東方星桃玉   作:HR-H HR-E

86 / 89
お嬢様、人気投票5位おめでとうございまーす!


レティ「.....」(98位→99位)全1ボス最下位

一輪「.....」(86位→100位)自機化してるのにこの順位


究極の魔法を記した本

「さて、私は一度この辺で帰らせていただきます」

 

 準決勝という事も合ってか、会場内で繰り広げられる戦いは全て鬼すら興奮させる接戦ばかりとなった頃。

 これからという場面でなぜか聖白蓮は立ち上がると唐突に戻ると言い始めた。周りが全員振り向く中、ドレミーはけだるそうに聞く。

 

「おや、メインディッシュもまだなのにですか?」

「あまり旧地獄(ここ)に長居すると一輪が恐怖でどうにかなってしまいそうなので....でもちゃんと決勝戦までには戻ってきますので気にせずに」

 

 この大会の初戦で散った雲居一輪はその昔はとても有名な破天荒少女妖怪だったので当時の人たちの手によって地底に封印され、結果一輪は地底に恐怖感を抱くようになってしまったとか.....

 カービィに思いっきり殴られた腹部も完全に癒えた頃なので早急に帰還しなければならない。

 

「ついでにぬえも何かしでかす前に連れて帰ります、それでは.......頑張ってくださいね、カービィ

 

 

 

 

___________________________________

 

 

「......次はシュテンの知り合いとあの鬼か」

「ん?あなた一人ですか、変態蛆虫快楽性犯罪者(シュテン)はどこ行きました?探しているのですが」

「肩書凄くてもはや誰だよ....」

 

 Aブロックの準決勝がすべて終わり、Bブロックの準決勝の最終試合。出場者の控室では血まみれで無傷の妹紅にシュテンを探してるプロトが敬語で話しかける。

 この妹紅は血まみれだが無事に準決勝を突破した。

 

「シュテンなら医務室出てから見かけてないよ、多分カービィと一緒でしょ」

「.....分かりました、ありがとうございます」

 

 プロトは丁寧に頭を下げるとそそくさとカービィが居るであろう食堂へと駆け足で向かう。

 

(見張りのモンスターが急にシュテンを見失うとは......何か嫌な予感がするな)

 

 廊下を走りながらプロトは低く唸る。あの性犯罪者がまた何かやらかさないように付けておいたモンスターが急に「見失った」と連絡してきてプロトはとても嫌な感じがした。

 八雲紫が完全ではないとは言え、冬眠している最中に何かしら大変なことが起きているのはよくある事である。

 

 その為の代理として八雲藍と久しぶりに戻ってきたプロトが居るのだが、実力はともかく厄介事を片付ける能力が紫の足元にも及ばないので厄介事は起きる前に処理しないといけない。

 だから何か嫌な予感がしたらすぐに動かなければいけなかった。

 

(くっそ、せめて冬の間は問題ごとを起こすなよ性犯罪者!)

 

 

 

~20分後~

 

「おぉ!やった!勝った!見て霊夢ぅ!勇儀が勝ったよぉ~!」

「だぁー、はいはい良かったわね!酒をかけようとしない!」

 

 ポップスターのパワーと幻想郷のパワー担当のパワーごり押し接戦は15分以上の戦いののち、山の四天王の星熊勇儀が危なくも勝利を収めた。

 一方負けたデデデは上半身から地面に埋まっていた。

 

 だが、聞く話によれば勇儀はその足を踏み鳴らすだけで周りの建物を崩壊させることが出来るほどのパワーを持っているらしく、比べてみるとデデデよりパワーがあったのかもしれない。

 下手したらあの破神と並ぶかもしれないレベルだ。

 

 既に悪酔いしている萃香は酒を持ったまま霊夢に抱きつき、霊夢は鬱陶しがり、カービィはデデデが負けた事は見ていたが特に特別な反応は示さなかった。

 彼も薄々デデデが敗れるのを勘づいていたのかもしれない。

 

 

 

 彼の様に.....

 

 

 

「おぉ、プロト。やはり予想通り、デデデは負けたな。あいつが勇儀姐さんに勝てるとは思ってなかったから何とも思わないが.....」

 

 選手控室とは真反対の廊下にて片手に本を持ったシャテン・シュテンは子供一人サイズくらいの小窓から試合会場を覗き込んでいた。そして次に、走ってきたプロトに他愛もない世間話の様にオリジナル時代の友の敗北の話題を振る。

 真隣にプロトの雲の上の上司を連れながら.....

 

 同僚と上司のイケない現場を見た空気を感じつつもプロトは慌てて膝をつき、神綺に頭を下げて、訪ねる。

 

「し、神綺様...なぜそんな奴と一緒に?」

「ついさっき会っただけよ?」

 

「(会った?....警備を潜り抜けてか.....まぁいい)....いえ、ならば良いのd____」

「こいつ不法侵入だぞ」

 

「ッ....(お前は黙ってろ!クソ野郎が!無視できない状況になっちまったじゃん!)」

 

 シュテンのプロトの心情ガン無視の言葉でプロトは胃の辺りを抑える。上司の上司よりお偉いさんという一歩不審な行動を見せれば一瞬で自分の上半身が消し飛びそうな状況にプロトは慎重に言葉を選ぶ。

 

 ここでシュテンの言葉を無視すれば、自分は神綺の確信不法侵入をなぜか無視したことになって結果的に「なんであそこで私を注意しなかったの?」と神綺に無駄に警戒される可能性がある。

 ここはあえて訪ねる事により、無視の出来ない好奇心の塊の無能を演じるしか今のプロトには思いつかなかった。

 

「神綺様....なぜ不法侵入を?」

 

「う~ん、試合を近くで見たかったから!」

 

(よし、おバカな答えが来たからこれに乗って普通の返答を...)

 

「嘘つけ、何か変な魔導書渡しに来たじゃん」

 

 プロトがいざ、返答しようとした瞬間に明らかに聞いてはいけないヤバイ情報をシュテンは軽く言いふらす。

 さすがに神綺も笑顔を崩し、少し鋭い目でシュテンではなくプロトを見る。つまりは聴かれては不味い事....

 

 その事により、プロトは思わず「消される....」と.....思わなかった。

 

 むしろ触れてはいけなさそうな事態に更に踏み込んだのだ。

 

 

 

「神綺様!?このような変態ゴキブリ生命力の恐怖の性犯罪者に魔導書を渡すなど、確か魔界の魔導書はとても希少なはず!」

 

 もはや知ってはいけないなどどうでも良かった。

 プロトはシュテンを恐れていた。

 そんな存在が自分ですら扱えない魔界の魔導書を手にするなどが怖すぎた。

 

 

「貴方の心配して居ることも分かるわ、プロト。でもね、この子の力は決して悪い力では無いわ。コントロールできる様になればきっとあの博麗の巫女を助け、異変解決にも貢献できると思うの....そのコントロールや技術を得させるために大事な魔導書を託したの。安心して、私を信じて」

 

 神綺は美しい顔立ちで少女の様な笑みを浮かべると丁寧な口調で、プロトを落ち着かせる意味合いも込めて喋りだす。

 まさに母の様な安心感を得られる声に、プロトは神綺の言葉を全て心に入れる。

 

「.....そうでしたか、安心しました。とても.....神綺様のお考えなら、何も問題は無いでしょう」

 

 逆らっても意味ないし、あの神綺がバックに付くならこの神綺の目論見は絶対だ。

 プロトもシュテンの力は脅威だが、博麗の巫女を助ける力となるならば願っても無い力である。

 

 心の底から安心したプロトは立ち上がると視線を神綺からシュテンへと流した。最後に魔導書を少し確認したかったのだ。

 

 

 

 

 プロトの視線が止まる

 

 

 

 

 

 プロトの瞬きが激増する

 

 

 

 

 

 プロトの目線が震える

 

 

 

 

 

 プロト自身が震える

 

 

 

 

 

 プロトの喉から小さな奇声が上がる

 

 

 

 

 

 何度見ても同じ

 何度見ても同じ物

 何度見ても同じ文字

 何度見ても同じ魔導書

 

 

 

 

 

 プロトは発狂して叫んだ

 

 

Grimoire of Alice(究極の魔法を記した本)だとォォォォォォォォォォ!?!?!?!?!?」

 

 

 

 『Grimoire of Alice』

 

 下級妖怪や妖精、更には上級妖怪、化け物ですら「?」を浮かべるだろう、それが普通の反応だ。

 

 しかし魔界のトップクラスの実力者、ウィザー、ヘカーティア、プロトくらいの化け物中の化け物は違う。

 その本の価値と恐ろしさを知っているのだ。

 

 だが神綺しか触れる事は出来ず、その直属の娘達も見たことがある程度だ。無論、プロトやあのウィザーですら名前と価値と恐ろしさしか知らない代物だ。

 

 

 

 どのくらい恐ろしいかかと言うと、何の特別の力を持たない少女がGrimoire of Aliceを扱えるようになればプププランドを絵画世界に変えてしまう忘れ去られた魔女に簡単に慣れてしまうくらいの代物、無限の力を持つ王冠以上の劇物とも言える。

 プロトもこのGrimoire of Aliceを使えるようになってしまえば、ウィザーどころかカービィすらも圧倒出来てしまう。

 

 そんな代物だ。

 

 

そんな代物を魔界神はあろうことか最上位要注意人物であるシュテンに託そうとしていたのだ。

 

 

「神綺様!なぜ!.....ッ!」

 

 いかにヘカーティア以上のお偉いさんでもやっていい事と悪い事がある。だが、プロトの幻想郷の未来を心配した叫びは神綺の微笑みで打ち消される。

 

 

 微笑みと言っても神綺の全く笑っていない両目はプロトをじっと見つめていた。

 

 その視線の意味は『これ以上関わるな』

 

 プロトはあまりの恐怖に身がすくんでしまった。プロトだけではない、プロトの中に居る何百体のモンスター達も恐怖で機能を停止していた。

 

(かかわるな......どういう意味なんだ!?神綺様は幻想郷を滅ぼしたいのか!?)

 

 プロトには容易に想像できた

 

 Grimoire of Aliceを読み、神すら凌駕する化け物となったシュテンが幻想郷を滅ぼすのを.....八雲紫もヘカーティアも神綺もペルソナも自分も、もしかしたらあの博麗の巫女も生誕してしまった化け物の前ではただの死体となる瞬間を.....

 

 誰も止められない、最悪の存在の星誕

 

 

 その最悪の存在になるであろう仮面の悪魔はプロトの恐怖と心配を全く気にせず、Grimoire of Aliceを静かに読んでいた。

 

 恐怖しているプロトに神綺は再び優しく語りかける。

 

「心配しないで、彼が暴走した際。私では止められないことは分かっているわ。だから既にストッパーは準備してあるわよ、ほらあそこに......」

 

 神綺が小窓越しに指を指す。

 プロトは恐怖でうまく動かない首を動かし、神綺の指す方向を見た。

 

 

 

 

 

 その場所にはカービィが映っていた

 

 

 カービィを指している事に驚愕するプロトを見て、神綺は無邪気な可愛らしい笑い声をクスクスと小さく音に出す。

 

 だがプロトは気にしない。

 それよりも.......理解が出来なかった。

 

 

(カービィが?Grimoire of Aliceで生まれる最悪の存在を止める?確かに奴はペルソナを止めたが、実力は()()()()()()!なぜ神綺様に信頼されているのだ、なぜあいつが最悪の存在を止められる者なのだ!奴にそこまでの実力は無いはず!博麗の巫女にも神綺様にも()()()()()やつが!?なぜ!?)

 

 

 答えなど返ってくるはずもない。

 

 返ってくるのは自身のモンスターによる「そんなはずはない」「確かに恐ろしく強いが、我らが本気を出せば脅威ではない」「次の博麗の巫女に敗れる」と言ったカービィを否定する回答のみだ。

 

 何にせよ、神綺様の「関わるな」というメッセージを受けとった以上、Grimoire of Aliceを取り上げることはプロトには出来ない事だった。

 

 

___________________________________

 

 

 

 神綺がGrimoire of Aliceをシュテンに託したその直後、Cブロックの準決勝の優曇華VSプロトの試合が始まろうとしていた。

 優曇華は既に会場で屈伸など準備体操をしており、プロトも程なくして現れた。

 

 相変わらず観客席からは拍手は無く、舌打ちや陰口やブーイングだらけだった。

 

『よぉぉぉぉっし!とうとうプロトの試合だ!頑張りな!マイ旦那!』

『ヤマメ、実況は公平にやりなさい』

 

 パルスィのツッコミと試合開始の合図と共に、優曇華は自身の能力『波長を操る程度の能力』の一部である『狂気を操る程度の能力』でプロトの目を見つめた。被り物をしているため、自分の瞳を見たかよく分からないがプロトはその場から右手をかざすと水色の高エネルギレーザーを放ってきた。

 しかし予備動作もあって、元月の兎である優曇華からしたら避けるのは造作もない。

 

(能力が効いていない、顔を見ずに戦ってる?それとも目を瞑っている?)

 

 優曇華が的確にレーザーを放ってくるプロトを見て、自身の能力の応用で発動する幻覚が効いていないことを悟る。そして効いていないのなら自分の瞳を見てないか、目を瞑ってるのどちらか。だが、目を瞑っているのならさすがにここまで的確に狙ってこない、と言う事は瞳を見ずに足元を見て攻撃しているという事になる。

 

(ならば.....!)

 

 優曇華は持ち前の身体能力でカービィのハイジャンプレベルの跳躍力を見せるとプロトの頭上へ跳んだ。本来ならこのまま蹴りを食らわせるが、それでは読まれる。

 優曇華は腰からメガホンの形をしたルナティックガンを取り出すと雨の様に頭上から弾幕やレーザーを降らせた。そしてわざと発射音を大きくすることで、プロトを頭上に向かせようとする。

 

(上を見れば能力で確保、見なければ弾幕をまともに食らう!さぁ、どうする!?)

 

 プロトの回答は至って簡単

 

 

 頭上を見ずに全部避けきって見せた、しかも移動範囲は3歩で。

 

 呆気にとられた優曇華はそのまま気を取り直して弾幕を再び放とうとするが、突然足を強く引っ張られてそのまま地面に叩きつけられる。

 

「ギャン!」

 

 足を掴んだのはもちろんプロト、優曇華は足を掴まれながらも能力で瞳を光らせながら波状弾幕や銃を発砲する。しかしプロトは能力にもかからないし、弾幕をすべて避けた。

 この状態で目を開ければ狂気に掛かる、だが目を開けなければ弾幕をもろに食らう。塞がり状態のはず。

 

「なん......で?」

「不思議か?では、答え合わせだ」

 

 優曇華の弱々しい疑問にプロトは被り物を外すことで、答えを見せた。

 

 答えはプロトの被り物の下、言うなれば素顔がなんと真っ黒な目がある場所に目が無い蜥蜴になっていた。

 

『ぎゃぁぁぁぁぁぁ!プロトのカッコいいイケメン顔が蜥蜴にぃぃぃぃ!!』

 

「失礼な、れっきとしたドラゴンなんだぞ......」

 

 プロトの素顔を見た事のあるヤマメの叫びに微妙な顔をする、顔面だけ黒蝕竜 ゴア・マガラのプロト。

 

「目を消したのか.....!」

「その通り、しかもこいつは目が見えなくとも周りが確認できる鱗粉を撒けるんです。残念ながらあなたの能力は既に解析、対策済みです」

 

 顔面ゴア・マガラはニチャァと口元を歪ませる....恐らく笑っているのだろうが、そのまま優曇華を場外へ投げ飛ばした。

 だが優曇華は終わらない。なんと空中で何もない空間を蹴って、場外行きを防いだ。

 そのままルナティックガンを構えると最高火力で場に放った。プロトの言った、鱗粉をこれで吹き飛ばすためだ。

 

 しかし

 

 

「おいおい、自分に付着している鱗粉を払い忘れてますよ」

「ッ!?いつの間に!?」

 

 先ほどまで、場に居たはずのプロトはいつの間にか空中の優曇華を羽交い絞めしていた。振りほどこうとするが、いかに月の兎でも古龍の力を複数発動させているプロトに力が勝るはずもない。

 

「その鱗粉は吸ってからしばらく立つと狂暴化や免疫力の低下を引き起こすので、すぐに八意様から治療を受けて付着した鱗粉もシャワーで落とすように。以上です」

 

 ゴア・マガラの便利であり、危険である鱗粉の危険性を優曇華に注意したあと、プロトはそのままなんとあの「地球投げ」を発動させて優曇華を場外に叩き落した。

 結果、タランザや幽々子たち以外ほとんど称賛しない形でCブロックの準優勝者はプロトとなった。そして鱗粉こと「狂竜ウィルス」を浴びた優曇華と顔面ゴア・マガラのショックで黒谷ヤマメが医務室へと運ばれた。

 

 

 

(次は噂の妖怪狩りか.....すまないが、踏み台になってもらおう)

 

 

To be continued...





Grimoire of Alice・・・究極の魔法を記した本、東方怪綺談のEXボスのアリス(ロリス)が持ってた本。今回の話では例えがおかしかったが、原作では3ボスのアリスが使うと、神主が「最強ボス」と言うほど強くなるレベルのヤヴァイ魔道書である

忘れ去られた魔女・・・ドロシア・ソーサレスの事

無限の力を持つ王冠・・・現在早苗が持ってる、マスタークラウンの事

地球投げ・・・サトシのリザードンの決め技、つまりモンハンの技ではない

プロトは大きな勘違いをしてますねぇ〜、ちなみに優曇華は治療を受けた後にシャワーを浴びてましたが、研ぎ澄まされた感覚と察知能力でシュテンが自分のシャワーを覗いてるのを察知してシュテンをボコボコにして吊るし上げました。
ただし、シュテンは全裸の可愛いウサ耳少女にボコボコにされても満更でもない表情をしてました(Grimoire of Alice読めよ)

なんか、東方キャラが負けてばっかな気がする。
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