東方星桃玉   作:HR-H HR-E

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長らくお待たせしました!

Sansの戦闘回です!(短め)

でも先にシュテンの視点です。
それとキモいイラスト注意です。



生命力と憎悪による力

「くっそたれ.....」

 

 妖怪狩りの龍騎とSansが対峙して、霊夢たちがその場に向かってる最中、この男シャテン・シュテンも内緒で頂上へと向かっていた。

 

 彼が向かっていることを知ってるのは屋敷に居たカービィ達、レティとシュテンに頂上に行ったと思われる椛の保護を頼んだ黎だけだ。

 現在彼は頂上の検問を抜けてイライラし愚痴を吐きながら登っている。

 理由は不安から来るイライラだ。

 

 

 

 相手は妖怪狩り、鉢合わせたらおそらくシュテンは負ける。

 ただの人間ごときに敗れるのだ。腹が立つだろう。

 

 しかしそんなことを考えていくと少しづつ嫌な予感と不安が込み上げてくる。

 

 黎のケガや文の情報を聞いた限り、妖怪狩りは情けなどを見せずに確実に殺しにかかる。

 逃げるものには致命傷ギリギリを与えてとどめは刺さないようだが、それでも立ち向かった者は首をはねられたらしい。

 椛は黎の敵討ち(死んでないけど)で妖怪狩りへと向かった。

 ならば挑発などいろいろしては逃げるなんて行動は起こさないだろう.....そして相手は大天狗すら勝てない人間。

 

 

「椛が殺される?.....」

 

 心で疑問に思ったつもりが口から漏れ出た。

 そして自分の放ったその言葉でシュテンは椛が殺される光景が頭に過った。

 

 

 いや、霊夢たちが向かってるし問題ない.....

 でも相手は黎の爺さんですら勝てない速さの持ち主、ならばもう既に.....?

 

 いや、そんなわけない

 

 そんなわけない

 

 

 そんなわけない

 

 

 大切な仲間が死ぬはずがない

 

 死ぬはずがない

 

 

 死ぬはず....が......

 

 

死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬわけない死ぬはずがない死ぬはずがない死なない死ぬはずがない死ぬはずがない絶対にない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがない死ぬはずがないありえない死ぬはずがない

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした?顔が怖いぞ?」

 

「!!!」

 

 我に返ると目の前には変な格好をした金髪ロングヘアーの女性が居た。

 片手には鼓が浮いている。

 

「お前は確か......マターラ・オッキナー?」

「摩多羅隠岐奈だ、なんでそこまで惜しい名が出たのに当てられないんだ....」

 

 シュテンは摩多羅隠岐奈は一度ペルソナの異変の時に会っており、あまり話していないが向こうはシュテンとカービィを気に入った様子だった。

 

「なんか用か?」

「いや、顔が怖かったしなんか呟いてたから不安に思ってな。」

「それだけか?俺は急いでいるんだが.....」

「あ~待て待て。もう一つ....これが本題だ」

 

 隠岐奈はコホンと咳付く

 

 

「お前の力にさらなる精神の力を与えてやろうか?」

「は?」

「その力を使えばお前の奥にあると力をさらに簡単に引き出してさらに強くなれる」

 

 過去に隠岐奈はこの力を使い、とある人間の超能力に生命力を渡したことがある。

 それと似たものだ。

 

「.....何が目的だ?」

「時に何も、面白そうだったし......お前のその真の力を見てみたい.....幻想郷の創造者の一人としてな.....」

 

 シュテンは考え込む。

 この女は信用できないが、先ほどの不安や嫌な感情から警戒心は「新たな力」という単語で押し出されていた。

 だが、一応.....

 

「断ったら?」

「いや、最初からお前に選択権は無いぞ?」

泣けるぜ(So Great)

 

「ではゆくぞ~、それ」

 

___________________________________

 

 

 

「新手のモンスターか.....」

「.......Asgore王、下がっていてくれ。こいつはオレが引き受ける」

 

 大天狗を倒した最強の人間の龍騎と決意を持った子供を止められなかった最弱のスケルトンのSans。

 二人共、戦闘能力には大きな差がある。

 このまままともに戦いあえば勝率は明らかに龍騎だろう。

 

 しかしSansにはどんな強い相手にも倒せるかもしれない戦闘方法とひっさつわざを持っている。

 

 つまりは勝率は完全に不明である。

 

「.....いくぜ?」

 

 Sansの言葉に龍騎は身構え、警戒心を最大にする。

 たとえ死角からの攻撃にも対応できる自信が龍騎にはある。

 

 

 

 だが、無意味

 

 

 龍騎はいきなり地面に叩きつけられた。

 

 さらに龍騎がいきなりの理解不能な攻撃に混乱している間にさらなる攻撃が続く。

 どこからともなく列を整えた骨の集団が迫ってきたのだ。

 

 さすがに混乱しているとは言え、天狗を上回るスピードで龍騎は空中に回避する。

 

 しかしSansの攻撃は終わってない。

 

「吹き飛べ、Gaster Blaster」

 

 まるで龍騎を待ち伏せていたかのように肉食動物の頭ような形をした骨が二体、空中に佇んでいた。

 龍騎は己の力で防御を図るが、Gaster blasterの放つ光線には防御を無視する作用がある。

 

 龍騎は全身を叩きつけられる痛みを左右から同時に食らい、地面に落下した。

 

「ヘッ、なぜ誰も最初から最強の技を使わないのか不思議でならんな。」

 

 Asgoreの時はほぼ無傷だった龍騎。

 だが、最弱のスケルトンに掛かればいとも容易くダメージを与えられる。

 

 龍騎は立ち上がると一直線にSansへと斬りかかった。

 速さはとんでもなく、見えるのが限界だろう。

 

 MISS

 

 だが超高速の一撃はギリギリの所で避けられた。

 さらに数度刀を龍騎は振るったが、Sansはかすりもせずすべて避けて見せた。

 

(なぜだ?速さなら俺が上回ってるはずなのに.....まるで軸をずらされている様な.....)

 

 お返しにSansは骨の壁を突進させ、龍騎が回避したところを重力操作で地面に叩きつけてそこを骨で追撃するコンボを決めた。

 対して龍騎は刀ではなく炎による火炎攻撃を行った。

 

 不規則に動く炎なら避けられないと思ったのだろうが、関係はない。

 炎を避け、まるで瞬間移動の様に炎から遠ざかった。

 

 

 

 やがて戦況は目に見えてわかる。

 

 膝をついている龍騎に汗をかいているだけのSans。

 決着はもう着くだろう。

 

 丁度その時、霊夢達と合流したヤリカ達がたどり着き。

 妹紅、霊夢、魔理沙、紫、ヤリカが龍騎を取り囲むように立った。

 

「紫、Sans。こいつが妖怪狩り?」

「ああ、そうだぜReimu」

「ええ、この子で問題ないわ。」

「守矢との決着を付ける前に捕まえちまったな。」

 

 龍騎は咄嗟に逃げようとしたのか動こうとしたが地面に叩きつけられた。

 Sanの仕業だ。

 

 その後は妹紅が取り押さえながら紫がスキマを開いた瞬間.....

 

「龍騎さ~ん!どこ行ったんですか~?」

 

 上の山道から謎の金色の王冠の様な物を被った東風谷早苗が歩いてきた。

 やがて霊夢達に取り押さえられてる龍騎を見ると.....

 

「あっ、ちょっと!先に龍騎さんと戦闘始めるなんてずるいですよ!皆さん!」

 

「え......龍騎.....?でも妖怪狩り.....え?」

 

 霊夢と魔理沙達は混乱に陥り、ヤリカとワルドとペルソナ、マミゾウは「ああ、なるほど」とすべて理解した。

 

「つまり.....この龍騎が妖怪狩りって事か。」

「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」」」」

 

 すでに一部の天狗などが知っているが初めて知る霊夢たちは大声をあげて驚いた。

 早苗に関しては「???」とすでに人語を理解できてないほど驚き、混乱している。

 

 その声を聞きつけて神奈子と諏訪子も慌ててやってきた。

 

「ど、どうした早苗!?」

「え、これ今どういう状況!?」

 

 ~少女説明中~

 

「「..........」」

 

 紫と霊夢から説明された神奈子と諏訪子は絶句していた。

 

 龍騎は元は神社付近で倒れているところを天狗より先に早苗が見つけて、神社で保護した特殊な力を持った人間だ。

 物静かで不愛想みたいだったが礼儀正しくいい奴だったので、まさかその男が妖怪狩りだとは夢にも思わなかったのだろう。

 

「さて、こいつはスキマ送りにしようとしたけど......天狗に引き渡した方がいいわね。」

「待っt_______」

「理由もなく天狗や妖怪を切り殺したのよ、それとも何か文句あるかしら?守矢の巫女?」

「ッ.....!!」

 

 紫の気迫に早苗は押し黙る。

 だがそれと同時にワルドが妹紅によって取り押さえられてる龍騎の異変に気付いた。

 

「妹紅!離れろ!」

「え.....ぐぁぁあ!!」

 

 その瞬間、妹紅の右腕は肘から先が斬られていた。

 だが龍騎は刀を取り上げられて非武装状態だ。

 

 しかしその疑問は龍騎の姿を見て、皆自己解決した。

 

 

「紫.....あれのどこが人間なのよ.....」

「知らないわ.....守矢の2柱も驚いてるって事は彼女達も知らない.....なら私も知らないわ....」

 

 妹紅をはねのけて空中へと飛んだ龍騎。

 その姿は人間の原型はほぼ無く、水色の髪をした青年は紺色と菫色の荒々しい鱗を纏った龍へと変貌を遂げていた。

 

『龍形態への時間稼ぎ、感謝する。』

「っち、戦意喪失してないのかよ!」

「あんなの人間じゃないわ!封印してもいいわよね!神奈子、諏訪子、早苗!」

 

「.....ああ」

「.....許す」

「........」

 

 ペルソナと椛とPapyrusは後方に下がり霊夢やマミゾウ達は前線へと出る.....しかし.....

 

『俺の目的はモンスター、妖怪の排除。人間や神など相手にはしない!』

 

 龍騎は毒々しい炎の火炎球を逃げようとしたPapyrus向けて放射した。

 無論、ペルソナが片手で防いでケガはなかったが炎はペルソナの払った手から全身へと炎上した。

 

「わぁぁ!なんじゃこれはぁぁぁぁ!」

 

 ペルソナなので死にはしないが、彼女は視界一面が炎で包まれている状態だ。

 

「Gaster blaster!」

「マジックボム!」

 

 魔理沙とSansが叫び、攻撃を放つ。

 だが龍騎のブレス一つで技はかき消され、更にはブレスの炎は意思を持ったかのように皆に襲い掛かった。

 

 前に龍騎が言ったが、彼の炎は生半可な消火方法.....例えば転げまわるや水をかけるでは消えはしない。

 さらにその炎より凶悪なもので、Asgoreの消火方法も無意味だ。

 

 自身の「不可能を可能にする程度の能力」で消火がほぼ不可な炎を普通に消したワルドは龍騎ではなく先に周りの炎を消すことにした。

 

 しかし龍騎は消火されるのを待ってはくれない。

 彼はほぼ一直線に並んでいるマミゾウ、Asgore、妹紅に最大火力のブレスを放った。

 

 

 

 だが、かき消される。

 

 消したのはワルドではない、かと言って皆のヒーローカービィではない。

 

 

 シュテン.......とも言えない。

 

 椛達の後ろからスマッシュパンチを放ち、ブレスをかき消したのは確かにシュテンだった。

 だが、明らかに違った。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

「ハンタァァァァァ.....ズ.....」

 

 

 

*気持ち悪いです。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現れたのはシュテンの容姿をした化け物以上の化け物(なにか)

 彼は片手を軽く払うと炎を全て鎮火させた。

 

 そして恐怖におびえる椛を通り際に優しくなでる。

 

「無茶スルナ」

 

 そうシュテンは呟いた気がした。

 

 そしてシュテンの後ろにはあ~やっちまったみたいな顔をした摩多羅隠岐奈が続く。

 

「隠岐奈、あれは!?」

「あ~、あいつの憎悪の執念をいじったり背面の力を与えたらな.....予想してたより.....まぁ自我はあるし大丈夫だ!」

 

 シュテンは原形をとどめない左手で下がるよう指示すると誰も反発しようとせず全員下がった。

 龍となった龍騎、化け物以上の悪夢となったシュテン。

 

 

 勝負はほぼ一方的だった。

 

 目に見えない速度でシュテンの変形した右手が龍騎の首を捕まえ、叩きつける。

 さらに口の付いた左手からなんとコピー能力を発動させた。

 

「複数コピー「レーザー、スナイパー、ウィング」」

 

 三つの口からレーザー、マジカ・スター・アロー、フェザーガンを雨の様に近距離で発射させた。

 威力も前と比べて断然に上がっており、攻撃の衝撃で地響きが起きている。

 

「な、なんという「ぱわー」じゃ!?」

「こんな激しい地響き.....?」

「いや、地響き.......じゃない!!」

 

 霊夢が叫んだ通り、これは地響きではない。

 

 

 話がかなり戻るがそもそもカービィやシュテンが戦闘に参加しなかったのは激しい戦闘を繰り返すと幻想郷に悪影響を及ぼすからである。

 

 そんなシュテンがとんでもない力で争っているのだ、影響が出ないわけがない。

 これは幻想郷の空間が揺れ始めているのだ。

 

「クタバレェ!!!!!ライジンブレイク!」

 

 しかもガンガン強技を使っている、これでは時間の問題だ。

 それに龍騎だって死んでしまう。

 彼はできる限り生き残したい。

 

「止めるわよ!早苗!あんたも協力してくれるでしょ!?」

「ええ!龍騎さんのため、守矢のため、幻想郷のため!」

「バイオっぽい敵なら任せろ!ラクーンの地獄を生き抜いたヤリカをなめるな!」

「隠岐奈!あなたはシュテンの背扉を閉めなさい!」

「あい、わかった」

 

 

 

「行くぞ!!!」

 

 

 

To be continued...




今回出てきたキモいシュテンは

 憎悪生命力シュテンと仮名で呼びます。

葉月「すっげぇキモイデザインだな!」

気持ち悪さとごちゃごちゃしてる感じをうまく混ぜれました。
あの姿の元ネタはバイオハザード2のG生物、ヘルシングのアーカード、夜廻のよまわりさんを混ぜてみました。
所々に似てる部分があるので長時間見れる方は探すのもいいと思います。
それと「ハンタァァァァァ.....ズ」はネメシスの『スタァァァズ』のオマージュです。

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