僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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主人公vsレディ・ナガンです


銃vs矢 似たもの同士

 曇り空の広がる夜。緑谷出久は男と対峙していた。

 

緑「何でお前が」

 

治崎「オヤジ…オヤジの元へ早く」

 

 人気のない道路の中心で緑谷の目の前に立っているのは、壊滅した死穢八斎會の若頭 治崎廻だった。

 

治「だがその前に…緑谷出久ぅ、お前のケジメをつけなければならねぇええ!!」

 

 治崎が喉を千切らんばかりの勢いで声を上げる。そして両腕を広げた。

 

緑「な、ウデが!」

 

 敵連合に破壊されたはず治崎の両腕、ヨレたワイシャツから見える手は街灯に照らされ、鈍色に光り、不気味な機械音を鳴らす。

 

緑「義手!? そうか、アークワンに変身したAFOに作ってもらったのか」

 

 治崎の腰にはレイドライザーが着けられている。そして治崎はプログライズキーを起動させた。

 

《バースト!》

 

 治崎はそのままプログライズキーをレイドライザーにセットし、ボタンを押す。

 

治「実装ぉおお!!」

 

《レイドライズ!》

《ダイナマイティングライオン!》

《A beautiful explosive force like fireworks.》

 

 治崎の身体に鎧が装着され、ダイナマイティングライオンレイダーに変身する。

 

緑「いいよ…次こそ決着だ」

 

 緑谷は眉ひとつ動かさずに、ビルドドライバーを装着する。そしてハザードトリガーを取り出した。

 

《ハザードオン!》

 

 緑谷はフルボトルを振ると、ベルトにセットする。

 

《タンク!タンク!》

 

 ベルトに差したのは2本の黒いタンクフルボトル。緑谷はハンドルを握り、それを回した。

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

《Are you ready?》

 

緑「変身」

 

《アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!》

 

 緑谷はフレームにプレスされると、鎧が装着され、変身を完了させる。

 

 緑谷は桐生戦兎の変身する仮面ライダービルドではなく、仮面ライダーメタルビルドに変身していた。

 

治「その姿ぁ……オヤジに会う前にお前を片付ける!」

 

緑「悪いけど、すぐに終わらせるよ」

 

 治崎は怒りのままに、左腕のガトリングガンを乱射する。緑谷は地面を蹴り、そのまま治崎に走る。それが開戦の合図となった。

 

 

A「君には…ある少年の指を持ってきて欲しいんだ」

 

ナ「ゆびぃ? んだそのキモい注文」

 

 破壊されたタルタロス、アークワンに変身しているAFOからの言葉にナガンは顔をしかめる。するとAFOは不気味な笑みを浮かべる。

 

A「佐竹善彦…彼の個性は死んでも消えない、指紋さえあれば音が出て光るだけのオモチャを世界を混沌へと陥れる兵器にできる」

 

ナ「へっ、男の子はいくつになってもオモチャが好きだねぇ」

 

 楽しそうに語るAFOをナガンは鼻で笑う。直後、アークドライバーから赤い光がナガンの腰に伸びる。そして3Dプリンターのようにレイドライザーを生成し、それがナガンの腰に巻き付いた。

 

ナ「うおっ!? なんだコレ」

 

A「このままでは、君の願ったヒーロー社会の破滅は決して訪れる事はないそれは贈り物だ…」

 

 巻き付いたレイドライザーに手を当てると、ナガンの目から温度が消える。

 

ナ「偽りの希望…か」

 

A「憎きヒーローを止めろ、それが契約の証だ」

 

 そして都市から離れた山中、そこでも戦いが始まろうとしていた。

 

ナ「任務を遂行する」

 

 ナガンは静かにライフルを構えた。

 

善「ってぇ…血ぃ止まらん」

 

 土壁に寄りかかりながら善彦が右手で左肩を押さえる。

 善彦はレディ・ナガンに左肩を削られていた。

 

土「みせて、止血する!」

 

 その時、土川が即座に善彦に駆け寄る。そして懐からポーチを取り出し、そこから包帯と消毒液を出す。

 

善「準備いいですね…」

 

土「山岳救助専門だからね! ちょっと染みるよ」

 

 土川は迅速に応急処置を施す。その最中、善彦は狙撃された方向を見ていた。

 

善「夜って事もあるけど、どこにいんのかわかんない…」

 

 土壁の影から山間を凝視する。その直後。

 

善「どわぁ!?」

 

 突如、何かが光ったと同時に銃弾が善彦を襲う。ギリギリで顔を引っ込めた為、善彦は直撃を免れた。

 

善「はやいのがめのまえでピュゥンて…」

 

土「コラ! 壁から顔出さないの!」

 

 土川が善彦を壁の内側に引っ張る。善彦の心臓はバクバク鳴っていた。

 

ナ「フン…壁が邪魔だな」

 

 善彦から遠く離れた距離でナガンが呟く。そしてポケットからプログライズキーを取り出し、ボタンを押した。

 

《サーチ!》

 

 ナガンはプログライズキーをレイドライザーにセットする。

 

ナ「実装」

 

 ナガンは静かに一言発すると、レイドライザーのボタンを押した。

 

《レイドライズ!》

《スカウティングパンダ!》

《There is nothing unknown to his eyes.》

 

ナ「フン…」

 

 そしてレディ・ナガンはスカウティングパンダレイダーへと姿を変えた。

 

ナ「さてと…どんなもんかね」

 

 ナガンは狙いを定めると、土壁を狙撃する。

 

善「とにかく、変身して反撃の一手を探さないと…」

 

ドゴォン!!

 

 善彦が立ち上がった瞬間、善彦のすぐ横の土壁に風穴が空いた。

 

善「……」

 

土「早く変身しよう」

 

 土川は立ち上がると共に土豪剣激土に玄武神話をセットした。

 

ナ「随分いいじゃないか、気に入った」

 

 ナガンは崩れた土壁を覗き、仮面の中で満足げな表情を浮かべる。

 すると自身の横を二本の矢が通った。

 

ナ「あ?」

 

 ナガンが目を凝らすと、土壁の影にガシャコンスパローを構えた善彦の姿があった。

 

善「よぉし! コッチの矢は届きますわぁ!」

 

土「っしゃあ! 壁は作っから前進じゃあ!!」

 

 ガシャコンスパローの射程内である事を知った二人はハイテンションで声を上げる。

 

ナ「チッ、矢と銃じゃ比べるまでもないだろうが」

 

 ナガンはライフルを構えると再び一射放つ。

 

土「うぅらぁ!」

 

 しかし直後、土川が地面に手をつき土壁を作る。ナガンの放った弾丸はその壁を穿たなかった。

 

ナ「なに?」

 

土「威力がわかればそれに応じた壁が作れるわい!」

 

 土川は激土の力を個性に付与し、地中の硬い鉱石を集め、土壁を形成していた。

 

善「レーザーの視力でようやく敵がクリアに見えました! このまま二人で突っ切りましょう、流子さん!」

 

土「オッケー善彦くぅん!!」

 

 そして土川が壁を作りながら前進し、壁の影から善彦が狙撃する。そして進撃を同時進行するという陣形が誕生した。

 

ナ「私の個性を知らないようだな」

 

 爆進する二人を覗くナガンは放たれた矢を避けながら眉をひそめる。そしてライフルを撃った。

 

土「この盾には通じないっての!」

 

 銃声を聞いた土川が口角を上げる。しかし次の瞬間、壁に向かう銃弾の軌道が曲がり善彦の脇腹に直撃した。

 

善「いだぁあ?!」

 

土「曲がった!?」

 

 変身していた為、貫通は免れたが善彦はその場に膝をつく。

 

善「忘れてた…個性『ライフル』、曲射もお手のものでしたね…」

 

土「善彦くん!」

 

 善彦は脇腹を抑え、プルプル震えながら言葉を吐く。すると二発の銃声が響いた。

 

土「ちぃいい!」

 

 土川は向かってくる弾丸を激土で叩き落とす。そのうちの一発が地面にめり込んだ。

 

ナ「随分と楽しそうだな」

 

善「へ?」

 

 めり込んだ弾丸にはスピーカーが入っている。スピーカー越しにナガンは続けた。

 

ナ「アンタらは目の前の正義しか見えてない、羨ましいよ」

 

善「何が言いたいんです?」

 

 善彦が問いかけると、ナガンの目から温度が消える。

 

ナ「つくられた正義しか見えてない、そんな色に染まった人間には理解できねェさ」

 

善「色?」

 

 善彦が首を傾げて刹那、土壁を避けた弾丸が善彦を襲う。

 

善「ドリャ!」

 

 善彦はそれを必死で避け、鎌モードのガシャコンスパローで弾き返す。すると弾いた弾丸から声が聞こえた。

 

ナ「疲れちまったのさ…沢山殺した」

 

善「え…」

 

 次の瞬間、無数の弾丸が善彦と土川を襲う。

 

ナ「偽りの社会を維持する為に」

 

土「ぬぁあ!!」

 

 土川は激土を振るい、弾丸を払う。しかし何発かは貰っていた。

 

土「っつう! 善彦くん大丈夫!?」

 

 土川が痛みを堪えながら善彦に声をかける。その時、善彦は地面に膝をつきながら動かなかった。

 

善「ふぅぅ……」

 

 善彦が息を整えている間、ナガンが過去を語る。世の秩序を守る為に敵を殺し続けた事、公安委員会の会長を殺害した事を。

 

ナ「誰もが空想し、憧れた超人社会は、薄く脆い虚像、そんなもの取り返してどうなる…繰り返すだけだ」

 

 ナガンは語りながらライフルを構える。その表情は酷く無機質だった。

 

ナ「AFOの支配する未来の方が、まだ幾らか澄んでるだろうぜ」

 

 そして善彦めがけて無数の弾丸が襲ってきた。

 

土「善彦くん!」

 

 土川は自分に向かう弾幕の制御に手が離せない。無数の弾丸が善彦に向かう刹那。

 

善「フッ!!」

 

 善彦は自身を囲む弾丸を全て鎌で叩き落とした。

 

土「へ…」

 

 土川がその光景に言葉を失う。

 

善「流子さん…ここからは自分に行かせてください」

 

《ジェットコンバット!》

 

 善彦はその一言と共に、プロトジェットコンバットガシャットをドライバーに挿した。

 

《ぶっ飛び!ジェット!ドゥ・ザ・スカイ!フライ!ハイ!スカイ!ジェットコンバット!》

 

 善彦は仮面ライダーレーザーターボプロトコンバットバイクゲーマーレベル0に変身する。

 

土「ち、ちょっと善彦くん!」

 

善「テイクオフ!」

 

 土川の声を他所に善彦が飛び立つ。こちらに向かう善彦にナガンは眉間に皺を寄せた。

 

ナ「何のつもりだ…」

 

 ナガンは善彦に照準を合わせ、引き金を引く。

 

善「よっと!」

 

 しかし善彦は旋回し弾丸を避けた。だが善彦を通り抜けた弾丸は軌道を変え、背後から襲いかかる。

 

善「大体読めるぅ!」

 

 善彦は鎌を一振りし、振り向き様に弾丸を両断する。

 

ナ「安心してる場合じゃないぞ」

 

《スカウティングボライド!》

 

 ナガンはレイドライザーのボタンを押し、ライフルを善彦に向ける。引き金を引くと、銃口から凄まじい勢いのビームが発射された。

 善彦は鎌を振り終えた体勢。切り返しができず、善彦にビームが迫る。

 

善「読めるって言ったぁああ!!」

 

 次の刹那、善彦は強引にジェットパックからジェットを吹き出す。その勢いで善彦はビームを回避した。

 

ナ「なっ無理やり避けた!?」

 

 善彦の力づくの回避にナガンが目を見開く。ナガンのライフルからはまだビームが射出されている。

 

ナ「クソっ! 勢いが強すぎて個性が上手く使えない」

 

 ナガンはビームの軌道を変えようと試みるが、弾丸のように動かせない。

 

善「弾丸が効かなかったら大技撃つと思ったんすよぉ!!」

 

 ナガンが戸惑う隙に、善彦は突っ込んだ。

 

善「おらぁあぁあ!」

 

ナ「ぐぅうう!!」

 

 突っ込みながらジェットコンバットのガシャットを外す。そして善彦は渾身の力で右手のガシャコンスパローを振り下ろす。ナガンはそれをライフルの銃身で受け止めた。

 

土「遠くだから何にも見えない! 早く行かなくちゃ!」

 

 善彦とナガンの戦いを眺めていた土川は急いで戦地に走る。その時、離れた山中で、善彦とナガンは拮抗していた。

 

善「近接戦ならコッチの領域ですねぇ!」

 

 善彦は鎌を強く押し込み、ナガンのライフルを抑える。

 

ナ「ナメるなガキがぁ!」

 

 しかしナガンは強引にライフルを発砲する。そして軌道を曲げ、善彦に走らせた。

 

善「っだあぁ!!」

 

 弾丸は善彦の背中に喰らいつく。だが善彦は力を緩めなかった。

 

ナ「いい加減離れろ! こんなの意味ないだろ!」

 

善「アナタねぇ、ゴフッ! 何人も殺したとか言ってるけど…自分のほうが何倍も殺してるんだよ!」

 

 善彦は仮面の中で血を吐きながら声を上げる。その異様な迫力にナガンは言葉を止めた。

 

ナ「なっ…」

 

善「自分のせいで、敵が蔓延った…守るべき人達も武器を持ってしまった、被害が出まくった!! 全部自分のせいなんだ!!」

 

 血を吐きながら善彦は叫ぶ。そして善彦は左手の鎌を離すと、ナガンの肩を掴んだ。

 

善「でも自分は逃げない、目を背けない! 罪を背負いながら走って戦う事を決めたんだ!」

 

 ナガンは善彦の言葉を黙って聞いていた。

 

善「さっきアナタは言った! AFOが支配する未来の方が澄んでいるだろうって、んな訳ないでしょうがぁ!」

 

 善彦はナガンをまっすぐ見据える。そして肩を掴む力が強くなった。

 

善「アナタは今…疲れてるだけだ。AFOの言葉に惑わされないで……」

 

 抉られた左肩と穿たれた背中が強く痛む。しかし善彦はそれに耐えながら言葉を紡いだ。

 

善「自分と一緒にやり直しましょう…一緒に戦って下さい! 黒い所を知り尽くしたアナタなら、みんなを導ける…あなたはまだヒーローなんだ」

 

 その言葉と共に、善彦の肩とライフルを掴む力が段々と抜けていく。二発撃たれた善彦の体は限界だった。

 

ナ「な……」

 

 ナガンはライフルを払おうとすれば簡単にできる。しかしナガンは動けなかった。

 

ナ「こいつ…」

 

 ナガンの心が揺らいでいく。その瞬間。

 

《ビー!ビー!》

 

善「へ?」

 

ナ「なんだ!?」

 

 ナガンのレイドライザーがけたたましい音を上げながら発光をし始めた。

 

A「心ってのは流動的だ…だからちゃあんと、契約不履行の場合にも、備えておいたよ」

 

 スクリーン塗れの一室、アークワンに変身しているAFOは、仮面の中で醜悪な笑みを浮かべた。

 

善「あの外道のことだ、色々と仕掛けてるはずだよな……」

 

 突如鳴り始めたアラームにナガンは思わず善彦から離れる。しかしその時、善彦はギリギリチャンバラガシャットを取り出し、ガシャコンスパローにセットした。

 

《ガシャット! キメワザ!》

 

 続けて善彦はゲーマドライバーの爆走バイクガシャットをキメワザスロットホルダーにセットした。

 

善「ヒーローの心を…特撮ファンの心を悉くコケにしやがって」

 

 この時、善彦は怒りで傷の痛みを感じていなかった。

 

善「シュウゥッ!」

 

 善彦は一瞬でナガンとの距離を詰める。そしてガシャコンスパローのトリガーを押した。

 

ナ「速い! 陸上だとこんなに違うのか!」

 

《ギリギリクリティカルフィニッシュ!》

 

 ナガンが善彦のスピードに目を見張った直後、善彦は鎌を振り上げレイドライザーのベルト帯を切った。

 

善「コッチにぃ!」

 

ナ「キャッ!」

 

 直後、善彦は変身が解除されたナガンの腕を掴み自身に寄せる。そして切り離されたレイドライザーを狙い、金色のエネルギーが充填された右脚を振り上げた。

 

善「消えろパチモン」

 

 その一言と共に、善彦はスロットホルダーのボタンを押した。

 

《爆走クリティカルストライク!》

 

 善彦の上段蹴りがレイドライザーに叩きつけられ、空高く上げられる。

 善彦はナガンを屈ませ覆い被さる。その直後、レイドライザーは上空で大爆発を起こした。

 

善「危ない!」

 

ナ「うぅう!!」

 

 激しい爆風が善彦とナガンに襲いかかる。風が止み、ナガンがゆっくりと目を開ける。

 

善「間に合ってよかった…怪我はないですか?」

 

 見上げるとそこには血塗れだが、優しく微笑みかける善彦がそこにいた。

 

ナ「………どんだけだよ」

 

土「善彦くーーん!!」

 

 ナガンが呟いたと同時、土川が合流する。その時、土川は変身を解除していた。

 

善「あ、流子さん…こっちは終わりましたよ」

 

 善彦は駆けつけた土川に顔を向ける。笑顔を見せているが、肩と背中の出血は酷かった。

 

善「あヤベ…」

 

 善彦が土川に足を向けようとした途端、体が大きく揺らぐ。

 

ナ「おっと」

 

 倒れそうになった善彦の体をナガンが受け止める。 

 

善「ナガンさん…」

 

ナ「アンタ…キラッキラの本物だったんだな、手ェ貸してやる」

 

 憑き物が取れたような表情のナガンの言葉に善彦が安堵する。

 

ナ「その真っ直ぐな気持ち…ときめいちまったよ、佐竹善彦」

 

善「ん?」

 

 直後、ナガンが善彦を優しく抱き寄せた。その瞬間、善彦の顔から血の気が引く。

 

善「ナガンさん??」

 

ナ「筒美 火伊那 私の本名だ、カイナって呼んで」

 

 ナガンは優しく微笑む。次の瞬間、強烈な殺気をナガンは感じた。

 

土「おぉい敵さぁん…善彦くんを離しなさぁぁい」

 

 ナガンが殺気の方を向くと、そこには激土を担いだ土川が立っていた。

 

善「り、流子さ…」

 

ナ「やーだよ、こいつは私に一緒にいようって言ってくれたんだ。もう私んだもんね」

 

善「あの…それ拡大解釈」

 

 ナガンは善彦を抱いたまま、プイッと土川に背を向ける。もう土川は激土を振り上げていた。

 

土「とっとと離れろォ!」

 

ナ「よっと」

 

 振り下ろされた激土をナガンは善彦を抱えたまま避ける。

 

ナ「ヒステリックな女だ、これからは私が一緒にいてあげるからな善彦…」

 

善「あの…もう血がなくなって…」

 

 善彦は抗う気力も残っていない。その時、一つの影がナガンと善彦の前に現れる。

 

ミ「おぉ愛弟子ぃ! やっぱりいたぁ!」

 

土「ミルコ!? なんでアンタここに」

 

 突如現れたのはヒーローのミルコ。ミルコは三人の前に立つと、伸びをしながら語り始める。

 

ミ「アタシの愛弟子が落ち込んでるって聞いたから探してたんだよ、そしたら爆音と聞いたことある声が聞こえたから駆けつけた! んだこの状況!!」

 

 ミルコが話すと、ナガンに抱かれる善彦が視界に入る。その姿にミルコは目を細めた。

 

ミ「んん〜? 愛弟子がボロボロだぁ、それにオメェ昔見たことあんぞ? アタシの弟子返せ」

 

 ミルコはナガンにズンズンと歩み寄る。ナガンは頬を膨らませると、ミルコに背を向けた。

 

ナ「そういうあんたはミルコか、お前がこの子の師匠な訳ないだろ、渡すもんか」

 

土「ここまでボロボロにしたのアンタだろうが!早く善彦くんをコッチ渡せ!」

 

 土川は怒鳴り声を上げながらナガンに激土の切先を向ける。

 そして三人の睨み合いが始まった。

 

善「助けてぇ…」

 

 その中心で善彦はか細い声で吐き出した。




色々と複雑になりましたが話は進めます
緑谷のメタルビルドは
ヒーローだけどヒーローらしくない異形の存在となった緑谷をどう表現するかと考えた結果、同じビルドだけど全然違うメタルの方にしてみました。
次回は緑谷回にしようと思います
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