僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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緑谷VS A組です


絶対行かせない

治「話が違うぞ……オレ…オレ…は」

 

 冷たい雨の降る夜、治崎はアスファルトの地面に大の字に倒れていた。うわ言のようにブツブツと繰り返し、AFOに作られた義手は粉々に砕けている。

 

治「俺は…オヤジに謝り…た…」

 

 治崎はモゾモゾと動きながら、自身の傍に落ちているプログライズキーに無い手を伸ばそうとする。

 しかしそれを、漆黒の足が踏み砕いた。

 

緑「その気持ちを…少しでもエリちゃんにむけろよ」

 

 全てが黒に染められた仮面ライダーメタルビルド。

 緑谷は変身を解除すると治崎に背を向ける。すると目の前に黒のスーパーカーが停まった。

 

オ「少年無事か!」

 

 車からオールマイトが飛び出すと同時に、エンデヴァーが空から降りる。

 

エ「治崎廻確保だ! 警察に連絡!」

 

ホ「緑谷くん……は無傷か、すごいな」

 

 ホークスも緑谷に駆け寄るが、無傷で立つ姿に思わずその足を止める。

 

緑「AFO…」

 

 緑谷の中で黒い感情が渦巻く。そして善彦の元に居るナガンから得た情報で緑谷含むプロヒーローが敵の潜むと言われた屋敷に潜入した。

 しかしあったのは一つのモニターのみ、その画面には仮面ライダーアークワンに変身したAFOが映っていた。

 

A「次は君だ」

 

 結局、情報は全てAFOの罠だった。即座に全員逃げた為、怪我人はなかったがAFOの緑谷を狙う宣言が緑谷に覚悟を決めさせた。

 

緑「僕はもう…大丈夫ですから」

 

オ「少年!」

 

 オールマイトは気づいていた。緑谷の行動は自暴自棄ではなく、自分を巻き込まないようにするため、そしてOFA継承者としての使命からの行動だと。

 

緑「だから心配しないで」

 

オ「待っ…!」

 

 オールマイトの静止を振り切り、緑谷は飛び立つ。

 そして単独で敵とダツゴクを狩り始めた。

 雨の中、一対多数の戦いの日々、安寧もなく、人里から離れ、誰とも会わずに。

 その中で、遂に出会ってしまった。一番会いたかったけど、会ってはいけない人達に。

 

爆「てめェ〜は今、笑えてンのかよ?」

 

 独りで戦う中で、A組の皆が緑谷の前に現れた。

 爆豪の声に、緑谷は顔を下げる。そして小声で呟いた。

 

緑「笑う為に…安心してもらう為…」

 

 緑谷は語りながら腰にビルドドライバーを巻く。そしてハザードトリガーとフルボトルをセットした。

 

緑「行かなきゃ……だから……」

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

 

《Are you ready?》

 

緑「変身」

 

《アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!》

 

 緑谷の体が黒い型にプレスされる。そしてA組の前に現れたのは、禍々しいオーラを放つ仮面ライダーメタルビルド。

 

爆「それぁヒーローじゃねぇだろうが…オールマイト気取りやめてダークヒーロー気取りかよお!」

 

《クローズドラゴン!》

 

飯「緑谷くんが変わらないのは知ってる…やるぞ諸君!」

 

《アクセル!》

 

麗「うん!」

 

《コブラ!》

 

 飯田の一言で、A組が各々のベルトと変身アイテムを取り出す。

 そして全員変身を完了させた。

 

緑「ありがとう…きてくれて」

 

 緑谷は静かに4コマ忍法刀を取り出す。

 

《隠れ身の術! ドロン!》

 

緑「煙幕(6th)‼︎」

 

 次の瞬間、4コマ忍法刀の切先を地面に突き刺すと同時にOFAの六代目の個性を発動させる。ビルドの力と合わさった煙幕は通常の煙幕よりも濃く広範囲に広がるよう強化されていた。

 

切「煙幕!?」

 

麗「これは六代目の!」

 

 突如視界を覆う広範囲で濃密な煙に皆の足が止まる。しかし爆豪はクローズマグマナックルを地面に向け構えていた。

 

《ボルケニックナックル! アチャー!》

 

爆《爆風地雷‼︎》

 

 爆風が緑谷の煙幕を一気に晴らす。そして去ろうとする緑谷を見据えた。

 

爆「話もしねーでトンズラか、何でもかんでもやりゃできるよーになると、周りがモブに見えちまうよなぁ!?」

 

 爆豪の煽りに緑谷は反応しない。黒鞭をビルに伸ばし去ろうとした刹那、鳥の大群が緑谷を覆った。

 

口「戻ってきて大丈夫だって‼︎ 緑谷くん! 校長先生が戻ってきておいでって‼︎ ね!? だから逃げないで‼︎」

 

 口田が声を張り上げて緑谷に呼びかける。

 

緑「口田くん…ごめん」

 

 しかし緑谷は鳥たちを押し除け、黒鞭を伸ばした。

 

《キンキラジャー!》

 

緑「?!」

 

 緑谷の黒鞭に金色の鎖が巻き付く。

 

瀬「黒鞭垂らしっぱにしてんのコエーよ警戒するわ!」

 

 鎖の先にはキニンジャーに変身した瀬呂が宙を舞っていた。

 

緑「瀬呂くん…」

 

《テリトリー!》

《Progrise key confirmed. Ready to utilize.》

 

緑「っ!」

 

 突然聞こえた音声に緑谷がその方を向く。そこにはアタッシュショットガンを構えた仮面ライダーバルキリーが立っていた。

 

《トラッピングカバンショット!》

 

耳「緑谷ァ!」

 

 耳郎が緑谷に向けて粘着弾を発射する。空中で蜘蛛の巣状に展開するが、緑谷は空を蹴りそれを避けた。

 

耳「どーでもいいことなんだけどさ! 文化祭の時に要点のまとめ方教えてくれたの、かなり助かったんだよね!些細なことだけど…すっごい楽しかったんだよね!」

 

 耳郎は逃げる緑谷に叫ぶ。その時、緑谷の体を釣り糸が縛った。

 

緑「これは…」

 

尾「釣れたぁ!!」

 

 緑谷が糸の伸びる方を見ると、ビルの上でジュウオウザガンロッドの釣り竿モードを構える尾白が踏ん張っていた。

 

尾「体育祭の心操戦覚えてるか!?お前が俺の為に怒ってくれた事! 俺は忘れない! お前だけがボロボロになって戦うなんて! 世界の王者として見過ごせない!!」

 

 尾白はリールを巻きながら緑谷に伝える。その時、尾白は糸が震えるのを感じた。

 

緑「僕がいると…みんなが危険なんだ…!」

 

 緑谷の脳裏に浮かぶのは、皆が深い傷をおった記憶。糸をブチブチとちぎりながら緑谷は拘束を抜け出した。

 

緑「AFOに奪われる! だから離れたんだ!」

 

 緑谷が糸から解放された直後、ハリケンレッドに変身した常闇が緑谷に突っ込んだ。

 

常「超忍法・空駆け! 押せ黒影!!」

 

 常闇が黒影と共に廃ビルに突っ込む。それと同時、信号機の上に乗った砂藤が緑谷に声を上げる。

 

砂「緑谷!聞いてくれ! おまえは特別な力持ってっけど! 気持ちは俺らも同じだ! さっき口田の言った学校の話もさ‼︎ 聞いてくれ! でなきゃもうエリちゃんにリンゴアメ作る時、食紅貸してやんねー!」

 

 廃ビルの中、緑谷は柱に寄りかかっていた。

 

緑「いいよ……エリちゃんだって…僕からじゃなくていいよ」

 

 緑谷はブツブツと繰り返す。すると寄りかかっていた柱から無数の腕が生え、緑谷を拘束した。

 

八「初めは一同、あなたについて行くつもりでした。今はエンデヴァー様と協力のもと、"個性"を行使しています。緑谷さんの安全を確保するという任務で」

 

 奥から八百万が語りながら出てくる。しかし緑谷は一瞬で機械の拘束を破壊した。

 

緑「もう…かまわなくて…いいから…! 僕から離れてよ!」

 

 そして黒影と機械を引き摺りながら進もうとする。

 

上「やなこった‼︎」

 

《トマーレ!》

 

緑「うっ!?」

 

 窓から飛び出そうとした瞬間。緑谷の動きがぴたりと止まる。そして仮面ライダーマッハに変身した上鳴が緑谷の肩に腕を回した。

 

上「緑谷! OFAだかも大事だと思うけど! 今のおまえにはもっと大事なもんがあるぜ! 全然趣味とか違げーけど! おまえは友だちだ! だから無理くりにでもやらせてもらう!」

 

 上鳴は緑谷に寄り添い、言葉をかける。すると障子が前に出た。

 

障「このメンツならオールマイトだって怖くない。合宿襲撃時におまえが言ったセリフだ、おまえにとって俺たちは、庇護対象でしかないのか?」

 

常「ここは暗くていい……黒影」

 

 次の瞬間、黒影が緑谷の体を覆う。

 

常「超忍法・終焉(ラグナロク)『胎』」

 

 巨大化した黒影が緑谷を完全に覆い尽くした。

 

常「黒影の攻撃力を"防"に利用するのは、おまえのアイデアだったっけな、緑谷」

 

 常闇は落ち着いた様子で緑谷に声をかける。黒影の中で上鳴は緑谷に声をかけ続けた。

 

上「とりあえず風呂入ろな!?佐竹がオススメしてくれたライダーで言ってたんだよ! マジで緑谷風呂行こ!」

 

緑「頼むから……」

 

 皆が心配してくれている。思ってくれている。しかしそれに委ねてはならない。その葛藤が、緑谷のハザードレベルを一気に引き上げた。

 

緑「うあああ!!」

 

 緑谷は黒影を振り払い、廃ビルから飛び出す。その時の緑谷は、八百万の機械の残骸を身に纏い、ファントムビルドにその姿を変えていた。

 

常「終焉をこじ開けるとは…」

 

上「おいおい緑谷ぁ…その姿じゃダメだろうがぁ」

 

 上鳴は去って行く緑谷を前に目に涙を浮かべる。

 緑谷はファントムビルドのジェットで飛行しながら、歯を食いしばっていた。

 

緑「わかってる! 皆が心配してくれてる! 心の底から心配してくれてる! わかるんだ…だって先から…危険や害意を捉えるはずの「危機感知」が全く反応しないんだ!!」

 

 緑谷はそのまま飛び立とうとする。

 

緑「だから…! 離れてよ…頼むから僕は! 大丈夫だから!!」

 

轟《穿天氷壁・極》

 

 緑谷が飛び立とうとした刹那、巨大な氷壁がせり上がり、緑谷がそれに突っ込む。壁の上には仮面ライダーブレイブに変身した轟が立っていた。

 

轟「なんだよその姿、責任が…全てを許さねぇか、その責任…俺たちにも分けてくれよ」

 

 氷壁と対するビルの壁に、蛙吹が張り付く。そして緑谷をじっと見据えた。

 

蛙「行かせないわ、もうオロオロ泣いたりしない。大切だから、怖い時は震えて辛い時には涙を流す私のお友だち。あなたがコミックのヒーローのようになるのなら、A組、一人で架空へは行かせない」

 

 そう語る蛙吹の目には不退転の決意が込められていた。

 

緑「う、ううう!!」

 

 緑谷は何も返さず、ドライバーのハンドルを回す。すると氷壁に大きな亀裂が入った。

 

轟「緑谷! 今の状態がAFOの狙いかもしれねェだろ!その隙に雄英を狙ってくるかもしれねェ!」

 

 轟は声をかけるが、緑谷はハンドルを回し続ける。

 

轟「そんなナリになるまで駆け回って見つかんねェなら次善策も頭に入れろ! 大切な雄英を守りてぇってんなら! 離れず側にいるって選択肢もあるだろ‼︎ 俺たちも一緒に戦わせろ!」

 

緑「できないよ……」

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

 

A「次は君だ」

 

 緑谷の脳内にAFOの声が巡る。緑谷はハンドルを回し続けていた。

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

 

緑「これはOFAとAFOの戦いだから、皆はついてこれない」

 

《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》

 

 緑谷の半身はもう氷壁から飛び出ていた。

 

《ハザードフィニッシュ!》

 

 緑谷はジェットを噴射し、強引に氷壁から抜ける。

 

蛙「緑谷ちゃん!」

 

 それと同時、蛙吹が舌で何かを投げた。

 

緑「うっ…」

 

 その時、緑谷の速度がガクンと落ちる。緑谷が視線を向けると、自身の背中に紫の球体が張り付いていた。

 

峰《スーパーミネタビーズ10連(テンジョイント)!!》

 

《ブドウアームズ! 龍・砲・ハッハッハッ!》

 

 球体の端には、仮面ライダーグリドン・ブドウアームズに変身した峰田が、ブドウのエネルギーを伝いながら緑谷に向かっていた。

 

峰「おまえのパワーがカッケェなんてオイラ思ったことねぇや! オイラが惚れたお前は! 冷や汗ダラダラで!プルプル震えて! 一緒に道を切り拓いたあん時のおまえだ!」

 

 峰田は目に涙を浮かべながら、緑谷に滲みよる。しかし緑谷は黒鞭で峰田を引き剥がした。

 

緑「ごめん峰田くん…」

 

 緑谷は再び飛び立とうとする。その頭上で、仮面ライダージャンヌに変身した麗日は待ち構えていた。

 

麗「行かせてたまるか! デクくん! あん時とはちゃう! 私わっ!」

 

 麗日の言葉より先に、緑谷は飛び立つ。しかし麗日は折れなかった。

 

麗「皆ぁ!!」

 

 麗日の呼び声と共に出現したのは、轟によって作られた氷の滑走路。その先端に、仮面ライダーアクセル、飯田は立っていた。

 

飯「君はいつだって俺の先を行く」

 

 飯田はドライバーからガイアメモリを抜くと、アクセルメモリに強化アダプターをセットした。

 

《アクセル!アップグレード!》

 

 そしてメモリをドライバーにセットする。そしてハンドルを捻った。

 

《ブースター!》

 

 次の瞬間、赤のアクセルから黄色のアクセルへと姿を変える。

 

轟「ついてこれねぇだと…?」

 

 それを見た轟は、続けて緑谷の方を向く。その時、飯田の背中から、青白い炎が噴射されていた。

 

飯「振り切らせてたまるか!!」

 

 飯田は飛び立つと、一気に緑谷との距離を縮める。

 緑谷も飛び立とうとするが、飯田の方が速かった。

 

飯「君はいつだって俺の先を行く! だから! だから俺はいつだって!!」

 

 飯田は超スピードの中、手を伸ばす、そしてその手が緑谷の手を掴んだ。

 

飯「君に挑戦するんだ!!」

 

 飯田は緑谷を追い抜き、そのまま前に出る。強く、そして優しく握られたその手を緑谷は払うことができなかった。

 

緑「そんな…ダメだ…離して…!」

 

飯「離さない! どこへでも駆けつけ、迷子の手を引くのがインゲニウムだ、そして…助け合うのが仮面ライダーだ!」

 

 そう言う飯田の声は、酷く篭っている。だが飯田は、仮面の中で泣きながら微笑んで見せた。

 

飯「余計なお世話ってのは、ヒーローの本質なんだろ」

 

緑「あ、あぁ……」

 

 緑谷の変身が崩れるように解除されていく。飯田は緑谷の体を受け止めると、そのまま着地に向かった。

 

飯「上手く着地できるか…ウグッ!?」

 

 着地に向かう最中、飯田の体を激痛が襲う。ブースターの副作用に変身が強制解除された。

 

飯「しまった!」

 

切「倒っれねぇぇぇぇ!!」

 

 落下する二人を切島が受け止める。

 

 そして

 

爆「今までごめん」

 

 この一言が、決着の合図となった。

 

爆「おまえが拭えねぇもんは俺たちが拭う。理想を超えるために、おまえも雄英の避難民も街の人も、もれなく救けて勝つんだ」

 

 爆豪の曝け出した、本心と胸の内。それは緑谷を打ちのめした。

 

緑「みんなとっくに…僕なんかよりずっと先に」

 

 緑谷は一歩前に踏み出す。

 

緑「ついてこれないなんて…酷い事言って……ごめん……」

 

 しかし限界を迎えた緑谷の体は前のめりに傾く。

 

爆「わーってる」

 

 倒れゆくその体を、爆豪は受け止めた。

 

八「とりあえず、第一関門はクリア…ですわね、ここからはより険しいですわ」

 

麗「うん」

 

 八百万の言葉に麗日は静かに返す。しかしその目には、決意がはっきりと込められていた。

 

耳「グスッ……よかったね、緑谷」

 

上「あぁ…よかった」

 

 目の前の光景に、耳郎は浮かべた涙を拭う。その隣で、上鳴は山の方を向いた。

 

上「佐竹ぇ…おまえも早く戻ってこいよな」

 




今回これが年内最後となります
原作漫画もアニメも終わってしまいましたが、
どうかお時間ありましたら来年もよろしくお願いします
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