。

 

 これならSPACEでも上に行けたのではないか?

 

 

 そして、練習後に集まった彼女たちは話し合っていた。

 

 

「やはり貴女方もほめられたんですね」

 

 俯きながらも敬語で淡々と話す氷川さん。

 

「うん、まだレッスン始まって間もないのに他の子たちより上に行ったよ」

 

「あこちゃん、凄く褒められてたね」

 

「リンリンだって・・・伴奏がすごくいいって」

 

 

 

「あの人は結構、有能な指導者だったのかもしれないわね」

 

「まあまあ、氷川さんは考えすぎだよ。ねえ友希那」

 

 

「そうなのかしらね・・・・」

 

 

 皆で黙ってしまった。

 

 

「あの子たちも同じかしら?」

 

 

 リサが話題を切り替える。

 

 

 

 

 

 ポッピンパーティー

 

 

「なあ、おたえ。これで良かったのか?」

 

 

 有咲が私に聞く。

 

 レッスンが終わって帰り際の事だった。

 

 

「分からないよ。皆はなんて言ってる?」

 

「オーナーが分からないって」

 

「確かにあの人の考えは皆目見当もつかないね」

 

 

「でもさ、なんて言うかな。アイツが居て、皆も居たSPACEが好きだったなって・・・」

 

 

「・・・・・」

 

 

 

 

 アフターグロウ

 

「レッスンつまらないですね~」

 

「そうかな!なんか開けた感じがするよ」

 

「モカは天才肌だからね」

 

「天才肌って言えばオーナーもそうだったんですかね?」

 

 

 つぐみの一言で皆、黙る。

 

 巴の落ち込み様からオーナーの事は禁句だったのだ。

 

「巴!元気出そうよ!」

 

 ひまりが元気づける。

 

「大丈夫だよ・・・心配しないで」

 

 

「オーナーをもう少し弄りたかったです~」

 

「モカ、悪趣味だよ」

 

 

 

 

 

  

 夜 SPACE 

 

 ゲームセンターが昼の顔ならば、夜はナイトクラブが現在のSPACEだった。

 

「みんなー!ミッシェルさんのDJ始まるぞー!!」

 

 

「うぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

 赤い光が天井のミラーボールに反射して妖しく光る。

 

 

 その栄えた光景を防犯カメラ越しに一浪は睨む。

 

 両肩に女の人を抱きながら。

 

「ねえ、イチロー。モニターばかり見て、私に興味ないの?」

 

 金髪のグラマーな美女が胸を強調させて言う。 

 

 

「少なくとも今はモニターが魅力的だな」

 

 一浪がニヤリと言う。

 

「もう、こうしてやる」

 

 美女が一浪に濃厚なキスをする。

 

 

「うひょおおおおおお!!!ナイトクラブ最高!!」

 

 

 

「ほら、イチロー。一緒に楽しみましょう」

 

 

美女の唇に指を当てて、一浪は優しく黙らせる

 

 

 

「non.non。弟くんって呼んでちょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 SPACEから三組のメンバーを抜き、一月が経った頃には終里の計画は最終段階を迎えていた。

 

 彼自身、音楽育成もモットーにしていたが真の目的は違う所にあったのは限られた人しか分からない。

 

 

 

 某大手アイドル事務所

 

「流石にマズいですよね。自社のアイドルに特別な感情を持つなんて」

 

 終里の懐刀である岸谷は一浪との対談とは違う態度で静かに男を威圧する。

 

 テーブルの上には、仲睦まじい男女が腕を組んでいる写真が数枚ある。

 

 この男は人気アイドルユニットグループの総合マネージャーであり、彼女らが売れない頃から支えていたかなりの古株だ。その男がこうまでも責められる要因は前述のとおりである。

 

「僕は彼女を本気で愛している・・・。彼女も了承してくれているんだ」

 

 嘘ではなかった。

 

 渦中のアイドルは近々、卒業として身を引こうとしていた。

 

 

 

「・・・・黙って聞いてりゃ、愛だと?」

 

 岸谷の眼光が鋭くなる。

 

 

「自分の商品管理も出来ねえ三流が跳ね返ってんじゃねえよ・・・」

 

「・・・ひぃ」

 

 

「いいか、話題に出始めたばかりでこれからなんだろ。主軸アイドル抜いてどうすんだよ、勝手な真似してると社長に全部ぶちまけるぞ!!」

 

「そんな・・・僕はただ・・・」

 

 

「安心しろよ、事が終わったら返してやるよ。だから一旦、貸すだけでいいんだ」

 

 

 魅力的な提案だと思わせるほどに譲歩した岸谷。マネージャーは既に及び腰になっている。

 

 雌雄は決した。

 

「・・・僕が社長を説得します」

 

「頼みますよ。マネージャーさん」

 

 

 オリコンチャートにランクインしている人気アイドルユニットの確保を果たした。

 

 

 岸谷は終里に電話を掛ける。最早、定時連絡の様なものだった。

 

 

「完了しましたよ」

 

 

『そうか・・・個人的にはもう少し時間が掛かると踏んでいたが、流石だな』

 

 

「ええ、所詮奴は雇われ人。社長を出せば弱くなるのは必然ですよ」

 

 

『それで、今後のビジョンは見えてるのか?』

 

 

「勿論です。彼女たちのリーダー格、つまり、あの間抜けなマネージャーの女と肉体関係に持ち込んでウチから離れられないようにしますよ」

 

 

 岸谷の目的は端からこれだった。

 

 引き抜いた後も忠誠心高く残る奴は少ない。ではどうすれば思い通りになるかと考えた末、恋仲になる事が効率的だと理解した。

 

 

 

 これでこそ、イケメンの専売特許。

 

 

『まあ、その点は一任する。では計画は最終段階まで進めさせてもらう』

 

 

「もうですか?元SPACEの連中の調整は済んだんですか?」

 

 

『ああ、流石詩船が経営してただけある。優秀な人材だよ』

 

 

「残念・・・あの湊っていうのは味わっておきたかったんですがね」

 

 

『・・・・じゃあ、持ち場に戻れ』

 

 

 岸谷は適当な返事をしてから電話を切る。

 

 

 

 

 上機嫌に車のエンジンをふかせる岸谷。

 

「しかし、何でこうも馬鹿なのかね、皆」

 

 

 これは彼の本音。

 

 大切なモノは手放してはいけないのに、人間は示し合わしたように愚を繰り返す。

 

「ククク・・・クク、ケケケケケケ」

 

 湧き上がる笑いに身を任せながら、ポケットから煙草を取り出して、火を点ける。

 

 

 

 

 

 

 

「本当に馬鹿だよな」

 

 聞こえたのは岸谷ではない声。

 

 岸谷の真後ろ、車に乗っている!

 

 彼は直ぐに後ろを振り返る。

 

「お前は・・・・!!」

 

 

 岸谷がモーションを起こす前にそいつは彼の車扉のロックを掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

「なあイケメンさん。大変なんだぜ、馬鹿のフリをするのは」

 

 

「な、んだと…」

 

 

男は鼻で岸谷をわらう。

 

 

 

 

 

「もっと女を抱きたいんだろ?思い通りにさせてやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

今度は早めに投稿しますね。
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