僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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交互に展開を考えていくのは結構楽しいです


共闘ウサカメ

 蛇空病院に突入して数分、ヒーロー対 脳無の戦いは激しくなっていた。

 

「おいマンダレイ! 院内の避難は!?」

 

「丁度最後の一人が済んだとこ!」

 

 ここで蛇空病院に入院していた患者が全員避難する。その報告を受けた瞬間、仮面ライダースラッシュに変身していたマイクが仮面の中で口角を上げた。

 

マ「OK! そんじゃこっからは本気出すぜぇ!」

 

《ブレーメンのロックバンド》

 

《とある戦いを強いられた動物達が奏でる、勝利の四重奏…》

 

 マイクはライドブックを開くと音銃剣錫音のモードを切り替えた。

 

《銃奏》

 

 ライドブックを錫音にセットするとトリガーを押した。

 

《銃剣撃弾!》

 

《剣で行くぜ!NO!NO!銃でGO!GO!BANG!BANG!音銃剣錫音! 》

 

《錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!》

 

マ「イィィィィイイィィィエエエェェェェェェアァァア!!!!!!!!!!」

 

 マイクの左腕にアンプ型の装備が着けられた瞬間、急にマイクのテンションが上がり、シャウトが院内に響いた。

 

エ「ウグゥゥ!! なんだこの声は! 鼓膜が破れそうだ……」

 

 エンデヴァーを含め、院内にいるヒーローは全員耳を塞ぐ。マイクのシャウトを聞いた脳無は数匹が白目を剥いて倒れた。

 

相「おいマイク、声を抑えろ! 他のヒーローも巻き込むな!」

 

 相澤先生がマイクに叫ぶが、マイクは自分の声で周りの声が聞こえていなかった。

 

マ「こちとらテメェらのせいでハラワタが煮えくりかえってモツ煮なんだヨォォオオォォオ!!! ご一緒に弾丸(マメ)はいかがですかァァィィィ!」

 

 マイクは上体を逸らしながら錫音を乱射する。放たれた弾丸は全て脳無に直撃した。

 

マ「俺の剣は、響きが違うぜェェェ!!」

 

エ「あんなテンションなのに全段命中とは……」

 

ロ「頼もしいけどコッチも限界が来ちまうよ!!」

 

 ヒーロー達は耳を抑えたままその場で動けなくなっていた。院内ではマイクだけが縦横無尽に暴れ回っている。

 

マ「キモちわりぃバケモンがウジャウジャとよぉ!」

 

《ブレーメンのロックバンド! イェーイ! 》

 

 マイクはライドブックをリードさせると錫音に青色のエネルギーが充填される。そして脳無に照準を合わせ、トリガーを押した。

 

《錫音音読撃!イェーイ! 》

 

マ「ガンズ・アンド・ミュージック!!」

 

 錫音から青色の光弾が脳無に炸裂する。ホーミングする光弾は多くの脳無を蹴散らした。

 

マ「イェェェエエェェ!! ロックンロールだぜェェェェ!!!」

 

 マイクは足を大きく開き、再びシャウトを上げた。

 

《ポーズ》

 

マ「ん?」

 

《リスタート》

 

 次の瞬間、マイクの変身は解除され、テンションが元に戻った。

 

マ「あれ? 一体何が……」

 

 ゴツン

 

マ「イタイッ」

 

相「早く行くぞ」

 

 困惑しているマイクの頭を相澤先生が小突く。相澤先生の手にはブレーメンのロックバンドのライドブックが握られていた。

 

 そして蛇空病院の奥深くの研究所ではミルコとピクシーボブが殻木と対峙していた。

 

ミ「強そうな脳無とジジイがいた」

 

ピ「殻木を発見しました、これより確保を」

 

ミ「本物か調べる!!」

 

 通信を取るピクシーボブの横でミルコは殻木に向かい飛び出した。

 

ピ「あぁコラ!」

 

殻「あああああ!! 本物じゃ! ワシ本物じゃ!」

 

 殻木は情けない声を上げながらミルコから逃げる。ミルコは瞬時に殻木に追いつき、大きく足を振りかぶった。

 

ミ「蹴りゃわかる」

 

 ミルコの脚が殻木に叩きつけられようとした時、小さな脳無がミルコに体当たりした。

 

ミ「あ!?」

 

 脳無の体当たりでミルコの蹴りが外れる。ピクシーボブは飛び上がり、土豪剣激土で脳無を両断した。

 

ピ「邪魔すんな!」

 

 二人が脳無に気を取られた瞬間、殻木は白衣のポケットからリモコンを取り出した。

 

殻「奇跡じゃ、守ってくれたんじゃなぁ……ワシを守って……うぅうぅ、モカちゃんの勇気、無駄にはせんぞ!」

 

 殻木がリモコンを操作すると脳無が入っていたカプセルに電流が流れ、次々と脳無が飛び出してきた。

 

殻「忌まわしきヒーローを共を蹂躙せよ! 愛しきハイエンド達!」

 

 カプセルから飛び出したハイエンドはミルコを張り手で突き飛ばした。

 

ピ「ミルコッ!」

 

 ピクシーボブは瞬時に走るとミルコを壁に激突する寸前で受け止めた。

 

ピ「大丈夫!?」

 

ミ「ってぇ! サンキューなカメネコ! 殴られた瞬間蹴り飛ばしてやったぜ!」

 

 ミルコはピクシーボブの腕の中で鼻血を拭くと笑みを浮かべる。ミルコを突き飛ばしたハイエンドの右手は手首から先が無かった。

 

「〜〜〜〜おっ」 「えこっ」

 

 ハイエンドの右手はすぐに再生すると五体のハイエンドが向かってきた。

 

「ヒ……ロ……」 「久し……ぶり」

 

「全部コロして……暴れましょ」

 

 つたない言葉でハイエンドは歩を進める。

 

殻「頼むぞハイエンド達!」

 

 殻木は椅子に座ると椅子と共に研究室の奥へと逃走した。

 

ミ「逃がすかよジジイィ」

 

ピ「先にコイツらを片付けないとね」

 

 ピクシーボブは激土を肩に担ぐとハイエンドと対峙する。ミルコは耳をすまし、研究所の奥の音を聞いた。

 

ミ「カタカタカタカタやってんなぁ〜」

 

ピ「ターゲットは奥ね」

 

 ミルコが殻木の居場所を見つけた瞬間、ミルコは床を強く蹴った。

 

ミ「まずはジジイだ!!」

 

ピ「コッチは任せて! 来やがれ化け物共!!」

 

 ミルコはハイエンドを飛び越え、殻木の元へ走った。ピクシーボブは激土を構え、ハイエンドへと走る。

 

「蹂躙せよト ソ そういう指令だ」

 

 殻木に向かうミルコにハイエンドの一体"アバラちゃん" が頭の触手を伸ばし襲わせる。

 

ピ「うぅらぁ!」

 

 ミルコに届こうとした触覚をピクシーボブは斬り落とした。

 

ピ「邪魔させるかってんだ!!」

 

 ピクシーボブが激土を肩に担ぐとハイエンドの"ゾウさん" と "ウーマンちゃん" がピクシーボブに襲いかかってきた。

 

《玄武神話! ドゴーン!》

 

 ピ「大断断!」

 

《激土乱読撃!》

 

 ピクシーボブは瞬時にライドブックを読ませると巨大化した激土を横凪に振るった。

 

「ギャッ!」「ウグッ」

 

 ゾウさんとウーマンちゃんの半身は一瞬で崩れる。激土を振り抜いたピクシーボブの背後にはアバラちゃんの触手が迫ってきていた。

 

ミ「踵月輪(ルナ・リング)!!」

 

 ピクシーボブに迫っていた触手にミルコの踵が落とされる。ミルコはピクシーボブの後ろに立った。

 

ピ「サンキュー、うさちゃん」

 

ミ「うっせぇ! 助けられてばっかなのはシャクなんだよ!」

 

 二人は互いに背中を合わせると笑みを浮かべる。すると二人にアバラちゃんの触手が向かう。

 

「ジュ、蹂躙……すル」

 

 ピクシーボブは一冊のブックを取り出した。

 

《ジャッ君と土豆の木》

 

《とある少年がふと手に入れたお豆が、巨大な木となる不思議な話…》

 

 ブックを激土にセットし、トリガーを押す。左腕に豆のツタを模した装備が装着された。

 

《激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!》

 

ピ「うりゃあ!」

 

 ピクシーボブが左腕を前に出すと腕から豆のツタが伸びる。

 ツタはアバラちゃんの触手と絡まり、ツタと触手が一本に繋がった。

 

「ッグ……戻セなイ……」

 

 アバラちゃんの触手が引っ込めなくなった瞬間、ミルコは跳び上がった。

 

ミ「てんめェェ〜〜〜!!」

 

 ツタと触手の上を走り、アバラちゃんに迫る。ミルコが脚を振りかぶった瞬間、左腕に激痛が走った。

 

ミ「痛ってぇぇ!」

 

 アバラちゃんの奥で、頭にアーマーをつけたハイエンド"ロボットちゃん" がミルコの左腕の空間を曲げ、腕を捻り切ろうとしていた。

 

「チョ、チョコマカと……!」

 

 ミルコの左腕はバキバキと音をたて、折れようとしている。ロボットちゃんが突き出していた右腕を更に捻り、ミルコの腕を千切ろうとした瞬間。

 

ピ「させるか!!」

 

 ピクシーボブが左腕から土豆を発射し、ロボットちゃんの身体に無数の穴を開けた。すると空間を曲げていた個性が消え、ミルコの左腕が千切れずに済んだ。

 

「ナ、ナニ……豆で穴が……」

 

 自身の身体に穴が空いたことにロボットちゃんが戸惑う。その瞬間、ミルコがロボットちゃんの頭を両脚で挟んだ。

 

「臆サず飛び込ンデクルとは」

 

 ロボットちゃんの眼に光りが帯びる。その時ミルコは笑みを浮かべた。

 

ミ「咄嗟に遠距離出す奴ァ、近距離 弱ぇと決まってる」

 

 ロボットちゃんの隣ではアバラちゃんとピクシーボブの綱引きが行われていた。

 

「離セ! キサま!」

 

 アバラちゃんはピクシーボブの力に必死に抵抗している。ピクシーボブは左腕だけでハイエンドと張り合いながら、激土にブックを読み込ませた。

 

《玄武神話! ドゴーン!》

 

 読み込ませた瞬間、ピクシーボブの左腕から無数の豆のツタがアバラちゃんに向かい伸びる。そしてアバラちゃんにツタが絡まった。

 

「ググッ! 動ケぬ!!」

 

 アバラちゃんの身動きを封じるとミルコの方を向く。

 

ピ「行くよミルコ!!」

 

ミ「はいよぉ!」

 

 ピクシーボブが声をかけた瞬間、ミルコは体を逸らし、ロボットちゃんの眼から放たれた光線を避けた。

 

ミ「月頭鋏(ルナ・ティヘラ)!!」

 

 ミルコはロボットちゃんの頭を千切るとそのまま千切った頭をフランケンシュタイナーの要領で地面に叩きつけた。

 

《会心の激土乱読撃!》

 

ピ「大旋断!!」

 

 ピクシーボブは地面から足を離すと自身がツタに引っ張られる勢いを乗せ、アバラちゃんの身体をバラバラに切断した。

 

「ジュ……蹂り……ン……」

 

「お……ノ……れ……」

 

 二体のハイエンド脳無が地面に倒れる。

 ピクシーボブとミルコは二人横に並んだ。

 

ピ「なるほど頭を潰せば動かないのね、バラバラにしても動かないっぽい」

 

 ピクシーボブがハイエンドの亡骸を確認するとミルコは笑みを見せる。

 

ミ「ドタマ潰しゃあ止まンなら、むしろそこらの敵よかよっぽど楽だ!」

 

 二人の目の前では身体の再生を終えたゾウさんとウーマンちゃんが立ち上がっていた。

 

ミ「こちとらいつ死んでも後悔ないよう毎日 死ぬ気で息してる! ゾンビにヒーローミルコは……」

 

 ミルコは突然言葉を止める。そしてピクシーボブの肩に手を置くとハイエンド脳無の二体に笑顔を見せた。

 

ミ「こんなゾンビにヒーローミルコとピクシーボブは殺れねぇぞ!」

 

 ピクシーボブは仮面の中で笑顔を浮かべると激土をハイエンド脳無に向けた。

 

ピ「そーゆーこと! ウサカメパワー舐めんなよ!!」

 

 ピクシーボブは激土を肩に担ぐとミルコと共にハイエンド脳無に向かった。

 

 




次は山荘の方を書きます。
話の形は少し固まっているのでなる早で頑張ります!

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