僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー 作:ガイコッツ
善「解放戦線との戦いで分かったことがあります」
解放戦線との戦いの後、病院のベッドの上で半身起きた状態の善彦が口を開く。
相「言ってみろ」
善彦のベッドの隣には上鳴と耳郎、そして全身包帯まみれで車椅子に座った相澤先生がいる。
善「自分は…あの時恐らく死んでました、でもその間戦っている人達の変身は解除されなかった、巨大ロボも姿を持続させていました、自分が死んでも個性は残ります」
上「佐竹…」
淡々と話す善彦に上鳴の表情が曇る。しかし善彦は続けた。
善「そして轟くんの話では、荼毘は正しい変身ポーズをしていないのに完璧な変身をした…それは恐らく荼毘のアイテムが本物になっているからだと思います」
相「どういうことだ」
相澤先生は戸惑う様子もなく、淡々と聞き続けた。
善「緑谷くんが言ってたんです、夢の空間で、本物の変身者と出会った時、ベルトやアイテムを使い続けると、個性で動いていたベルトやアイテムが本物に近づくって」
相「つまり本物になりつつあるものは、個性の制約なしで変身することが可能ということか…」
善「そうなりますね」
善彦の答えに皆が鎮まる。
相「まぁ、だからと言ってコッチが不利になる要素は特にないな」
しかし相澤先生は車椅子にもたれかかり、深く息を吐く。
上「そ、そうだよな! 確かにどんな体勢で変身できたと言っても、なぁ! 結局は変身した同士のぶつかり合いなんだからよ!」
耳「その通り、連合が進化してたのはビックリだけど、ウチらも成長してるもんね」
相澤先生の言葉に上鳴と耳郎が続く。その光景に善彦の表情が綻んだ。
善「ありがとうございます…」
その時、相澤先生が車椅子を押し、善彦に近づく。そして善彦に顔をズイと近づけた。
相「それはそれとして、あの件考えてくれたか?」
善「わぁ近い、ハイ、考えました」
上「なんのこと?」
二人のやりとりに上鳴が首を傾げる。それを横に善彦は口を開いた。
善「自分は…雄英を離れます」
上「…………ハ?」
耳「へ?……アンタ、何言ってんの」
善彦の言葉を上鳴と耳郎は飲み込めない。善彦が口籠ると、相澤先生が説明する。
相「今回の件、敵側に仮面ライダーの姿が出過ぎた。さらに、佐竹の部屋から突然無くなったアークドライバーがヤツらの手に渡っている、この場合一番バッシングを受けるのは分かるよな?」
上「あ……」
相澤先生の言葉に上鳴が気付く。耳郎もそれに言葉を詰まらせた。
善「正直…自分は自主退学しようと思ったんですけど、相澤先生に反対されましてね。当分の間、都市から離れてほとぼりが冷めるのを待てって言われ」
善彦が全て言い切る直前、耳郎が身を乗り出し、手を振り上げていた。
耳「そんなこと言うなバカァ!!」
善「ベェ?!」
耳郎のビンタが善彦の頬を叩く。上鳴は即座に耳郎を羽交締めした。
上「落ち着け耳郎! 反対されたって言ってたから!!」
耳「悪いのは佐竹じゃないじゃんか!! 使った敵が悪いじゃねーかぁあ!!」
上鳴は必死に宥めるが、耳郎は涙をボロボロ流しながら声を荒げた。しかしすぐに平静を取り戻し涙を拭う。
相「落ち着いたか?」
耳「はい……ごめんなさい、佐竹も…ゴメン」
相澤先生の声に耳郎が涙を拭いながら頷く。そして相澤先生が代わりに説明を始める。
相「敵に変身アイテムが渡ったのは事故といえば事故だが、元は佐竹の不注意だメディアは黙ってないだろう。そこで当分、佐竹を世間から守る為に、一時的に佐竹を雄英から離して、マスコミから守ろうと会議で決まったんだ」
相澤先生の説明に上鳴は俯く。耳郎も言葉を挟まなかった。
善「そうゆうことです、大人達のご好意で…一旦バイバイです」
善彦は打たれた頬をさすりながら「ハハハ」と笑う。しかし上鳴と耳郎の表情は曇ったままだった。
相「今生の別れじゃねぇんだ、そんな顔するな」
相澤先生が声をかけるが二人の表情は晴れない。それを見た善彦は、ベッドから起きた。
善「よいっ……しょ!!」
上「ちょ! バカお前まだ起きていい体じゃねぇだろ!!」
起き上がった善彦に上鳴が声を上げる。一回心臓が止まり、他にもダメージの大きい善彦は寝たきりを強制される状況だった。
しかし善彦はそれを無視して起き上がる。
善「二人とも、本当にゴメンネ…ウゥッ!」
善彦はベッドから立ちあがろうとするが、激痛が善彦を襲う。体がよろけた瞬間、上鳴と耳郎が同時に善彦を支えた。
善「アハハ…嬉しいな、思った通りだ」
耳「思った通り?」
上「何がだアホ! ヒヤヒヤさせんなぁ!」
倒れる善彦を支えながら上鳴が目に涙を浮かべる。すると善彦はそのまま上鳴と耳郎に体を預けた。
耳「おっ…佐竹?」
二人が困惑していると、善彦が穏やかな顔を見せる。
善「次……会えるの、いつになるかわかんないからさ…」
次の瞬間、上鳴が善彦の背中に手を回した。
上「うゔぅ…チクショウ…佐竹はこんなになるまで頑張ったのに……なんでこうなったんだよぉ」
上鳴は大粒の涙を流しながら善彦を抱き寄せる。耳郎も静かに二人に身を寄せた。
耳「つらくなったらいつでも電話しな! アンタはウチらの愛車で親友なんだから…」
耳郎からも一筋の涙が流れた。
善「二人とも…ありがとう」
善彦は二人にもたれかかりながら涙を流す。
こうして善彦は雄英を離れることになった。
善「もぉどこも痛くないなぁ」
山中の崖で善彦は座り込み、自分の手を眺める。もう傷は回復していた。
「おーい佐竹くーん」
善「はーい」
その時、善彦が後ろから声をかけられる。振り向くとそこには"ワイルドワイルドプッシー・キャッツ"のメンバーの一人、ピクシーボブこと土川流子が立っていた。
土「そろそろご飯にするよー」
善「今行きまーす」
ピクシーボブの元に善彦が向かう。善彦は今、林間合宿が行われた山の中にいた。
人里からさほど近くもなく、遠くもない。さらに人の寄りつかない場所としてうってつけということで、善彦はそこに身を潜めていた。そして生活のサポートとして、ヒーロー活動を自粛していた土川が名乗りをあげ、善彦と共にいた。
土「ここの暮らしには慣れた?」
夕食を食べながら私服のピクシーボブ、土川が善彦に声をかける。
善「ハイ、快適に過ごさせていただきます」
その問いに善彦は笑顔を見せた。
善彦が雄英から離れて一週間。何の変哲もない、穏やかな日常を善彦は過ごしている。
土「そっか……」
土川はそう言うと食事を進める。善彦も黙々と
食事済ませた。
夕食を終え、食器を片付ける。食器洗いは善彦の担当だった。
善「油汚れはぬるま湯を使って〜っと…」
善彦が皿を洗い終える時、土川が口を開く。
土「ねぇ、この後お散歩にいかない?」
善「へ? お散歩ですか?」
土川の提案に善彦が目を丸くする。
土「近くに夜景が綺麗なとこがあるんだ! 一緒に見にいこーよぉ」
土川が甘えたような表情を見せる。善彦は正直、困惑していた。
善「え、ええ行きましょう! お供します!」
しかし善彦は返事をする。それに土川は笑顔を見せた。
土「よーし! 外は寒いから厚着してねー」
土川はスキップをしながら身支度へ向かう。善彦は早々に皿洗いを済ませると、速やかに上着を羽織った。
土「さ、いこっか」
善「はい!」
身を潜めている間の為のサポートとはいえ、意中の相手と共にいる善彦は少し緊張しながら土川の後ろをついていく。
土「ねぇ、佐竹くんは…今、楽しい?」
木々もない地面を歩きながら土川が問う。
善「へ!? いや、はい! 安定した生活を送ってるぅと思っています」
土「楽しいかって聞いてるんだけど?」
善「うっ……」
善彦の答えに土川が冷ややかに返す、それに善彦は口籠った。そして少しの沈黙の後、善彦は視線を落としながら口を開いた。
善「っっっ……ごめんなさい…正直、心から楽しめていません」
言葉を詰まらせながら出した善彦の言葉で土川の足が止まる。そして善彦は言葉を連ねた。
善「クラスの皆んなが…世の中の人達が、自分のせいで地獄を見ています……本来ならば、自分は相応の報いを受けるはずです、それを……こんな日々を過ごして…良いはずありません」
善彦は苦虫を潰した表情で答える。すると土川はゆっくりと身をかがめた。
土「そっか…」
土川が地面に手を触れると、善彦と土川の周りを土壁が覆う。土川が個性の"土流"を発動させた。
善「な…え……へ???」
善彦が困惑していると、土川の傍に土豪剣激土が地面から出現する。そして土川はソレを手に取った。
善「え……ピクシーボブ??」
土「今は土川!!!」
善彦の言葉を遮り、土川はワンダーライドブックを開く。そして激土にセットし、肩に担いだ。
土「変身!」
《一刀両断!ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!》
土「じゃあ…始めるよ」
次回もオリジナルです
一話にまとめると長くなるので分けます