松風天馬君に恋する私   作:伊つき

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ドラゴンリンク篇② フィフスセクター最強決定戦!アンリミテッド・シャイニングVSドラゴリンク

 

幾度となく衝動する波動。

ゴッドエデンという次世代を生み出す島にて。

その兆候を示す、究極と最強が交錯していた。

ぶつかり合う事に、島が揺れる。

 

巨大なエネルギーが―――"13"。

 

「これが究極の化身……!"聖獣シャイニング・ドラゴン"だ!!」

「ハッ。何が究極だ。負け犬の化身がそんな高尚なものか!」

 

竜の息吹が轟く。

帝王の豪炎が灯す!

 

「ホワイト・ブレス!!せぇぇぇぇやぁぁ!!」

「無駄だ。キングッッ、ファイアッッッ!!」

 

化身2体に阻まれながら無理やりその間を縫うシュート。

ねじ込んだその光弾道すらディフェンダーの化身2体に威力を削がれた。

そして、最後に待ち受ける関門は賢王―――"キング・バーン"。

ゴッドエデンで最も高出力の化身技が見る見るうちに勢いを失っていく。

 

「なに……っ!?」

「フィフスセクター最強のチーム、ドラゴンリンクを前に……貴様達など無力!身の程を知れ!」

「……っ!」

 

ドラゴンリンクのキーパー、千宮司大和が完璧にシュートを止める。

ディフェンダーの護巻が白竜の後ろを陣取る。

キーパーからディフェンダーにボールが渡り、そのパターンならカウンターを受ける。

……彼らの目的が"勝つとことなら"。

 

「"魔女 クィーンレディア"!!」

「化身……!!」

 

白竜が見上げる。

ディフェンダーの護巻が化身を出した。

彼だけではない。

 

「"番人の塔 ルーク"!」

「"魔宰相 ビショップ"!」

「"鉄騎兵 ナイト"!」

 

ディフェンダーの郷石が、ミッドフィールダーの五味が、合川が。

化身を出す!!

 

「奴ら、また……!!」

「白竜!」

 

帆田と青銅が叫ぶ。

だが、大量の化身に囲まれて誰も介入できない。

脱出することも不可能。

 

「くっ……!」

 

白竜が顔を顰める。

相手はキーパーを合わせて化身5体。

こんなもの……!

 

「くだらん!突破する!」

「ならば……!」

 

白竜が強行しようとすると、ミッドフィールダーが新たに2人彼の前に立ち塞がった。

そんな彼らからも巨身が現れる。

 

「"魔宰相 ビショップ"!」

「"鉄騎兵 ナイト"!」

「シャイニング・ドラゴン!!」

 

もう驚きはない。

このパターンは何度も経験した。

シャイニング・ドラゴンで突っ込む。

しかし。

 

「くっ……!」

「いくら貴様の化身の出力が高かろうと」

「1人で我ら11人を相手にすることなど不可能」

「ましてや貴様の化身は化身が3体いれば動きを止められるのは調査済み」

「それが今は7体。もはや手玉に取るのは当然」

 

口々に言葉を繋ぐドラゴンリンク。

シャイニングドラゴンがビショップ2体とルーク、クィーンレディアに取り押さえられる。

そして、正面には2体のナイトと……"キング・バーン"。

 

「さぁ」

「ドラゴン狩りだ!」

「散れよ……っ!!」

 

千宮司が化身シュートを放ち、そこにさらに猪狩と合川が同時に化身シュートのシュートチェインを加える。

化身三体分のパワーを込めたその弾丸は白竜の腹を抉った。

 

「ぐあっ……!?」

「白竜……!」

 

帆田が叫ぶ中、シャイニングドラゴンが消え、地面に叩きつけられる白竜。

苦しみながら立ち上がろうとすると、背後に気配を感じる。

 

「……っ!」

「我らドラゴンリンクは、標的がその息を止めるまで手を緩めない」

「死の恐怖を覚えながら、震えるがいい……!」

 

白竜はまだ敵の陣地の中。

フォワードの4人が化身・"精鋭兵 ポーン"を出現させる。

そんな彼らによる4人がかりのシュートチェイン……ッ!!

 

「ぐっ……くっ……!……っ。なっ……!」

「白竜!」

「マズイ……!」

 

青銅と帆田が焦る。

白竜はまだ身を完全に起こせていない。

ほぼ無防備。

そこに化身4体分のエネルギーを受けようものなら、いくらゴッドエデン最強にして究極のプレイヤーである白竜でも、一溜りも……!

 

「終わりだ!」

「……!」

 

千宮司の宣言。

迫る凶弾。

全てスローモーションに映る。

白竜の顔に浮かぶのは絶望の表情。

走馬灯のように、これまでの経緯が想起する。

これまで、過酷な環境に耐え、血の滲むような努力をしてきた。

求められた通り究極になった。

だというのに、見捨てられるのは―――"一瞬"。

 

「ぐあ……っ!?」

「白竜!」

 

仲間の声が遠い。

鉄分の味がする。

意識も朦朧とし、視界もボヤける。

息が苦しい。

白竜は……地に伏せ、蹲った。

 

「かはっ……!」

 

器官が詰まり、咳が止まらない。

唾液が垂れる。

彼の脳裏に忘れられないセリフが浮かんだ。

 

『怖いよな。安泰だと思っていた地位がそうじゃなかったと思い知るのは』

 

『そこに至るまでの過程を考えると割に合わないくらい脆いよな。ほんと、信じられないさ。奴らが強いてきた癖に、捨てるのは一瞬だ』

 

「……っ!……ぁ!」

 

今、身に染みて理解した。

体中に伝わるこの痛みが嫌でも現実を受け入れさせようとしてくる。

いや、本当は奴に負けた時からわかっていた。

俺の地位は……不動のものではないと。

 

「おいおい。どうした?もうくたばったのか。究極が聞いて呆れる!」

「……っ!」

 

顔を上げると千宮司がセンターラインまで来ていた。

彼は白竜を見下ろすと、鼻で笑い、口角を上げる。

 

「俺達ドラゴンリンクは11人全員が化身使い。まさしく完成されたチーム。貴様のスペックがいくら高かろうと、1体の化身が11体の化身を上回ることは……ない!」

「……!」

 

千宮司の化身シュートが迫る。

化身による連続ダメージ。

これはトドメだ。

防御は間に合わない。

白竜が、終わる……!

 

「終われ。究極の失敗作!」

 

高らかに嘲笑う千宮司。

仲間の叫び。

命が終わる時。

その瞬間。

刹那の灯火が、再び宿る。

 

「ウルフボルケイノッッッ!!!!」

「……!?」

「何!?」

 

突如割り込んできた影。

見覚えのある必殺技。

その女は、化身シュートを蹴り返そうとするも、咄嗟に出せたのは低出力だった。

だから、押し負ける。

 

「うわ……っ!?」

「……!お前は……長門!!なぜ!」

「いてて……あはは、あんまり久しぶりじゃないね?」

 

目の前に転がってきたのは。

気の抜けた笑顔の長門未来。

白竜は目を疑う。

彼女は、すぐに身を起こして……11人の化身使いの前に立ち塞がる。

 

「チラッと聞こえたけど、11人全員が化身使いのチームってマジじゃん。ヤバいね」

「何者だ?貴様」

 

千宮司は続けざまに乱入者だと?所属は?と問いかける。

ミクは立ち上がり、少し俯く。

 

「所属は……ない。私はAランク棟シード。ゴッドエデンの……長門未来だ!!」

 

魔狼アモンが、吠えた。

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