僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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 キムチ鍋は大体のものを美味しくすると信じています


いくぜ語るぜ鍋パだぜ

 授業が終わったその日の夜、A組の寮の共有スペースの中央には無数の鍋が並んでいた。

 

飯「では! "インターン意見交換会" 兼 "始業一発気合入魂鍋パだぜ‼︎ 会"を! 始めようーー!」

 

 A組の寮内では鍋パーティーが行われていた。皆で笑顔で鍋を囲み、夢心地の空間を楽しんでいる。

 

麗「やっぱり豆乳鍋が一番やね」

 

爆「んだコレ! キムチ鍋の辛さが足りねぇんだよ!!」

 

切「みんなが食べやすい辛さにしてんだよ」

 

善「こんなこともあろうかとキャロライナ・リーパーを持ってきました」

 

 善彦が真っ赤な粉末が詰まったビンを爆豪に差し出すと爆豪はそれをブン取った。

 

耳「キャロライナ・リーパーって確か世界一辛いんじゃ……」

 

 不安の表情を見せる耳郎を横目に爆豪は自分の器にキャロライナ・リーパーをバサバサとふりかけると、真っ赤に染められた何かを口に運んだ。

 

爆「グォッ! カッ!? ヌァァア!! こんぐれぇじゃねぇと足りねぇんだよ!!」

 

 悶えるほどの辛さを堪えると爆豪はガツガツと鍋をかきこんだ。

 

善「お気に召してなにより」

 

 善彦が塩鍋のスープをすすると、共有スペースの扉が開けられた。

 

鉄「おっしゃーー! 一番乗りー!」

 

拳「イイにおーい、お邪魔しまーす」

 

 A組の寮にB組が入ってきた。

 

飯「おぉ! 待ってました!」

 

 鉄哲は切島と善彦の隣に座るとキムチ鍋の具が入った取り皿を渡される。

 

鉄「お! サンキュー!」

 

 鉄哲がキムチ鍋の豚バラ肉を頬張ると目を見開く。

 

鉄「んん!! うんめぇ! 柔らかぁ!」

 

善「どれだけ分厚い肉でも圧力鍋を使えば一発で柔っこくなるんですよ」

 

拳「ホントに美味しい〜、A組は幸せ者だなぁ」

 

 鍋を頬張っている拳藤も至福の表情を浮かべる。

 

 そしてひと段落ついたところで緑谷が切り出した。

 

緑「そういえば気になってたんだけど佐竹くんは切島くんと鉄哲くんとインターン一緒だったんだよね?」

 

善「ん? そうですよ」

 

鉄「初関西で楽しかったぜぇ!」

 

 鉄哲が善彦の肩に手を回し、親指を立てる。緑谷は質問を続けた。

 

緑「関西のヒーローってファット・ガムだよね、でも今日見た佐竹くんの動きが違うヒーローの動きだったから気になったんだ」

 

 緑谷が首を傾げながら問いかけると、麗日と耳郎も入ってきた。

 

麗「たしかに、何というか軽やかだったし、よく跳ねてたし」

 

耳「ウチの知ってる佐竹は後ろ廻し蹴りなんて使わないからね、いつもの喧嘩殺法の大振りミドルキックじゃなかった」

 

上「そこんとこどうなんだぁ?」

 

 上鳴が善彦の顔を覗き込む。その瞬間、上鳴は善彦の異変に気づいた。

 

善「そ、そそそそれはねぇ……」

 

 善彦の表情が明らかに青ざめていた。善彦は豆腐を箸で掴もうとするが、豆腐はどんどんと半分に千切れてバラバラになっている。

 

切「聞かねぇでやってくれ! そこはデリケートなんだ!」

 

鉄「大丈夫だ! アレは過去の話だ!」

 

 鉄哲と切島は必死に動揺している善彦を落ち着かせた。

 

緑「な、なんか聞いちゃいけなかった?」

 

 緑谷も善彦につられて動揺するが、善彦は「大丈夫」と首を横に振り、鍋の取り皿をテーブルに置いた。

 

善「いずれ話そうと思ってました……アレは関西インターンの三日目のこと……」

 

 善彦はゆっくりと語り始めた。

 

 関西のインターン三日目、善彦達が関西の街をパトロールしている時だった。

 

フ「急ぐでぇ! なんやチンピラ共が暴れとるらしいわ!」

 

鉄「っしゃあ! やったるデェ!」

 

善「行くでヤンス!」

 

切「鉄哲は分かるが佐竹は何故だ!?」

 

 善彦達が通報を受けた大通りに着くと、奇妙な光景が広がっていた。

 

フ「……なんやあれ?」

 

 人集りの奥ではチンピラらしき格好の男が空を飛んでいる。そして人集りの中心では聞いたことのある声が聞こえた。

 

「弱ぇえ弱ぇえ! 全然来たかいがねぇ!」

 

フ「んあぁ! あんたミルコやないか!」

 

切「うおお! マジだ!」

 

 ファット達が人混みをかき分けて中心に着くと、そこにはプロヒーローNo.5のミルコが立っていた。

 

ミ「おぉ! ぷよぷよ団子!」

 

フ「ファットや! 覚えてくれんとそこは! あんさん九州のヒーローやろ? なんで関西に?」

 

 ファットが聞くとミルコは両腕をバッと上にあげた。

 

ミ「蹴飛ばし遠征だ!」

 

フ「おっかない遠征やのぉ」

 

 ファットが呆れているとミルコは善彦に目を向けた。

 

ミ「お! お前たしかバイク小僧! 知ってるぜ!」

 

 ミルコは善彦に向かいズンズンと歩を進める。善彦は完全に萎縮していた。

 

善「あ、恐縮です……」

 

 ミルコは善彦に近づくとニカッと笑う。そして次の瞬間。

 

ボッ!!

 

善「ウワッぷ!」

 

 ミルコが突然ハイキックを繰り出した。善彦はそれを体を逸らして回避する。

 

切「わぁ佐竹!」

 

フ「ミルコあんた何しとんの!」

 

 ミルコはファットの声を無視して善彦に蹴りを繰り出し続ける。

 

善「いきなりなんなんだか!」

 

 ハイキックやローキックを避け続けた善彦はとうとうミルコに反撃のハイキックを繰り出した。

 

ミ「ソラよっ!」

 

 ミルコは善彦のハイキックをハイキックで弾き飛ばす。蹴りの威力で善彦のバランスは大きく崩れた。

 

善「いってぇ!」

 

 バランスを崩した善彦は地面に尻餅をつく。地面に座り込む善彦をミルコは見下ろした。

 

ミ「んー! やっぱりだな! 蹴りが弱すぎる! 弱すぎて話にならん!」

 

 ミルコは善彦の顔にズイッと顔を近づける。そして善彦の服の襟を掴んで引っ張り起こした。

 

ミ「団子! ちょっとコイツ借りるぞ!」

 

フ「ファーー?!」

 

 ミルコの発言にファットは変な声を出す。

 

善「えぇ!? いきなりなんで!?」

 

ミ「アタシの蹴りを伝授してやる! 着いてこい!」

 

 ミルコはそういうと大きくしゃがみ込む。

 

鉄「おいおい切島! 佐竹を助けるぞ!」

 

切「わかった! やめて下さいミルコォ!」

 

 鉄哲と切島がミルコを止めようとした時、ミルコはその場から大きく跳び上がった。

 

善「アァァ! みんなーー!」

 

ミ「三日後くらいには返すぜー!」

 

 ミルコはそう言い残すとファット達の前から姿を消した。

 




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