IS -意味不明・支離滅裂-   作:麻倉

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IS学園生活一日目 三時間目

 

 

「へー、じゃあ一時間目は生徒会室にいたんだー。急にたっしーが連れていくから驚いたよ。何してたの?」

 

御陵は空いていた俺の前の席に座って俺にそう尋ねた。

現在は二時間目の授業が終わった後の休み時間である。二時間目が始まる直前に俺達が戻ってきたためクラスメイト逹は俺達が一時間目に何をしていたか気になってうたのだろう。休み時間になったとたんに俺と更識の席の近くにわらわらと人が集まってきたのだ。

 

「少しだけ更識と話をしてた。更識は俺が緊張してたことを気にしてくれたらしくてな」

「あー、なるほどね。そのためにあんな大胆な行動をするなんてさすがたっしーだね」

 

どうやら更識はあれだけやっても引かれない程の人望の持ち主らしい。いつもの行動なのだそうだ。

 

「あたしは岸和田くんが緊張してたなんて気付かなかったなぁ。凄いねたっしー」

 

猫又はそう言って御陵の背中に抱き付いた。どうやら更識と特に仲がいいのはこの二人のようだ。

 

「おーい、たっしー?」

「たっしー?」

「どうした? たっしー」

 

俺もノリでそう呼んでおく。更識は二時間目が終わってから席に突っ伏したままなのだ。

 

「たっしーって……」

 

更識はそう呻いた。

 

「たっしーはたっしーだよ?」

「たっしー、どこか調子悪いの?」

「そういや俺まだお前の名前知らないな。たっしー」

 

一体どんな名前からたっしーとなったのか少し気になる。

 

「たっしーって……呼ばないて……。」

「えー何で? 可愛いじゃんたっしー」

 

猫又が悲痛に呻く更識にそう言う。

更識は顔を上げてむすっとした表情になった。

 

「だってたっしーなんておねーさんって感じがしないじゃない?」

 

何だその理由は、と思ったが本人にとっては深刻な理由かもしれないのでとりあえずスルー。

 

「んー、まあたまにたっしーはおねーさんって感じはするけどね」

 

御陵はそう言って更識の頭を撫でた。

 

「やめてー。……気持ちいい」

 

思ったよりこのIS学園の女子は仲が良いようだ。俺の行っていた高校ではこんなに楽しそうにスキンシップを取る女子なんて稀だったしな。

 

「んで、更識。お前の名前って何なんだ?」

 

水を差すようだがここまで隠されると逆に気になってきた。

 

「……楯無よ。更識楯無。木偏の盾に無遅刻無欠席の無よ」

「遅刻したのに無遅刻無欠席なんて言葉を使うなんてたっしーらしいね……」

 

御陵がそう突っ込んだ。

 

「なんつーか……、格好良い名前だな」

「たてなしおねーさんって呼んでくれていいわよ?」

「何か言ったかたっしー?」

「……ぐぬぬ」

「あはは。いつの間にか仲良くなってるねこの二人」

「やっぱ一時間目に何かあったのかなー?」

 

後ろで二人が何か言っているがスルーした。

 

「あ、そういえば次ISの実技の授業じゃなかった? 隣のクラスとの合同で!」

 

しかしその次に御陵が発した言葉は聞き逃さなかった。

合同? IS?

きょとんとした俺に申し訳なさそうにクラスメイトの女子が話しかけてきた。

 

「……ごめん、えっと岸和田君。次の授業で着替えなきゃいけないからちょっとだけ教室の外で待っててくれないかな?」

 

思考がフリーズした。

 

「ごめんなさい岸和田君! 言うの忘れてた! ちょっとこっちに来て!」

 

しかし丁度その瞬間、救世主が現れた。それは担任の……えっと荻原先生だった。

 

 

 

 

 

「いやー、ごめんなさいね。すっかり忘れてた。これが岸和田君の実技用のインナーね」

 

そう言って荻原先生は俺にインナーとやらが入った袋を手渡した。開けて確認する。しかし、出てきたものはスク水(下)だった。

 

「あの、先生。これスク水なんですけど」

「いいえ? これはIS用のインナーよ?」

 

小首を傾げる四十代。

 

「……じゃあ何でスク水の形状をしてるんですか?」

「これはちゃんとしたものなのよ? 防刃・防弾・防寒など多機能だし、ISとのリンクも強まるように設計されているしね」

「……分かりました」

 

だったら全身タイツでいいじゃねえか。意味不明だだろうが!

 

 

 

 

 

三時間目は運動場で行われるようで、とりあえず俺はこのスク水に着替えるために空き教室へと向かった。

誰もいないだろうと思って扉を遠慮なく開く。

するとそこには女子……にしか見えない秋葉の姿があった。そういえば隣のクラスと合同って言ってたな。

 

「おう相楽。遅かったな」

「俺の担任がこのスク水渡すの忘れてたっぽくてな」

 

俺はそう言ってスク水(下)をひらひらとぶらさげた。

 

「あっ、やっぱお前もこれがスク水だって思うよな?」

「当たり前だ。これがインナーなんて意味不明だ」

 

俺はそう言って制服を脱ぎだした。この制服もかなり奇抜だと思う。こんなので外に出たら絶対変態だと思われるだろう。

 

「ま、元気出せよ相楽。逆に考えろ」

「は?」

「インナーがスク水はってことはだ……、女子もスク水ってことだろ?」

「お前天才だな! でもお前が言うとガチ百合にしか聞こえねえ!」

 

そう言いながらも更識達のスク水を想像する。……アリだ。

 

「おいこらざっけんな!」

「まあまあ落ち着け」

 

まあこいつの膨らんでいない胸を見れば男だって余裕で分かるのだが。

 

「さて、着替え終わったな。それじゃあ早速行くか」

「ああ。……それにしてもISの実習って何をするんだろうな?」

「んなこと俺が知るか」

「大丈夫かな俺ら……」

 

 

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