IS -意味不明・支離滅裂-   作:麻倉

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IS学園生活二日目 二人の「更識」

 

「またサボりですか? 岸和田君」

「……すいません」

 

……のだが、やらかしてしまった。

完全に不注意だった。

教室を覗く前に扉を開けて出てきたえっと確か……、山田先生に見つかってしまった。

胸が大きく、穏やかそうな性格だが、怒っているところを見るとかなり怒り心頭であることが分かる。

 

俺の目の前で山田先生は怒り始めた。

どうやら俺と更識がサボった一時間目と俺が今サボっていた五時間目は同じ山田先生が担当だったらしい。

ちなみに、教科はIS基礎。織斑先生がいた時は実習だったらしい。

 

「すいません、食堂に行っていたんですけど帰りかたが分からなくて迷っていたんですよ」

「うーん……それならまあ……。け、けどそれが通用するのは今回だけですからねっ!」

 

そう言い訳して何とか解放される。これが使えるのは転校生の特権だと思う。

 

俺は苦笑いで誤魔化すと教室に入った。

 

「遅かったわね、何してたの?」

 

隣の席のたっしーが俺を見るなりそう尋ねた。

 

……まさかお前の妹に会っていたなんて言えるわけもない。

 

「ちょっと迷ってたんだよ」

 

嘘は言っていない。

 

「また? 相楽君方向オンチねー」

「まあな。それより更識、明後日の学年対抗タッグマッチって俺はどうすればいいんだよ? 俺は何も授業を受けてないしな。ジャンプと空中移動くらいしかできねえぜ」

 

更識はそれを聞くとやれやれと両手を振った。

 

「……心底使えない木偶の坊ね」

「うっせー」

「……まあいいわ。あたしがちょっと鍛えてあげる。明後日までにはあなたは学園で最強の男になってるわよ」

「そりゃ男は四人しかいないからなここ」

 

チャイムが鳴った。

六時間目は現代国語のようだ。俺は更識に教科書を見せてもらうことで何とか乗り切ることに成功した。

 

そして流れ作業のように放課後となった。

なんかこの流れ、エロゲーみたいだなおい。

 

「もう放課後か……」

「そりゃあ、相楽君寝てたしねー」

 

いつも通り俺の前の席に移動してきた御陵が皮肉げに笑いながら相槌をうつ。

 

「うし、更識。ISでの戦い方教えてくれるんだろ? さっさと行こうぜ」

 

追撃が来る前に俺は隣で未だ寝てる更識を起こす事にした。

 

「えー! 岸和田君、たっしーに機体の使い方教えてもらってるの!?」

 

その事に御陵は予想以上のリアクションを取った。

 

「嘘!? 生徒会長一人ならまだ勝てる可能性は他のチームにあるかもって言われてるのに……」

「そんなんチーターやん!」

「まーまー、どうせ会長一人だったとしても勝てなかったと思うけどねー」

 

周りのまだ教室に残っていた女子たちが騒ぎ出す。

 

「まあな、週末は楽しみにしてろよ。……それじゃあ行くぞたっしー」

「ねみゅー……」

「……まだ寝てたのかお前」

 

ウトウトしているたっしーを引きずって俺は愛想笑いをしながら教室から退室した。

 

「……でもまあ、明日のタッグマッチには流石に間に合わないんじゃないかなあ?」

 

二人が去った後、猫目は御陵の隣でそう呟いた。

 

 

 

 

「相良君も意外に負けず嫌いねえ。私とパートナーなんだし仕方ないじゃない?」

「舐められっぱなしってのは嫌なんだよ」

「……っていうかここドコ?」

 

更識は引きずられながら視線を上に上げた。

 

「職員室?」

「ちょっと待っててくれ」

 

そう言うと相楽は職員室へと消えていった。

 

「……相良君は意外と負けず嫌い、もしくはプライド高め、送信っと。……なんかこういうセコいことやってると学園最強の自信なくなってくるわね……。お、来た来た。って何で先生が?」

 

意外な事に、相楽についてきたのは担任の荻原先生だった。

 

「俺の専用機が届いたらしくってな。どうせならそっちで練習したほうが良いだろ?」

「そりゃそうだけど……」

 

更識はそんなものをわざわざ自分以外の人間に見せる必要はない、と言いかけて口をつぐんだ。

 

岸和田相楽はISに関しては赤子も当然なのだ。

しかし、後でISの情報の重要性については教授しておいたほうが良いだろう。

 

「じゃあついてきてね、確か機体整備室に置いてあったはずよ」

「……ぇ?」

「どうしたの? たっしーちゃん?」

「い、いえ。何でもないです。っていうか先生までたっしーって呼ばないで下さい!」

 

「……」

 

今、少し更識の挙動がおかしかったような気がする。

やはり、機体整備室にいた子は妹で合っていたようだ。

……気まずくならなきゃいけどな。

 

 

………。

…………。

 

幸いというか何というか、機体整備室には誰もいなかった。

 

「ここは倉庫の代わりにもなってるのよね」

 

荻原先生はどこだったかしらなどと言いながらカードキーを取り出し、奥の厳重そうな倉庫の鍵を開けた。

そして荻原先生はその中を一つずつ調べ始める。

 

俺と更識もそれを手伝い始めた。

 

それにしても、完全無欠だと思っていた更識にも苦手というか不得手なものがあったんだな……。

 

「あったあった。これじゃない? 相楽君!」

「あ、それそれ。じゃあ確かに渡したわよ?」

 

更識があるダンボールから腕輪のような物を取り出した。

荻原先生はそう言うと職員室へと戻っていった。

 

更識は俺の方に向き直ると、口元を妖しく折り曲げると俺に面と向かってこう言った。

 

「じゃ、今から地獄の特訓を始めるわよ?」

 

 

 

 

 

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