僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー 作:ガイコッツ
善「な……なんでルミさんがここに」
ミ「おぉん? 師匠を名前呼びたぁ生意気だなぁ」
突然現れたミルコの姿に善彦は困惑を隠せない。ミルコはベキベキと拳を鳴らすと、右脚を大きく振り上げた。
ことの顛末は数分前に遡る。
それは青山の処遇を決めた直後、ある場所でスマホが鳴っていた。そこは善彦が身を隠すために過ごしていた林間合宿の宿内。
ミ「ん? カメネコのスマホだ」
その時、まだミルコはその宿で過ごしていた。そしてその時、ピクシーボブ・土川流子は丁度風呂に入っている。
ミ「変わりに出てやろーっと」
ミルコは悪い笑みを浮かべながらテーブルの上のピクシーボブのスマホを手に取る。画面に表示されている発信者名は相澤先生だった。
ミ「もしもし土川です、どうしましたか?」
相「突然すみません、実は…」
ミルコは渾身の声真似で電話に出る。すると相澤先生はそのまま話し始めた。
相「ということで、再び申し訳ありませんが、佐竹のメンタルケアをお願いしたいのです、アイツ、実力はあるのですがまだ未熟な部分が」
ミ「はいかしこまりました、ありがとうございます」
ミルコは最後までピクシーボブの声真似をやり通し、電話を切る。スマホをテーブルの上に戻すと、大きなため息を吐いた。
ミ「あんのばかタレ、ほんっっとうに手がかかりやがる」
ナ「ん?」
ストロング缶チューハイを飲みながらテレビを見るレディ・ナガンが何かを感じ取る。振り向くと、窓が開いていた。
ピ「あれ? さっきアタシのスマホなってなかった?」
そして入れ違う形でタオルを巻いたピクシーボブが戻る。ナガンはピクシーボブの方を向きもしないで答えた。
ミ「ミルコが勝手に出てそのままヤツも出てった」
ピ「はぁ!?」
そして時間は今に戻る。
善「え、だって名前で呼べって…」
ミ「ウジたれの弟子にはお仕置きだぁ!!」
善「だぎゃぁあああ!!」
突如落とされたかかと落としを善彦は身を捩って避ける。
ミ「ウジウジしてんじゃねぇぞバカ弟子、フニャチンの性根叩き直してやる」
上がる土煙の中でミルコの双眸がギラリと光る。善彦が構えたと同時、ミルコは空間を切り取ったかのように善彦との距離を詰めた。
善「はやぁい!!」
放たれた蹴りを間一髪で避けるが、頬を掠め血が吹き出す。善彦も反撃の前蹴りを放つが、ミルコはそれをスネで受け止めた。
ミ「イマイチぃ!」
善「ぐあ!」
ミルコは善彦の足を弾くと、そのまま左のハイキックを繰り出す。善彦もハイキックを繰り出し、ミルコと善彦の蹴りが衝突した。
善「うっ…やっぱ固い」
ミ「訓練の成果は出てる、パワーもスピードも良しだが…」
あまりの衝撃に善彦は顔を歪ませる。だがミルコの表情は変わらなかった。
善「
ミ「うおっと!」
直後、善彦の放った回転蹴りにミルコが目を丸くする。予想外の技での反撃だったが、ミルコは一歩下がり、善彦の蹴りを避けた。
ミ「技もそこそこ、でもダメだな」
善「一体全体なんですかミルコさん! 唐突なのは理解しているつもりですけど、いきなりすぎ」
ミ「ゴチャゴチャゴチャゴチャうっせぇ!!」
善彦はミルコから距離を取りながら言い放つ。だがミルコはそれを遮り、しつこく追ってきた。
善「個性もあるけど加速度が尋常じゃない! でも技の起こりさえ見逃さなければ…」
善彦は迫り来るミルコを凝視する。長く修行をつけてもらった故に善彦はミルコの技の起こりのタイミングを知っていた。
右の蹴りか左の膝か、目を逸らさずに観察する。
善「蹴りじゃない?!」
そのまま突進するミルコに驚愕した刹那、ミルコは善彦の両肩を掴む。
ミ「こんのバカチンがぁ!」
そして加速の勢いそのままに渾身の頭突きを善彦の額にぶつけた。
善「クァぁ!?」
善彦はそのまま後ろ向きに倒れる。ミルコはそれを見下ろした。
ミ「力も技もスピードもある! だがお前は心が弱ぇ!!」
善「こころぉ…」
倒れる善彦にミルコは言い放つ。善彦が起き上がると、顔をズイッと近づけた。
ミ「タメ歳のやつがなんたらやってショックなのは分かる、だがな! ヒーローってのはお仕事なんだ! いちいちメソメソしてたら蹴飛ばせるやつも蹴飛ばせねーーんだよ!」
ミルコはゼロ距離で善彦に説く。善彦はそれを黙って聞いていた。するとミルコの表情に翳りが見える。
ミ「アタシだってな、何回か飯いったことある同僚が解放信者で、結構キツかったんだぜ、だがそれでも切り替えてやんなきゃいけねーんだよ! ヒーローがブレたら何も守れねぇの! ブレブレのバイクに誰が乗んだ!」
善「イタイイタイイタイイタイ」
ミルコは善彦の頭をヘッドロックで締める。そして解放された後、ミルコは善彦の頬に両手を添えた。
ミ「辛ぇのもメソメソも全部脚に乗せて蹴飛ばせ! アタシの弟子だ、情けねぇ姿、世間に見せんなよ」
言葉とは裏腹にミルコの表情に棘はなく、どこか慈しみを感じる。
善「はい…ありがとうございます、ミルコさん」
ミ「さすが愛弟子だ、あんまメソメソしてるとアタシのモンにしちまうかんな」
善彦は覚悟を決めた瞳で頷く。直後、額と頬に柔らかいものが触れた。
善「ん?ん?んん?」
ミ「特別授業おわり! じゃーなー!」
ミルコはその場を跳ね周り、その場をさる。
善彦…Now Loading……
上「おーい佐竹ー!!」
耳「こんなところにいた! 何してんの…ん?」
その時、上鳴と耳郎が善彦を見つける。耳郎は善彦の耳たぶが赤くなっていることに気づいた。
善「門限過ぎてすみませんでした」
相「それはどうでもいいが、顔どした」
寮に戻り、善彦は相澤先生に頭を下げる、だが相澤先生はそれを言及せず、善彦の顔の赤さを指摘した。
数日後、第二次決戦の最終プランの協議が始まった。
協議が済むと、雄英から30キロ離れた地点に建てられた仮説要塞"トロイア"にA組は集められた。
瀬「終の棲家にならねーといいけど」
砂「やめィ」
善彦の横で瀬呂と砂藤の会話が耳に入る。
耳「内装も寮とほぼ同じだって、親切だよね」
耳郎が善彦に声をかけるが、善彦は反応せず、ブツブツと何か言っている。
善「最後になるかもしれない…ウジウジしないで、ブレないで…」
耳「佐竹?」
善「あぁ耳郎さん! 確かにありがたいですね、迷わないで済むしねぇハハハ…」
上「あんま緊張すんなよ、ゲボ足んなくなるぞ」
耳「汚ねぇこというな」
焦る善彦に耳郎が首を傾げる。上鳴に肩を叩かれたが、耳郎は上鳴の頭をしばいた。
そして作戦決行の日、各生徒は言い渡された配置についていた。善彦の配置された場所に、ピクシーボブの姿見える。
善「あっ…」
今は戦地に向かう最中、気軽に声はかけられない。与えられた責務を全うしなければならない。
上「よっしゃあ行くぜ佐竹! 新しいパワーガンガン使うぜぇ!」
耳「短期間でみんなパワーアップしたもんね、絶対生きて帰るよ!」
親友である二人に挟まれ、かけられた言葉に強く頷く。だが心は別の方に向いていた。
善「ちょっとごめん」
上「ふぇ?」
善彦は踵を返し、皆が向く方向と反対の方へ向かった。
向かう先は、一つしかない。奇跡的にその人は周りとの会話を終え、一人きりだった。
小さく息を吐き、小さく息を吸う。覚悟を決めたように呼んだ。
善「ピクシー…いや、流子さん!」
流「うん? どうし…」
突然名前で呼ばれた事に驚き、振り向いたピクシーボブ"土川流子"の唇を、善彦は自らの唇で塞いだ。
流「ん……? ムゥ!?」
上「ウェェイ?!?」
耳「ヒャアァ!」
あまりにも唐突な口付け。塞がれながら流子は赤面し、塞がれた唇から驚きの声を漏らす。
そしてその光景を目の当たりにした上鳴は全力で仰天し、耳郎は顔を真っ赤にして口元を手で抑えた。
そして善彦と流子が唇を離すと、善彦は流子の両手を包むように握り、その目を真っ直ぐに見つめる。
善「こんな時に、いきなりごめんなさい。でも…これが最後になるかもしれないから、どうしても後悔したくなかったから」
善彦は恥じらいを抑えて必死に言葉を紡ぐ。流子は黙って聞くしかできなかった。
善彦は頭に溜まった熱を冷ますように息を吸うと、流子の手を強く握った。
善「土川流子さん、この戦いが終わったら、自分と結婚してください!!」
次回から混沌渦巻く大戦争が始まります。
さぁ描くのが難しいぞぉ〜〜〜
そして今回初めて書く描写だったから上手く受け止めてもらえたから不安ですよぉ〜〜