僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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_:(´ཀ`」 ∠):


狼煙

 

 群訝山荘の解放軍の館からギガントマキアが飛び出し、死柄木への元へ駆ける。その背中には敵連合が乗っていた。

 

Mr.「何が起きた?」

 

荼「死柄木が起きたんだろう、それ以外にこいつが動く道理が無ぇ」

 

渡「予定より早いです」

 

 先程まで個性で変身していた渡我は服を着直す。その時、ギガントマキアの背後にこちらに迫ってくる紫色の煙に気づいた。

 

渡「なんでしょうアレ?」

 

 渡我がソレに気づくと、スピナーが目を擦った。

 

ス「あぁ…なんか眠くなってきた……疲れたのかな?」

 

荼「何言ってんだこの状況で」

 

 荼毘が突っ込むと、渡我がある事を思い出した。

 

渡「そういえば……」

 

 走るギガントマキアの背後では仮面ライダーサーベラに変身したミッドナイトが煙に変化し、追いかけていた。

 

ミ「このスピードなら追いつける! このまま顔に近づければっ!」

 

 ミッドナイトがギガントマキアの顔に近づくと煙化を解除し、煙叡剣狼煙のスイッチを押す。

 

《狼煙霧虫!》

 

ミ「はぁっ!」

 

 ミッドナイトが狼煙を構え、ギガントマキアに振り下ろそうとした時。

 

渡「邪魔しないでください」

 

ミ「っ!」

 

 突然頭上で声が聞こえる。ミッドナイトが見上げると、そこには仮面ライダーキバに変身した渡我が、頭上を覆っていた。

 

ミ「うわっ!!」

 

渡「キャハハッ!」

 

 渡我はミッドナイトに掴みかかると、そのまま地面に落ちていった。

 

Mr.「ありゃりゃあ!! トガちゃん落ちちゃったよぉ!!」

 

 コンプレスが落ちていく渡我を見送ると、荼毘は不気味な笑みを浮かべる。

 

荼「いいじゃねぇか、アイツなら勝手にどーにかしてくれるよ」

 

Mr.「大丈夫かねぇ」

 

 心配するコンプレスの下の森林では、着地の衝撃で変身が強制解除されたミッドナイトと渡我が対峙していた。

 

渡「さっき信者さん達を眠らせてたのはアナタですよね? 煙でピンときました、来ないでください邪魔です」

 

ミ「邪魔してんのはどっちよ、トガヒミコ!」

 

《昆虫大百科》

 

渡「私の好きを楽しむ世界にはヒーローは邪魔なんです、キバット!」

 

キ「はいよぉ! キバって行くぜ!」

 

 ミッドナイトは煙叡剣狼煙を構え、ワンダーライドブックを取り出す。

 

 それと同時に渡我の手にキバットが噛み付いた。

 

キ「ガブッ!!」

 

 キバットが噛み付いた箇所から魔皇力が流れ、渡我の顔に紋章が浮かび、腰に巻きついた鎖がベルトに変化する。

 

ミ「フッ!」

 

《この薄命の群が舞う、幻想の一節…》

 

 ミッドナイトは昆虫大百科に息を吹きかけ、表紙を開けると、すぐさま閉じ、狼煙にセットした。

 

 渡我はキバットを、ミッドナイトは狼煙を構えて一言。

 

ミ・渡「変身!」

 

《狼煙開戦! 》

《FLYING! SMOG! STING! STEAM! 昆虫CHU大百科! 》
《揺蕩う、切っ先!》


 

 ミッドナイトは煙に包まれ、渡我の体は鎧に包まれる。煙が消え、鎧が形成されると、二人は変身を完了されていた。

 

渡「行きますよ!」

 

 まずは渡我が地面を蹴り、ミッドナイトとの距離を縮める。その刹那、渡我の視界に剣の切先が映った。

 

渡「わっ!」

 

 瞬時に上体を逸らし、狼煙の突きを回避すると、そのまま地面を後転し、ミッドナイトと距離を取った。

 

渡「先に仕掛けたのは私なのに…流石に剣士さんは速……」

 

 「速い」と言い切る前に、ミッドナイトは渡我の背中を取り、狼煙を振り上げていた。

 

渡「わぁっと! 危ないです!」

 

 渡我は振り下ろされた剣を避けると同時に拳を繰り出す。その拳はミッドナイトの体を貫通した。

 

キ「やりぃ! 決まったァ!」

 

ミ「ハァッ!!」

 

 キバットが声を上げた直後、ミッドナイトの斬撃が渡我を捉えた。

 

渡「ギャッ!」

 

 渡我は後ろに飛び、再び距離を取る。拳を叩きつけたミッドナイトの胸には確かに穴が空いていた。

 

ミ「当たる直前に後ろに飛んだわね、威力半減、やっぱり凄い反射神経」

 

 しかしその穴は一瞬で塞がり、元の形に戻った。

 

渡「やっぱり、当たった時手応えが無かったです、まるで煙を叩いてるみたいでした」

 

 渡我が一言放つと、ミッドナイトは狼煙の切先を向け、再び構えをとる。

 

ミ「気づいたみたいね、私は煙の剣士、"仮面ライダーサーベラ" 貴女の攻撃は通用しないわ、観念なさい、トガヒミコ」

 

渡「アッチは武器ありでコッチは素手…私の持ってるナイフ達は役に立ちそうにありませんね」

 

キ「ふぁ〜あ……」

 

 渡我が次の手を考えていると、突然キバットがあくびを吐いた。

 

渡「キバットさん危機感なさすぎです、ムカつきました」

 

 渡我は平手でキバットの顔を軽くはたいた。

 

キ「イデッ! すまねぇトガちゃん、なんだか突然強烈な眠気が襲ってきやがって……」

 

渡「眠気?」

 

 キバットの言葉で渡我は周囲を見回す。そして瞬時に鼻と口を腕で抑えた。

 

渡「やられましたキバット、囲まれました」

 

 渡我とミッドナイトの周りには紫色の煙が漂っている。その煙にはミッドナイトの個性"眠り香"が染み付いていた。

 

ミ「気づいたみたいね、なら観念なさい」

 

渡「冗談」

 

 瞬間、渡我は地面を踏み込む。一瞬で間合いを詰め、そのまま廻し蹴りを繰り出すが、ミッドナイトの体は煙となった。

 

渡「またっ!」

 

ミ「言っとくけど、油断している時なんて無いわよ」

 

 渡我の背後から声が聞こえる。振り向くより先に狼煙の刃が渡我を捉えた。

 

渡「うぐゥゥ!」

 

 斬撃を喰らうと同時に意識が遠のく。渡我は地面に片膝をつくと、自分の頬を叩いた。

 

渡「剣にも眠くなる煙が入ってます……喰らうたびに意識を保つのがやっとです……」

 

 渡我の頭の中はまさに煙がかかったようにぼやけている。瞼が重く、必死に目を閉ざさんとする事が精一杯だった。

 

ミ「策に嵌ってくれたようね、ここで必要なのは短期決戦……早く眠らせてあのデカブツを追いかける!」

 

《狼煙霧虫!》

 

 狼煙のスイッチを一回押すと、弓を引くように剣を構える。

 

渡「マズイ……この状態じゃ避けられません」

 

 薄れゆく意識の中、渡我は体を思うように動かせない。するとキバットが羽根を拡げた。

 

キ「トガちゃん! 俺にフエッスルを吹かせろ!」

 

渡「フエッスル?」

 

 首を傾げる渡我にキバットは必死にベルトの横を羽根で差した。

 

キ「横についてるやつ! 早く!!」

 

 渡我はフエッスルを取り出すと、キバットの口に咥えさせた。

 

ミ「させない!!」

 

《インセクトショット!》

 

 ミッドナイトは渡我より先に動き、狼煙を突き出す。切っ先から放たれた紫煙の刃は渡我に直撃した。

 

ミ「……終わった?」

 

 渡我の周りは紫煙で覆われ、姿が見えない。ミッドナイトが確認しようと一歩踏み出すと。

 

《ガルルセイバー!!》

 

ミ「っ!!」

 

 突然、煙の中からけたたましい笛の音が聞こえた。

 すると同時に渡我を包んでいた煙が晴れる。そこには煙を背に立つ渡我とその隣には狼を模した彫像が宙に浮いていた。

 

ミ「あれは……」

 

 ミッドナイトが狼の彫像を目にした瞬間、以前、雄英で善彦から解説をうけた、仮面ライダーキバのフォームを思い出す。

 

 狼の彫像は形を変え、剣へと変形する。渡我がガルルセイバーを左手で掴んだ瞬間、左腕に鎖が巻きつく。

 するとキバと複眼とキバットの瞳が青色に染まり、左腕が鎖から解放された。

 

渡「ぐるるるぅ! がおーー!」

 

 ガルルフォームへ変身を完了させた渡我は、腕を大きく広げると、狼のような雄叫びをあげた。

 

キ「なぁんか覇気がねぇなぁ〜」

 

 渡我の雄叫びを聞いてキバットは頬をかく。狼男の力を得た渡我は眠気が吹き飛んでいた。

 

渡「さぁヒーローさん、チャンバラしましょ」

 

 ガルルセイバーを構えた瞬間、ミッドナイトの視界から渡我が消えた。

 

ミ「消え……」

 

 その時、ミッドナイトの背後に殺気が走る。振り下ろされたガルルセイバーをミッドナイトは狼煙で受け止めた。

 

渡「そーーれっ!!」

 

ミ「うぐぅ!!」

 

 ミッドナイトは渡我の剣を防いだが、渡我はそのまま剣を振り抜き、ミッドナイトを吹き飛ばした。

 

ミ「姿が変わっただけでこの動きの違い……ならっ!」

 

《狼煙霧虫!》

 

 ミッドナイトは狼煙のボタンを押し、体を煙へと変化させる。そして渡我の周りを囲んだ。

 

渡「また眠くなる煙で捕まえたつもりですか? 芸がないです」

 

 渡我はガルルセイバーを自分の背中に回す。するとそこにミッドナイトの剣が振り下ろされた。

 

ミ「防がれた!?」

 

 今まで防御されずにいた奇襲が防がれ、ミッドナイトの動きがコンマ一秒止まる。その瞬間、渡我の廻し蹴りがミッドナイトに当たった。

 

ミ「ぐあっ!」

 

 強烈な蹴りが叩き込まれたが、ミッドナイトは再び煙となり、姿を消す。ソレを見た渡我は、仮面の中で不気味に笑った。

 

渡「無駄ですよ、アナタは攻撃の瞬間は完全に実体に戻ります、そして狼さんの力をもらった今ならその瞬間を絶対に見極めることができるのです」

 

 そう言うと、振り向き様にガルルセイバーを振る。するとその剣をミッドナイトは防御した。

 

ミ「うぐッ……! 完全に読まれてる……」

 

 ミッドナイトは再び煙に戻る。渡我は剣を下げると、ため息を吐いた。

 

渡「もう面倒臭いです」

 

 渡我はガルルセイバーを構えると、狼の頭の後ろに、手を添えた。

 

ウオォォォン!!

 

 ガルルセイバーの狼の頭から咆哮と共に超音波が吐き出された。 

 

ミ「ぐっ! あぁああ!! なんなのこの音!?」

 

 超音波の衝撃で周りの煙が飛ばされる。その威力はミッドナイトの体も吹き飛ばした。

 

ミ「ぐわっ!」

 

 吹き飛んだミッドナイトは木に激突する。立ちあがろうとするミッドナイトの前に、渡我は立った。

 

ミ「う…オラァァァ!!」

 

 ミッドナイトは刺突を渡我に走らせる。俊速の突きを前に、渡我は剣を突きの軌道上に置いた。

 

ギャリィン!!

 

 ミ「なっ……」

 

 ミッドナイトの刺突は軌道上に置かれた刃によって大きく外れる。その刹那の隙に、渡我はガルルセイバーをミッドナイトの胴に叩きつけた。

 

渡「キャハァッ!!」

 

 渡我は笑いながら剣を振り抜く。斬撃をまともに食らったミッドナイトはその場に膝を着いた。

 

ミ「グッ……まだまだぁ!!」

 

 ミッドナイトは狼煙を支えに倒れんとする。

 その時、渡我はガルルセイバーの刀身をキバットに噛ませた。

 

キ「ガルルバイト!!」

 

 キバットが噛み付く事により、刃に魔皇力が注入される。渡我がガルルセイバーを構えると、空が暗くなり、満月の夜へと変わった。

 

渡「ガブっと」

 

 渡我はガルルセイバーを口に咥えると、大きく腰を落とし、構えをとる。

 構える渡我を前に、ミッドナイトは激痛が走る体を無理やり起こした。

 

ミ「ヴヴヴヴヴヴァァ!!」

 

《超狼煙霧虫!》

 

 ミッドナイトは狼煙を構えると、背中から煙が噴射され、蝶の羽を形成した。

 

渡「ハッ!」

 

ミ「ガァア!!」

 

 渡我とミッドナイトは地面を蹴り、共に高く跳び上がる。

 

 先に仕掛けたのは渡我だった。

 

渡「がるるぅ!!」

 

 渡我の剣がミッドナイトの喉元に向かう。渡我の刃がミッドナイトの首をとらえた時。

 

渡「手応えがない!」

 

 斬ったはずの首からは煙が漂っていた。その瞬間、ミッドナイトの狼煙の刀身が赤色のエネルギーを帯びる。

 

ミ「はあぁああ!!」

 

《昆虫煙舞一閃!》

 

 ミッドナイトは狼煙の横一閃を渡我に走らせる。渡我は剣を振り抜き、大きな隙ができていた。

 

渡「グルルルルルルァァ!!」

 

 狼煙の刃が体に当たった一瞬、渡我は体を捻った。

 体を捻り、咥えていた剣の刃をミッドナイトの左肩にぶつける。しかしそれは斬るためのものではなかった。

 

ミ「飛ん……だ?」

 

 渡我はガルルセイバーの刀身をミッドナイトの肩にぶつけ、それを土台としてさらに上を飛んだ。

 

渡「私の好きを楽しむために…退いてください」

 

 その時、渡我の影は満月と重なる。そして体を捻らせ、ガルルセイバーをミッドナイトへ走らせた。

 

ミ「負けるわけにはいかない……あの子たちにまだ! 教えないといけないことが!!」

 

 ミッドナイトは狼煙を再び走らせる。ガルルセイバーの刃は狼煙を弾き、ミッドナイトの体を袈裟に斬った。

 

ミ「あっ……」

 

 斬られた刹那、ミッドナイトの中で何かが消える。そしてそのまま地面へ落ちていった。

 

渡「ほいっと」

 

 渡我は着地すると、変身を解除する。その瞬間、腹に痛みが走った。

 

渡「ちょっと斬られちゃいました、やっぱりプロですね」

 

 渡我は視線の端に目を向けると、その場を去る。そこには煙叡剣狼煙が地面に刺さっていた。

 

 

 

ミ「くそっ……不甲斐ない」

 

 狼煙から少し離れた森の中、ミッドナイトは倒れていた。

 息絶え絶えの中、ミッドナイトは耳につけた通信機に手を伸ばす。

 

ミ「聞こえるかしら、クリエティ!!」

 

八「ミッドナイト先生!?」

 

 通信を繋いだ先は1-Aの八百万だった。荒い息を整えながらミッドナイトは続ける。

 

ミ「状況は……わかってるね?」

 

八「ええ、耳郎さんの音と障子さんの目で!」

 

 それを聞いたミッドナイトは、唇を噛み締めた。

 

ミ「アレは力押しでは誰も止められない、眠らせたい」

 

八「え!?」

 

ミ「法律違反になっちゃうけど……事態が事態よ、麻酔で……」

 

八「あの!」

 

 ミッドナイトが説明している最中、八百万がそれを止めた。

 

ミ「八百万さん?」

 

八「申し訳ありません先生…力押しが駄目だと言われた直後なのですが……」

 

 八百万は上を見上げると、苦い表情を浮かべた。

 

八「今まさに、力押しで事態を止めてる最中なんですの!!」

 

ミ「……は?」

 

 ミッドナイトは言葉の意味を飲み込めていない。その直後、轟音と共に地面が震えた。

 

ミ「な、なに!?」

 

 ミッドナイトが顔を上げると、そこにはギガントマキアと対峙するもう一つの巨人の姿が見えた。

 

ミ「ハハッ……本当に面白い子達なんだから」

 

 ミッドナイトは笑みをこぼすと、仰向けに転がる。

 

ミ「八百万さん……聞こえる?」

 

 この時のミッドナイトの声は穏やかだった。

 

ミ「ここから先は……あなたの………判断に任せます」

 

八「先生?……先生!?」

 

 八百万の声は、ミッドナイトに聞こえない。ミッドナイトは通信機から手を離すと、ゆっくりと目を瞑る。

 紫色の煙は、空へと消えていった。

 

 

 




山荘はまだ続きます、と言うより山荘の方を書かせて下さい
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