「ルーツ、このピンクは兄さんの仇で倒していいかな?」
「勝手にせい....わしらは天邪鬼の首を取る。」
赤い甲殻を持つ紅龍ミラバルカンは上空からその身を降ろすと正邪とカービィの間に割って入ってきた。
そして残りの祖龍ミラルーツと黒龍ミラボレアスはその牙を正邪の方へと向ける。
「正邪、針妙丸!逃げろ!」
シュテンが叫ぶと正邪は珍しく人の言う事を聞き、弾けるように走り出した。
しかし少女の猛ダッシュなど伝説の龍からしたら半歩で追いつく、そのため正邪は逃げつつもミラルーツを倒す策へと出た。
「欺符「逆針撃」!」
正邪は振り向き後ろ走りをしながら両手を地につけ、地から楕円弾を連射し始めた。
しかし相手は祖龍という別名を持つ伝説の龍。
たかが少女の弾幕でダメージを食らうはおろか、怯みすらしていない。
祖龍はゆっくりと逃げる天邪鬼へと近づいてゆく.....そのたびに周りの景色が暗くなってゆく....日が沈んでいるわけではない。
「え!?なにこれ!?」
「これは......!」
「ぷぃ?」
ミラルーツの背後、上空に位置する光の象徴ともいえる太陽が謎の黒い球体によって隠されてゆく。
それはまさしく
「日食だと.....?」
シュテンとカービィはいきなりの出来事で月に覆われる太陽をただ見るしかなかった。
対して日食を見たことがない正邪たちは混乱と恐怖に陥っていた。
「美しい世界で見る日食はまた格段に美しいのぅ......お主が見る最後の景色じゃぞ?よく見ておけ.....」
日食の時に現れる伝説の祖龍。
祖龍は暗闇でも白く輝く美しき右手を天邪鬼目掛けて振り下ろした。
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「何......これ?」
カービィ達の家から徒歩数分。
博麗の巫女、博麗霊夢は神社から太陽の様子を見ていた。
それは今まで見たこともないほどに真っ黒としていたのだ。
「.........!!」
だが霊夢は自分の記憶の中にある微かな記憶から答えを導き出した。
たしかあれは鈴奈庵の本で......そうだ、確か太陽が月によって覆われる外の世界の謎の現象.....でもなぜ幻想郷に?
「れれ...霊夢?どういう状況?」
額には一本角、耳は狛犬の耳のある緑髪のロングヘアー少女の高麗野あうんが震えながら霊夢に近寄ってくる。
この子は守護獣なのだが、弱いしこのいきなり起こった状況にガチぶるいしている。
「あうん、ここで待ってなさい。行ってくるから。」
「えぇぇ!?一人にしないで!」
「じゃあ付いてくる?」
「そ ん な の お 断 り だ」
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「ハァ.....ハァ.....ゼェ.....」
妖怪の山山頂。
そこへ向けて仙人である茨木華扇は途中休みを入れずにそのままダッシュで来た。
今起こっている幻想郷の初の日食と同時にとんでもない力.....おそらく天龍に匹敵する龍が三匹も幻想郷へと飛来していたことに華扇はようやく気付いたのだ。
天龍を相手をする場合、博麗の巫女や妖怪では歯が立たない。
だから華扇はこの妖怪の山の頂上に住む2柱に会いに来たのだ。
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ミラルーツの振り下ろした腕。
確かのそれはその場に居たものを叩き潰した。
しかしそれは天邪鬼ではない.....彼女はギリギリ避けている。
では?誰が?
ミラルーツが腕を上げ、その下敷きとなった人物を見て「ほぅ」と声を上げる。
「天邪鬼を庇ったかピンクの悪魔よ。」
正邪を庇って少し水色になって動かなくなっているカービィ。
さきほどミラバルカンが相手していたカービィの方を見るとすでにいなかった。
ミラバルカンの目を盗み、正邪が潰されるよりも早く正邪を押し出したのだ。
「オリジナル!」
「自分の身を挺して庇うのは見事じゃ.....しかしそその行為を無駄にするわしを許せ。」
ミラルーツは動かないカービィを視界から外すとカービィを見て顔色が悪くなっている正邪に向けてもう一度腕を振り下ろすとする。
「させるか!」
間一髪シュテンがコピーでレーザーをミラルーツの目に当てて怯ませた。
「ミラバルカン、そいつは仕留めてけおけ。」
上空でずっと待機していたミラボレアスが今のところ何もしてないミラバルカンに吐き捨てると急降下してミラルーツの代わりに正邪を狙った。
シュテンは再びレーザーを放とうとするが「さすがに2度はさせられないよ」とミラバルカンの驚異的なパワーとスピードの攻撃で飛ばされた。
「グゥア!」
「正邪、早く逃げないと!」
「.......」
針妙丸が一生懸命正邪の裾を引っ張る。
しかし無意味。
間に合わない。
恐るべき黒龍の樋爪は正邪が手を伸ばせば届く距離まで近づいていた。
死
だが、その時
「「させるか!!!」」
「「夢想封印 瞬」!」
聞き覚えのある声3つと共に御柱、鉄の輪が飛び交いそして黒龍を中心に色とりどりの爆発が起きた。
黒龍は突然の猛攻に勢いよく上に飛び跳ねることでそれ以上のダメージを回避した。
現れたのはもちろん博麗霊夢、それと妖怪の山の山頂に居る神でカービィに助けられた洩矢諏訪子と八坂神奈子におまけの茨木華扇である。
「神奈子、あの神々しさ....」
「ああ、ありゃ天龍じゃない神龍だ。しかも3匹も....」
「神の力を持つ龍......天龍より不味いんでは?」
「関係ないわ、異変の黒幕ならなんであろうと博麗の巫女の私が退治するわ」
「神に博麗の巫女か.....不意打ちとは卑怯な....」
「さっきあまり活躍できなかったし鬱憤晴らしに....」
起き上がったミラボレアスとシュテンを放っておいて近づいてきたミラバルカンは各々牙をたてて、大きく吠えた。
「やめないか!馬鹿者!」
しかしミラルーツの声で2頭の威嚇は収まる
「天邪鬼ならともかく幻想郷の神や重要な役割を背負っている博麗の巫女殿と戦いを交えるなど無礼千万!これ以上の失態を冒す気か!」
「「......」」
「ラースの死体を持て、天邪鬼をあきらめて帰還するぞ。」
3体の神龍はもう一匹の神龍をくわえると日食から解き放たれた太陽の光が現れると同時に消えていった。
「「「「「「........」」」」」」
「わぁはぁああああ!!怖かったな~!」
「あんなものまでが幻想郷に来てるのか、不味いな~」
「これから警戒しないと.....」
「あれ?針妙丸何して.......え!?カービィ!?」
今頃になって霊夢はやっとミラルーツに押しつぶされ青くなっているカービィを発見し走り出した。
それに続き、2柱と華扇も急いでカービィの元へと向かう。
「カービィ!?どうしたの!?カービィ!?」
「私を庇って龍に...」
正邪が弱弱しく答える。
しかし霊夢たちにはその声は届いていない様子だ。
霊夢は真っ青なカービィを持ち上げて激しく揺らす。
神奈子達はそんな激しく揺らす霊夢を止めることができないくらいパニックに陥っており、ただひたすらに名前を呼び続けた。
「.....オリジナルなら呼びかけよりこいつを与えた方がよっぽどいい.....ぜ!!!っと.....」
突然霊夢の抱えるカービィの口に大きくMと書かれたオレンジトマトが突っ込まれる。
突っ込んだのは首から下が血まみれのシュテンだ。
腹辺りが大きな爪跡でえぐられている。
「シュテン!?カービィに何を.....?」
「見てりゃ分かる......ああ~腹痛ぇ~......寝る。」
シュテンはそういうとドサッとその場で倒れて気絶、いや寝た。
「スゥ......」
そして霊夢の手元にも寝ている奴がいた。
「色が戻っとる......化け物か....」
「さっきのトマト?のおかげ?」
「でもトマト一個でここまで回復するかね普通....?」
先ほどまで死んでいるのではと疑うほど弱っていたカービィ。
しかし彼は今、ぐっすりとピンクの色合いで安眠していたのだった.....
To be continued...
あっ、やっぱり神奈子様も好き...
ミラルーツ達は神ではありますがウィザーの様に信仰度に左右される事はありません、のでカービィにダメージを与えることが出来てしまいます。
ちなみに原作ではどうだが知りませんが天龍<神龍となっております。
ミラ怖い
カービィすごい
唐突に出てくるあうん
忘れ去られるプロト