東方星桃玉   作:HR-H HR-E

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【朗報】星のカービィがファミ通アワード2018最優秀賞キャラクターを受賞!

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【悲報】東方茨歌仙、次回で最終回

 投稿遅れすぎィ!


桃色蓮花蝶(ももいるれんかちょう) ~Red and White is Pink~

プロトは深く深呼吸すると平静を取り戻した

少し取り乱しすぎた。いや、取り乱すのは仕方ないことかも知れないが神綺の目の前で取り乱すのは大きな失態である。

プロト的には最も厄介と思っているシュテンが下手したらヘカーティアに匹敵する力を持ちうる可能性が大きく出てきてしまった。しかも止められるのは神綺や霊夢ではなく星のカービィだと神綺は睨んでいた。

 

「解せぬな....」

 

やはりどう考えても、何通りの最悪のパターンを考えてもカービィが究極の魔法を記した本を手にしたシュテンに勝てるはずがない。

そもそもヘカーティア様ですら互角に戦ってくれるかどうかの強さにシュテンはなる可能性が高いのだ。ヘカーティアどころかプロト(自分)より劣るカービィが勝てるとは思えない。

何故神綺様はシュテンに本を渡したのだろうかか?

何故神綺様はカービィをそんなに信頼、期待しているのだろうか?

 

「この大会で何かしら神綺様の考えが掴めると良いな....」

 

カービィの次の対戦相手は博麗霊夢。

プロトは愚か、ウィザーですら敵わない全ての戦いを無意味にさせる能力にどう立ち回るのか、見ものである

 

 

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「へっ!どうした半人!戦いでも中途半端な強さなのに弾幕ごっこでも中途半端か!」

 

「....強い、前の逃走時みたいな反則アイテムは使ってないのに何でこの小物がこんなに強く....?」

 

Dブロックの準決勝は奇しくも5ボス対決となり、更にその中でもとても珍しい魂魄妖夢対鬼人正邪である。

魔理沙と妹紅の時のように弾幕ごっこなのだが奇妙な事に妖夢が押されている。

鬼人正邪は確かに5ボスの実力はあり、更には幻想郷の住民からの追跡から逃げ出せだがそれは打ち出の小槌の残魔力とその魔力で出来た反則アイテムのお陰である。それが無ければ正邪はただの下級妖怪である。

 

 なのに白玉楼の庭師である彼女が苦戦しているのは、正邪が努力したからである。

 

 天邪鬼で嫌われ者で特殊性癖者の餌にされる彼女が強くなる努力というのは些か疑問を抱くが。彼女は反逆者で逃亡者である。

 この猛者だらけの幻想郷では日々強く努力しないとやられてしまう。

 

 無論それだけでは無い。彼女はシュテンから若干の力の恩恵を貰っている。

 シュテン本人は気づいていないが、彼が放つ微弱な魔力や力はよく彼の所へ行く正邪の努力を後押しするのには十分だった。

 

 故にこの互角の戦いである。

 

 

 しかし努力なら妖夢もしている。

 

 今はどこかに消えてしまった彼女の祖父(現在観客席に居る模様)に追いつくためには何でも斬れるように頑張って見せた。

 

 雨を斬るには三十年

 空気を斬るには五十年

 時を斬るには二百年

 

 これらを全てやって見せるため、銀河最強の戦士を倒した剣士を新たな師として修業しなおした。

 こんな小物に負けていてはだめだ。

 

 この後、彼女が祖父に匹敵するほどの速さで抜刀し、弾幕と共に正邪を倒すのはすぐの事であった…

 

 

 

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 一方その頃、幻想郷を滅ぼしかねない(プロトの)悩みの種は…

 

「……」

 

 先程まで熱中していた究極の魔法を記した本の黙読を急に中断して。元から真っ白な顔を更に蒼白にしていた。

 

「どうかしたの?」

 

 彼の具合の悪さと気味の悪さに博麗霊夢は特に心配した様子無く話しかける。

 そして何故か彼女の服装が代わっている。元から長かったお祓い棒はさらに長くなっており、赤い巫女服もなんか猫の足跡が付いている。

 

 だが、そんなくだらない事を思っていられる程シュテンに心の余裕はなかった。聞いてきた霊夢に待ってましたと言わんばかりに喋り始める。

 

「なんか急にだ…急に…急に仙人の事が不安になったんだ…」

「華仙(華扇)の事…?確かに葉月と一緒に居るけど、葉月が襲われるようなヘマはしないわよ、あれは」

「違う、葉月を守れるかの心配じゃない!仙人自身を心配して居るんだ!」

「…へ?」

 

 シュテンは額から冷や汗が涙の様に溢れてくる。片手は心臓を押さえている

 

「なんかこう…居なくなってしまう様な…遠くに行ってしまう様な…不安が」

 

 霊夢には全く理解できなかった、少なくとも彼女の勘では華扇に何らかは起きるがシュテンが警戒するほどの規模ではない。

 

「不安なら行けばいいじゃない。あなたの試合はもう無いでしょ?」

「……ああ、そうさせてもらう。霊夢、すまないがプロトや紫に伝えておいてくれ」

 

 究極の魔法を記した本を片手にシュテンは急いで旧地獄の出口に向かう。

 霊夢は「あの本何だっけ?なんかどっかで見た事があるような気がするなぁ…」と長続きしない考え事をしていた。

 

 

 

 

『さあ!この大会もいよいよ大詰め!実況の黒谷ヤマメは倒れたので代わりに実況はあたい、地獄の妖精クラウンピースが代理担当するよ!』

『この大会色々と無法地帯ね』

『お次はいよいよAブロック決勝戦!ご主人様に匹敵する強さを持つ神を打ち破った星のカービィ対鬼巫女博麗霊夢!』

 

「クラウンピース!あんた覚えてなさいよ!」

 

 鬼巫女呼ばわりされた霊夢は実況席のクラウンピースを鋭く睨みつける。対してクラウンピースは舌を出して霊夢を小馬鹿にした。

 

 

 

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 博麗霊夢は実はというとこの大会の優勝などあまり興味はなかった。

 優勝賞品が金銀財宝であるため「それ狙いだろう?」と思われるかもしれないが実は霊夢は【金銭】よりも【信仰】に飢えているのである。【賽銭】も【信仰】の一つなのでいつしか大貧乏と勘違いされたのだ。

 貧乏であることは間違いではないが

 

 彼女のこの大会の真の目的は『星のカービィ、およびシャテン・シュテンと本気で闘う事』

 彼らは危険人物である、ウィザーやペルソナよりもずっと…

 もし何かあった場合、彼らを倒すのは博麗の巫女である彼女だけだ。そのため実力を図る意味もあった。

 

 運がとてつもなく良い彼女は運良くシュテンとカービィと同じブロックになれた。そしてシュテンと戦い、勝利した。

 あとはそのシュテンを生み出したカービィただ一人、彼に一度だけ全力をぶつける。

 

 

 霊夢とカービィは向かい合う。

 

 カービィも霊夢の強さは知っている。顔が本気である。

 

「何がそんなにあなたを本気にさせるのかしら....」

「ぽよ....」

 

 無論、如月葉月の特製山盛りデラックスケーキである

 

「いくわよ!カービィ!」

 

 試合の合図が鳴り響き、霊夢は天狗を軽く上回る速度で蹴りを入れる。

 彼女の移動は瞬間移動だ。射命丸文ですら「霊夢には追い付けない」と言わせるほどの速さである。

 

 唐突の瞬間移動には付いて行けずカービィは大きく吹っ飛ぶが、場外に出る前にスマブラのストーンで場内に留まる。

 だが、ストーンで落下した途端にお祓い棒が振り下ろされる。霊夢のパワーならカービィのストーンなど容易く貫通するだろう。しかしお祓い棒が当たる前にカービィはストーンを解除することでストーン解除時の礫を霊夢に当てる。

 礫が目に入ったのか霊夢は一瞬怯み、その隙をついてカービィは霊夢の腹部にバーニングアタックを決める。

 火炎の球体が腹部に入ったのに霊夢は軽いうめき声をあげて少ししか下がらない。やはり見た目とは裏腹にパワーや耐久が人間の平均を大きく上回っている。

 

 カービィはダッシュで今居る場所から反対側へ回る。丁度その時に霊夢は宙に浮き始めた。

 

 

 『アレ』が来る......!

 

 

 【狂い】、発狂した化け物シュテンを無傷でまるで雑魚妖怪同然に倒した博麗霊夢の奥義。

 『夢想天生』が

 

 霊夢はゆっくりと瞼を閉じ、ブツブツと何かを呟き始める。

 すると先ほどのシュテンの試合と同じように霊夢の周りに多数の陰陽玉を生み出された。

 

 あの攻撃の最中は霊夢に攻撃は当たらない。あれが時間切れになるのを待つしかないだろう

 

 しかし夢想天生はカービィが思っている以上に最強の技である。

 

 それは時間切れが無い事である。

 

 

 お遊びならば、時間切れがあるため避け続ければいいがればいいが今回は本気の戦いである。時間制限などない。

 それ故に博麗の巫女には誰も勝てない

 

 カービィは攻撃をかわし続けて5分経った時にそれに気づいた。

 

 相変わらず霊夢は目を閉じて陰陽玉から弾幕を放ち続ける。一方カービィは避けきれない弾幕が多く、それなりにボロボロである。

 どうにかして彼女の夢想天生を打ち破らなければ........山盛りデラックスケーキが食べられなくなってしまう!

 

 博麗霊夢には今までの敵に通用した攻撃や方法は全て無意味。ならばもう無意味だと分かっても攻撃を続けるしかない。

 

 

 迫りくる弾幕を体格の小ささを生かしてカービィは素早く避けていく。そして片手には木製のハンマー

 

 霊夢は夢想天生の間、目を瞑っている。彼女の場合目を瞑ってても周りが見えていそうだが....それでも彼女は近づいてくるカービィに警戒はしないだろう

 何せ攻撃が当たらないのだから.....

 

 

 如何なる者の影響を受けない博麗霊夢と如何なる善も悪も受け入れる星のカービィ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その決着は霊夢が場外に叩きつけられることで終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢が場外で倒れながら驚愕する。

 カービィですら不思議そうな顔をする。

 

 霊夢の強さを知る観客は声すらあげれない

 ドレミーと幽々子は普段の雰囲気からでは見られない目を見開いた驚愕の表情をする。

 

 どんなものの影響を受けない力と全てを受け入れて請け負う存在。

 それらがぶつかり、無効化されたのだ。

 

 最強の完全無欠の【夢想天生】が.....

 

 

 

 

 

「やっぱりこうなるのね......」

 

 敗れた巫女は地べたに仰向けに転がり、小さく呟いた

 

 

To be continued...




シュテンが離脱したのは茨歌仙の最新話を見れば多少シュテンが華扇の事を心配するのが分かると思います


カービィの皆を受け入れ請け負う力は解釈次第では夢想天生に勝てます。
はい、嘘です。多分無理だと思います。

カービィを勝たせるために無理やり感満載で夢想天生を打ち破らせました。

霊夢が強すぎるんですよね…多分今いるアニメ界のチートキャラを全員ぶつけても霊夢が圧勝してしまうくらい霊夢が強すぎます。

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