私が挑んで10分。
皆のところに爆速で戻って、しゃがみこむ。
「ちょ、タイムタイムタイム。一旦全員集合。作戦会議しよ。ヤバ。私、全員纏めてかかってこいとか言っちゃった。あの子達強すぎない?分業制にしよ。私1人相手するから他10人皆で分担はどう?」
「ただのワンマークじゃねえか!」
「何しに来たのお前」
「もう帰れば?」
「ただの冷やかしじゃん」
oh、総ツッコミを受けた。
いやでもさぁ。
だってさぁ。
仕方なくなーい?
ちょっと11人全員化身使いは反則ですよ、反則ぅー。
「……長門。そんな気持ちなら今からでも逃げろ。まだその方が可能性があるだろう」
「いや。それはもうどっちでも同じだから。戦って死ぬよ、私は」
「……!」
白竜くんが瞠目する。
何その反応と思ったけど、そっか。
私も私で弱気になってるなー。
戦って死ぬなんて負ける前提の、勝つ気のない奴のセリフだ。
「迷惑だ。消えろと言っている」
「弱音吐いてごめん。さっきのはなし。もうちょっと頑張ってみるよ。皆は休んでて。あいつら倒すから」
「待て……!」
ん?
言い残してまた挑みにいこうとしたら白竜くんに腕を掴まれて止められた。
あれ、そういう解釈じゃなかった?
てっきりまたそんなメンタリティなら~って助け舟を受け入れて貰えないかと思ったけど。
なんか彼の様子的にそうではないっぽい。
「奴らは危険だ。このままでは全員……!だから、俺達で時間を稼ぐ」
「……!」
私だけじゃない。
皆のリーダーの発言を、アンリミテッド・シャイニング全体が驚いた。
そして、同時に理解した。
誰もなんでこんな奴を守るために、なんて言わなかった。
意外だっから「えっ?」って皆の顔を見渡したけど全員が現実を受け止めて、覚悟を決めた顔をしてた。
つまり、皆、白竜くんの言葉をチームの意志として受け入れたんだ。
もうそういう段階まで来てるって。
「……さっきも言ったけど、私は皆を守りに来た訳じゃない。個人的な戦いに来たんだ。ゴッドエデンのシードとして」
私は白竜くんの手を優しく掴んで離した。
みんなに背を向ける。
「皆を守ろうとしてない人を守る必要なんてない。何あいつ。勝手にやってんなくらいに思っといてよ」
「長門……」
「毎日命懸けで強くなることを求められてそれを乗り越えた先に処刑されるなら、私は組織を否定する。だから、私はあいつらを倒すんだ!」
「……っ!」
白竜くんが瞠目しているのを知らずに、私はヨシっと気合いを入れて1歩踏み出す。
けど。
「……知らなかったんだ」
「えっ?」
白竜くんがポツリと漏らして、私は振り返って彼を見た。
彼は俯いていた。
「俺達は……血のにじむような思いで究極を目指してやってきた。その末路が……っ、こんな……!こんな結末などと……!」
「……っ!!」
青銅くんの支えから崩れ落ちて、項垂れる。
人工芝を力一杯掴んでる。
気付かなかった。
白竜くん達は苦しいだけかと思って、助けに来た。
でもそれだけじゃないんだ。
上を目指してこなかった私には無い感覚。
それは。
必死にやってきたことが無意味と化したこの瞬間、それが悔しくて仕方ないんだ……!
「……そうだよね。悔しいよね」
「……っ!」
「でも、ごめん。私はその気持ちはわからない。共感はできない。それでも、理解はできるし同情はできるよ」
白竜くんは顔を上げた。
その目が、動揺して揺れてるのか、それとも衝撃を受けているのかはわからないけど。
それがなにであっても構わない。
「白竜くんの悔しさも、アンリミテッド・シャイニングの苦しさも全部私が背負う。奴らを倒して皆を解放する。だから、見てて。何度でも、挑むから」
私は再び、彼らと対峙する。