「……っ!」
『ジカンギレ。ジカンギレ』
化身が不安定になって、形を保てなくなる。
機械のくせにまた煽られた!
でも、どうしよう。
化身が使えなきゃこいつらに勝てない……!
『ウォォォォーーーーーーーン!!!』
「……!?アモン!?なんで……っ!」
消えかけてたはずの私の化身が急に復活した!
えっ、でも私なんもしてないよ?
もう完全に力も抜けてきてたのになんで……って思ってたらアモンの様子が変だということに気づいた。
なんか、アモンの背後に光の筋が立ってる。
そこから力が、どんどん注入されて……どんどん……どんどん!凄い!めちゃくちゃ流れ込んでくる。
絶大な力!
無限にも感じるエネルギー!
力が漲ってくる。
湧いてくる!!
こんな化身パワー、私にはないってさすがに身の程はわかってる。
どこからか流れ込んでくる力……その光の筋の源は―――
「アリア……!」
「使え、私の化身パワーだ。私自身は使いモンにならなくなっちまったが、化身の力を出し切る前に負けたからまだこの力だけは残ってる」
「……っ!」
アリアは、シズクに肩を借りて満身創痍になりながら私をしっかりと力強い瞳で捉える。
その目力から想いが、伝わってくる……!
「私の化身ドローイングは特別製。No.1シードだからな。私自身の能力も多少はお前に反映できる」
「……!凄い……そんなことまで!」
「そうだ。だから、今のお前ならあいつらに勝てる!頑張れ―――"ミク"!!」
荒い息遣いの中、初めて名前を呼んでくれたアリア。
アリアの口から、彼女の声でミクって言ってくれた。
震える。
昂ってるのが自分でわかる。
今なら、何でもできる。
どんなピンチもなんとかなる!
そんな気がする!!
「凄い。感じる……アリアの力!今なら、正確にシュートを撃てる!」
キッ……!と目の前のロボ2体を睨む。
私の前に立ち塞がる巨体。
そいつらに向かって、渾身の化身技をぶち込んでやる!
「いこう、アリア。これが私とアリアの力!私とアリアの化身―――"魔狼 アモン"!!」
『オオオオォォォーーーーーーン!!!!』
アモンが吠える。
そう、吼える。
そして、穿て!!
これが……!!
「私とアリアの化身シュート……"牙狼咆哮"だぁぁーーーーー!!!!」
『……!!ム……ネン……!』
私達の化身シュート。
牙狼咆哮が決まった。
狼が駆け抜けるが如く素早い弾丸が、狼が吼えるように唸りロボの腸を2体同時にぶち抜いた。
マシンは全機、機能停止。
勝った……!!
「勝ったよ、アリア!化身ドローイングまじ凄い!いつもよりテクニックが向上した気がする!もう全然段違い!」
「……パワーは何も感じなかったのかよ。クソ、腹立つな」
「完全に証明されてしまったわね」
「あぁ。認めるよ。あいつは凄い。確かに私より上かもな。ま、パワー"だけ"だが」
「まったく。負けず嫌いなんだから」
シズクがフッと笑う。
アリアも口角を上げた。
そんな2人の様子を見て、ちょっと安心した。
だって、シズクはアリアを仲間に加えるの反対だったから。
でも、もう大丈夫そう!
だから私も口元を緩めた。
アリアは、シズクと手を組むことにした。
最後にシズクは言った。
「私たち、上の命令でチームを作るの。貴女を含めて今は3人。あと8人集めるわ」
「そうか。……いや、驚かない。お前の実力ならチームを与えられて当然だ。それで?メンバー集めするんだろ?どんな奴らを集める。チームのコンセプトは?」
アリアが尋ねるとシズクは上を向いた。
決して、見えることの無い空。
それがまるで見えてるかのような清々しい顔で。
「弱いシードを集めるわ。チームに入れば処分も免れるし、立場も安泰でしょう?そうやって弱いシードをまずは確実に8人守るわ」
「そうか。お前らしい。……弱いシードを守る、か。これまでと真逆のことをやるのは矛盾が凄いが、やりがいはこれ以上ないくらいにある。まずはその8人、必ず守ってみせる」
「えぇ。……期待してるわ」
シズクがアリアに微笑む。
アリアはその優しい顔を見てハッとして、少し俯いた。
でも、すぐに顔を上げて覚悟を決めた。
「チーム名はヴァルキリアか。勝手に決められたにしちゃ悪くない。あいつらもたまにはやるな」
「とりあえず3人目!アリアもヴァルキリアの一員だね!」
「そうね」
私達は頷きあって誓いの意味で拳を突き上げ、手首を軽くぶつけて手を開き散らした。
アリアの誓いはこれからチームに加える仲間を必ず守ること。
私達は、これからもこの方針を貫き、アリアと共に歩んでいくことを。