僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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お待たせいたしました。
アレがアレになります。そしてずっと語られなかった話が出ます


狂ったキラメキは止まらないよ

 佐竹善彦、彼は転生者である。前の世界で事故死し、『僕のヒーローアカデミア』の世界に特撮オタクに都合のいい個性を持って第二の生を受けた。

 それをすんなりと受け入れ、苦難を乗り越えながらも雄英の生活を過ごしてきたが、転生してから善彦にはある異変が起きていた。

 それは、生前に記憶していたはずの『僕のヒーローアカデミア』の物語の記憶が抜けているのである。

 ある程度記憶があれば今後の展開を予測し、未来で起こる悲劇をいくつも防げただろうが、善彦は転生してから数日で生前漫画やアニメで観て記憶したヒロアカの物語の記憶だけ忘れたのである。

 善彦本人もそのことに薄々気づいていたが、「そういうものか」と自分の中で処理していた。

 むしろ新しい人生を歩むのに、余計な記憶はノイズになる。受け入れて生まれ直そうと心に決めていた。

 だが善彦はこの日、記憶を無くしたことを心から後悔していた。そして記憶がなくなったことに違和感を持たなかった自分に血液が沸騰するほどの怒りを覚えていた。

 

葉「さ、佐竹くん…なんでここに」

 

善「あ、葉隠さんいたんだ、たまたまだよ、ホント偶然」

 

 葉隠に声をかけられ善彦は手を振りかえす。だがその顔に温度は無く、緑谷と青山の間に歩く。

 

青「あ、あぁ……佐竹くん」

 

 善彦の姿を見た青山の目がより一層ドス黒い絶望に染まる。緑谷、葉隠、善彦に囲まれた青山はダランとうなだれた。

 

青「僕は…あの時絶望したんだ…もう戻れやしないんだ」

 

 青山はブツブツと語りながら右手を腰の後ろに回す。そして隠していたものを取り出した。

 

緑「なっ! 青山くんそれっ…」

 

善「いつのまにぃ……」

 

《エボルドライバー!》

 

 青山が取り出したのは善彦のコレクションの一つ、エボルドライバーだった。

 青山は能面のような無表情でドライバーを腰に巻くと、続けてフルボトルを取り出し、数度振る。そしてドライバーに装填した。

 

《コウモリ! 発動機! エボルマッチ!》

 

青山がハンドルを回すと、ベルトからチューブが飛び出す。それは天狗巣状に広がり青山を包む。グシャグシャなチューブは青山の心の内を表すようだった。

 

《Are you ready!?》

 

青「変身…」

 

《バットエンジン! ヌゥハハハハハハ……!》

 

 青山と一言と共にチューブが青山に巻き付く。そして嘲笑のような音声と共に変身を完了させた。

 

緑「仮面ライダー……マッドローグ」

 

善「狂った悪党ねぇ」

 

 青山が変身したのは仮面ライダーマッドローグ。その両手にはネビュラスチームガンとスチームブレードが握られていた。

 

善「やるっきゃないでしょ、行くよ二人とも」

 

《爆速バイク!》

 

 善彦は一切動じずにゲーマドライバーを巻き、ガシャットを起動させる。

 

緑「やるしかないのか!」

 

《ゴリラ! ダイヤモンド! ベストマッチ!》

 

葉「わ、私も!」

 

《シロニンジャーシュリケン!》

 

 善彦はガシャットをベルトにセットし、その場でターン、緑谷はベルトのハンドルを回し、葉隠は忍者一番刀を構え、一言。

 

善・緑「変身!」

 

葉「シュリケン変化!」

 

 三人の体が光に包まれる。そして変身を完了させた。

 

青「僕は……僕はもう終わりなんだぁぁ!!」

 

 変身した三人を前に青山が飛び出す。それを見た青山の両親はなにかを取り出した。

 

「グゥゥゥ!!! 優雅を守るぞ!!」

 

《ヒット!》

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

《シンクネットライズ!》

 

 青山の両親は即座にアバドライザーを腰に巻き、仮面ライダーアバドンに変身する。そして青山に続いて突っ込んだ。

 

善「舐めんなよ」

 

 善彦は言葉を吐くと同時に青山に照準を合わせ、地面を蹴る。

 

緑「わっ! ちょっと佐竹くん…グワっ!?」

 

「うぅうう! 息子を守るんだぁあ!!」

 

 緑谷が善彦を静止しようとした瞬間、青山父からショットアバドライザーの銃撃をくらう。

 

「あぁぁぁあ!!」

 

葉「チョッ! 落ち着いてください!」

 

 それと同時に葉隠は青山母の振り下ろしたスラッシュアバドライザーの一撃を受け止めた。

 

青「僕はもう戻れない! 僕は…僕はぁぁ!!」

 

善「はいはいそうですか」

 

 逆手で繰り出される青山のスチームブレードの斬撃を善彦は無表情で全て避ける。

 そして青山がネビュラスチームガンを善彦に向けた。

 

善「当たるかい」

 

 しかし善彦はガシャコンスパローの鎌で銃口をずらし軌道を反らせる。そして流れるように前蹴りを青山の鳩尾に叩き込んだ。

 

善「ガラ空き!!」

 

青「ゲボォア!!」

 

 まともに食らった青山は後方に吹き飛ぶ。だが地面に足をつけ、踏みとどまってみせた。

 

善「根性はあるんだ」

 

青「ウゥウウウ!!」

 

 善彦は追撃の手を緩めずに突っ込む。青山はフルボトルを取り出すと、エボルドライバーにセットした。

 

《パイレーツ! ライダーシステム! クリエーション!!》

 

 ドライバーのハンドルを回し、カイゾクハッシャーを出現させる。そしてスチームブレードとカイゾクハッシャーの二刀流で善彦のガシャコンスパローの二刀流に向かい立った。

 

善「どんだけパクッとんじゃお前は」

 

青「うわぁぁぁ!!!」

 

 次の瞬間、二人の間に斬撃の嵐が巻き起こる。だが削られるのは青山だった。

 

青「強い!! ここまで押されるなんて…」

 

善「ドラ!」

 

青「あっ!」

 

 善彦が青山の刃を弾き飛ばす。善彦は流れるようにガシャットを鎌にセットし、振り下ろした。

 

《ギリギリクリティカルフィニッシュ!》

 

青「グギャァァァァァァ!!」

 

 善彦の袈裟斬りが青山を無情に切り裂く。その光景に青山の両親は狼狽した。

 

「優雅!」

 

「あぁそんなぁあ!!」

 

葉「でやぁ!」

 

「きゃあ!」

 

 声を上げた隙をつき、葉隠が青山母の刃を跳ね上げる。

 

《キンキラジャー!》

 

葉「シュリケン忍法! 金の術!!」

 

 流れるように忍者一番刀でアバドライザーを両断する。青山母の変身が解除されたと同時に、金色の鎖で拘束した。

 

葉「そのまま大人しくしてください!」

 

「あ……あぁ」

 

 葉隠の言葉に、青山母はただ力なくうなだれた。

 

「がぁぁあ!! 邪魔しないでくれぇ!!」

 

緑「うぅうううう!!」

 

 緑谷はゴリラモンドフォームで青山父が放つ銃弾を真っ向に受けながら突っ込む。そしてゴリラの拳でショットアバドライザーを弾いた。

 

緑「よいしょっ!」

 

 宙に浮いたアバドライザーをダイヤの手で握り潰す。

 

緑「制圧ぅ!!」

 

「グァア!!」

 

 そして青山父の変身が解除された直後、ゴリラの手で青山父を抑え込んだ。

 

青「パパン! ママン!!」

 

善「どこ見とんじゃ」

 

青「アウっ!」

 

 両親の方を向く青山に善彦は回し蹴りを喰らわせる。後退りした青山はベルトのハンドルに手を伸ばした。

 

青「あぁ……うわぁァァァァ!!」

 

 青山は絶叫しながらハンドルを回す、すると背中から巨大な翼、マッドナイトフライヤーを展開した。

 

《エボルテックアタック! チャオ!》

 

青「やめてくれぇぇええ!!」

 

 青山は善彦に向け全力で突っ込む。だが仮面の内の善彦の表情は眉ひとつ動かさず無表情だった。

 

善「受けて立つ!」

 

 善彦は青山に真正面から駆け出す。

 

《ガシャット! キメワザ!》

 

 そして爆走バイクガシャットをホルダーにセットし、地面が割れるほどの勢いで飛び上がった。

 

緑「あの構え、まさか!」

 

 青山父を抑えている緑谷が目を見開く。

 

善「ルナ・フォー…」

 

 善彦は右脚を高く掲げ、青山の脳天に狙いを定めていた。

 だが次の瞬間、善彦の頭によぎったのは、変身する前の青山の顔、真っ黒に染まった目で涙を流す、絶望の顔。

 

善「だぁぁもお!!」

 

 善彦は空中で強引に身を捻り、青山に背を向ける。

 

葉「ウソ! あの体勢から無理やり捻った!?」

 

 突然の方向転換に葉隠が声を上げる、善彦は両足で青山の頭を挟んだ。

 

青「ウギュぅ?!」

 

 善彦は腹筋に力を入れると同時にホルダーのスイッチを押した。

 

《爆走クリティカルストライク!》

 

善「ぶっつけ本番じゃああ!!」

 

青「ウワァァア!!」

 

 善彦は青山の技の勢いを乗せ、体を後方に反らせる。青山の視界はグルンと回った。

 

善「月頭鋏(ルナ・ティヘラ)!!」

 

 回転の勢いを十分に乗せたフランケンシュタイナーで青山の頭が地面に叩きつけられる。

 

青「ブゲェエエ?!」

 

 青山は力なくうつ伏せに倒れると、変身が解除された。

 善彦は青山から離れると、ベルトからガシャットを外し、変身を解除する。そして青山の方を見ずに、緑谷と葉隠の方を向いた。

 

善「戻ろっか」

 

緑「う……」

 

葉「佐竹くん…」

 

 善彦はその一言だけ告げる。その時の善彦の表情に感情は無かった。

 青山は地面に顔をつけ、涙で土を濡らしていた。

 

 そして青山とその両親は拘束され、A組の前に座らされた。

 語られたのは、青山は善彦に隠れて善彦の部屋の合鍵を作り、そこから善彦の仮面ライダーのベルトのコレクションをくすねていた事実。そして青山家の過去とAFOとの関係。

 二転三転と変化する展開の中、ここで一筋の突破口が見えた。皆がその光明に決意を固める中、善彦はその内容がほとんど頭に入っていなかった。

 

 そして話し合いを終え、青山を除くA組が寮へ帰る中。

 

耳「はぁ……おっもいの聞いた」

 

上「確かになぁ…」

 

 耳郎は戻る最中、上鳴にもたれかかる。

 

上「お前も大丈夫か佐竹…」

 

 上鳴は善彦の方を向き声をかける。だが先ほどまでそこにいた善彦の姿はなかった。

 

上「あれ? 佐竹は?? 尾白、佐竹見なかった?」

 

 上鳴は自身の後ろを歩いていた尾白に声をかける。

 

尾「へ? さっきまで一緒に歩いてたろ? あれ? 確かにどこにもいねぇな」

 

 尾白も辺りを見回すが、寮に戻る広くない通路の中善彦の姿は見当たらなかった。

 

尾「トイレにでも行って……あら??」

 

 尾白が二人の方を向き直すと、その場に耳郎と上鳴の姿はなかった。

 

上「マズイマズイマズイマズイマズイマズイ!!」

 

耳「あのポンコツまた抱え込んでる!! 探すよ!」

 

上「イエッサー!!」

 

 耳郎と上鳴は善彦がいないと理解すると即座に駆け出していた。

 そしてその頃、善彦はコンビニの袋を片手に夜の街を歩いていた。

 

善「よいしょ」

 

 善彦は街頭に照らされたベンチに腰掛ける。そしてコンビニで購入した野菜スティックを取り出した。

 

善「ホントはドカ食いしたかったけどね」

 

 善彦は独り言を言いながらキュウリを付属の味噌マヨネーズにつける。その上からさらに別で買ったマヨネーズを絞り、口に運んだ。

 

善「味噌マヨも悪くないな」

 

 善彦の目の前には未だ復興中の街が広がっている。その時、善彦の手に一滴の雫が落ちた。

 

善「しょっぱいなぁ」

 

 静かに呟くと、善彦は黙々と野菜スティックを食べ続けた。

 

「なーに暗い顔してんの? 一本貰うね」

 

 突如、ニンジンスティックが取られたと同時に聞こえた優しい声。

 

善「え?…なんで」

 

 聞き覚えのあるその声に善彦が振り向いた直後、途轍もない衝撃が眉間を襲った。

 

バチィン!!

 

善「いだぁ?!」

 

 あまりの衝撃に善彦はベンチから転がり落ちる。眉間を抑えながら顔をあげると、善彦の顔がみるみる青くなる。

 

ミ「愛しのあの子と思ったか? 声真似だよバカタレ」

 

 そこに立っていたのは、善彦の野菜スティックを強奪し人参を咥え、腕を組むミルコだった。

 

善「え? え? なんでここに」

 

ミ「特別授業開始だぁ、バカ弟子ぃ」

 

 ミルコは野菜スティックを全てたいらげていた。




曖昧な部分を今更ながら説明できましたでしょうか
青山の変身は東京のアニソンカラオケバーでお店の人と相談して決めました
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