縁側で茶をすするオーバーロード   作:鮫林

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前回までのあらすじ

「ナザリック完全隠蔽作戦」とは!
ナザリックの隠蔽作業を覆い隠すべく発生させた霧をなんやかんや誤魔化しながら消すついでに、周辺にいる人間の戦闘能力を把握してしまおうという現地民にとって非常に迷惑な作戦である!

トブの森で霧を発生させていた召喚獣をニグン率いる陽光聖典に殺させると同時に、カルネ村でガゼフに倒されるデス・ナイトを村人に目撃させる!
これにより、「霧を発生させていたアンデッドの親玉をやっつけてくれた英雄ガゼフ・ストロノーフ」が完成! 面倒くさいことを彼ひとりに押し付けることができるのだ!

なお、現状ナザリックの手にかかって死んだ人間は1名! ナザリックにしては頑張った方だ! えらいぞ!! (なお森の賢王によって多数の死者が出ている模様)



というわけで大変お待たせいたしました。
この先のルート分岐について考えていたらいつの間にかこんな季節に。暑い!
登場人物が勝手に喋りだしてズルズル延びてしまったこともお詫び申し上げます。更新する詐欺はもう嫌じゃ……。

今回はプチ反省会と称した御方を褒めちぎる回、と、覗き見。




メメント・モリ 陸

 

 

 

 いまだ胸の内に熱が燻るような感応。我が創造主、武人建御雷様に与えられた堅固な殻の内側、凍河の支配者たるべく常に極低温で保たれたこの血肉を焦がすが如き、魂の灼熱。

 

 素晴らしい。陳腐で使い古された言葉ではあるが、それ以外の言い様が見つからないのだ。あるいは友人である炎獄の悪魔であればよほど気の利いた言い回しを考え付くものかも知れなかったが、今の私にこれ以上の賛辞を思いつくことはできなかった。

 

 もはやシモベ達も撤収を完了した円形闘技場(アンフィテアトルム)。なんと贅沢なことだろう。武人建御雷様が、盟友にして好敵手であるたっち・みー様へと幾度と無く挑戦し、剣を交えたこの場所で、至高の御方が紡ぐ計略を拝見することが叶うとは。

 先ほどまでは熱狂と共にみっしりと詰まっていた観客席にはもう誰もいない。至高の御方々も部屋にお戻りになられた今、残されたのは、めいめいどこか恍惚とした表情を見せている階層守護者だけだ。

 

 ああ、しかし、素晴らしい。至極当然の理であることには違いなかったが、至高の御方、その御業のなんと素晴らしきことか!

 

 敵の手の内を探りつつ、我々守護者へ試練を与えながら、シモベ達を鼓舞し、かつナザリックの隠蔽作業を完璧にする。誰からも気付かれぬまま仕舞いこんだ人材からは、多くの情報が搾り取れることだろう。ひとつひとつは些少なれど、これほどの短時間ですべてをやり遂げてしまわれるとは、なんたる手腕か。

 ナザリック地下大墳墓がヘルヘイム、グレンデラ沼地よりこの地に転移してきて今日で4日目。デミウルゴスの話では、我らが忠誠の儀を行った直後に霧で辺りを覆われたと言うのだから、そのときには既に、この作戦が御方の念頭にあったということだ。

 恐るべしモモンガ様。畏るべし死獣天朱雀様。至高の御方のまとめ役であらせられた方と、その知恵と知識を以て御方々を支えてこられた方が手を組み作戦を実行に移せば、これほどまで迅速に、多大な利を得られようとは!

 

 もはや(くじ)の結果ですら御方々の手の上にあったのではないかと思うほどだ。勿論、小細工が施されていたなどという次元の小さい話ではなく、この世の運命全てがその御手に握られているのだという意味で。

 

 ……籤の結果、か。

 拳をひとつ、握り締めた。今回の催しの際、侵入者は誰一人として、偉大なるナザリック地下大墳墓に足を踏み入れることはなかった。当然の結果である。グレンデラ沼地にあったときさえ侵入者は減る一方で、近頃は皆無と言っても良かった。ましてやこの周辺の脆弱な人間達では、ナザリックの存在すら知覚できなかったらしい。デミウルゴスの警戒網にさえ掠りもしなかったというのだから、ここまで侵入してこようはずもなかったのだが。

 

 故に。今回の催しにおいて、ナザリック内の警備網作成を命じられてはいたものの、結局どの程度侵入者に対して有効であるかは測ることができなかった、というわけだ。侵入者は、いなかったのだから。

 

 甚だしい不敬である。侵入者を、御方の敵を望むなど。それでも、願わずにはいられない。我が腕を振るう機会を、刃を交わすに値する猛者を。

 剣はそこに在るだけでは飾りにしかならない。振るわれなければ十全に役目を果たしたとは言えないのだ。

 御身の役に立つことが我々にとって最上の幸福であり存在意義。敵がいなければそれも果たせないというのは、なんという矛盾であろうか。

 

 思わず力を込めてしまいそうになった手中、そこにあるものをじっと眺めた。

 何の変哲もない紙束であるが、只の紙束ではない。至高の御方よりお預かりした、大事な紙束である。右上隅に「記名」の欄が設けられている以外は完全な白紙。今回の催しに参加した者に、何でも良いので感想を書かせよとのご命令を賜っている。

 

 御方々は仰せになられた。

 ひとつ、72時間という制限を設けるので、それまでに各階層で箱を用意して集めておくこと。

 ひとつ、字が書けない者は書ける者に代筆させるか、音声記録に残しておくこと。

 ひとつ、紙が足りなくなったら遠慮なく取りに来ること。紙を勝手に用意しても構わないが、あまり望ましくはない。

 ひとつ、文章の量を競うものではなく、内容や文章の巧拙によってその者の評価が変わるわけではないこと。

 

 なんと希望者には今回の映像記録を複製したものを配布してくださるという。まったく御方の慈悲は留まるところを知らない。

 感動に打ち震えていると、低い位置から、ぼそり、と聞こえる声。

 

「……至高の御方のお眼鏡に適う意見を、搾り出さなければならないでありんすね」

 

 めら、とシャルティアの赤い瞳に炎が灯った。その手は震えているが、握られた紙束に皺ができていないあたり、よほど自らを押さえ込んでいると見える。

 御方に見合う意見を部下達から引き出そうと言っているのだろう。相応しい意見の判断は兎も角として、心意気としてはごく当たり前のことだと思った。

 

 のだが、それに対して、待ちたまえ、と制止を掛けた者がいる。デミウルゴスだ。

 

「それはよろしくないよ、シャルティア」

「何故でありんすか?」

 

 きっ! と睨みつける彼女の目は必死そのものだ。シャルティアは先の催しで人間をひとり死なせてしまっていて、御方より「減点1」を与えられている。その挽回をしようと必死なのだろう。それを滑稽だと、嘲笑う想いは自分の中にはなかった。ここいらの人間は弱すぎる。役割の如何によっては、減点を与えられていたのは自分だったかも知れない。今回そうでなかったことに、運以外の理由などありはしないのだ。

 

「……私カラモ聞キタイ。ドウヨロシクナイト言ウノダ、デミウルゴス」

「そうだよ! 御方に相応しい意見じゃないと!」

「し、失礼になると思います……!」

 

 同じことを考えていたのか、私の質問に、アウラとマーレも便乗した。彼らが担当する第六階層の魔物たちはアウラの指揮により強い力を発揮するが、言語能力を持たないものが大多数。意見を出す、という行為自体向いていない個体が殆どだ。声ならぬ声を理解し文章に纏めるのは双子の役目になり、その内容に関しても彼らが手を入れざるを得なくなる。

 だからこそ失礼のないようにしたい、という彼らの真剣な眼差しにも、デミウルゴスははっきり、否、と答えた。

 

「意見を精査するのであれば、催しの最中のように、階層守護者(われわれ)に聞けばそれで良いはずです。わざわざこのように効率の悪い方法で意見を収集するのには理由がある。そう断言して良いでしょう」

 

 そ、それじゃあ、と、いつにも増して怯えたような声でマーレが呟く。

 

「ぼ、ぼくらが……、ぼくが、何か、だ、駄目なことを言ってしまったんでしょうか……」

「そうとは限らないわ。御方々は私たちが粗相をしてしまったときの明確な基準点になる制度を設けて下さった。勿論、それに甘えることは許されないけれど、今のところ、発言に失態はないと言って良いでしょう」

 

 アルベドの言葉に、今度はシャルティアがその身体を縮こませる。明確な失態、それによる減点。3回までの猶予があるとは言え、御方を失望させるという事実のなんと恐ろしいことか。

 

「ただ、不十分である、と判断なされたのかも知れないわね。御方の叡智は、私たちが想像するところを遥かに超えていらっしゃるから……」

「どちらにせよ、シモベ達による飾り気のない意見を望んでおられる。そこに変わりはないと思うよ」

「そう、そうね。ただ……」

 

 知恵者ふたりから重い溜息が漏れる。原因にはすぐ思い至った。今回の感想文において、「至高の御方に対する讃美の一切」が禁じられているのだ。死獣天朱雀様曰く、「どうせそれだけで紙が埋まるんだから読むのが面倒くさい」のだと。至高の御方の手を煩わせることが無くなった、と安堵する反面、もはや呼吸と同じくして湧き上がるこの畏敬の念を言葉に表せない、という無念が胸中に渦巻く。

 

 それはそうとして、御方が何を望んでおられるのかは納得のいく説明が成されたと思ったが。

 

「そ、それでも、それでも……!」

 

 シャルティアはまだ足掻き足りないらしい。言葉を紡げ切れぬなりに、反論を試みている。若干涙目であるのが気の毒であった。

 それを見て、アルベドがそっと彼女の肩に手を添えて、優しい声で諭す。金色の瞳には、慈愛にも似た感情が浮かんでいるように見えた。

 

「焦るあなたの気持ちはわかるわ、シャルティア。けれど、聞いて。あなたが失敗することもすべて御方の計算のうちだったのよ」

「え……?」

 

 シャルティアのみならず、幼い双子達もまた目を丸くする。私もまた、驚嘆の思いを抑えきれず顎をひとつ鳴らした。

 

「人間には価値がある。催しのはじめに、死獣天朱雀様がそう仰ったのを覚えているかい?」

 

 デミウルゴスの言葉に、説明を聞いている側の守護者達がみな、こくり、と頷く。死獣天朱雀様は確かに仰っておられた。外の人間を生かしておくのは作戦のうちであり、同時に最低限の礼儀である、と。

 

「そもそもの話だ。今回の作戦の肝は、ナザリックを完全隠蔽することにはない」

「え?」

「でも、ナザリック完全隠蔽作戦、って」

 

 そう、アウラの言う通り、催しの始めにはパンドラズ・アクターから、締めくくりには至高の御方から、それぞれナザリック完全隠蔽作戦であると明言されていたはず。

 だが、その事実があってさえも、アルベドは疑問を呈した。それだけならば他にもっとやりようがあったはずではないか、と。

 

 確かに、霧は、目立つ。

 事実、この度至高の御方がご用意なされた霧に遭遇した人間たちは皆、対応に違いはあれど、「この場所に霧が出ているのはおかしい」と判断した様子だった。季節にしろ、環境にしろ、「霧に相応しい状況」というものが、ナザリックの外へ出たことがない私にはわからないが、疑われぬ為には何かしらの条件を満たす必要があったのだろう。今回は「霧を出すアンデッドを捏造する」ことにより条件を満たしたが、単に隠蔽作業を隠すだけならば、怪しまれない自然現象が他にあったのではないか。

 そしてそれを、よもや至高の御方が考えておられぬはずがない、と。

 

 私がひとつの思考を終えると同時に、デミウルゴスが自らのインベントリから何やら資料のようなものを取り出した。あれには見覚えがある。周辺国家のことが詳細に書かれた、恐れ多くも死獣天朱雀様によるお手製の資料。複製したものを階層守護者で共有するようにとモモンガ様から仰せつかったものだ。

 

「今作戦のキーパーソンであったガゼフ・ストロノーフ。彼はここより西にある人間国家、リ・エスティーゼ王国随一の剣士であり、その名は他の国家にも広く知れ渡っている。このたびの事件のことも、彼の輝かしい人生の1ページとして記録されることだろう」

 

 ガゼフ・ストロノーフ。単身、モモンガ様の創り出したデス・ナイトに向かっていった、中々気骨のある戦士だと記憶している。只人(ヒューム)であるゆえ、見た目からは判断できないが、もしもこれから成長するような年齢ならば良い。そうであれば将来、彼の者が十分強くなったとき、存分に刃を交わすことができるだろう。どこか、敵対まではしたくない、という想いがないわけではなかったが。

 

 そのようなことを考える自分はどうやら少数派であったようで、ふふん、と誇らしげにアウラが鼻を鳴らし、その横でマーレが据えた目をしながら眉間に皺を作った。

 

「至高の御方の手の上で踊ってただけなのにねー」

「……納得いきません。すごいのは、モモンガ様と死獣天朱雀様なのに」

「しょうがないでしょ? 御方々の作戦のうちなんだから!」

「で、でもぉ……」

 

 怯えながらも珍しく反論するマーレを、気持ちはわかるけど、と言いながらも押さえ込もうとするアウラの隣で、アルベドが軽くため息を吐く。

 

「至高の御方の誉れ高き名が広まるのは良いことだけれど……、人間如きの覚えがめでたくても、ねえ?」

「まあ、今は秘匿しておく段階だということですね。広げたものを収束するよりは、秘めたものを開放する方が容易いでしょう」

 

 話を続けますよ、と、デミウルゴスが一度、眼鏡のブリッジを押し上げた。

 

「至高の御方によってその名を高めることになった“英雄”ガゼフ・ストロノーフ。彼は“基準”なんだよ」

「基準、でありんすか?」

 

 1ガゼフ、2ガゼフ……、と、なにやら不気味な単位を作り出したシャルティアに、いえそうではなく、と訂正が入りつつ、話は進む。

 

「基準と言っても我々が使うわけではない。基準にするのは外の人間達だ」

「カルネ村で起こった事件はきっとこう噂されるわ。“あの”ガゼフ・ストロノーフと互角に戦うアンデッドがいた、と」

「我々から見れば、というのは置いておいて。相対的には、ガゼフという人物は周辺諸国においても一騎当千とされる猛者。訓練された魔法詠唱者(マジックキャスター)の部隊であっても、あのような小細工を要しなければ倒せない、と判断されるほどの」

「となれば。この事件に興味を持ち、直接調べようとする者は。必然的にガゼフ以上の戦力を持ち合わせていることになるのよ」

 

 組織であれ、国家であれ。英雄と呼ばれるほどの個人、それと渡り合う、話も通じないアンデッドが出現する可能性があるならば、それを捕縛できる、あるいは情報だけでも持ち帰ることができる程度の部隊が寄越されるのだろう。

 つまり、我々は相当の実力を持ってこの場に来たのだと、自己紹介をしながらやってきてくれる、というわけだ。

 

「売名目的の身のほど知らず、という可能性もあるけれど。それはまあ、ものの数には入らないわ」

「ソウ都合良ク釣レルモノダロウカ。ガゼフガ終ワラセテシマッタコトトシテ扱ワレルノデハ?」

「それならそれで良いんだよ。どちらにせよ我々には更なる準備期間が与えられる。向こうが手を(こまね)いている間にね」

 

 なるほど、来ない分には問題がないわけか。臆病であっても賢明であっても、此方が敵を精査し、必要な戦力を整える時間ができる。ナザリックには損がない。

 

 納得したところで、いつも以上にびくびくと怯えた様子のマーレが、ぼそぼそと尋ねる。

 

「って、ことは……、ナ、ナザリックに、強い人がいっぱい来るかも知れないってことですよ、ね……?」

「いいえ、違うわマーレ」

「えっ?」

「連中は()()()()()()()の。だって()()()()()()()()()()()()んですもの」

「あ……っ」

 

 そう。この度の事件、外の人間からは、「カルネ村で起こった出来事」以外に見えるものがない。

 唯一そこから外れて法国の部隊が死獣天朱雀様の召喚獣と対峙していたが、彼らは残らずナザリックに収容されている。

 

「そしてもうひとつ。重要なのは、“カルネ村がほぼ無傷の状態である”ということだ」

「どうして? 何人か死んでた方がすごい事件! って感じがするけど」

「規模の問題ではないんだよ、アウラ。大事なのは“不可解”に思わせることなんだ」

 

 デミウルゴスは語る。

 

 ガゼフ・ストロノーフと互角のアンデッド。

 にも拘らず、死人ひとり出ていないカルネ村。

 

 ある者は思うだろう。

 ガゼフはなんてすごいんだ。

 凶悪なアンデッドを倒した上に、村人達を守りきったなんて!

 純粋な英雄譚として、目を輝かせながらその話を聞くだろう。

 

 しかしある者は思うだろう。

 本当にそんなことが可能なのか?

 いつの世も、秀でた者は妬まれる。

 霧に囲まれていて、村人の他にはろくに目撃者もいないなんて。

 ガゼフのために作られたほら話じゃないのか?

 悪態でもつきながら、胡散臭い作り話として、その噂を耳にするだろう。

 

 そして、ある者は思う。

 カルネ村に、秘密があるのではないか? と。

 

 魔法か? 術か? タレントか? 

 どのような連中であれ、ある程度自分達の知識を元に、原因を絞って探りに来るだろう。

 死霊術師(ネクロマンサー)魔術師(ウィザード)神官(クレリック)

 それぞれの着眼点を以て、それぞれの方法で、カルネ村を調べにかかるだろう。

 

 規模、手段、術式。

 彼らの使うすべてが、我々にとっての判断材料になる。

 

「我々はそれを、ナザリックで安全に確認できる、というわけだ」

「そうしてカルネ村が餌として機能してくれている間に、シャルティア、あなたが為したことが意味を帯びてくるわ」

「……あの男を、殺してしまったことでありんすか?」

「正確には、至高の御方によって死ぬことを運命付けられていた、だけどね」

 

 アルベドが不敵に微笑んだ。一番最初に家屋へと逃げ込んだ男の話をしているのだろう。しかし、仲間を見捨ててひとり逃げるような者は死んでも仕方がないとは思うが、死ぬことにこそ意味があるというのは、どうにも想像し難いところがある。

 

「調べによると……、あの男、どうやら先遣隊の隊長格らしいわね」

 

 ざわっ! と皆の間に動揺が走った。

 

「うそでしょ!?」

「ほ、ほんとなんですか……?」

「ありえないでありんす!」

 

 アルベドは悩ましげに目を閉じ、掌を頬に添える。それが事実なのよ、とひとこと付け足しながら。

 

「テッキリ、屋根ノ上デ奮闘シテイタ方ガ隊長ダト思ッテイタガ……」

「想像を絶する愚者というものは存在するものだよ。……俄かには信じがたいことだが」

 

 なんということだろう。有事の際に真っ先に逃げ出すような者を頭目に据えているとは。

 我々とて、軍を率いる際に最前線に出るようなことはしないし、時にシモベを置いて撤退するという選択肢を取ることも有り得る。この血この肉この魂、そのすべてが御方の所有物であり、それを蔑ろにすることは、御方への不敬に当たるからだ。

 が、奴は命令を受けてあの場にいたはず。我々にとって至高の御方からの命令は絶対。途中で放棄するなど、考えられないことだ。……あるいは、命令している者の底が知れる、ということでもあるか。

 

 驚愕に震える我々を尻目に、デミウルゴスは更に説明を続ける。

 

「さて、あれほどの愚者が隊を率いているということは、それなりの理由があるということだ。我々のように「かくあれ」として偉大なる御方に定められたのではなく、もっと醜いしがらみが、ね」

「し、しがらみ、ですか?」

「とある資産家の息子らしいわ。なんでも、箔をつけるために隊を率いることになったんですって」

 

 箔、という言葉が釈然としなかったのか、シャルティアはこてりと首を傾げた。

 

「人間に箔などつけては、すぐに剥がれてしまうのではありんせんかえ?」

「実に興味深いことだが……、この場合は物理的な行為を差すわけではないんだよ。権威付け、程度の意味合いにとらえてくれたら良い」

「ふうん? ……捨て駒のようにしか見えんせんでありんしたが」

「我々が参加してしまったからそうなっただけで、本来ならば彼らの任務は、さほど難しいものではなかったはずなんだ」

 

 連中の任務は、ガゼフ・ストロノーフを誘き出すための釣り餌であった。自分達より弱い者を相手に、武装をしっかりと整えて、容易く燃え上がる木製の建家に火を灯してゆく。

 本来ならば失敗する方が難しい任務であったはず。……果たしてそれでどのような箔がつくものか、疑問に思わないではなかったが。

 

「さぞ揉めるだろうねえ。安全だと思って送り出したというのに、帰ってきたのは訃報だけなのだから」

「ソノ程度ノ任務モコナセナイヨウナ軟弱者、トシテ切リ捨テラレハシナイカ?」

「至高の御方によってわざわざ選び出されたのだからそれはまずないと思うが……、仮にそうなったなら、今回は確実性をお選びになったということだね」

「確実性?」

 

 過ぎたる愚者というものは、ときに何をしでかすかわからないもの。御方ならばそれすらも利用なさるのだろうが、リターンに見合わないのならばリスクは切り捨てるべき、と判断なされることもある。どちらにせよ、至高の御方の決断としては、おかしなものではない。

 

 デミウルゴスがそう断定すると、今度はアウラが不服そうな表情を見せた。

 

「揉めるには揉めるとしてさ、その……、至高の御方のご意志にしては、みみっちくない? なんか、もっと……」

「そんなことないでありんす! 偉大な御方にふさわしい、おっきな作戦でありんすぅ!」

「わ、わかったから泣かないでよ! もう!」

 

 きゃんきゃんと(かしま)しく戯れる少女達に、アルベドが声をかけた。

 疑問に思うのは仕方のないこと。今はまだ、芽吹きすらしていない小さな小さな種なのだから、と。

 

「これから水を与えられるのよ。至高の御方による毒を含まされた水をね」

「彼の愚者が、どこの国から来たか、覚えているかい?」

「えっと……」

「スレイン法国、だったよね?」

 

 ここより南、人類こそが神に選ばれし唯一種族であり、故に他種族を殲滅すべしと高らかに叫ぶ宗教国家、スレイン法国なる国が存在していると聞く。

 

「し、死獣天朱雀様の攻性防壁に引っ掛かったんですよね? 召喚獣は、殺されちゃったって、聞きましたけど……」

 

 怯えたような表情の下、確かに怒りの炎を湛えたマーレが尋ねた。無理もない。死獣天朱雀様が呼び出した召喚獣、そこいらの雑兵とは価値が違う。

 

 デミウルゴスは頷き、言った。

 今なお、健気にも警戒を続ける彼らのお陰で、こちらも向こうの情報はさして手に入っていない、と。

 それに続いてアルベドが、御方より伝言(メッセージ)で寄越されたのであろう情報を我々に伝える。

 

「先ほど捕獲した魔法詠唱者(マジックキャスター)の部隊。間もなく蘇生して放流することに決まったわ」

「もう逃がしてしまうのでありんすか?」

「そうよ。至高の御方自ら、記憶操作をなさった上でね」

 

 ごくり、と、誰ともなく喉を鳴らす音。

 至高の、御方、直々の、記憶操作。

 具体的にどのようなものであるかはとても考えが及ばないが、想像を絶するような効果を持つに違いない。

 

「まだ詳細は伺っていないけれど……、腐った種子を芽吹かせる、甘露な毒水のご用意をなさっておられるのは間違いないわ」

「あるいは毒餌かな。持ち帰らせて、虫けらを巣ごと退治するときのように……」

 

 デミウルゴスはそこまで言うと、はっ、と何かに気付いた様子で、申し訳なさそうな表情を作った。

 

「……すまないコキュートス。他意はなかったんだが……」

「構ワナイトモ、デミウルゴス。ソコニ区別ガアルコトヲ私ハ知ッテイル」

「ありがとう、友よ」

 

 軽いやり取りの後、彼は語りを続行する。

 兎も角、今現在、御方に届きうる刃を有しているのは、近隣諸国に限って言えば法国のみ。その他の有象無象がカルネ村に誘き寄せられている最中に、彼の国に対して先制の準備を整える。

 

「これが今回の作戦の真相……。そして、もうひとつ肝要なことがある」

 

 気を落ち着けるかのように一呼吸を挟み、物語の山場を語るような口調で、良く通る囁き声が言うことには。

 

「連中がこの計画に気付いたときには、すべてが手遅れだということだ」

 

 アルベドとデミウルゴスが実に悪魔らしい笑みを浮かべた。人間を堕落へと導き、不幸を甘露として啜るもの特有の。

 

「トブの森地下にある大洞穴。先日御方々より調査を命じられた、マイコニドの集落が点在する洞穴だが……、なんとこの穴、アゼルリシア山脈の地下深くへとまで繋がっていてね?」

 

 ひゅ、と誰かが息を飲んだ。

 蜥蜴人(リザードマン)の集落に恩を売った出来事に関しては私も聞き及んでいる。山脈の水源を利用すべく、怪しまれることなく要地を確保した、あの計画。耳にしたときはこの外皮に鳥肌が立つような震えが走ったものだ。

 

 そして、今回は、誰に知られることなく、地下の水源まで入手した。これで地上と地下、双方の水源を押さえたことになる。

 

 つまり、今回の作戦は……!

 

「一連ノ流レソノモノガ、餌ダトイウコトカ……!」

 

 しん、と一瞬静まり返り。思考が繋がったものから順に沸き上がる歓喜の声。迸る尊敬の念。

 おお、かくも素晴らしき、至高の御方よ!!

 

「すごい!! すっごいよ!! これだけ大きな餌なら、絶対気付かないもん!!!」

「し、至高の御方は最初からそこまで考えて……!?」

「はあ、なんて……、なんて……!」

 

 頬を紅潮させ、涙ぐむ者さえいる始末。無理もない。これだけの叡知にあてられて、どうして正気を保てようものか。

 果たして御方は、どれほどの視野を持って物事をご覧になられているというのだろう。元よりこの身、この肉、この魂、最後の一片まで御方の物であるが、より一層の忠節を誓った瞬間であった。

 

「単なる餌ではありませんよ、十分に実利を見込める作戦です」

「けれど彼らがこちらの意図に気付き、宣戦布告でもしたとして……、ふふ、人類の生活圏の大半に及ぶ水源を押さえられて、何ができるのかしらね?」

「……まったく。御方々の叡智というものは……、どこまで先をいかれているものなのでしょうね……?」

 

 長い長い、恍惚とした溜息。多幸感と羨望が入り雑じったそれには、共感の他に言うべきところがない。

 

「それでシャルティア。さっきまでは汚名を濯ごうと躍起になっていたようだけれど……、忘れたの? あなたは既に、御方より汚名を返上する機会をいただいているのよ?」

「……忘れてなど。わた……、わらわは、僅かでも御方のお役に立てるなら、と思っただけでありんす」

 

 皮肉めいたアルベドの言葉に、シャルティアが居住まいを正した。

 

 そう。シャルティアは既に、御方より大命を賜っている。

 捕らえた女。死獣天朱雀様の召喚獣に止めを刺すという、誉れ高いながらも冒涜的な役目を与えられた、あの娘。あれの対処を任されているのだ。

 

 あそこにいた者の中では最も実力が高く、特殊部隊とも顔見知りのようであったから、洗脳魔法などの手段で聞き出したならさぞ多くの情報が手に入るだろうと、用意を進めようとしていたそのとき。至高の御方より待ったがかかった。

 

 曰く、無防備に過ぎる、と。

 

 足跡(そくせき)から見て、どうも法国から足抜けしてきたようだ。それでいて、ガゼフの殺害を任されていた部隊よりも、更に暗殺に秀でているように思われる。

 逃げ出した時点で死ぬような措置が為されていないのなら、他に何かしらのセーフティがかかっていると見るべきだ。

 

 洗脳魔法がこの世界にあるのは既に確認している。それに対して、加えて拷問による自白も対策が為されていると考えておいた方が良いだろう。

 

 ならば、どうするのか? というところで、シャルティアが命ぜられたのだ。

 魔法やスキルを使わず、拷問でもない手段を用いて情報を引き出してみせよ、と。

 

「何か考えてあるの? 魔法もスキルも使っちゃいけないんだよ?」

「要するに口を軽くすれば良いのでありんしょう? 古今東西、娘の口を開かせる方法など決まっておりんす」

 

 アウラの言葉にも動じることなく、シャルティアは不敵な笑いを溢した。

 拳を握り締め、彼女は自らの指名を、高らかに宣言する。

 

「このわたしのすべての技を持って! あの女を立派な 雌 奴 隷 にしてみせるでありんす!」

 

 どっぱーん! と、その瞬間、確かに波飛沫を幻視した。その瞳には、やる気というやる気が満ち溢れている。

 

 実のところ、記憶を覗いてしまえば事足りる話を、わざわざ役目として与えて下さったのだから、御方の慈悲は本当に留まるところを知らない。となればやはり、先の失態は御方の画の内にあったものなのだろう。

 

 なんにせよ、意気盛んであるのは良いことだ。うんうんと心中で応援の頷きをしていると、これまた低い位置から、ちいさな疑問の声。

 

「お、お姉ちゃん。めすどれいとおすどれいって、違うものなの……?」

「ええ……? うーん、鶏とか魚だったらオスメスの違いはけっこう大事だったりするんだけど……」

 

 くりん、と色違いの瞳が2対、こちらを見上げてくる。

 

 ……これは、どうしたものだろう。

 子供であるまいし、意味がわからぬことはないが、如何せん猥談を避けて通れるほどの語彙力があるわけでもなし。

 しかして76歳の幼子に尾籠(びろう)な話を始められるわけもなく。

 

 横目で友を窺っても、彼は肩を竦めるばかり。再度、どうしたものだろうと悩んだそのとき、シャルティアから声がかかった。

 

「あ、忘れていんした。コキュートス!」

「ウン?」

「近々、セバスがそっちに行くかも知れんせん。なにぞ相談事があるようでありんすえ?」

「セバスガ? 珍シイナ」

 

 了承の意を返す視界の端で一瞬、デミウルゴスの笑みが消えるのが見えた。はて、と理由を考えて、さして間を置かず思い至る。そういえば、何故かは知らぬがこの二人、あまり良い仲とは言えなかったな、と。声のひとつでも掛けようかと思いはしたが、彼の表情が既にいつもと変わらぬものへと戻っていたので、この場ではよいか、と捨て置くことにした。

 友の心が穏やかにあることは好ましいことであるが、男の人生、そればかりでも善いとは限らぬ。反発し、切磋琢磨を繰り返す相手が居るのは素晴らしい財産になるだろう。

 故に、先ほど見捨てられた意趣返し、というつもりなどないのだ。決して。

 

 ひとり静かに納得する最中、アルベドが今後成すべき役割について命じ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 守護者統括によって解散を命じられた後も、いくつかの確認のため、残っている者達がいた。

 それも終わりに差し掛かり、先に踵を返そうとしたのは、男性の方。

 

「……では、私もこれで」

「……デミウルゴス」

「なんですか? アルベド」

 

 呼び止めた女性は、数度瞬きをして、意を決したように顔を上げた。

 

「警備を強化しておいて欲しいの。ナザリック、内部の」

「……それは」

「独断よ、私の」

 

 短く一呼吸。眼鏡のブリッジを上げる。

 

「理由を、聞かせてもらっても?」

「今ナザリックには異物が入り込んでいるわ。逃走は……、まずないでしょうけど。あれを起点に、転移魔法で侵入されるかも知れない」

「わかりました。それでは、氷結牢獄の周囲、ということでよろしいのですね?」

 

 沈黙。

 短いため息。

 

「一体、何を警戒しておられるのですか? 守護者統括殿」

「わかっているんでしょう?」

 

 再びの沈黙。男性の眉間に皺が寄る。

 

「おかしいと思わない? 何故頑なに索敵を任せていただけないのか。何故、私たちに記憶の操作をお任せいただけないのか。あれほどの情報を、この短期間でどのようにして集めたのか」

「我々に対する信用がまだない、ということでしょう。……恐ろしいことですが。情報に関しては、外に内通者でも……」

 

 はた、と何かに気付いたような表情。

 

「死獣天朱雀様に、離反の可能性があると?」

「いいえ」

 

 断言。

 男性が目を見開く。

 

「それにしては、無防備すぎるもの。こんなにもあからさまな資料(もの)をお渡しになるなんて」

「では、何をそこまで警戒する必要があるんです?」

「死獣天朱雀様は、私たちに何か隠し事をしておられるんじゃないかと思って」

 

 先ほどよりも大袈裟なため息。

 だからなんだと言うんです。吐き捨てるように。

 

「隠されているのは我々の不甲斐なさゆえでしょう。それを暴き立てることなど」

「あなたも気付いているんでしょう? この資料には、意図的に隠されたところがある。モモンガ様は仰られたわ。“これは自分に渡されたものの複製品である”と」

「それは……」

「私達にならば構わない。けれど、死獣天朱雀様は、モモンガ様にさえ何かを秘匿しておられるわ。まるで……」

 

 一度言葉が区切られる。

 呼吸を落ち着けて、まっすぐに向き合った。

 

「お一人で、何かに立ち向かっておられるかのように」

 

 男性が身を震わせる。

 何事か思い出したかのように視線をさ迷わせ、やがて意を決したのか、口を開いた。

 

「だから、死獣天朱雀様を、ナザリックに閉じ込める、と?」

「私達よりも先に、至高の御方が身罷ることを、あなたは許容できて?」

「……っ、しかし、それでは!」

「どのような手段を使ってでも、私は護らなければならないのよ!」

 

 男性の、言葉が詰まった。

 強い、金色の眼。縦に割れた虹彩が彼を射抜いた。

 

「護らなければ、ならないの」

 

 かち合う視線。無言のまま流れる時。

 しばらくして、細いため息。折れたのは男性の方だった。

 

「……いつでも動けるよう、配置はしておきます。今のところは、それで」

「ええ、お願いするわ」

 

 踵を返し、数歩。

 男性は立ち止まり、女性に問う。

 

「ひとつ、聞きたいことがあります」

「なにかしら?」

「もし、もしも、モモンガ様と死獣天朱雀様が対立なさったとき、あなたは……」

「あなたにその答えがあるならば、私も答えるわ」

 

 (いら)えはない。

 男はそのまま去っていった。

 

 そのまましばしの時をおいても、俯く女はひとり、佇んでいる。

 

「死獣天朱雀様……」

 

 やがて、ちいさく呟き。

 

「あなたはいったい、何を――」

 

 

 

 

 

――――暗転。

 

 

 

 

 

「……わかるものかよ」

 

 呟いたぼくの声に、モモンガさんが顔を上げてこっちを見た。

 

「どうかしたんですか? 朱雀さん」

「いーや。ところでモモンガさん、もしかしてだけど、守護者達にぼくが作った資料渡した?」

「えっ!? 駄目でしたか?」

 

 こいつめ。

 まあ、こんなこともあろうかと、あらかじめ情報をいくらか抜いといた身としては、強く言えないけどさ。

 

「駄目じゃないけど、ひとこと欲しかったかな。突貫で作ったやつだったから、彼らに渡すならもうちょっとちゃんとしたものが良かったなって」

「すみません……。でも、あれでも十分過ぎるくらいの出来だと思います、よ? 言い訳になりますけど……」

「それはどーも。まあ、ぼくも何も言わなかったし、いいけどさ」

 

 まだ申し訳なさそうにしょんぼりしているモモンガさんに、まるで今気付いたかのように質問を投げかける。

 

「そうだモモンガさん、指輪決まった?」

「……はい。ティトゥスに作ってもらいました」

「おっ、やるじゃん。後は渡すだけだね!」

「うう……」

 

 よしよし。これでアルベドの方はちょっと時間が稼げるぞ。

 モモンガさん? 食われろ。

 

「さーて、そろそろ行ってくるよ」

 

 早いとこ記憶の改竄して放流しないと法国に気付かれる。……毒水だの毒餌だの好き勝手言いおってからに。あいつらの中ではどれだけスケールが大きくなってるんだ。喧嘩腰にも程があるだろう、現地民に対して。

 

 ふと、モモンガさんの赤い眼光と目が合った。申し訳なさそうに点っているような気がする。

 

「……本当にお任せしていいんですか? 俺もなにか手伝ったほうが」

 

 蘇生と<記憶操作(コントロール・アムネジア)>の実験をぼくひとりに背負わせることに何かしら思うところがあるらしい。

 その方が都合が良いとは、流石に言えず。

 

「いいよいいよ。ふたりでやったら記憶に齟齬が出るかも知れないし。モモンガさんはこれから何が必要か洗い出しといて」

「……ありがとうございます。何かあったらすぐ呼んでくださいね」

 

 ひらひらと手のひらを振る。返事は、しなかった。

 

 

 

 





お待たせコキュートス! ごめんね遅くなって!!

クレマンティーヌさんの処遇についてはよくあるものになってしまい期待してくださっていた方には申し訳ない限りです。
しかし彼女をそのまま逃がしてしまうとあっという間にエ・ランテルが滅びてしまい、それはちょっと困るということで結局シャルティアちゃんの玩具ルートに。物語後半で大事な出番がある予定なので許して。

次回はカルネ村イベントに関わってもらった現地の人のお話になります。



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