IS学園生活三十二日目 修学旅行一週間前
IS学園に入学してから一か月の時が過ぎた。
慣れというものは怖いもので、いつの間にかこの意味不明で支離滅裂な生活にも馴染みはじめていた。
・岸和田相楽
・更識楯無
……とはいえ、やはり相部屋はおかしい。
何故か教師側の了解を得て行われている点も俺のこのIS学園への不安感を促進させる。
そして、俺の隣で寝ているこいつ(更識)も俺の衝動を促進させていた。
正直、たまに何で我慢してるんだ? 自分、と思うことがある。
昨日はお互い別々のベッドで寝ていたはずだ。だから別に襲ってしまっても文句を言われる筋合いは特にない。
――しかし、気にかかることがある。
それは更識が見せる翳り、別の顔だ。
まるでここにはいない別の視点で現実を見ているような、もう一人の「更識」が現れるのだ。
そして極めつけは、時折更識はどこかへフッと消えることがある。
それだけならば生徒会の仕事でもあるのかと納得できるのだが、その直前に更識はいつもどことなく申し訳なさそうな表情を見せるのだ
それがどことなく俺に歯止めをかけていた。
「んぅ……」
更識がどことなく色気のある息を漏らす。
なんなんだ、この深い考えを心の底から馬鹿にされた感じ。
腹が立ったので思いっきり力強く胸を揉んでおいた。
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「うわー、相楽君ものすごい張り手をもらったねぇー」
「どしたのどしたの? セクハラセクハラ?」
右頬を隠すためにつけていたマスクを教室に入ったものの三分で御陵と猫又に剥かれ、俺は延々と質問攻めにあっていた。
わんわんとウソ泣きをする更識の茶番に御陵と猫又が大げさに話すことでどんどんと俺の株が下がっていく。
これが不幸せのスパイラルってやつだ。ほわぁ。
「そういや一年生のシャルル・デュノア君、実は女の子だったんだってねー!」
「おっそ、それもう皆知ってるよ? まあ私は怪しいと思ってたけどねー」
「何言ってんのよ、織斑君とデュノア君のどちらか一人なんて選べないー、なんて言ってた癖に。このショタコン」
俺はヒートアップする更識達を後目に女子の噂話に耳を傾けた。
シャルル・デュノアがシャルロット・デュノアと名前を改めて転校してきた事件から二日が過ぎた。
織斑が何を考えているのかは知らないが、あいつらの選んだ選択はただいやなことを先延ばしにしただけに過ぎない。
……まあ、高校一年生だから仕方ないのかもしれないが。
「はいはーい、みんな席に着いてー」
そんな感じで朝を過ごしていると、三分間の遅れで担任が教室に入ってきた。
更識もふざけるのをやめて優等生な生徒会長の顔に切り替わる。
「えーと、いよいよ修学旅行が来週に迫ってきたということでついにパンフレット委員会によるパンフレットが完成したから配るわねー」
そんな適当な進行でパンフレットが前の席から配られ始める。
……海、か。
俺は横目でチラリと更識を見た。
今年の夏は結構楽しみかもしれない。
全四章予定の第三章まできました!
三章のプロローグということで短いのはお許しください。
なんか年1投稿になってましたがお気になさらず!(万が一待ってくださる方がいらしたらすいません)
こっからどんどんたっしーとの絡み増えていきますよよよよ
シャルをサブヒロインにするかなやみなうです。