チームゼロが敗北してすぐ、雷門中はドラゴンリンクを敗り、革命は成された。
それで物語は終わり。
――――――なのは表舞台のハッピーエンドだけだッッ!!
――――――雷門が革命を起こせば起こすほど、ヴァルキリアには強力なチームがやってくる
――――――それら全てを跳ね除けなければ、彼女達は
――――――死ぬ
フィフスセクターの解体が決まった。
しかし、それを認められない男がいた。
牙山道山だ。
彼はゴッドエデンの解体も受け付けなかった。
そんな彼を公的な者たちが取り締まり、証拠となる書類を突きつけて追い込む。
しかし、それがいけなかった。
追い込まれた彼は暴走し、全てが受けいれられず、自身が行った残虐非道も全て千宮司のものだと改竄した。
冤罪をかけられた千宮司は捕まり、彼を助けようとしたドラゴンリンクをヴァルキリアが
まだフィフスセクターは続いている、そんな牙山の妄言と共に。
ドラゴンリンクは最後に雷門で負けた罰を受けるべきだと主張した。
千宮司大和は牙山を狂っている、いつまでも目の冷めぬ外道めと避難したが、陸奥滴に負傷させられてあえなく離脱。
続く牙山がとった行動は。
聖帝イシドシュウジへの呼びかけ。
現実を受け入れられず、イシドが豪炎寺と認められない彼は、まだ彼を聖帝と盲目し、信仰した。
そして、彼を拘束し、ゴッドエデン島に連れてきた。
そんな彼をゴッドエデンスタジアムに連れてきて、目隠しを外す。
豪炎寺の前に広がる光景は、グランドに集められたチームゼロ。
シュウや白竜が顰めた顔で牙山を見ている。
牙山は宣言した。
「見ていてください、聖帝!!新しい聖帝など認めません!!響木正剛など!!そして、全ての罪をあの男、千宮司に擦り付け、奴をトカゲの尻尾切りのように切ってしまえばいいのです!!そうして聖帝とフィフスセクターは破滅を免れる!!私も捕らわれず、このゴッドエデンも失敗作を処分することでまた必ずや聖帝の求めるセカンドステージチルドレンを生み出してみせます!!ゴッドエデンはまだ運用できる!私はまだ自由だ!つ、捕まりたくないぃぃぃ……!!私は、永遠にここでガキ共に邪智暴虐の限りを尽くす支配者、教官であり続けるのだぁぁ!!」
牙山は叫ぶ。
狂っている。
豪炎寺は顔を顰める。
「牙山、やめろ!もう子供たちを解放しろ。チームゼロを処分しても何も変わらない!ゴッドエデンの解体も、フィフスセクターの解散も変わらないのだ……!」
「黙れェェェい!!!!ワシはこの立場を手放さん!!手放さんぞぉぉ!!」
「支配欲に取り憑かれた愚か者め……!」
縛られた豪炎寺は牙山を醜いものを見る目で見る。
しかし、彼はハッとする。
「チームゼロをどう処分するつもりだ!もうお前に従うシードなど……!」
「んー、んー、ん~~~?確かにもう従うシードなどおらん。雷門の試合に湧く裏切り者のゴミなど全て処分したのだからなぁ!!」
「なっ……牙山、貴様ァ!!」
豪炎寺が吠える。
しかし、牙山の言いたいことはまだ終わりでは無い。
チッチッチッと指を揺らし、笑う。
「そして、まだ私に従うシードはいる。―――最高の処刑人がなぁ!!」
「……っ!まさか!」
豪炎寺と白竜が反応した。
白竜が反応した牙山の言葉だけではない。
どこからともなく飛んでくる鋭いシュート。
狙われているのは青銅。
「危ない!くっ……!」
「白竜!」
彼を庇った白竜の腕をシュートが掠った。
それだけで彼の腕に旋律が走る。
ブレイクされたのだ。
激痛が走る。
「白竜!」
「大丈夫だ!それよりも……!」
駆け寄るシュウを制止し、白竜は見上げる。
シュウも見た。
そのシュートを放ったゴッドエデンスタジアムの観客席にいる女のイレブンを。
「あれは……」
「やはりヴァルキリアか……っ!」
白竜が顔を顰める。
やはりヴァルキリアは牙山に従っていた。
否、白竜にはわかる。
従わされているのだ。
まだ彼女達は支配下にある。
「チームゼロ。処刑するわ」
「陸奥……!」
見下ろすシズク。
見上げる白竜。
彼は歯を食いしばる。
豪炎寺も、瞠目する。
「なぜ、彼女達はまだ牙山に従う……!」
「ふふん。知りたいかぁ?」
「……!」
牙山がスイッチを手に揺らす。
それだけでヴァルキリアの首には内蔵の自決装置があることがわかる。
開発者の火北も牙山の後ろで笑う。
豪炎寺はキレた。
「お前たち……!自分が何をしているのかわかっているのか!!」
「知ったことか!!やれ、ヴァルキリア!」
牙山の指示に頷くシズク。
彼女達はチームゼロの前に降り立つ。
しかし、1人だけ俯くのは……ミク。
「長門……」
「白竜くん……みんな……」
ミクは苦しそうにみんなを見た。
潰したくない。
そんな表情だ。
だが、とっくに覚悟を決めたアリアが横槍をいれる。
「いい加減にしろ、ミク。私たちに選択肢は無い」
「でも……!」
「わかった。なら試合中お前は何もするな。私達の邪魔もするなよ。私は……仲間を救うためなら鬼になる」
「アリア……!」
「アリア・オイゲン……そうか」
白竜はアリアの覚悟を汲み取った。
これは、仕方ないことなのだと、彼女ほどのプレイヤーが諦めるならその強制力は凄まじいのだと。
だから、目を伏せ、目元に影を作る。
「さぁ、チームゼロ。処刑試合よ。こっちも仲間の命がかかってるのよ。全力で潰させてもらうわ」
「いいだろう。受けて立つ!」
白竜は彼女たち全員の事情を汲み取った。
戦うしかない。
そう覚悟を決める。
彼女達がそうしなければ処分されるというのなら、乗るしかない。
しかし、白竜も負けるつもりはない。
互いに仲間を守るために、ぶつかるのだ!!